2026
■誰と何で盛り上がろう?
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「おはざいまーす! あっ、ササ先輩、ササ先輩ってサッカー興味ある人っすか?」
サークル室にやってくるなり訊ねて来たのは凛斗だ。凛斗は現在5人いる1年生の中では一番クセがなさそうに見える子だ。……と言うか、凛斗以外の子のクセが強すぎると言うのが正しいかもしれない。野球フリークの周に占い師見習いの中、“聖母”ちむりーにどこか浮世離れした琉生。凛斗の個性がまだ見えてないんだ。
「俺はそこまで一生懸命じゃないかな」
「あー、マジすか。や、俺もそこまでガチガチのサッカーオタクじゃないんすけど、さすがにワールドカップくらいは盛り上がっとこうかなってレベルのにわかファンっす」
「ああ、そういうのがあるのか」
「――ってそのレベルっすか! えっ、本屋のバイトって世間の最新情報入ってくるんじゃないんすか!?」
「それは担当によるから」
「えー、じゃあ他にMBCCの中でワールドカップくらいは一緒に盛り上がれそうな人っていますかねー? 多分同期が壊滅的なんで先輩だったらワンチャンって思ったんすけど」
「うーん、2年もあんまり期待出来ないけど、シノとすがやんだったら俺よりは会話になるんじゃないかな」
「シノ先輩とすがやん先輩っすね。あざっす、後で聞いてみます」
2年生6人とスポーツか。俺は陸上競技だったら少しは相手になれたかもだけど、他のメンバーはどうだろう。シノはやっぱり競艇とかF1とかになるのかな。玲那は最近ならバスケをかじってるからそれこそワンチャンレベルでアリ。すがやんは誰とでも何でも最低限の会話を成り立たせるスキルがあるから何とかなるだろう。くるみはわからないけどサキが論外ということは分かる。
「野球だったら周と話せたのにな」
「や、熱量が違い過ぎて逆に会話になんないっす」
「そのパターンもわかる」
「おはようございます」
「周、また野球雑誌買ってる」
「大学で定期購読した方が2割安いってことに気付いた」
周は超が付くレベルの野球フリークで、国内のプロ野球だけじゃなくて学生の試合から海外リーグまで幅広く追っている。常に何かしらの情報を入れたり試合を見ていたりして、誰かと一緒にいるのに話を聞いてないということもザラ。MBCCに来てくれたのも、ラジオの野球中継の実況アナウンサーの技術に憧れてということからだった。
「周、お前に聞いても意味ないかもだけど、サッカーのワールドカップに」
「興味ないよ」
「知ってた。だよな」
「おざーっす」
「おはよう」
「エージ先輩高木先輩おざっす! あっ、先輩たちにも質問なんすけど」
「どーした凛斗」
「先輩たちってサッカー興味あります? 俺はワールドカップくらいは見とこうってレベルのにわかなんすけど、一緒に喋ってもらえる人を探してて」
「あっ、それだったらエイジがいいんじゃない?」
「おー、ちょっと話すくらいだったらイケるべ」
3年生の先輩の中だったら一番可能性がありそうだなとは思ってたけど、さすがエージ先輩。サッカーもちょっと押さえてくれてる。ちなみにエージ先輩がちゃんとわかってるのはバレーボールだそうです。他の先輩とスポーツで言えば、ハナ先輩は高校野球を見てて、高木先輩はプロ野球の地元球団の勝敗を気にする程度でほんのちょっとだけ、壮平先輩はデータが無い。
「エイジ、今ってIFサッカー部の活動ってやってるの? 下の子たちが増えたりとか」
「や、してねーべ。言って活動するかどうかはカズ先輩とアニさんの予定が合うことが条件だっていう。社会人同士はなかなか合わんだろ」
「そうかもね」
「IFサッカー部? ってなんすか?」
「俺たちが1年生のときの3年生に、カズ先輩っていう結構なサッカーオタクの先輩がいたんだべ。その人が、他校の同士と一緒に主催したインターフェイス内の派生サークルがIFサッカー部っていう。国際試合があれば誰かの部屋で一緒に見たり、頭数集めてフットサルやったりするっていう」
「へー、楽しそうっすねー。その先輩って、周の野球と比べてどんくらいサッカーオタクっすか?」
「俺から見たら伊東先輩も周も凄いけど、ササ、どう思う?」
「同レベルじゃないですか? 伊東さんも国内外問わず見てますし、学生の試合もチェックしてましたよね」
「あっ、じゃあ同じレベルで良さそう」
高木先輩が果林先輩から聞いた話らしいけど、サッカーの大きな試合があるぞとなれば、伊東さんは番組を乗っ取ってサッカー特集を組んでたそうだ。それで、アナウンサーの人と一緒に自分がミキサーを触りながらトークに混ざっていた、と。一般的な機材環境とは違う食堂の環境でそれをやったことに高崎先輩も呆れていたとか。
「インターフェイスの現場に出たら、ワンチャン周以上の野球オタクがいる可能性もあるってことすか」
「なくはないべ」
「へえ。情報交換できそうですね」
「周以上ではないかもだけど野球好きの奴がいて、そこから野球以外の話も出来るダチになる可能性も全然あるし」
「俺の中で野球と言えば向島さんだけど、今の子たちってどうなんだろうね?」
「向島のことだったらすがやんに聞きゃわかるだろっていう」
「それもそっか」
そんなことを言っていたら、おはようございまーすとすがやんがやってきた。本当に、タイミングが良すぎる。
「あっ、すがやん先輩! すがやん先輩てサッカー興味ありますか!? ワールドカップとか」
「正直詳しくないんだけど、友達にちょっと教えてもらったから見てみるつもり。雑誌も貸してくれて、今から勉強する」
「おー! さすがすがやん先輩っす! 俺はそーゆーにわかファン的な話が出来る人を探してたっす! ササ先輩! ササ先輩もすがやん先輩に目星を付けてもらってありがとうございました!」
「すがやんすがやん」
「はい?」
「今年の向島さんで野球に興味ありそうな子っている? 2年生の新しい子込みで」
「今年は微妙じゃないっすかね? 奏多が最近プロ野球をちょっとだけ見始めたってレベルっすよ。あとは1、2年じゃなきゃ安定の奈々先輩っすかね」
「ここだけの話をすれば、バレルズがサンダースに勝った次の日に奈々に会うのって怖いんだよなあ」
end.
++++
いち氏がいなくなってもいち氏を知る子たちがいるので。
こう見るとスポーツへの興味も結構細分化してるなあと思ったり。奏多のバドミントンとか。
(phase3)
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「おはざいまーす! あっ、ササ先輩、ササ先輩ってサッカー興味ある人っすか?」
サークル室にやってくるなり訊ねて来たのは凛斗だ。凛斗は現在5人いる1年生の中では一番クセがなさそうに見える子だ。……と言うか、凛斗以外の子のクセが強すぎると言うのが正しいかもしれない。野球フリークの周に占い師見習いの中、“聖母”ちむりーにどこか浮世離れした琉生。凛斗の個性がまだ見えてないんだ。
「俺はそこまで一生懸命じゃないかな」
「あー、マジすか。や、俺もそこまでガチガチのサッカーオタクじゃないんすけど、さすがにワールドカップくらいは盛り上がっとこうかなってレベルのにわかファンっす」
「ああ、そういうのがあるのか」
「――ってそのレベルっすか! えっ、本屋のバイトって世間の最新情報入ってくるんじゃないんすか!?」
「それは担当によるから」
「えー、じゃあ他にMBCCの中でワールドカップくらいは一緒に盛り上がれそうな人っていますかねー? 多分同期が壊滅的なんで先輩だったらワンチャンって思ったんすけど」
「うーん、2年もあんまり期待出来ないけど、シノとすがやんだったら俺よりは会話になるんじゃないかな」
「シノ先輩とすがやん先輩っすね。あざっす、後で聞いてみます」
2年生6人とスポーツか。俺は陸上競技だったら少しは相手になれたかもだけど、他のメンバーはどうだろう。シノはやっぱり競艇とかF1とかになるのかな。玲那は最近ならバスケをかじってるからそれこそワンチャンレベルでアリ。すがやんは誰とでも何でも最低限の会話を成り立たせるスキルがあるから何とかなるだろう。くるみはわからないけどサキが論外ということは分かる。
「野球だったら周と話せたのにな」
「や、熱量が違い過ぎて逆に会話になんないっす」
「そのパターンもわかる」
「おはようございます」
「周、また野球雑誌買ってる」
「大学で定期購読した方が2割安いってことに気付いた」
周は超が付くレベルの野球フリークで、国内のプロ野球だけじゃなくて学生の試合から海外リーグまで幅広く追っている。常に何かしらの情報を入れたり試合を見ていたりして、誰かと一緒にいるのに話を聞いてないということもザラ。MBCCに来てくれたのも、ラジオの野球中継の実況アナウンサーの技術に憧れてということからだった。
「周、お前に聞いても意味ないかもだけど、サッカーのワールドカップに」
「興味ないよ」
「知ってた。だよな」
「おざーっす」
「おはよう」
「エージ先輩高木先輩おざっす! あっ、先輩たちにも質問なんすけど」
「どーした凛斗」
「先輩たちってサッカー興味あります? 俺はワールドカップくらいは見とこうってレベルのにわかなんすけど、一緒に喋ってもらえる人を探してて」
「あっ、それだったらエイジがいいんじゃない?」
「おー、ちょっと話すくらいだったらイケるべ」
3年生の先輩の中だったら一番可能性がありそうだなとは思ってたけど、さすがエージ先輩。サッカーもちょっと押さえてくれてる。ちなみにエージ先輩がちゃんとわかってるのはバレーボールだそうです。他の先輩とスポーツで言えば、ハナ先輩は高校野球を見てて、高木先輩はプロ野球の地元球団の勝敗を気にする程度でほんのちょっとだけ、壮平先輩はデータが無い。
「エイジ、今ってIFサッカー部の活動ってやってるの? 下の子たちが増えたりとか」
「や、してねーべ。言って活動するかどうかはカズ先輩とアニさんの予定が合うことが条件だっていう。社会人同士はなかなか合わんだろ」
「そうかもね」
「IFサッカー部? ってなんすか?」
「俺たちが1年生のときの3年生に、カズ先輩っていう結構なサッカーオタクの先輩がいたんだべ。その人が、他校の同士と一緒に主催したインターフェイス内の派生サークルがIFサッカー部っていう。国際試合があれば誰かの部屋で一緒に見たり、頭数集めてフットサルやったりするっていう」
「へー、楽しそうっすねー。その先輩って、周の野球と比べてどんくらいサッカーオタクっすか?」
「俺から見たら伊東先輩も周も凄いけど、ササ、どう思う?」
「同レベルじゃないですか? 伊東さんも国内外問わず見てますし、学生の試合もチェックしてましたよね」
「あっ、じゃあ同じレベルで良さそう」
高木先輩が果林先輩から聞いた話らしいけど、サッカーの大きな試合があるぞとなれば、伊東さんは番組を乗っ取ってサッカー特集を組んでたそうだ。それで、アナウンサーの人と一緒に自分がミキサーを触りながらトークに混ざっていた、と。一般的な機材環境とは違う食堂の環境でそれをやったことに高崎先輩も呆れていたとか。
「インターフェイスの現場に出たら、ワンチャン周以上の野球オタクがいる可能性もあるってことすか」
「なくはないべ」
「へえ。情報交換できそうですね」
「周以上ではないかもだけど野球好きの奴がいて、そこから野球以外の話も出来るダチになる可能性も全然あるし」
「俺の中で野球と言えば向島さんだけど、今の子たちってどうなんだろうね?」
「向島のことだったらすがやんに聞きゃわかるだろっていう」
「それもそっか」
そんなことを言っていたら、おはようございまーすとすがやんがやってきた。本当に、タイミングが良すぎる。
「あっ、すがやん先輩! すがやん先輩てサッカー興味ありますか!? ワールドカップとか」
「正直詳しくないんだけど、友達にちょっと教えてもらったから見てみるつもり。雑誌も貸してくれて、今から勉強する」
「おー! さすがすがやん先輩っす! 俺はそーゆーにわかファン的な話が出来る人を探してたっす! ササ先輩! ササ先輩もすがやん先輩に目星を付けてもらってありがとうございました!」
「すがやんすがやん」
「はい?」
「今年の向島さんで野球に興味ありそうな子っている? 2年生の新しい子込みで」
「今年は微妙じゃないっすかね? 奏多が最近プロ野球をちょっとだけ見始めたってレベルっすよ。あとは1、2年じゃなきゃ安定の奈々先輩っすかね」
「ここだけの話をすれば、バレルズがサンダースに勝った次の日に奈々に会うのって怖いんだよなあ」
end.
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いち氏がいなくなってもいち氏を知る子たちがいるので。
こう見るとスポーツへの興味も結構細分化してるなあと思ったり。奏多のバドミントンとか。
(phase3)
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