2023
■1人でもがんばろー!
++++
「シーノー! ごめん、おまたせ!」
「ああ、くるみ。おっす」
今日は対策委員の会議で、シノと約束して一緒に行こうって話になってる。今は夏合宿に向けてバリバリやっていかなきゃいけないときだし、班の打ち合わせが始まってるところは始まってるって話。北星も昨日班の顔合わせで、何とかやれた~って。あたしはまだなんだけど、最初が肝心だよね!
班のことも大事だけど、対策委員としては合宿そのものの運営もすっごく大事。正直まだ実感がないと言うか、まだよくわかんないんだけど、そういうのはこれから会議や班の打ち合わせを重ねていくことで自分のことになっていくのかな。シノは議長だから、その辺の重みを人一倍感じてるみたい。あたしも同じ緑ヶ丘の代表として、同じミキサーとして支えないとね!
「さっ、行こっ! えっとー、次のバスが何分だったかな」
「悪いくるみ、購買寄っていいか? 水欲しい」
「うん、わかったよ。あたしも途中で飲むもの買おうかな」
それで購買に行ってシノは水を買って、あたしはフルーツティーを買った。次のバスは10分後みたいだから、しばらく待つことになるのかな。スクールバスで駅まで行っても、ちゃんと地下に入る電車じゃなくて、私鉄の青池止まりの電車だとまたしばらく待ち時間が発生しちゃうし、豊葦から星港に行くのは結構な時間を見なきゃいけないんだよね。
「あー……だるっ」
「シノ、大丈夫ー? バイトが忙しいとか? 深夜帯だもんね」
「いや、深夜だからそこまでガッツリ仕事してるってワケじゃないんだ」
「シノって凄いよね。あたし深夜帯に仕事なんて眠くて出来ないよ」
「いや、お前の方が凄くね? 朝の5時6時から仕事なんて眠くて出来ねーよ」
「早朝の時間帯は陳列棚がいっぱいだからね! 新商品を狙うなら絶対朝なんだよ!」
「コンビニスイーツに懸ける情熱ってのもここまで来るとマジですげーわ」
あたしはコンビニでバイトしてるんだけど、働いているのは朝早くから。5時とか6時からってパターンが多いかな。2年生になってからは1限に授業を入れることが少なくなったから、9時過ぎまで働くことが出来るようになってるかな。1日3、4時間を週3、4日。朝働く方が何となく体の調子がいいような気がするんだよね。
シノは果林先輩がバイトしてるコーヒーチェーン店で深夜帯のバイトを始めた。ガソリンスタンドの仕事もあるからそれに必要な資格も取って、会社持ちで資格を取ったぞーって、すっごく喜んでたんだよね。サキがシノの勉強を見てあげたりもしてたんだって。理系の分野だからササじゃなくてサキにお願いしたとかで。
あたしは夜中にバイトなんて眠くて絶対に出来ない。シノは深夜帯の良さがあるって言うけど、あたしは早朝の良さっていうのを感じてるよね。朝のコンビニに寄るのは1日の習慣って言うか、来る人の顔も何となく同じような気がするんだよね。勝手知ったる人相手の仕事と言うか。絶対そうでもないんだけど。あと、慌ただしさのおかげで時間が経つのが早く感じるかな。
「でも、本当にだるそうだよ。大丈夫?」
「何か、だるいっつーか体が痛いっつーか。全身筋肉痛、みたいな」
「えっ!? 何やったらそんなことになるの!? ジムでムチャした!?」
「行ってない行ってない」
「だよね」
「今も暑いのか寒いのかよくわかんねーっつーか」
「って言うかすっごい汗! ちょっとごめん! ねえシノ、デコあっつい! 熱あるんじゃない!? 水よりスポーツドリンクの方がいいよ!」
バス停の前の自販機でスポーツドリンクを買って、それをシノに押し付ける。って言うか星港に行ってる場合じゃなくない!? 大学から花栄までは普通に1時間近くかかるし。それまでの間にもっと酷くならないとも限らない。
「ねえシノ、家に薬とか持ってる?」
「ない」
「1人暮らしするんなら持ってた方がいいよ。って、今言ってもしょうがないね。病院行った方がいいよ。ただ熱があるだけなら薬飲んで寝てればいいかもしれないけど、体もだる痛いんでしょ? って言うか原付乗って大丈夫?」
「内科と整形外科なら大学の保健センターで診てもらえるっつって高崎先輩が言ってた」
「保健センターって何時までだろ。えーっと、大学の施設~っと。ねえシノ、5時までだって! 今なら間に合うし、対策委員のことはあたしに任せて!」
「……じゃあすいません、お願いします」
「えっと、議長だけが持ってる情報とかって、ないよね?」
「それは大丈夫。どっちかっつーと当麻からの報告を受けれないのが問題かもしんねー」
「あたしがしっかり受けるから安心して!」
「ああ、任せた。じゃあ俺、保健センターに行って来るし、今日は欠席でお願いします」
「わかったよ! 診察の結果は教えてね!」
「了解」
シノを見送って、あたしはバス停でもうしばらくの待ち時間。欠席連絡は直接持って行けばいいよね? シノの体調、何でもなければいいけど。えっと、今日の会議は当麻が何か大事な話を報告してくれるのかな? 対策委員の会議はシノとカノンと当麻が中心で回ってるって感じだけど、今日はシノがいないしあたしも頑張らないと!
end.
++++
この時期にインフルでダウンしたという話はいくらかやってるけど、本人の話は初めて。
明日からはオープンキャンパスの体だけど、連絡がくるちゃんにしか出来ないくらいにはボーっとしたんやろなあ
(phase3)
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「シーノー! ごめん、おまたせ!」
「ああ、くるみ。おっす」
今日は対策委員の会議で、シノと約束して一緒に行こうって話になってる。今は夏合宿に向けてバリバリやっていかなきゃいけないときだし、班の打ち合わせが始まってるところは始まってるって話。北星も昨日班の顔合わせで、何とかやれた~って。あたしはまだなんだけど、最初が肝心だよね!
班のことも大事だけど、対策委員としては合宿そのものの運営もすっごく大事。正直まだ実感がないと言うか、まだよくわかんないんだけど、そういうのはこれから会議や班の打ち合わせを重ねていくことで自分のことになっていくのかな。シノは議長だから、その辺の重みを人一倍感じてるみたい。あたしも同じ緑ヶ丘の代表として、同じミキサーとして支えないとね!
「さっ、行こっ! えっとー、次のバスが何分だったかな」
「悪いくるみ、購買寄っていいか? 水欲しい」
「うん、わかったよ。あたしも途中で飲むもの買おうかな」
それで購買に行ってシノは水を買って、あたしはフルーツティーを買った。次のバスは10分後みたいだから、しばらく待つことになるのかな。スクールバスで駅まで行っても、ちゃんと地下に入る電車じゃなくて、私鉄の青池止まりの電車だとまたしばらく待ち時間が発生しちゃうし、豊葦から星港に行くのは結構な時間を見なきゃいけないんだよね。
「あー……だるっ」
「シノ、大丈夫ー? バイトが忙しいとか? 深夜帯だもんね」
「いや、深夜だからそこまでガッツリ仕事してるってワケじゃないんだ」
「シノって凄いよね。あたし深夜帯に仕事なんて眠くて出来ないよ」
「いや、お前の方が凄くね? 朝の5時6時から仕事なんて眠くて出来ねーよ」
「早朝の時間帯は陳列棚がいっぱいだからね! 新商品を狙うなら絶対朝なんだよ!」
「コンビニスイーツに懸ける情熱ってのもここまで来るとマジですげーわ」
あたしはコンビニでバイトしてるんだけど、働いているのは朝早くから。5時とか6時からってパターンが多いかな。2年生になってからは1限に授業を入れることが少なくなったから、9時過ぎまで働くことが出来るようになってるかな。1日3、4時間を週3、4日。朝働く方が何となく体の調子がいいような気がするんだよね。
シノは果林先輩がバイトしてるコーヒーチェーン店で深夜帯のバイトを始めた。ガソリンスタンドの仕事もあるからそれに必要な資格も取って、会社持ちで資格を取ったぞーって、すっごく喜んでたんだよね。サキがシノの勉強を見てあげたりもしてたんだって。理系の分野だからササじゃなくてサキにお願いしたとかで。
あたしは夜中にバイトなんて眠くて絶対に出来ない。シノは深夜帯の良さがあるって言うけど、あたしは早朝の良さっていうのを感じてるよね。朝のコンビニに寄るのは1日の習慣って言うか、来る人の顔も何となく同じような気がするんだよね。勝手知ったる人相手の仕事と言うか。絶対そうでもないんだけど。あと、慌ただしさのおかげで時間が経つのが早く感じるかな。
「でも、本当にだるそうだよ。大丈夫?」
「何か、だるいっつーか体が痛いっつーか。全身筋肉痛、みたいな」
「えっ!? 何やったらそんなことになるの!? ジムでムチャした!?」
「行ってない行ってない」
「だよね」
「今も暑いのか寒いのかよくわかんねーっつーか」
「って言うかすっごい汗! ちょっとごめん! ねえシノ、デコあっつい! 熱あるんじゃない!? 水よりスポーツドリンクの方がいいよ!」
バス停の前の自販機でスポーツドリンクを買って、それをシノに押し付ける。って言うか星港に行ってる場合じゃなくない!? 大学から花栄までは普通に1時間近くかかるし。それまでの間にもっと酷くならないとも限らない。
「ねえシノ、家に薬とか持ってる?」
「ない」
「1人暮らしするんなら持ってた方がいいよ。って、今言ってもしょうがないね。病院行った方がいいよ。ただ熱があるだけなら薬飲んで寝てればいいかもしれないけど、体もだる痛いんでしょ? って言うか原付乗って大丈夫?」
「内科と整形外科なら大学の保健センターで診てもらえるっつって高崎先輩が言ってた」
「保健センターって何時までだろ。えーっと、大学の施設~っと。ねえシノ、5時までだって! 今なら間に合うし、対策委員のことはあたしに任せて!」
「……じゃあすいません、お願いします」
「えっと、議長だけが持ってる情報とかって、ないよね?」
「それは大丈夫。どっちかっつーと当麻からの報告を受けれないのが問題かもしんねー」
「あたしがしっかり受けるから安心して!」
「ああ、任せた。じゃあ俺、保健センターに行って来るし、今日は欠席でお願いします」
「わかったよ! 診察の結果は教えてね!」
「了解」
シノを見送って、あたしはバス停でもうしばらくの待ち時間。欠席連絡は直接持って行けばいいよね? シノの体調、何でもなければいいけど。えっと、今日の会議は当麻が何か大事な話を報告してくれるのかな? 対策委員の会議はシノとカノンと当麻が中心で回ってるって感じだけど、今日はシノがいないしあたしも頑張らないと!
end.
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この時期にインフルでダウンしたという話はいくらかやってるけど、本人の話は初めて。
明日からはオープンキャンパスの体だけど、連絡がくるちゃんにしか出来ないくらいにはボーっとしたんやろなあ
(phase3)
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