2024(02)
■好きとお金の釣り合い
++++
「すがやん毎回ありがとー。ホンット助かる!」
「何回行っても新しい物があってなかなか追いきれないよなー」
「そうなんだよ!」
すがやんがまた好きな展覧会のために東都に行くって行ってたから、東都駅で売ってるお菓子のおつかいを頼んでた。あれとそれとこれと……って結構たくさんリストアップはして、行列だろうしムリはしなくていいからねって言ってあったんだけど、みーんな買ってきてくれてびっくり!
あたしが断面動画を撮ってるのはコンビニスイーツが中心だけど、それとは別にスイーツはスイーツで楽しみたいし、やっぱり最新の物を追うなら東都一強みたいな感にはなってるよね。東都駅は夢の国だと思う。でもテーマパークとかならお金で行列をパス出来るけど、スイーツを求める列はお金を積んでもパス出来ないから時間がかかるんだよね。
「そしたら今分けちゃうねー」
「何か俺の方こそいつも分けてもらって申し訳なくなってくるよ。ほら、自分で並んで買ってるから値段も知ってるし。個包装1つ当たりの値段を計算しちまって」
「いいのいいの! これだけあたしが全部1人で食べても太りすぎちゃうし、すがやんにも美味しいスイーツを味わって欲しい!」
買ってきてもらった物のパッケージを写真に記録して、商品ページがあるものはそのURLも一緒にメモしておく。コンビニスイーツほど真剣にはやらないけど、食べた感想とかはやっぱり残しておきたい。こういうお菓子って定着する物としない物があって、しない物の方のことも覚えておきたいし。
「くるみのスイーツメモってすごいよなー。確かカフェのメモも取ってなかったっけ?」
「簡単にね。スイーツメモにもランクがあって、一番ちゃんとしてるのはやっぱりコンビニスイーツなんだけど、こういう、駅とかで買えるヤツは中くらいのレベルかな」
「中より下ってあるの?」
「カフェのメモが中より下かな」
「あれで下なの!? すっげーなあ。くるみの趣味にかける情熱は本当に凄い」
「すがやんには言われたくないよー」
この間ははにわで今回はエジプトの展覧会だったかな? 自分の好きな展覧会のためならどこにだって行っちゃうすがやんも凄いよね。交通費だってバカにならないんだから。星大の博物館でやってる講演会やワークショップみたいなことにも積極的に参加してるって話だし。
あたしも自分の足で東都とか、いろんなところに行って美味しいものを探して歩くべきなんだろうけど、なかなか星港から出られないよね。通販で買える物はそっちを使いがち。送料がかさんできちゃうしあれもこれも買おーっと、ってカートを埋めてるとお金がなくなるしーのループで。
「すがやんって多趣味なのによく東都までの交通費をポーンと出せるよね? 計画的に貯めてるの?」
「そうだなー。やっぱある程度は貯めてるよ」
「あたしホントに貯まんなくてさー。知らないお菓子に出会ったらつい財布の紐が緩んじゃって」
「あー、わかるー。俺もいい化石とか見つけたら予定にないのに買っちまう」
「本気でお金を貯めようと思ったときって、やり方とか精神の点で誰に相談したらいいんだろうね? すがやんとだったら衝動買いのあるある話になっちゃって、結局あたしの行動も自然で普通なんだって許しちゃいそう」
「まあ、ガチるならやっぱシノじゃね?」
「だよねー」
「ササ曰く、シノは最近料理がグンと上達してて、高コスパかつ美味いメシ食わしてくれるんだって」
「えー! あたしもシノの料理食べてみたーい! どんなの作るの!? シノだしやっぱりがっつり系なんだろうけどさあ!」
「サトイモのそぼろあんかけが優しい味わいで美味かったってさ」
「意外に素朴だった」
あたしとすがやんがお昼にたまに使ってる第1学食上の量り売りのお弁当屋さんには、和食のお総菜のコーナーがあるんだよね。筑前煮とかおひたしとかがあって、たまーに食べたくなる。シノもお弁当屋さんやスーパーでお総菜を見て食べたいなって思うそうなんだけど、もっと食べたいなって思うそうなんだよね。
安く量を食べるには、自分で作ればいい。そういう結論に達したシノは、自分で出来る料理は自分でやるようになったんだって。自分で作るときの材料費や手間暇を売ってるお総菜の値段を比較して、作る方がいいなら作っちゃえって感じで。だから唐揚げとかハンバーグはすごく上手になったって。
「だから多分そろそろシノの趣味に料理も加わってる頃合いじゃないかなって思う」
「シノって図書館によく行ってるし、料理の本とかも読んでるんじゃないかな? 動画より文字と写真の方がわかりやすいって言ってたし」
「文字で読んでわかるのってホントにわかってる人じゃん」
「じゃあ今度の薪ストーブの会はシノが料理のリーダーだね!」
「多分素直にお願いした方がいいと思う」
「はいすがやん、これで買ってきてもらったお菓子全部かな」
「ホント申し訳ない。ほぼ奢ってもらってるようなモンじゃんな」
「だからいいんだって! とりぃとか、お母さんとかにもよかったらどうぞ」
「ありがとうございます」
「うーん。お金がシノなら、ダイエットはやっぱりとりぃに相談するのがいいのかな? でもあたし走れないんだよね」
「普段からトレーニングしてんじゃないの?」
「大学のジムで運動はしてるけど、それと実際の道をジョギングするのとは全然違う! たまにとりぃと松兄が何キロ走ったとかいう話聞くけど、凄すぎて目ん玉飛び出そうになるもん」
「俺とサキはくるみのジム通いが続いてんのもすげーなーっていつも話してるけど、そのくるみから見ても春風と奏多って凄すぎるのか」
「うん、すっごい!」
「でも、くるみも本当に続いてるよなー」
「食べた分動かなきゃっていうのもそうなんだけど、それ以上にミドカのポイントがオイシすぎるんだもん!」
「あー、それなー!」
ミドカのポイントを貯めれば貯めただけ教科書だとか、その他の大学での出費に対して使えるから、体を動かした分だけもらえるならお得しかないじゃんって感じでやってるよね。体のことは緩やかにじゃないとわかんないけど、ポイントっていう形で目に見えるご褒美に弱いんだ。
「俺のじわじわーっと貯まってるミドカのポイントの使いどころはどこだろう」
「お昼ご飯をちょっと贅沢するとか?」
「あー」
「高い本を買うときの足しにするとか」
「それだ! いや、やっぱ昼ご飯の贅沢にしようかな」
「えっ意外! 本じゃないんだ?」
「本にはスパッとお金を出すけど、高いなーって躊躇しがちなのは昼ご飯だから、ポイントはそっちに使うべきかなって」
「じゃあ春学期が始まったらすがやんの贅沢の現場見せてね!」
「どーする、1グラム2円の唐揚げとか取っちゃう?」
「いいねー。ハンバーグもあるよ!」
「悩むなー!」
end.
++++
すがくるサキの3人はグラムワンのお得意さま。好きな物を好きなだけ取れるのが(特にサキが)お気に入り。
フェーズ2の薪ストーブの会の頃は今から料理を始めるって言ってたシノがかなり上達した様子。肉料理は作った方が安くて美味い。
ちなシノの唐揚げの師匠は鵠さん。GREENs仕込みのガチなヤツ。
(phase3)
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「すがやん毎回ありがとー。ホンット助かる!」
「何回行っても新しい物があってなかなか追いきれないよなー」
「そうなんだよ!」
すがやんがまた好きな展覧会のために東都に行くって行ってたから、東都駅で売ってるお菓子のおつかいを頼んでた。あれとそれとこれと……って結構たくさんリストアップはして、行列だろうしムリはしなくていいからねって言ってあったんだけど、みーんな買ってきてくれてびっくり!
あたしが断面動画を撮ってるのはコンビニスイーツが中心だけど、それとは別にスイーツはスイーツで楽しみたいし、やっぱり最新の物を追うなら東都一強みたいな感にはなってるよね。東都駅は夢の国だと思う。でもテーマパークとかならお金で行列をパス出来るけど、スイーツを求める列はお金を積んでもパス出来ないから時間がかかるんだよね。
「そしたら今分けちゃうねー」
「何か俺の方こそいつも分けてもらって申し訳なくなってくるよ。ほら、自分で並んで買ってるから値段も知ってるし。個包装1つ当たりの値段を計算しちまって」
「いいのいいの! これだけあたしが全部1人で食べても太りすぎちゃうし、すがやんにも美味しいスイーツを味わって欲しい!」
買ってきてもらった物のパッケージを写真に記録して、商品ページがあるものはそのURLも一緒にメモしておく。コンビニスイーツほど真剣にはやらないけど、食べた感想とかはやっぱり残しておきたい。こういうお菓子って定着する物としない物があって、しない物の方のことも覚えておきたいし。
「くるみのスイーツメモってすごいよなー。確かカフェのメモも取ってなかったっけ?」
「簡単にね。スイーツメモにもランクがあって、一番ちゃんとしてるのはやっぱりコンビニスイーツなんだけど、こういう、駅とかで買えるヤツは中くらいのレベルかな」
「中より下ってあるの?」
「カフェのメモが中より下かな」
「あれで下なの!? すっげーなあ。くるみの趣味にかける情熱は本当に凄い」
「すがやんには言われたくないよー」
この間ははにわで今回はエジプトの展覧会だったかな? 自分の好きな展覧会のためならどこにだって行っちゃうすがやんも凄いよね。交通費だってバカにならないんだから。星大の博物館でやってる講演会やワークショップみたいなことにも積極的に参加してるって話だし。
あたしも自分の足で東都とか、いろんなところに行って美味しいものを探して歩くべきなんだろうけど、なかなか星港から出られないよね。通販で買える物はそっちを使いがち。送料がかさんできちゃうしあれもこれも買おーっと、ってカートを埋めてるとお金がなくなるしーのループで。
「すがやんって多趣味なのによく東都までの交通費をポーンと出せるよね? 計画的に貯めてるの?」
「そうだなー。やっぱある程度は貯めてるよ」
「あたしホントに貯まんなくてさー。知らないお菓子に出会ったらつい財布の紐が緩んじゃって」
「あー、わかるー。俺もいい化石とか見つけたら予定にないのに買っちまう」
「本気でお金を貯めようと思ったときって、やり方とか精神の点で誰に相談したらいいんだろうね? すがやんとだったら衝動買いのあるある話になっちゃって、結局あたしの行動も自然で普通なんだって許しちゃいそう」
「まあ、ガチるならやっぱシノじゃね?」
「だよねー」
「ササ曰く、シノは最近料理がグンと上達してて、高コスパかつ美味いメシ食わしてくれるんだって」
「えー! あたしもシノの料理食べてみたーい! どんなの作るの!? シノだしやっぱりがっつり系なんだろうけどさあ!」
「サトイモのそぼろあんかけが優しい味わいで美味かったってさ」
「意外に素朴だった」
あたしとすがやんがお昼にたまに使ってる第1学食上の量り売りのお弁当屋さんには、和食のお総菜のコーナーがあるんだよね。筑前煮とかおひたしとかがあって、たまーに食べたくなる。シノもお弁当屋さんやスーパーでお総菜を見て食べたいなって思うそうなんだけど、もっと食べたいなって思うそうなんだよね。
安く量を食べるには、自分で作ればいい。そういう結論に達したシノは、自分で出来る料理は自分でやるようになったんだって。自分で作るときの材料費や手間暇を売ってるお総菜の値段を比較して、作る方がいいなら作っちゃえって感じで。だから唐揚げとかハンバーグはすごく上手になったって。
「だから多分そろそろシノの趣味に料理も加わってる頃合いじゃないかなって思う」
「シノって図書館によく行ってるし、料理の本とかも読んでるんじゃないかな? 動画より文字と写真の方がわかりやすいって言ってたし」
「文字で読んでわかるのってホントにわかってる人じゃん」
「じゃあ今度の薪ストーブの会はシノが料理のリーダーだね!」
「多分素直にお願いした方がいいと思う」
「はいすがやん、これで買ってきてもらったお菓子全部かな」
「ホント申し訳ない。ほぼ奢ってもらってるようなモンじゃんな」
「だからいいんだって! とりぃとか、お母さんとかにもよかったらどうぞ」
「ありがとうございます」
「うーん。お金がシノなら、ダイエットはやっぱりとりぃに相談するのがいいのかな? でもあたし走れないんだよね」
「普段からトレーニングしてんじゃないの?」
「大学のジムで運動はしてるけど、それと実際の道をジョギングするのとは全然違う! たまにとりぃと松兄が何キロ走ったとかいう話聞くけど、凄すぎて目ん玉飛び出そうになるもん」
「俺とサキはくるみのジム通いが続いてんのもすげーなーっていつも話してるけど、そのくるみから見ても春風と奏多って凄すぎるのか」
「うん、すっごい!」
「でも、くるみも本当に続いてるよなー」
「食べた分動かなきゃっていうのもそうなんだけど、それ以上にミドカのポイントがオイシすぎるんだもん!」
「あー、それなー!」
ミドカのポイントを貯めれば貯めただけ教科書だとか、その他の大学での出費に対して使えるから、体を動かした分だけもらえるならお得しかないじゃんって感じでやってるよね。体のことは緩やかにじゃないとわかんないけど、ポイントっていう形で目に見えるご褒美に弱いんだ。
「俺のじわじわーっと貯まってるミドカのポイントの使いどころはどこだろう」
「お昼ご飯をちょっと贅沢するとか?」
「あー」
「高い本を買うときの足しにするとか」
「それだ! いや、やっぱ昼ご飯の贅沢にしようかな」
「えっ意外! 本じゃないんだ?」
「本にはスパッとお金を出すけど、高いなーって躊躇しがちなのは昼ご飯だから、ポイントはそっちに使うべきかなって」
「じゃあ春学期が始まったらすがやんの贅沢の現場見せてね!」
「どーする、1グラム2円の唐揚げとか取っちゃう?」
「いいねー。ハンバーグもあるよ!」
「悩むなー!」
end.
++++
すがくるサキの3人はグラムワンのお得意さま。好きな物を好きなだけ取れるのが(特にサキが)お気に入り。
フェーズ2の薪ストーブの会の頃は今から料理を始めるって言ってたシノがかなり上達した様子。肉料理は作った方が安くて美味い。
ちなシノの唐揚げの師匠は鵠さん。GREENs仕込みのガチなヤツ。
(phase3)
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