2025
■行くべき道への進み方
++++
「対策委員です」
現在、インターフェイスの技術向上対策委員会では6月上旬に行われる初心者講習会という行事に向けて動いている。これは主に1年生を対象に行われるもので、インターフェイスにおける学生ラジオの定義であるとか、放送におけるリテラシーや基本的な技術について共有しておこうという会だ。
現段階で決まっているのは日時と会場、大まかな講習内容、それと講師だ。会場はラジオと映像、どちらの環境も整っているウチ、青浪敬愛大学。講習内容は今年には今年の内容があるので毎年同じじゃないよね、ということで、講師を務める3年生の先輩と日々話し合っている。
「あ、そうだ。はい」
「はい、当麻」
「ミキサー講師の高木さんから、ミキサー講習で映像についても少し触れたいという話があって、その講習の補佐を北星が頼まれてます」
「あ、高木先輩は映像にも触れるんだ」
「どうせやるならってことみたいです」
こないだの春休みに技術交換会という行事があったんだけど、北星はそこでウチを代表して講習を行った実績もある。1年生に映像制作って楽しいよと思ってもらえるような物を見せられればいいね、という方向性で話し合いが進められている。
これは内緒の話だけど、高木さん自身が北星から映像関係の話を聞きたいので初心者講習会で映像の内容にちょっと触れたいそうだ。北星も高木さんと技術的なことを話すのは楽しいし嬉しいらしいので、この話にもとても前向きに取り組んでくれている。
「その映像の講習は本当の触りだけらしいんですけど、せっかく青敬が会場だしラジオやステージメインの大学さんにも生きてくるかもしれないからって」
「えー、面白そうじゃん、いいなー。シノ、俺もその講習聞きたい」
「カノンはアナウンサーカウントだから抜けられると困る」
「ちぇー。やっぱダメかー。ほら、ウチのメインアナウンサーは鳥ちゃんだし、向島のミキサー枠で俺がさ。な? ダメ?」
「シノさん、こうなった希くんはなかなか引き下がってくれませんよ」
「いや、カノンにミキサーの方行かれたら誰がアナウンサー講習の突っ込んだトコ話し合うんだって。とりぃは上手いかもだけど一応インターフェイスに入ったばっかだし。向島の1年生たちに聞いてもらって」
「はぁーい。あっ、その講習内容を動画で残すのは? そしたら後から見れるし!」
「後から検討するということで」
「しないヤツじゃんか!」
カノンはインターフェイスではアナウンサーとして出ているけど、大学ではミキサーもやっているということで、どちらの技術向上にも忙しいようだ。ただし、ミキサー講習を聞きたいという要望は議長のシノに阻まれてしまったけれども。
「北星ってやっぱり凄いよねー。2年生なのに初心者講習会で講師やっちゃうんだから!」
「講師じゃないよ~」
「でも、映像制作についてみんなの前で話すんでしょ?」
「高木さんの手伝いだよ~」
「北星さんは謙遜していますけど、先輩から見ても技術力が確かであるからこそ頼られるのだと思いますよ」
「とりぃもそう思うよね!」
「はい」
とりぃはいつか流星群の映像を撮りたいという夢があって、その前に星空の写真を撮る練習をしているそうだ。自分が持っているカメラで上手く撮るにはという相談を北星にしていたようなので、北星の方もとりぃのことを「星の子のとりぃ」と既に顔と名前を一致させている。
「やはり北星さんは名は体を表すという言葉をそのまま表したような人だなと思うのですよ」
「どういうこと?」
「名は体を表すって、名前が中身とか実質を表すってことだよね」
「そうですね。北星、北の星というのはやはり北極星をイメージしますよね。北極星はあまり大きく動かないので道しるべになります。北星さんが映像制作に一点集中しているという話を聞いたときに、行くべき道をまっすぐ突き進むことが出来る人なのだなという印象を受けました」
「そんな風に言われたの、初めてだよ~」
「そうなのですね。私はそんな風に思ったのですよ。いい名前ですし、名前に恥じない道を行っているのだなと」
「すごい、本当だね! とりぃ、よく気付いたね! 北星ってホントにピッタリな名前!」
「くるちゃんもありがと~。こそばゆいや~。とりぃって、下の名前なんだっけ~?」
「春風と書いて、はるかと読みます」
「へ~、優しい感じの名前だね~」
「ありがとうございます」
さすがの星の子らしい解釈の仕方だなと思った。ここまで北星のことを好意的に見られるのかと。いや、俺も映像制作に関しては凄いなと思っているし、相談したりもする。だけどあまりに残念すぎる普段の様子も見ているから呆れたりするんだ。悪い奴じゃないのはわかってるんだけど。
「高木先輩と北星がタッグ組む講習とか、俺も実はメチャクチャ楽しみなんだよな。北星、期待してるぞ」
「え~。シノ、議長がプレッシャーかけないでよ~」
「そーだそーだ! 北星をイジメるなー!」
「カノンお前、自分がその講習受けられないからって露骨じゃね!?」
「そんなの俺だって講習受けたいに決まってんじゃんか! シノばっかりズルい! 職権乱用だ!」
「乱用じゃねーよ、俺は順当にミキサーだからそっちにいるのが仕事の内でもあるの!」
「カノン~、後から講習内容まとめて~、送ろうか~?」
「助かる~! 北星、お前神かよ! あーほら北星はシノと違って優しいぞ!」
「とりぃ、一応当日カノンのこと見張っといて。アナウンサー講習の方に括り付けといてもらえると助かる」
「わかりました。シノさん、希くんがすみません。少し技術欲と好奇心が旺盛なだけで、悪気は無いのです」
「それは一応わかってます。でも俺たちは一応運営側だからさ」
「ええ、そうですよね」
そう、俺たちはあくまでも運営側。講習会が滞りなく行われるように動かなければならない。確かに高木さんの講習を受けるのは楽しみだと俺も思ってるけど、運営側だ、運営側。
end.
++++
カノンがめっちゃぎゃあぎゃあしてるしシノが既に落ち着いた議長の風貌。カノンは秋(奏多とのアレ)までずっとこんな感じだといい。
内輪からの扱いは雑なのに、他校の人からの評価が高い北星。フェーズ1で言うところの神崎っぽい感じ。
そもそも講師のTKGが私利私欲を交えた北星起用がやや見て取れる。
(phase3)
.
++++
「対策委員です」
現在、インターフェイスの技術向上対策委員会では6月上旬に行われる初心者講習会という行事に向けて動いている。これは主に1年生を対象に行われるもので、インターフェイスにおける学生ラジオの定義であるとか、放送におけるリテラシーや基本的な技術について共有しておこうという会だ。
現段階で決まっているのは日時と会場、大まかな講習内容、それと講師だ。会場はラジオと映像、どちらの環境も整っているウチ、青浪敬愛大学。講習内容は今年には今年の内容があるので毎年同じじゃないよね、ということで、講師を務める3年生の先輩と日々話し合っている。
「あ、そうだ。はい」
「はい、当麻」
「ミキサー講師の高木さんから、ミキサー講習で映像についても少し触れたいという話があって、その講習の補佐を北星が頼まれてます」
「あ、高木先輩は映像にも触れるんだ」
「どうせやるならってことみたいです」
こないだの春休みに技術交換会という行事があったんだけど、北星はそこでウチを代表して講習を行った実績もある。1年生に映像制作って楽しいよと思ってもらえるような物を見せられればいいね、という方向性で話し合いが進められている。
これは内緒の話だけど、高木さん自身が北星から映像関係の話を聞きたいので初心者講習会で映像の内容にちょっと触れたいそうだ。北星も高木さんと技術的なことを話すのは楽しいし嬉しいらしいので、この話にもとても前向きに取り組んでくれている。
「その映像の講習は本当の触りだけらしいんですけど、せっかく青敬が会場だしラジオやステージメインの大学さんにも生きてくるかもしれないからって」
「えー、面白そうじゃん、いいなー。シノ、俺もその講習聞きたい」
「カノンはアナウンサーカウントだから抜けられると困る」
「ちぇー。やっぱダメかー。ほら、ウチのメインアナウンサーは鳥ちゃんだし、向島のミキサー枠で俺がさ。な? ダメ?」
「シノさん、こうなった希くんはなかなか引き下がってくれませんよ」
「いや、カノンにミキサーの方行かれたら誰がアナウンサー講習の突っ込んだトコ話し合うんだって。とりぃは上手いかもだけど一応インターフェイスに入ったばっかだし。向島の1年生たちに聞いてもらって」
「はぁーい。あっ、その講習内容を動画で残すのは? そしたら後から見れるし!」
「後から検討するということで」
「しないヤツじゃんか!」
カノンはインターフェイスではアナウンサーとして出ているけど、大学ではミキサーもやっているということで、どちらの技術向上にも忙しいようだ。ただし、ミキサー講習を聞きたいという要望は議長のシノに阻まれてしまったけれども。
「北星ってやっぱり凄いよねー。2年生なのに初心者講習会で講師やっちゃうんだから!」
「講師じゃないよ~」
「でも、映像制作についてみんなの前で話すんでしょ?」
「高木さんの手伝いだよ~」
「北星さんは謙遜していますけど、先輩から見ても技術力が確かであるからこそ頼られるのだと思いますよ」
「とりぃもそう思うよね!」
「はい」
とりぃはいつか流星群の映像を撮りたいという夢があって、その前に星空の写真を撮る練習をしているそうだ。自分が持っているカメラで上手く撮るにはという相談を北星にしていたようなので、北星の方もとりぃのことを「星の子のとりぃ」と既に顔と名前を一致させている。
「やはり北星さんは名は体を表すという言葉をそのまま表したような人だなと思うのですよ」
「どういうこと?」
「名は体を表すって、名前が中身とか実質を表すってことだよね」
「そうですね。北星、北の星というのはやはり北極星をイメージしますよね。北極星はあまり大きく動かないので道しるべになります。北星さんが映像制作に一点集中しているという話を聞いたときに、行くべき道をまっすぐ突き進むことが出来る人なのだなという印象を受けました」
「そんな風に言われたの、初めてだよ~」
「そうなのですね。私はそんな風に思ったのですよ。いい名前ですし、名前に恥じない道を行っているのだなと」
「すごい、本当だね! とりぃ、よく気付いたね! 北星ってホントにピッタリな名前!」
「くるちゃんもありがと~。こそばゆいや~。とりぃって、下の名前なんだっけ~?」
「春風と書いて、はるかと読みます」
「へ~、優しい感じの名前だね~」
「ありがとうございます」
さすがの星の子らしい解釈の仕方だなと思った。ここまで北星のことを好意的に見られるのかと。いや、俺も映像制作に関しては凄いなと思っているし、相談したりもする。だけどあまりに残念すぎる普段の様子も見ているから呆れたりするんだ。悪い奴じゃないのはわかってるんだけど。
「高木先輩と北星がタッグ組む講習とか、俺も実はメチャクチャ楽しみなんだよな。北星、期待してるぞ」
「え~。シノ、議長がプレッシャーかけないでよ~」
「そーだそーだ! 北星をイジメるなー!」
「カノンお前、自分がその講習受けられないからって露骨じゃね!?」
「そんなの俺だって講習受けたいに決まってんじゃんか! シノばっかりズルい! 職権乱用だ!」
「乱用じゃねーよ、俺は順当にミキサーだからそっちにいるのが仕事の内でもあるの!」
「カノン~、後から講習内容まとめて~、送ろうか~?」
「助かる~! 北星、お前神かよ! あーほら北星はシノと違って優しいぞ!」
「とりぃ、一応当日カノンのこと見張っといて。アナウンサー講習の方に括り付けといてもらえると助かる」
「わかりました。シノさん、希くんがすみません。少し技術欲と好奇心が旺盛なだけで、悪気は無いのです」
「それは一応わかってます。でも俺たちは一応運営側だからさ」
「ええ、そうですよね」
そう、俺たちはあくまでも運営側。講習会が滞りなく行われるように動かなければならない。確かに高木さんの講習を受けるのは楽しみだと俺も思ってるけど、運営側だ、運営側。
end.
++++
カノンがめっちゃぎゃあぎゃあしてるしシノが既に落ち着いた議長の風貌。カノンは秋(奏多とのアレ)までずっとこんな感じだといい。
内輪からの扱いは雑なのに、他校の人からの評価が高い北星。フェーズ1で言うところの神崎っぽい感じ。
そもそも講師のTKGが私利私欲を交えた北星起用がやや見て取れる。
(phase3)
.