2025

■改めましてここから

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 ファンフェスが終わって、放送部的にはいよいよ夏の本丸、丸の池ステージに向けて動いていくことになる。インターフェイス的には初心者講習会が挟まってくんのかな。俺個人としては、インターフェイスのラジオと放送部のステージとの同時並行をよく頑張ったなって感じ。
 尤も、インターフェイスではシノが班のメインミキサーで俺はサブポジションだったし、部活の方でも源班でガツガツではなく今村班にキーボーディストとして加わってライブやってただけって感じで、本来俺がやるべきプロデューサーとしての仕事というのはほとんどやっていない。
 ただ、朝霞さん風に言えば生きたステージの現場を肌身で感じることこそが一番の勉強なので、ファンタジックフェスタの会場を練り歩くことが出来たのも収穫だ。それに、他の学校や他の班の人の話を聞けて知見を得た。そういうことにしておこう。

「彩人さんおはよーございまーす」
「おーすモリ子」

 ファンフェスの直後に、源班にはミキサー志望の1年生が入ってきた。ゴローさんのミキサーを見て弟子入り志願してきたんだ。守谷みずきという名前だけど、みずきと呼ぶにはもう海月がいるので、守谷の方から取ってモリ子と呼ぶことになった(最初は「ダサい」と反発された)。

「皆さんまだですかねぇー」
「海月は対策委員かもだしゴローさんは所沢さんに捕まってるかもだし、マリンさんとみちるはどうだろ。わかんねーし俺らで機材組もうぜ」
「そうですね!」

 インターフェイスのラジオの方でミキサーとして機材をかじっていて良かったなと思うのは、その扱いにより強くなることだ。あと、こないだ今村班の方でバンドセットの準備中に機材についていろいろ教えてもらえたので、一応俺1人でも機材をそれらしく組めるようにはなった。……が、合っているかの保証は出来かねる。
 モリ子と一緒に源班のブースから機材を談話室に運び込み、練習環境を整えていく。俺たちが機材を扱う練習というのもそうだし、みんなが揃ってからスムーズに練習に取りかかれるようにするためだ。まあ、出来たらゴローさんかみちるにチェックしてもらう必要はありそうだが。

「えっと、まず電気を取って、アンプから、コンプだろ? えー、それから……」
「彩人さん、細々したの付けちゃいますね」
「頼むわー。これがこうで、こっからこう。あぇーと」
「おはよう」
「みちるさんおはようございまーす」

 俺が機材の配線に悪戦苦闘していると、みちるが来たらしい。ちょうど良かった、チェックしてもらいながら配線しよう。そんな風に安堵して顔を上げると、みちるの後ろには知らない男がいる。知ってる人だと野坂さんにちょっと雰囲気の近いイケメンだ。と言うか男で良かった。

「ここで私たちは練習してるから。どうぞ」
「失礼します」
「彩人、モリ子、こちら、源班に加入希望の高野君」
「高野将門です」
「学部は?」
「理工学部の交通機械工学科です」
「おおー、バリバリの理系ー」
「ディレクター志望らしいから」
「俺は2年のプロデューサー、谷本彩人。彩人って呼んで。で、こっちがこないだ班に入ったばっかのミキサーで、1年のモリ子」
「初対面の相手にモリ子言うな! 彩人さんのセンスクソダサって晒してますよ!」
「んだと!?」
「守谷みずきだよ。よろしくー」

 みちるによれば、ゴローさんは所沢さんに捕まっていてお迎えが出来ないし、マリンさんはゼミの方で忙しいとのことで応対を頼まれたらしい。俺じゃなくてみちるなのは、将門がディレクター志望であるということは聞いていたので、同じディレクターの先輩から軽く話をしてもらえればいいのでは、ということだ。

「はっ。そーだ。彩人さん、呼び名をつけないと!」
「モリ子、悪い顔してるぞ」
「ところで何かあだ名とか、呼んで欲しい呼び名とかはある?」
「特にないです。え、あだ名呼びが基本ですか?」
「源班はインターフェイスっていう、他の大学さんと一緒に活動する組織に加盟してて、そこでの活動ではDJネームっていうのを使うんだよ。無いなら無いでそのようには出来るんだけど、ある方が楽と言えば楽」
「まあ、急ぎで決めなきゃいけないワケでもないから当面は将門で行くかぁー」
「えー! 私の時はすぐ決める感じだったのに!」
「お前はみずきカブりしてるから急いで区別する必要があったの!」
「それで何かすっごい雑にクソダサネーム付けられて、拒否権も何もないままに定着させられて? これで他校の人と接するとか恥ずかしすぎません? 彩人さんに付けられたって絶対言いますからね! やーいクソダサセンスのプロデューサ~」
「クソダサ言うな!」
「じゃモリ子言うな!」
「モリ子が嫌なら自分で案を出せば良かった話だろ!」
「将門、ちなみにこの2人はこういう感じで兄妹喧嘩みたいになるのがデフォだからよろしく。よくあることだから止めなくて大丈夫」
「わかりました」

 クソダサと言われるのはやっぱり嫌すぎる。と言うかインターフェイスにおけるセンスのいいDJネームって何だ? そもそもウチにはDJネームを付ける文化っていうのがないし。でも3年生の先輩のゲンゴローとかマリンっていうのは本名にもかかりつつ愛称としてはいいセンスなのか。
 他校だったらやっぱりラジオメインの緑ヶ丘とか向島の人の方がDJネームを付け慣れてるし、よっぽど何かDJネームが欲しいなら夏合宿とかで一緒になった人につけてもらうのもいいという結論に落ち着く。そういうのを付けるのが得意な人はいそうだもんな。

「そういうことで、放送部としての活動が閑散期でもインターフェイスの活動があったりするし、源班としては割と絶え間なく活動してる感じだけど、大丈夫そう?」
「大丈夫です。自分はそういう方がいいと思って来ました」
「おっ、いいね。この2人、こんな風に見えてもモリ子はやる気が凄くて先輩にすっぽんみたいに食いついてるし、彩人も書く物書いて日々修行は続けてるから。先輩も含めてみんなストイックだよ」
「その方がきっと楽しくやれそうです」
「ますますいいね。じゃあ、今日から簡単にディレクターの仕事を覚えていこうか」
「よろしくお願いします」


end.


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星ヶ丘源班の1年生も少しずつキャラを立たせていく段階へ。
将門は去年のうしゆめの件を一歩引いてみてるクールキャラという体でやってたので、部活でもその線で。モリ子ときぬの面倒を見てるといい。
DJネーム付けるのが上手いのはやっぱり向島の人になるのかしら。昔だと圭斗さんとかノサカで、今だと奏多か。

(phase3)

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