2022
■A Beautiful Effort
++++
「おは~」
「おはよううっしー」
「あーづかれたー」
「どうしたの?」
「あー何かなー、ジュンが熱出したっつって、カブっとる授業のノートとかよろしくって頼まれたんよ。あ、そーゆーコトなんでとりぃ先輩、今日ジュンは休みです」
「わかりました」
「そんで柄にもなくマジメにフルで授業受けたから疲れて疲れて。ほら、普段サボったり手ぇ抜いたりは当たり前やから。でもジュンの頼みやしちゃんと受けとかなマズいやん。絶対どうだったって聞かれるやろし」
「ああ……ジュンだし、きっとそうだろうね」
今日は真面目に授業受けたしもうええよな、とうっしーは席に着くなりだらりとしています。熱を出してしまったというジュンのことも心配ですが、日頃は適度に力を抜いているらしいうっしーが全力で授業を受けて疲れ切っている様を、隣の席のツッツがいろいろな意味で本当に大丈夫なのかと心配そうに見ています。
「ほら、アイツ基本情報の試験勉強とかもしとったし、それと並行して絵も描いて他の勉強もして睡眠不足になっとるところに季節の変わり目でバターンよ。無理し過ぎるんよな。俺と違って力の抜き方を知らんのやよアイツは」
「うっしーは、ちょっと抜き過ぎな気が……」
「なんやとー!? 俺かてやる時はやっとるわ!」
「ご、ごめん」
「うっしーの力の入れ加減は措いておくとしても、ジュンは確かに力を抜くのが苦手なような気がしますね」
「いやいや、俺からすればとりぃ先輩も大概やけどな」
「私は適度に息抜きをしていますよ」
「収納班の活動の時に、聞いたことがあるんですけど……ジュンは、自分は努力してもなかなか結果が出ないから誰よりも頑張らないといけないって言ってました。浪人の期間が長かった分、その辺りはちゃんとしないとって」
「かーっ、マジメか! そらあんな成績にもなるわ!」
「あんな成績って?」
「SメインでちょろっとAがある程度のハイパーマジメな成績よな」
「さすがだね……」
「さすがですね。と言いますか、絵の方向で言えば、私も過度に仕事を頼んでしまったので反省ですね。ジュンの厚意に甘えすぎました」
「別にいーと思いますけどね。どーせやるなら上手くなりたいっつって自主的に練習しとるんですから」
「そういうものかなあ……」
力の入れ方や抜き方に関してだけで言えば、ジュンとうっしーを足して2で割ればちょうどいいくらいなのかもしれません。それこそ希くんなどが言うところで言えば、私と奏多を足して2で割れば、ということに通じる話ではありそうです。
私には浪人の経験がないのでその期間の気持ちなどはわからないのですが、結果や成果を目に見える形で出せるように頑張らないといけないというのは少しわかります。好きなことであれば頑張るのも苦ではないので、結果体力が尽きていることに気付かないんですね。
「おはようございまーす」
「おはようございます」
「パロ、殿、おはようございます」
「うっしー、そんな体勢で座ってたら首とか痛くならない?」
「俺は今日はもう頑張らんことに決めたんよ。脱力の結果がこれな」
「何か、あったのか」
「今日の俺は学問の神! そう、それこそケイトくんばりに拝まれて然るべき!」
「ええと……ジュンが、熱を出したらしくって、授業のノートとかよろしくって頼まれたんだって」
「ええっ!? 熱を出したの!? 大丈夫かなあ?」
「ノートよろしくって頼めるくらいなんやから意識はあるし程よく元気やろ。死にそうやったら授業のことなんか頭にないってへーきへーき」
「……そうか。FMにしうみのラジオの件でも忙しいだろうし、無理が祟ったのかもしれんな」
「あの、殿。FMにしうみのラジオ? を、やるのですか?」
「俺ではなく、ジュンが」
「な、なんやってー!?」
「ジュンがそう言っていたのですか?」
「いえ、サキ先輩から、聞きました」
「サキさんが言うのなら本当なのですね。しかし、いつの間にそんな話をしていたのですか?」
「先日、律先輩がバイトをしている喫茶店に、サキ先輩と、すがやん先輩と行く機会があり、そこで」
「僕も一緒に連れて行ってもらって、そこでそう聞きましたよ」
互いの行動を逐一報告し合うということをしない私たちですが、この件に関しては後で徹平くんに聞いておく必要がありそうですね。殿とパロの話によれば、ジュンは夏合宿で知り合った緑ヶ丘の子から一緒にFMにしうみの番組をやろうと誘われたそうです。
ジュンは作品出展の作品制作を通じて広く人に伝えることの難しさについて考え始めていたそうで、学内の規模に留まらないラジオの活動であれば、それをさらに考えた上で実践出来るのではと思ったようです。緑ヶ丘の子の殺し文句もあったとかで。
「つかガツガツやること突っ込むけど、アイツ自分のキャパわかっとるんか? そんで結果ぶっ倒れとったら意味ねーし信用も無くなるんだわ」
「うっしー、少し言い過ぎだよ」
「努力は無関係の人間から見りゃ美しいけどどんだけ結果に結び付いとるんかって話! 最終的には数字残すヤツが生き残るんやから」
「うっしーの言っていることも間違ってはいないとは思うのですが、それでも私は彼の頑張りを否定したくはありませんね……」
「俺も別にジュンのことを否定しとるワケではないんですよ。まあ、せめて社会に出るまでには何にどんだけ力入れるかとか、タスクの優先順位みたいなモンを付けれるようになった方がいいっていう話をしとるんであって。4年かかってもアイツ出来なさそうやし」
無関係の人間からすれば努力は美しく見える、というのはそうなのかもしれません。他人のこととして見る分にはそれすら娯楽として消費されてしまう物語に過ぎません。実際に結果に結びつかなければ努力に意味がないというのも、現実問題そうなのでしょう。きっと、ジュンもそれをわかっているからこそ、頑張り過ぎてしまうのでしょう。
「ま、何せアイツが出てきたら俺にひれ伏させる! そんだけやな!」
「菜月先輩と野坂先輩のお話によれば、圭斗先輩もいい意味で程よくいい加減な方であったそうなので、ケイトくんに倣ってもらうのもいいかもしれません」
end.
++++
オリジンキャラクターで言うところのノサヒロみがあるジュンとうっしー。いや、でもうっしーの方がまだマジメかもしれない
最近ヒロを見ていないけど卒業は果たして大丈夫なのか。樹理ちゃんとかに泣きついて何やかんや上手いことやりそうだけど
(phase3)
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「おは~」
「おはよううっしー」
「あーづかれたー」
「どうしたの?」
「あー何かなー、ジュンが熱出したっつって、カブっとる授業のノートとかよろしくって頼まれたんよ。あ、そーゆーコトなんでとりぃ先輩、今日ジュンは休みです」
「わかりました」
「そんで柄にもなくマジメにフルで授業受けたから疲れて疲れて。ほら、普段サボったり手ぇ抜いたりは当たり前やから。でもジュンの頼みやしちゃんと受けとかなマズいやん。絶対どうだったって聞かれるやろし」
「ああ……ジュンだし、きっとそうだろうね」
今日は真面目に授業受けたしもうええよな、とうっしーは席に着くなりだらりとしています。熱を出してしまったというジュンのことも心配ですが、日頃は適度に力を抜いているらしいうっしーが全力で授業を受けて疲れ切っている様を、隣の席のツッツがいろいろな意味で本当に大丈夫なのかと心配そうに見ています。
「ほら、アイツ基本情報の試験勉強とかもしとったし、それと並行して絵も描いて他の勉強もして睡眠不足になっとるところに季節の変わり目でバターンよ。無理し過ぎるんよな。俺と違って力の抜き方を知らんのやよアイツは」
「うっしーは、ちょっと抜き過ぎな気が……」
「なんやとー!? 俺かてやる時はやっとるわ!」
「ご、ごめん」
「うっしーの力の入れ加減は措いておくとしても、ジュンは確かに力を抜くのが苦手なような気がしますね」
「いやいや、俺からすればとりぃ先輩も大概やけどな」
「私は適度に息抜きをしていますよ」
「収納班の活動の時に、聞いたことがあるんですけど……ジュンは、自分は努力してもなかなか結果が出ないから誰よりも頑張らないといけないって言ってました。浪人の期間が長かった分、その辺りはちゃんとしないとって」
「かーっ、マジメか! そらあんな成績にもなるわ!」
「あんな成績って?」
「SメインでちょろっとAがある程度のハイパーマジメな成績よな」
「さすがだね……」
「さすがですね。と言いますか、絵の方向で言えば、私も過度に仕事を頼んでしまったので反省ですね。ジュンの厚意に甘えすぎました」
「別にいーと思いますけどね。どーせやるなら上手くなりたいっつって自主的に練習しとるんですから」
「そういうものかなあ……」
力の入れ方や抜き方に関してだけで言えば、ジュンとうっしーを足して2で割ればちょうどいいくらいなのかもしれません。それこそ希くんなどが言うところで言えば、私と奏多を足して2で割れば、ということに通じる話ではありそうです。
私には浪人の経験がないのでその期間の気持ちなどはわからないのですが、結果や成果を目に見える形で出せるように頑張らないといけないというのは少しわかります。好きなことであれば頑張るのも苦ではないので、結果体力が尽きていることに気付かないんですね。
「おはようございまーす」
「おはようございます」
「パロ、殿、おはようございます」
「うっしー、そんな体勢で座ってたら首とか痛くならない?」
「俺は今日はもう頑張らんことに決めたんよ。脱力の結果がこれな」
「何か、あったのか」
「今日の俺は学問の神! そう、それこそケイトくんばりに拝まれて然るべき!」
「ええと……ジュンが、熱を出したらしくって、授業のノートとかよろしくって頼まれたんだって」
「ええっ!? 熱を出したの!? 大丈夫かなあ?」
「ノートよろしくって頼めるくらいなんやから意識はあるし程よく元気やろ。死にそうやったら授業のことなんか頭にないってへーきへーき」
「……そうか。FMにしうみのラジオの件でも忙しいだろうし、無理が祟ったのかもしれんな」
「あの、殿。FMにしうみのラジオ? を、やるのですか?」
「俺ではなく、ジュンが」
「な、なんやってー!?」
「ジュンがそう言っていたのですか?」
「いえ、サキ先輩から、聞きました」
「サキさんが言うのなら本当なのですね。しかし、いつの間にそんな話をしていたのですか?」
「先日、律先輩がバイトをしている喫茶店に、サキ先輩と、すがやん先輩と行く機会があり、そこで」
「僕も一緒に連れて行ってもらって、そこでそう聞きましたよ」
互いの行動を逐一報告し合うということをしない私たちですが、この件に関しては後で徹平くんに聞いておく必要がありそうですね。殿とパロの話によれば、ジュンは夏合宿で知り合った緑ヶ丘の子から一緒にFMにしうみの番組をやろうと誘われたそうです。
ジュンは作品出展の作品制作を通じて広く人に伝えることの難しさについて考え始めていたそうで、学内の規模に留まらないラジオの活動であれば、それをさらに考えた上で実践出来るのではと思ったようです。緑ヶ丘の子の殺し文句もあったとかで。
「つかガツガツやること突っ込むけど、アイツ自分のキャパわかっとるんか? そんで結果ぶっ倒れとったら意味ねーし信用も無くなるんだわ」
「うっしー、少し言い過ぎだよ」
「努力は無関係の人間から見りゃ美しいけどどんだけ結果に結び付いとるんかって話! 最終的には数字残すヤツが生き残るんやから」
「うっしーの言っていることも間違ってはいないとは思うのですが、それでも私は彼の頑張りを否定したくはありませんね……」
「俺も別にジュンのことを否定しとるワケではないんですよ。まあ、せめて社会に出るまでには何にどんだけ力入れるかとか、タスクの優先順位みたいなモンを付けれるようになった方がいいっていう話をしとるんであって。4年かかってもアイツ出来なさそうやし」
無関係の人間からすれば努力は美しく見える、というのはそうなのかもしれません。他人のこととして見る分にはそれすら娯楽として消費されてしまう物語に過ぎません。実際に結果に結びつかなければ努力に意味がないというのも、現実問題そうなのでしょう。きっと、ジュンもそれをわかっているからこそ、頑張り過ぎてしまうのでしょう。
「ま、何せアイツが出てきたら俺にひれ伏させる! そんだけやな!」
「菜月先輩と野坂先輩のお話によれば、圭斗先輩もいい意味で程よくいい加減な方であったそうなので、ケイトくんに倣ってもらうのもいいかもしれません」
end.
++++
オリジンキャラクターで言うところのノサヒロみがあるジュンとうっしー。いや、でもうっしーの方がまだマジメかもしれない
最近ヒロを見ていないけど卒業は果たして大丈夫なのか。樹理ちゃんとかに泣きついて何やかんや上手いことやりそうだけど
(phase3)
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