2025

■驚きと称賛

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「はあ!?」

 定例会をやっている中会議室に、奏多先輩のとても大きな「はあ!?」が響いた。今日の定例会は春の番組制作会が終わり、年度替わりに向けてファンタジックフェスタについても話し合うというのが主な議題で、対策委員の代替わりについての報告を受けるというのもある。
 代替わりと、夏合宿の終了報告の時は対策委員の議長と委員長も定例会に顔を出すという感じになっていて、今回の定例会にも対策委員の新しい議長委員長が来るということになっていた。それが誰なのかはまだ発表されてなかったんだけど、俺と奏多先輩が会議室に入った瞬間目に入った姿、だよね……。

「奏多先輩、おはようございます」
「松兄、ツッツ、おはようございます。対策委員の新議長と、新委員長です」
「お、おはよう……」

 そう一番乗りの俺と奏多先輩を出迎えたのは、星大のがっくんと、殿だ。そして立ち上がって挨拶をしたがっくんが、新議長と指したのが殿だったんだ。

「殿、まさかお前が対策委員の議長か!?」
「役職については、会議で詳細に報告しますが、そのようなことになりました」
「はえー……お前が議長ねえ」
「対策委員の会議じゃ、殿はすごい、殿はカリスマだ、殿は殿だ、俺たちは家臣だーって言って士気がすっごく高くてね」
「がっくん、話を盛るな」
「言わなきゃバレないのに」
「そういうことではない」
「た、対策委員のみんなの、き、気持ちは、わからなくないけど……」
「だよねえツッツ!」

 そう言って同意を求めるがっくんが、俺の手を取ってぶんぶんと上下に振る勢いが、す、すごくって……あ、えっと、どうしよう。だ、誰か助けて。殿、奏多先輩、奏多先輩…? ちょっ、えっ。

「ツッツ、がっくんのそれは、相手の懐に入り込む、常套手段だ」
「あーあーあー、せっかく今いる人間に慣れてたのにまーたリセットされやがったなァ? ちょっといい顔ならいつも見てんだろ」
「あれっ、ツッツ、固まっちゃった。おーい、どこ見てんのー?」
「悪りーなァがっくん、コイツはバカ人見知りで、荒療治の最中だ。ま、これくらい急激に距離をガン詰めされるパターンもあっていいだろ。おい、いい加減帰って来い」
「はっ」
「ったくお前は。インターフェイスで1年やってきて、顔くらい見たことあんだろ。握手くらいで固まるな」
「す、すいません……がっくんも、ご、ごめん……」
「俺もごめんねー。パロや美瑛からツッツの話をよく聞くから、親近感があってついグイグイ行っちゃったよ」
「え、美瑛が、そんなに俺のことを、は、話してるの…?」
「ツッツはすごいのよ! って。ねえ、殿」
「ああ。……しかし、今の物真似は、上手いな」
「でしょ? 演技は得意なんだよ」
「ええ…!? は、恥ずかしい……」

 がっくんの美瑛の真似が、美瑛の高音がよく表現されてて本当に上手い。それだけ対策委員の中で話題に上がってるんだと思うと今後インターフェイスの活動の中でどう歩けばいいのかがわからなくなってしまう。変な風になってないといいけど。殿がいるから大丈夫だと思いたい。

「殿が議長で、お前さんが委員長か。他、誰がいたっけか」
「機材管理担当が将門、会計に美瑛、書記がちむりー、それから、切り込み隊長のならっちで、6人ですねー」
「切り込み隊長だけ取って付けたような役職だなァおい」
「ノンノンノン。松兄、この切り込み隊長という役職が会議を切り開くにはいかに大事か!」
「あれだろ? 停滞しがちな会議に風穴を開けて、突破口を作る的な」
「あっ、さすが松兄、理解してますね~」
「俺を誰だと思ってんだ、ココが違うんだよ、ココが」
「いよっ、インターフェイスの歴代最高頭脳!」
「や、それはさすがに違う」
「ウチに、しゅ、首席の先輩が、いるしね……」
「星大の人にも引けを取らないのは、本当だが」

 奏多先輩が頭のいい人なのは本当なんだけど、歴代最高かと言われると、ちょっとわからないし、学業の成績だけで言えば、オールSの首席で卒業していった野坂先輩が身内にいるから、向島勢は、スンッと現実が見えてしまって……。

「とにかく、ならっちの突飛な想像力と、それで作り出すストーリーがすごいんですよ」
「なら殿に忠告だ。突飛な発想をしがちな切り込み隊長は、誰かがしっかり手綱を握っとけよ。ダメなことにははっきりとNOを突きつけろ。それが組織を泥船にしないための第一歩だ」
「はい」
「俺はお前と美瑛以外はよく知らねーけど、まあ、何だかんだ上手くやれてるみたいじゃねーか」
「皆が、受け入れてくれたおかげです」
「え~? 顔合わせの時、殿を知ってた子は結構「やったー殿だー」って感じだったじゃんねえ。ウチの殿は謙虚なんですよぉ」
「や、ウチの殿だから知ってるぞ」
「う、うん……」
「言葉の綾ですやん」
「確かお前とパロと緑ヶ丘の中が仲いいんだっけか?」
「あっはい、パロとは仲良くさせてもらってます」
「まあ何だ、男子ノリになりそうなメンツだな」
「合宿ではそこに彩人さんと雨竜さんですからね」
「あーやかましー!」

 ここだけの話、あまり賑やか過ぎると夏合宿ではやれなかったかもしれないから、程良い穏やかさがあってよかったなと、今更ながらに思いました。きぬは元気だったけど、きぬ1人くらいだったら、まあ何とかギリギリ。
 そんなことを話していると、他の定例会の人たちが続々と会議室にやってきて、対策委員代表の姿を見ては、えーっと驚きの声を上げている。緑ヶ丘の先輩たちは、殿の議長就任をすごく祝ってくれている。サキ先輩が「いいじゃん」と一言。これって、凄い称賛だ。

「全員お揃いになりましたわね。それでは、今月の定例会を開催致します。まずはじめに、対策委員の代替わりの報告からお願い致します」


end.


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委員長がくぴは多分サキに対するすがやん的な、愛想係で選ばれてそう。最悪切り込み隊長じゃんけんとか

(phase3)

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