2026
■これがインターフェイスなのですね
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夏合宿の顔合わせをする前に、対策委員の間で班員に関する簡単な情報交換を行っていました。傾向からすると、私の班は野球に関する話題が盛り上がりそうだなと思いました。副班長のまつりさんが野球の経験者で、1年生のうち2人が野球が好きだとのことだったので。
ただ、私自身野球に関する知識があまりないので、下手に知ったかぶって要らぬ口を挟むと信用を失うことになりかねません。ですから、もしそういった話題で盛り上がることがあれば、野球好きだとわかっていない残り2人へのフォローもしつつ、適切に相槌を打とうと考えました。
「今日の本題は顔合わせと自己紹介、それから合宿に向けた班の方針決定であったり、どのように番組を進めていくのかを話し合う、という感じにしようかと思います。まつりさん、問題ないでしょうか」
「あーもー全っ然大丈夫です。この感じだったら今後もとりぃの思うようにやってもらう感じで問題ないかと思います」
「あの、本当に、問題があれば遠慮なく指摘してもらった方が助かるのですが……」
「や、ホントに全然大丈夫だし、何なら真面目に予習しすぎてるなって思ったから今後のことも不安じゃないよ」
「そうですか? そういうことなら、ひとまず話を進めますね?」
私は今年の2月にサークルに入ったばかりなので、インターフェイス夏合宿の経験がありません。ですから、唯一合宿に参加した経験のあるまつりさんを頼ることになるだろうと思いました。ですが、あまり頼りすぎてもいけないと思い、希くんや奈々先輩、それから野坂先輩に聞いてある程度の知識は入れてきたつもりです。
ですが、今ほどまつりさんの言った「真面目に予習しすぎてる」という言葉が少し引っかかりました。確かに、こういった場面で準備しすぎて堅くなるというのは私の欠点でもあります。固定概念や、予習した進行にこだわりすぎると、一緒に活動する人の自由を奪ったりするのかな、と。
「合宿では3ペアを作り、班でトータル45分の番組を制作することになります。まずはペアを作るのがいいでしょうかね」
「そーだね。決めてこっか」
アナウンサーが私と緑ヶ丘の周さん、星ヶ丘のライさん。ミキサーがまつりさんに星ヶ丘の温大さん、桜貝の咲和さんです。星ヶ丘の2人は組むことが出来ないというのと、このメンバーであれば2年生同士も極力避けた方が良いことを考えると……。
「私と咲和さん、周さんと温大さん、ライさんとまつりさんペアということでいいでしょうか。周さんと温大さんは1年生ペアになってしまいますが、周さんは緑ヶ丘大学でラジオの活動を普段からやっていると思いますから、番組についてはお任せしても…?」
「あ、はい。極力」
この周さんという人が、今年の緑ヶ丘の1年生では見かけによらず最も癖が強いのではないか、という話は各方面から聞いています。パッと見の属性やキャラクターが濃いのは中さんや琉生さんだという話ですが、周さんはそもそもにおいて人の話を聞かないという節があると。
日常が野球中心で、常に何かしら野球の情報を入れようとしているそうなのです。今は一応スマホを置いてもらっていますが、頭の中はきっと野球のことでいっぱいなのでしょう。ラジオのサークルに入ったのも、野球中継の実況アナウンサーに興味を持ったからという話ですし。
私が野球のことを少し勉強しようと思ったのも、周さんとどうにか会話を成立させるためだと言っても過言ではありませんでした。結局、付け焼き刃の知識でどうこうすることは諦めたのですが。今の返事も無表情ですし、あっさりしすぎているので、どういう反応かよくわかりません。
「ええと、今後、班の意志疎通を少しでも取りやすくするために、本題からはそれますが少し雑談をしましょう。お互いをもう少し知る時間とも言いますが」
「ライさんて、その名前インターフェイスのためにつけてきたの? 班でそういうこと全然聞いてなかったんだけど」
「班では後々必要になるよーって聞いてたんだけど、モリ子が決めようって言うから考えたって感じかな。名前が朝日だからライジングサンの略でライさんだよ」
「へー、“さん”までがちゃんと含まれてるんだな。いい名前じゃん。俺もちゃんとしたの考えよっかなー」
「いいと思うよー」
「同じ星ヶ丘大学にいても知らないことはあるのですね」
「同じ大学でも違う班の人のことはあんまりよく知らないんですよ。それでなくても源班は違う部屋で練習してますし」
「温大のいる今村班も、実質バンドなので外で練習してて、班ぐるみでの交流はあんまり?」
「個人だったら深青さんと彩人さんが結構仲良いよな」
「そうだねー」
「先程のDJネームの由来を聞くと、ライさんは、ライさんさんと呼ぶのが正しい感じですか?」
「ライさんが正しいですけど彩人さんとかはライって呼んでますし何でも。あっでもライさんさんはちょっと違いますねー」
ライさんは穏和な感じで、温大さんもそこまで気性は荒くなさそうです。あるいは、ライさんと話すことでそうなっている可能性もありそうです。
「周はさ、すごい野球好きみたいじゃん」
「うん」
「えっと、俺みたいなのって邪道かなあ」
「どんなの」
「野球場の雰囲気が好きで、ドームとか他の球場にふらっと見に行って、プロだったらチーム問わず応援歌を口ずさんだり、イベントを楽しんで、アマチュアだったら外野で何となく試合を眺めながら、声を聞いたり、ファールボール避けたりするの。あんまり選手とかデータとかは詳しくないんだけど、雰囲気楽しむ系?」
「それはそれで、すごくいいと思うよ」
「あ、許された」
「俺は自分の楽しみ方を他の人には強いない方」
「でも、知ってたらもっと楽しいと思うし、周が良かったら今度一緒に野球見に行こうよ。ポケッツの2軍戦とかどう?」
「いいね。行こう」
「やった、ありがとう。じゃあ細かいことはまた後で詰めよう」
「わかった」
周さんがこんなに会話のラリーを続けるという情報はなかったので、これは逆に緑ヶ丘にこういうことが起きてますと報告しなければならない事案ですね。ですがこれがインターフェイスなのだとも思います。ライさん様々ですね。これをきっかけに、周さんが他の人ともコミュニケーションが取れればと思います。
「周って女子野球はどう?」
「女子も少し見てます」
「あっ、そこも見てるとは思わなかった。女子で硬式野球を本気でやろうと思うと結構大変なのよこれが」
「エリアの内外問わず女子のチームを本気で探すか、男子のチームで一緒に練習するかですね」
「バッセンとか行く?」
「自分は行きません」
「あー、それは良くない。まつりさんの華麗なバッティングを間近で体感すべきだね。あっ、今度班のみんなでバッセン行こう!」
end.
++++
班員がいないことがネックだったので生やす。星ヶ丘の(中村)温大くんと桜貝の咲和ちゃん。
ライさんはゲンゴロー系の敵作らないほわほわ系だといいし、温大が今村班で何の楽器を担当してるのかはこれから。
班に1年生が来る度に名前をつけようって悪い顔してるモリ子の話はいつかやりたい
(phase3)
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夏合宿の顔合わせをする前に、対策委員の間で班員に関する簡単な情報交換を行っていました。傾向からすると、私の班は野球に関する話題が盛り上がりそうだなと思いました。副班長のまつりさんが野球の経験者で、1年生のうち2人が野球が好きだとのことだったので。
ただ、私自身野球に関する知識があまりないので、下手に知ったかぶって要らぬ口を挟むと信用を失うことになりかねません。ですから、もしそういった話題で盛り上がることがあれば、野球好きだとわかっていない残り2人へのフォローもしつつ、適切に相槌を打とうと考えました。
「今日の本題は顔合わせと自己紹介、それから合宿に向けた班の方針決定であったり、どのように番組を進めていくのかを話し合う、という感じにしようかと思います。まつりさん、問題ないでしょうか」
「あーもー全っ然大丈夫です。この感じだったら今後もとりぃの思うようにやってもらう感じで問題ないかと思います」
「あの、本当に、問題があれば遠慮なく指摘してもらった方が助かるのですが……」
「や、ホントに全然大丈夫だし、何なら真面目に予習しすぎてるなって思ったから今後のことも不安じゃないよ」
「そうですか? そういうことなら、ひとまず話を進めますね?」
私は今年の2月にサークルに入ったばかりなので、インターフェイス夏合宿の経験がありません。ですから、唯一合宿に参加した経験のあるまつりさんを頼ることになるだろうと思いました。ですが、あまり頼りすぎてもいけないと思い、希くんや奈々先輩、それから野坂先輩に聞いてある程度の知識は入れてきたつもりです。
ですが、今ほどまつりさんの言った「真面目に予習しすぎてる」という言葉が少し引っかかりました。確かに、こういった場面で準備しすぎて堅くなるというのは私の欠点でもあります。固定概念や、予習した進行にこだわりすぎると、一緒に活動する人の自由を奪ったりするのかな、と。
「合宿では3ペアを作り、班でトータル45分の番組を制作することになります。まずはペアを作るのがいいでしょうかね」
「そーだね。決めてこっか」
アナウンサーが私と緑ヶ丘の周さん、星ヶ丘のライさん。ミキサーがまつりさんに星ヶ丘の温大さん、桜貝の咲和さんです。星ヶ丘の2人は組むことが出来ないというのと、このメンバーであれば2年生同士も極力避けた方が良いことを考えると……。
「私と咲和さん、周さんと温大さん、ライさんとまつりさんペアということでいいでしょうか。周さんと温大さんは1年生ペアになってしまいますが、周さんは緑ヶ丘大学でラジオの活動を普段からやっていると思いますから、番組についてはお任せしても…?」
「あ、はい。極力」
この周さんという人が、今年の緑ヶ丘の1年生では見かけによらず最も癖が強いのではないか、という話は各方面から聞いています。パッと見の属性やキャラクターが濃いのは中さんや琉生さんだという話ですが、周さんはそもそもにおいて人の話を聞かないという節があると。
日常が野球中心で、常に何かしら野球の情報を入れようとしているそうなのです。今は一応スマホを置いてもらっていますが、頭の中はきっと野球のことでいっぱいなのでしょう。ラジオのサークルに入ったのも、野球中継の実況アナウンサーに興味を持ったからという話ですし。
私が野球のことを少し勉強しようと思ったのも、周さんとどうにか会話を成立させるためだと言っても過言ではありませんでした。結局、付け焼き刃の知識でどうこうすることは諦めたのですが。今の返事も無表情ですし、あっさりしすぎているので、どういう反応かよくわかりません。
「ええと、今後、班の意志疎通を少しでも取りやすくするために、本題からはそれますが少し雑談をしましょう。お互いをもう少し知る時間とも言いますが」
「ライさんて、その名前インターフェイスのためにつけてきたの? 班でそういうこと全然聞いてなかったんだけど」
「班では後々必要になるよーって聞いてたんだけど、モリ子が決めようって言うから考えたって感じかな。名前が朝日だからライジングサンの略でライさんだよ」
「へー、“さん”までがちゃんと含まれてるんだな。いい名前じゃん。俺もちゃんとしたの考えよっかなー」
「いいと思うよー」
「同じ星ヶ丘大学にいても知らないことはあるのですね」
「同じ大学でも違う班の人のことはあんまりよく知らないんですよ。それでなくても源班は違う部屋で練習してますし」
「温大のいる今村班も、実質バンドなので外で練習してて、班ぐるみでの交流はあんまり?」
「個人だったら深青さんと彩人さんが結構仲良いよな」
「そうだねー」
「先程のDJネームの由来を聞くと、ライさんは、ライさんさんと呼ぶのが正しい感じですか?」
「ライさんが正しいですけど彩人さんとかはライって呼んでますし何でも。あっでもライさんさんはちょっと違いますねー」
ライさんは穏和な感じで、温大さんもそこまで気性は荒くなさそうです。あるいは、ライさんと話すことでそうなっている可能性もありそうです。
「周はさ、すごい野球好きみたいじゃん」
「うん」
「えっと、俺みたいなのって邪道かなあ」
「どんなの」
「野球場の雰囲気が好きで、ドームとか他の球場にふらっと見に行って、プロだったらチーム問わず応援歌を口ずさんだり、イベントを楽しんで、アマチュアだったら外野で何となく試合を眺めながら、声を聞いたり、ファールボール避けたりするの。あんまり選手とかデータとかは詳しくないんだけど、雰囲気楽しむ系?」
「それはそれで、すごくいいと思うよ」
「あ、許された」
「俺は自分の楽しみ方を他の人には強いない方」
「でも、知ってたらもっと楽しいと思うし、周が良かったら今度一緒に野球見に行こうよ。ポケッツの2軍戦とかどう?」
「いいね。行こう」
「やった、ありがとう。じゃあ細かいことはまた後で詰めよう」
「わかった」
周さんがこんなに会話のラリーを続けるという情報はなかったので、これは逆に緑ヶ丘にこういうことが起きてますと報告しなければならない事案ですね。ですがこれがインターフェイスなのだとも思います。ライさん様々ですね。これをきっかけに、周さんが他の人ともコミュニケーションが取れればと思います。
「周って女子野球はどう?」
「女子も少し見てます」
「あっ、そこも見てるとは思わなかった。女子で硬式野球を本気でやろうと思うと結構大変なのよこれが」
「エリアの内外問わず女子のチームを本気で探すか、男子のチームで一緒に練習するかですね」
「バッセンとか行く?」
「自分は行きません」
「あー、それは良くない。まつりさんの華麗なバッティングを間近で体感すべきだね。あっ、今度班のみんなでバッセン行こう!」
end.
++++
班員がいないことがネックだったので生やす。星ヶ丘の(中村)温大くんと桜貝の咲和ちゃん。
ライさんはゲンゴロー系の敵作らないほわほわ系だといいし、温大が今村班で何の楽器を担当してるのかはこれから。
班に1年生が来る度に名前をつけようって悪い顔してるモリ子の話はいつかやりたい
(phase3)
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