2025
■わくわくしちゃうな
++++
朝霞先輩から連絡が入って、頼みたいことがあるからって呼び出された。何だろうなーと思いながらその場所に向かうと、小さいけどオシャレなカフェだ。朝霞先輩のイメージは焼き鳥とビールなんだけど(朝霞先輩に限らず朝霞班の先輩たちがそうだった)、カフェなんだあって、意表を突かれる。
「朝霞先輩! お久し振りです!」
「よう。とりあえず、何か頼もうぜ」
「ここって何が美味しいんですか?」
「どちらかと言えば重い系のケーキが多い。俺はチーズケーキが好きだな」
「じゃあ、チーズケーキにします」
「じゃ俺はテリーヌショコラにするかな」
ケーキと、それに合うコーヒーを朝霞先輩が頼んでくれて、しばし待つ。コーヒーを入れるのに時間がかかるけど、本格的で美味しいんだそうだ。でも、コーヒーの何がどうとかはまだ全然わかってないんだけどなと言う先輩が先輩だなあって感じがしてちょっと嬉しい。
「それで、さっそくだけど本題な」
「あっはい」
「お前はコスプレが趣味で、アニメとかも好きだしネット上の文化にはある程度精通してるよな」
「そうですね。最近だとVTuberとかも好きでよく見てますけど、オタクとしては軽い目かなとは思います。まあでもある程度は」
「そうか。俺の話にはなるんだけど、実は2年くらい前からグループでゲーム実況をやってるんだよ」
「えーっ!? 失礼ですけど全っ然結び付かなかったです!」
「俺もゲームはそれまで全然やって来なかったんだけど、やってみるとストーリーや音楽が素晴らしい作品っていっぱいあるな。新たな扉を開かせてもらったよ」
「そうそうそう、そうなんですよね!」
そうなんだよね! ストーリーや音楽が素晴らしい作品はいっぱいあるっていうのは本当にそうで、本当に好きなゲームは何周も何周もして考察をしたりして、ゲーム内にギャラリーとかがあれば衣装をじーっと眺めてどう作ろうかなーって、とにかく楽しいんだよね! もし朝霞先輩と好きなタイトルが被ってたらずーっと話せそうな気がする!
「それで、ゲーム実況と俺に頼みたいことっていうのは何か繋がってくるんですか?」
「ああ、そうなんだよ。俺が参加してるグループがUSDXっていって、そこで担当してるキャラクターがレイっていうんだけど」
「ゆゆゆ、USDXのレイ!? って、"ユウカイ"とか"シナモンシュガー"とかの、あのレイですか!?」
「そのレイです」
か、神~…! 部活を引退して社会人になった今でも精力的に創作活動をしてくれている、それでこそ朝霞先輩ですよ、俺の神様! しかも俺の推しがやってた作品~! USDXのレイと言えばTRPGとか謎解きとかでよく見る作者さんで、この人の作品はシナリオがいいなーって思ってたけど、俺のアンテナが精密過ぎて我ながらヤバい!
「と言うかやってる実況じゃなくて書いた作品を知ってるのが源って感じだよな」
「推しがあのシナリオやってたのを見てから凄く好きで! いい話だーって思ってたんですけど、またこのパターンだ!」
「お粗末さまです。俺も何組かがやってくれたのを見たけど、あれはやってくれる人が面白くしてくれるからより良くなるモンだとも思うし、その点に関してはただただ感謝だな。……じゃなくて」
「あっそうだ、本題でしたね」
「そのレイで最近派生的に、先輩実況者の方々と遊ばせてもらってるんだよ。カミツレなんて呼ばれ始めてるな。その括りで今度オフイベントをやる話になってるんだ。東都、星港、水堀の3都市で」
「えーっ!?」
「ここまでの話はオフレコでお願いしたいのがまず1点。お前に頼みたい話っていうのが、イベントに出るに当たって、顔出しするか否かをまだ決め切れてない。USDXレイとしての衣装を作ってくれないかという話だ。キャラの立ち絵の衣装なら顔は隠れるから」
「喜んで作らせてもらいますっ!」
「ちなみに衣装の資料はイラストレーターさんからもらってきてるし、こんな感じで紙であるんだけどデータの方がいいよな?」
「紙でももらいますしデータでもいただければ助かります。あと、実際作るに当たって採寸ですかね。その他にも都度何度かお時間をいただければ」
「ああ。それはもちろん」
イラストレーターさんがちゃんと作ってる衣装の資料を見させてもらってるんだけど、あーもうすっごく楽しい! 最近は文化会の仕事とかテストとか就活とか考えることがいろいろあり過ぎて、わーってなりそうだったから、この話が楽しくて仕方ないよね。
「でも、朝霞先輩が別の名義でとは言え演者側でステージの上に立つっていうのが、俺からするとちょっと変な感じがします。朝霞先輩はステージの下にいるってイメージなので」
「やっぱそうか。実は俺もだ」
「あはは、良かったです。あと、朝霞先輩が今でも創作活動を続けててくれて本っ当に良かったです。知ったのは比較的最近でしたけど、高校時代から、Sing Aloneから朝霞先輩のファンをやってますからね。でも、大きなイベントで使う衣装だなんて、その気になればもっとちゃんとしたルートで用意できそうなのに、どうして俺に頼んでくれたんですか?」
「それは、お前の顔が真っ先に浮かんだからだよ。お前は求めた仕事はきっちりやってくれるし、その中でも自分の意見を提案してくれるだろ。お前はれっきとしたクリエイターだし、そういう姿勢を信頼してるからな」
あんまり自分で意識をしたことは無かったけど、俺ってクリエイターだったんだなあって。朝霞先輩から言われると、あっそうなんだってストンとハマるから不思議だ。
「おっ、コーヒーだ」
「すっごいいい匂いですねー」
「こういうところは彩人と来ればちょっとしたコーヒー知識なんかをもらえそうなモンだけど、俺で申し訳ない」
「いえいえいえっ、感謝しかないですっ」
end.
++++
イベント前にどの程度まで顔出しするかなーって考えてたPさん
衣装のフードをかぶる、お面をつける、などなどいろいろ考えてたのかもしれない
Pさん周りで手製の衣装と言えばそらゲンゴローよなあ!
(phase3)
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朝霞先輩から連絡が入って、頼みたいことがあるからって呼び出された。何だろうなーと思いながらその場所に向かうと、小さいけどオシャレなカフェだ。朝霞先輩のイメージは焼き鳥とビールなんだけど(朝霞先輩に限らず朝霞班の先輩たちがそうだった)、カフェなんだあって、意表を突かれる。
「朝霞先輩! お久し振りです!」
「よう。とりあえず、何か頼もうぜ」
「ここって何が美味しいんですか?」
「どちらかと言えば重い系のケーキが多い。俺はチーズケーキが好きだな」
「じゃあ、チーズケーキにします」
「じゃ俺はテリーヌショコラにするかな」
ケーキと、それに合うコーヒーを朝霞先輩が頼んでくれて、しばし待つ。コーヒーを入れるのに時間がかかるけど、本格的で美味しいんだそうだ。でも、コーヒーの何がどうとかはまだ全然わかってないんだけどなと言う先輩が先輩だなあって感じがしてちょっと嬉しい。
「それで、さっそくだけど本題な」
「あっはい」
「お前はコスプレが趣味で、アニメとかも好きだしネット上の文化にはある程度精通してるよな」
「そうですね。最近だとVTuberとかも好きでよく見てますけど、オタクとしては軽い目かなとは思います。まあでもある程度は」
「そうか。俺の話にはなるんだけど、実は2年くらい前からグループでゲーム実況をやってるんだよ」
「えーっ!? 失礼ですけど全っ然結び付かなかったです!」
「俺もゲームはそれまで全然やって来なかったんだけど、やってみるとストーリーや音楽が素晴らしい作品っていっぱいあるな。新たな扉を開かせてもらったよ」
「そうそうそう、そうなんですよね!」
そうなんだよね! ストーリーや音楽が素晴らしい作品はいっぱいあるっていうのは本当にそうで、本当に好きなゲームは何周も何周もして考察をしたりして、ゲーム内にギャラリーとかがあれば衣装をじーっと眺めてどう作ろうかなーって、とにかく楽しいんだよね! もし朝霞先輩と好きなタイトルが被ってたらずーっと話せそうな気がする!
「それで、ゲーム実況と俺に頼みたいことっていうのは何か繋がってくるんですか?」
「ああ、そうなんだよ。俺が参加してるグループがUSDXっていって、そこで担当してるキャラクターがレイっていうんだけど」
「ゆゆゆ、USDXのレイ!? って、"ユウカイ"とか"シナモンシュガー"とかの、あのレイですか!?」
「そのレイです」
か、神~…! 部活を引退して社会人になった今でも精力的に創作活動をしてくれている、それでこそ朝霞先輩ですよ、俺の神様! しかも俺の推しがやってた作品~! USDXのレイと言えばTRPGとか謎解きとかでよく見る作者さんで、この人の作品はシナリオがいいなーって思ってたけど、俺のアンテナが精密過ぎて我ながらヤバい!
「と言うかやってる実況じゃなくて書いた作品を知ってるのが源って感じだよな」
「推しがあのシナリオやってたのを見てから凄く好きで! いい話だーって思ってたんですけど、またこのパターンだ!」
「お粗末さまです。俺も何組かがやってくれたのを見たけど、あれはやってくれる人が面白くしてくれるからより良くなるモンだとも思うし、その点に関してはただただ感謝だな。……じゃなくて」
「あっそうだ、本題でしたね」
「そのレイで最近派生的に、先輩実況者の方々と遊ばせてもらってるんだよ。カミツレなんて呼ばれ始めてるな。その括りで今度オフイベントをやる話になってるんだ。東都、星港、水堀の3都市で」
「えーっ!?」
「ここまでの話はオフレコでお願いしたいのがまず1点。お前に頼みたい話っていうのが、イベントに出るに当たって、顔出しするか否かをまだ決め切れてない。USDXレイとしての衣装を作ってくれないかという話だ。キャラの立ち絵の衣装なら顔は隠れるから」
「喜んで作らせてもらいますっ!」
「ちなみに衣装の資料はイラストレーターさんからもらってきてるし、こんな感じで紙であるんだけどデータの方がいいよな?」
「紙でももらいますしデータでもいただければ助かります。あと、実際作るに当たって採寸ですかね。その他にも都度何度かお時間をいただければ」
「ああ。それはもちろん」
イラストレーターさんがちゃんと作ってる衣装の資料を見させてもらってるんだけど、あーもうすっごく楽しい! 最近は文化会の仕事とかテストとか就活とか考えることがいろいろあり過ぎて、わーってなりそうだったから、この話が楽しくて仕方ないよね。
「でも、朝霞先輩が別の名義でとは言え演者側でステージの上に立つっていうのが、俺からするとちょっと変な感じがします。朝霞先輩はステージの下にいるってイメージなので」
「やっぱそうか。実は俺もだ」
「あはは、良かったです。あと、朝霞先輩が今でも創作活動を続けててくれて本っ当に良かったです。知ったのは比較的最近でしたけど、高校時代から、Sing Aloneから朝霞先輩のファンをやってますからね。でも、大きなイベントで使う衣装だなんて、その気になればもっとちゃんとしたルートで用意できそうなのに、どうして俺に頼んでくれたんですか?」
「それは、お前の顔が真っ先に浮かんだからだよ。お前は求めた仕事はきっちりやってくれるし、その中でも自分の意見を提案してくれるだろ。お前はれっきとしたクリエイターだし、そういう姿勢を信頼してるからな」
あんまり自分で意識をしたことは無かったけど、俺ってクリエイターだったんだなあって。朝霞先輩から言われると、あっそうなんだってストンとハマるから不思議だ。
「おっ、コーヒーだ」
「すっごいいい匂いですねー」
「こういうところは彩人と来ればちょっとしたコーヒー知識なんかをもらえそうなモンだけど、俺で申し訳ない」
「いえいえいえっ、感謝しかないですっ」
end.
++++
イベント前にどの程度まで顔出しするかなーって考えてたPさん
衣装のフードをかぶる、お面をつける、などなどいろいろ考えてたのかもしれない
Pさん周りで手製の衣装と言えばそらゲンゴローよなあ!
(phase3)
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