2022
■Accelerate Preparation
++++
「いつものことですが、ツッツのDIYは本当に凄いですね……」
「ここの手触りが最高だよッ! 永遠に撫でてられるッ!」
大学祭に向けてサークルでも準備は着々と進めているのですが、ジュンとツッツの装飾班としての活動が本格的に始まり、まずはツッツがDJブースのタイムテーブルを貼るメニューボードを作ってきてくれました。カフェの店先にあるようなあのイメージです。
ツッツの真骨頂である木材加工を軸に、コルクボードの面と黒板の面の2面が用意されています。コルクボードの面には押しピンなどで紙を貼れますし、黒板の面には直接文字やイラストを描いても良しとなっています。蝶番で折り畳めてコンパクトになるので持ち運びも楽ちんです。
奈々先輩がこのメニューボードの枠を先ほどからずーっと撫でています。表面もそうですが、角などにも丸みを持たせるように加工を施し、滑らかな手触りになるようひたすらに紙ヤスリで擦ったそうなのです。とても手間暇がかけられているようですね。
「あの、皆さんいーすか! ちょっとお知らせっす」
「どうしたのカノン」
「こないだインターフェイスの一部の2年でちょっと話してたんすけど、青女と青敬以外の学祭の日程がカブってて遊びに行きにくいのしんどくね? って話になったんすね」
「あー、それはそうだねッ。他の大学って結局遊びに行ったことないかもッ」
「そこで、せっかくインターフェイスの動画チャンネルもあることだし、ウチとか緑ヶ丘とかサークルで何か出してるトコは生配信やってもいいんじゃないかって。実際の番組を流してもいいし、食品ブースだけのトコはそこからちょこちょこっと学祭の雰囲気を実況してみたり、とにかく他の大学の雰囲気をつまみ食いするって企画っす」
「ふんふん」
一部の2年生……と言うか、きっとまた例によって徹平くんを中心とした誰かなんだとは思いますが、企画自体は面白そうではあります。さすが希くんと言ったところでしょうか。
「そんでですね? ここに、モニターがあるんすけど! このモニターにインターフェイスの配信を垂れ流してDJブースの方でも流せないかなーって。逆に、ウチの番組が他の大学にも響くって寸法っす」
「まあ、面白いとは思うんだけど、インターフェイスのチャンネルを使う以上はそれなりの内容じゃないとマズいとは思うんだよ。あとミドリに確認は取った?」
「ミドリ先輩は「事故には気をつけてね」って言ってたっす」
「話を通してあるならまあ、やってみたらいいんじゃないかな?」
「奈々先輩あざっす! これワンチャンロボコンの中継もアリっすかね? 鳥ちゃんの勇姿を配信したいっす」
「希くん!? 突然何を言い出すのですか!?」
「それはロボット大戦の運営の方に確認を取らないとだと思うよ。ちなみにロボコンは大学祭と運営が違うから本当にやるなら気をつけてね」
「了解っす!」
奈々先輩がやんわりと「やっても構わない」と仰ったことで希くんは本当にロボット大戦の実況中継の準備を始めかねません。どうしましょう。これは野坂先輩にも相談をしなければなりません。実際野坂先輩にも影響のありそうな話ですし。
「でもよかっすー、DJブースで配信流してたら、ウチの番組の方と音がかち合わねーか?」
「中継の時間帯はあらかじめ相談して、ケンカしないように出来ればなっていうのが理想かな。細かいことは今から詰めるけど」
「じゃあ、同時にはやんねーんだな?」
「それか番組内で中継飛ばすみたいな感じ? 何にせよ、2つが混線しないようにはする」
「わかった」
「配信のアーカイブは基本的に残さない感じで、配信を録画するしないは各大学さんの自由にしようかーとは話してます。今のところは以上です。また追って報告します」
いろいろな大学の大学祭の雰囲気をつまみ食いするという企画自体はいいと思うのですが、問題はMMPは何を中継するのかという話です。食品ブースの様子を伝えると、普段の番組だけより大学祭らしさが増すとは思うのですが。
「アーカイブが残らないとは言え、ネット上に顔が出るのは、ちょっと……」
「ツッツの気持ちはとてもわかりますよ。どう対処しましょうか」
「そこにある目出し帽をかぶるとか」
「不審者ではありませんか」
「それか、ジュンに似顔絵を描いてもらって、それでお面を作ろう」
「シンプルですが有効な手段だと思います」
「春風先輩?」
「まあ、中継についてはカノンがもうちょっと詰めて来てから改めて話すとして、あとは個人の番組だとか、食品ブースのことになるかな。あと装飾班は看板作りを頑張ってもらって」
「看板は、次のサークル活動日に運び入れる予定です」
「廊下で作業をしても大丈夫ですか? さすがにサークル室は机もありますし狭いですよね」
「廊下でやるんであれば、毎回しっかり片付けをしてくれれば大丈夫かなッ。菜月先輩が装飾の作業をやってた頃は毎日やってたしサークル室の中だったから結構物とかが出しっぱなしだったんだけど、廊下だとさすがにね。公共の場所だから」
「わかりました」
「あっ、ジュンとツッツって片付けとかめんどくさくない方? 作業規模が大きくなったら他の人も使っていいんだからねッ」
「奈々さん、装飾班は元々収納班っすよ。心配しなくてもちゃんと片付けられる奴らっす」
「あそっか。他に連絡のある人ー」
「あっ、食品班です」
「はい、どうぞ」
「えっと、ジャックの部屋で僕と殿とジャックを中心にジャガイモの仕込みが始まってます。それでも膨大な量なので、時間のある人はぜひ手伝ってもらえると助かります」
end.
++++
恐らくは主に定例会メンバーで話してたんだろうカノンからの提案。果たして実現なるか
(phase3)
.
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「いつものことですが、ツッツのDIYは本当に凄いですね……」
「ここの手触りが最高だよッ! 永遠に撫でてられるッ!」
大学祭に向けてサークルでも準備は着々と進めているのですが、ジュンとツッツの装飾班としての活動が本格的に始まり、まずはツッツがDJブースのタイムテーブルを貼るメニューボードを作ってきてくれました。カフェの店先にあるようなあのイメージです。
ツッツの真骨頂である木材加工を軸に、コルクボードの面と黒板の面の2面が用意されています。コルクボードの面には押しピンなどで紙を貼れますし、黒板の面には直接文字やイラストを描いても良しとなっています。蝶番で折り畳めてコンパクトになるので持ち運びも楽ちんです。
奈々先輩がこのメニューボードの枠を先ほどからずーっと撫でています。表面もそうですが、角などにも丸みを持たせるように加工を施し、滑らかな手触りになるようひたすらに紙ヤスリで擦ったそうなのです。とても手間暇がかけられているようですね。
「あの、皆さんいーすか! ちょっとお知らせっす」
「どうしたのカノン」
「こないだインターフェイスの一部の2年でちょっと話してたんすけど、青女と青敬以外の学祭の日程がカブってて遊びに行きにくいのしんどくね? って話になったんすね」
「あー、それはそうだねッ。他の大学って結局遊びに行ったことないかもッ」
「そこで、せっかくインターフェイスの動画チャンネルもあることだし、ウチとか緑ヶ丘とかサークルで何か出してるトコは生配信やってもいいんじゃないかって。実際の番組を流してもいいし、食品ブースだけのトコはそこからちょこちょこっと学祭の雰囲気を実況してみたり、とにかく他の大学の雰囲気をつまみ食いするって企画っす」
「ふんふん」
一部の2年生……と言うか、きっとまた例によって徹平くんを中心とした誰かなんだとは思いますが、企画自体は面白そうではあります。さすが希くんと言ったところでしょうか。
「そんでですね? ここに、モニターがあるんすけど! このモニターにインターフェイスの配信を垂れ流してDJブースの方でも流せないかなーって。逆に、ウチの番組が他の大学にも響くって寸法っす」
「まあ、面白いとは思うんだけど、インターフェイスのチャンネルを使う以上はそれなりの内容じゃないとマズいとは思うんだよ。あとミドリに確認は取った?」
「ミドリ先輩は「事故には気をつけてね」って言ってたっす」
「話を通してあるならまあ、やってみたらいいんじゃないかな?」
「奈々先輩あざっす! これワンチャンロボコンの中継もアリっすかね? 鳥ちゃんの勇姿を配信したいっす」
「希くん!? 突然何を言い出すのですか!?」
「それはロボット大戦の運営の方に確認を取らないとだと思うよ。ちなみにロボコンは大学祭と運営が違うから本当にやるなら気をつけてね」
「了解っす!」
奈々先輩がやんわりと「やっても構わない」と仰ったことで希くんは本当にロボット大戦の実況中継の準備を始めかねません。どうしましょう。これは野坂先輩にも相談をしなければなりません。実際野坂先輩にも影響のありそうな話ですし。
「でもよかっすー、DJブースで配信流してたら、ウチの番組の方と音がかち合わねーか?」
「中継の時間帯はあらかじめ相談して、ケンカしないように出来ればなっていうのが理想かな。細かいことは今から詰めるけど」
「じゃあ、同時にはやんねーんだな?」
「それか番組内で中継飛ばすみたいな感じ? 何にせよ、2つが混線しないようにはする」
「わかった」
「配信のアーカイブは基本的に残さない感じで、配信を録画するしないは各大学さんの自由にしようかーとは話してます。今のところは以上です。また追って報告します」
いろいろな大学の大学祭の雰囲気をつまみ食いするという企画自体はいいと思うのですが、問題はMMPは何を中継するのかという話です。食品ブースの様子を伝えると、普段の番組だけより大学祭らしさが増すとは思うのですが。
「アーカイブが残らないとは言え、ネット上に顔が出るのは、ちょっと……」
「ツッツの気持ちはとてもわかりますよ。どう対処しましょうか」
「そこにある目出し帽をかぶるとか」
「不審者ではありませんか」
「それか、ジュンに似顔絵を描いてもらって、それでお面を作ろう」
「シンプルですが有効な手段だと思います」
「春風先輩?」
「まあ、中継についてはカノンがもうちょっと詰めて来てから改めて話すとして、あとは個人の番組だとか、食品ブースのことになるかな。あと装飾班は看板作りを頑張ってもらって」
「看板は、次のサークル活動日に運び入れる予定です」
「廊下で作業をしても大丈夫ですか? さすがにサークル室は机もありますし狭いですよね」
「廊下でやるんであれば、毎回しっかり片付けをしてくれれば大丈夫かなッ。菜月先輩が装飾の作業をやってた頃は毎日やってたしサークル室の中だったから結構物とかが出しっぱなしだったんだけど、廊下だとさすがにね。公共の場所だから」
「わかりました」
「あっ、ジュンとツッツって片付けとかめんどくさくない方? 作業規模が大きくなったら他の人も使っていいんだからねッ」
「奈々さん、装飾班は元々収納班っすよ。心配しなくてもちゃんと片付けられる奴らっす」
「あそっか。他に連絡のある人ー」
「あっ、食品班です」
「はい、どうぞ」
「えっと、ジャックの部屋で僕と殿とジャックを中心にジャガイモの仕込みが始まってます。それでも膨大な量なので、時間のある人はぜひ手伝ってもらえると助かります」
end.
++++
恐らくは主に定例会メンバーで話してたんだろうカノンからの提案。果たして実現なるか
(phase3)
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