2026
■会食場所の決め方
++++
「そしたら今日はこんな感じかな。お疲れさまでした」
「お疲れさまでーす」
「ですですぅ~」
「ですー」
インターフェイス夏合宿の番組はそれなりに形になりつつあって、打ち合わせも回を追うごとに内容が濃くなっているのを感じる。最初はどうなることかと思った賑やかな1年生たちも、やるときはきちんとやるタイプの子たちだったので一安心。
今回は機材を使っての練習だったので、会場は向島大学だった。本番で使うインターフェイスの機材環境と一番近いから、星港中心街からは遠くてもここで練習するのが近年のトレンドとなっているそうだ。それが終わってさあ解散か? という流れになる。
「あの! 皆さん良かったらなんですけど、寿司でも食いに行きませんか?」
「うし丸が回らないお寿司を食べさせてくれるって!?」
「くれるってー?」
「そんな金あったら学費に回すわ! そうじゃなくて回転寿司なんですけど、今俺の好きなアニメとコラボしとって、グッズ集めたいんで人海戦術を使わせてもらえんかと」
「俺は夕飯準備する手間が省けるし行ってもいいよ」
「将門~! お前ええ奴やな!」
「すずゆめはどうする?」
「すずはどっちにしても当麻さんについてくことになるんでぇ~」
「右に同じですー」
「2人の意向で俺がどうするか決まる」
「私は行こうかな。せっかくだし、班でこういう機会のがあってもいいと思う」
「レナさんがそう言うなら行くですぅ~」
「ですー」
足のある私とうっしーは各々の愛車で、他のメンバーは当麻の運転する車で店を目指すことに。如何せん向島大学は、足がないとサークル室棟に行くまでが物凄く不便だ。この真夏に徒歩で山道を登りたくない。うっしーがみんなに念押ししていたのもそこだった。
「そしたらレナ先輩、行きますか!」
「先導お願いします」
「お任せあれー」
豊葦市民だといううっしーを先頭に、山道を下っていく。下って、下って、大学の講義棟を横目にまた下って、少し広い道路に出たら豊葦市街方面へ。やっぱり、同じ豊葦市の山の中にある大学と言っても緑ヶ丘大学と向島大学は毛色がちょっと違うなあと実感する。
信号で止まる度に、後ろの当麻号がついてきているかを振り向いて確認しつつ、うっしーと一言二言交わす。そしてまた街へ向かって走っていく。途中、陸さんの地元・松開を通過。ここにも店舗はあるけれど、今回うっしーが行きたいのはより強いコラボをやっている店舗だそうだ。
「いやあ、ホンマ申し訳ないんすけど、どうせコラボ楽しむならより強い店に行きたかったんすよ。今回コラボしとるんが『異世界籠球倶楽部』っつー異世界系バスケマンガが原作のアニメなんですけど、これがまーあおもろい! ……んです?」
「うっしー」
「あっはい、スンマセン」
「何を隠そう、私も『異世界籠球倶楽部』ちょっと追ってるんだよね」
「マジですか!」
バスケロボットという物の存在を学科の友達であるよっちゃんに教えてもらってから、実際のバスケットボールリーグも少し見始めた。その派生で、よっちゃんつてにバスケットボールが題材の作品を教えてもらってちょこちょこ見てた中にあったのがこれ。
バスケ漫画のバイブルから恋愛ベース、不良物、ストリートバスケ、能力物などいろいろ紹介されたけど、まさか異世界にまで進出してるとはね。まあ、バスケットボールとしてはちょっとぶっ飛んでるけど、それはそれでバスケをベースにした別競技として見られるし、楽しい。
「なので、うっしーがお寿司食べたいって言い出してくれてメチャクチャテンション上がってます。どうもありがとう」
「いやいや。まさかレナ先輩が同士やとは思いませんでしたよ」
どうせコラボを楽しむならより強い店舗へ。その気持ちはわかるので、一般店舗の松開店をスルーしたのは正しいし、何なら豊葦市駅近くの店舗の方が、これが終わった後で当麻号の3人が帰りをどうするかも選びやすくなるしそっちの方がいいとすら思う。
市街に近付くにつれ道は大きくなって、信号も長くなる。赤信号で止まる度に、異世界籠球倶楽部の話をしつつ、グッズがダブっときのことなどを話し合う。私はRG06(ガッチガチのロボット。人型でもない)が推しキャラなので、そのグッズが出たら優先的にもらえるようお願いしたり。
「なんつーかレナ先輩の推しが解釈一致過ぎますわ。あっ、レナ先輩のロボット好きの話はとりぃ先輩とかすがやん先輩からちょこちょこ聞いとりますけど」
「一般的にはクールとか落ち着いてるみたいな評価をされがちだけど、ジャンル的には特撮オタクですよ」
「メチャクチャ熱いヤツなんよ。でも一般向けにロボットとか出てくるSFとかアクション映画みたいなモンも押さえとるって話ですよね?」
「そうだね。SFもアクションも普通に好きだし」
「はー、おもろい映画とか教えて欲しいですわー」
「それはまた今度個人的に。もうちょっとゆっくり問診してから選んであげたい」
「お願いしますー。さ、店までもうちょっとですよ」
オタクという物が認知され始めたころの型とはもう大分かけ離れちゃってると思うし、どこに同士が潜んでるかは本当にわからないのが楽しくもあり、難しくもあるところ。オタクの定義もよくわからないけど、私は多分少し前の時代に放り込まれても十分オタクだ。
「ねえうっしー」
「何すか」
「あのさあ、RG06がすずのカワイイセンサーに引っかかる可能性って結構あるよね?」
「そうですかねえ? あんま可愛い寄りとは思わんのですけど」
「すずの感性」
「あっ、なくはないっす」
「RG06のぬいが欲しい! 6人いれば誰か1人は当たれ! お願いします! ランダムはクソ!」
「レナ先輩がクソっつーんは解釈不一致なんすわ」
end.
++++
リハビリ。
ランダム要素の強いコラボは人海戦術を使いたい。堂々としてるうっしーと相乗りのレナ。
多分レナの好きなロボットキャラはドローン好きの当麻も嫌いではなさそう?
(phase3)
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「そしたら今日はこんな感じかな。お疲れさまでした」
「お疲れさまでーす」
「ですですぅ~」
「ですー」
インターフェイス夏合宿の番組はそれなりに形になりつつあって、打ち合わせも回を追うごとに内容が濃くなっているのを感じる。最初はどうなることかと思った賑やかな1年生たちも、やるときはきちんとやるタイプの子たちだったので一安心。
今回は機材を使っての練習だったので、会場は向島大学だった。本番で使うインターフェイスの機材環境と一番近いから、星港中心街からは遠くてもここで練習するのが近年のトレンドとなっているそうだ。それが終わってさあ解散か? という流れになる。
「あの! 皆さん良かったらなんですけど、寿司でも食いに行きませんか?」
「うし丸が回らないお寿司を食べさせてくれるって!?」
「くれるってー?」
「そんな金あったら学費に回すわ! そうじゃなくて回転寿司なんですけど、今俺の好きなアニメとコラボしとって、グッズ集めたいんで人海戦術を使わせてもらえんかと」
「俺は夕飯準備する手間が省けるし行ってもいいよ」
「将門~! お前ええ奴やな!」
「すずゆめはどうする?」
「すずはどっちにしても当麻さんについてくことになるんでぇ~」
「右に同じですー」
「2人の意向で俺がどうするか決まる」
「私は行こうかな。せっかくだし、班でこういう機会のがあってもいいと思う」
「レナさんがそう言うなら行くですぅ~」
「ですー」
足のある私とうっしーは各々の愛車で、他のメンバーは当麻の運転する車で店を目指すことに。如何せん向島大学は、足がないとサークル室棟に行くまでが物凄く不便だ。この真夏に徒歩で山道を登りたくない。うっしーがみんなに念押ししていたのもそこだった。
「そしたらレナ先輩、行きますか!」
「先導お願いします」
「お任せあれー」
豊葦市民だといううっしーを先頭に、山道を下っていく。下って、下って、大学の講義棟を横目にまた下って、少し広い道路に出たら豊葦市街方面へ。やっぱり、同じ豊葦市の山の中にある大学と言っても緑ヶ丘大学と向島大学は毛色がちょっと違うなあと実感する。
信号で止まる度に、後ろの当麻号がついてきているかを振り向いて確認しつつ、うっしーと一言二言交わす。そしてまた街へ向かって走っていく。途中、陸さんの地元・松開を通過。ここにも店舗はあるけれど、今回うっしーが行きたいのはより強いコラボをやっている店舗だそうだ。
「いやあ、ホンマ申し訳ないんすけど、どうせコラボ楽しむならより強い店に行きたかったんすよ。今回コラボしとるんが『異世界籠球倶楽部』っつー異世界系バスケマンガが原作のアニメなんですけど、これがまーあおもろい! ……んです?」
「うっしー」
「あっはい、スンマセン」
「何を隠そう、私も『異世界籠球倶楽部』ちょっと追ってるんだよね」
「マジですか!」
バスケロボットという物の存在を学科の友達であるよっちゃんに教えてもらってから、実際のバスケットボールリーグも少し見始めた。その派生で、よっちゃんつてにバスケットボールが題材の作品を教えてもらってちょこちょこ見てた中にあったのがこれ。
バスケ漫画のバイブルから恋愛ベース、不良物、ストリートバスケ、能力物などいろいろ紹介されたけど、まさか異世界にまで進出してるとはね。まあ、バスケットボールとしてはちょっとぶっ飛んでるけど、それはそれでバスケをベースにした別競技として見られるし、楽しい。
「なので、うっしーがお寿司食べたいって言い出してくれてメチャクチャテンション上がってます。どうもありがとう」
「いやいや。まさかレナ先輩が同士やとは思いませんでしたよ」
どうせコラボを楽しむならより強い店舗へ。その気持ちはわかるので、一般店舗の松開店をスルーしたのは正しいし、何なら豊葦市駅近くの店舗の方が、これが終わった後で当麻号の3人が帰りをどうするかも選びやすくなるしそっちの方がいいとすら思う。
市街に近付くにつれ道は大きくなって、信号も長くなる。赤信号で止まる度に、異世界籠球倶楽部の話をしつつ、グッズがダブっときのことなどを話し合う。私はRG06(ガッチガチのロボット。人型でもない)が推しキャラなので、そのグッズが出たら優先的にもらえるようお願いしたり。
「なんつーかレナ先輩の推しが解釈一致過ぎますわ。あっ、レナ先輩のロボット好きの話はとりぃ先輩とかすがやん先輩からちょこちょこ聞いとりますけど」
「一般的にはクールとか落ち着いてるみたいな評価をされがちだけど、ジャンル的には特撮オタクですよ」
「メチャクチャ熱いヤツなんよ。でも一般向けにロボットとか出てくるSFとかアクション映画みたいなモンも押さえとるって話ですよね?」
「そうだね。SFもアクションも普通に好きだし」
「はー、おもろい映画とか教えて欲しいですわー」
「それはまた今度個人的に。もうちょっとゆっくり問診してから選んであげたい」
「お願いしますー。さ、店までもうちょっとですよ」
オタクという物が認知され始めたころの型とはもう大分かけ離れちゃってると思うし、どこに同士が潜んでるかは本当にわからないのが楽しくもあり、難しくもあるところ。オタクの定義もよくわからないけど、私は多分少し前の時代に放り込まれても十分オタクだ。
「ねえうっしー」
「何すか」
「あのさあ、RG06がすずのカワイイセンサーに引っかかる可能性って結構あるよね?」
「そうですかねえ? あんま可愛い寄りとは思わんのですけど」
「すずの感性」
「あっ、なくはないっす」
「RG06のぬいが欲しい! 6人いれば誰か1人は当たれ! お願いします! ランダムはクソ!」
「レナ先輩がクソっつーんは解釈不一致なんすわ」
end.
++++
リハビリ。
ランダム要素の強いコラボは人海戦術を使いたい。堂々としてるうっしーと相乗りのレナ。
多分レナの好きなロボットキャラはドローン好きの当麻も嫌いではなさそう?
(phase3)
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