2022
■ピンポイントでズドン
++++
「カオちゃん昨日見たよ配信。投げ銭の嵐だったねえ」
「何て言うか、欲しい物を具体的に言うモンじゃないなって学習した。勢いが怖すぎて正直ドン引きしてる」
「USDXは誕生日非公開勢が多いから、1人分かるとここぞとばかりにみんな投げるんだよ」
さて、今日はと言えばカオちゃんの誕生日の翌日。お弁当サブスクについてくる夕飯の権利が余ってたから、月末までに使い切ってねとうちにカオちゃんを招待ついでに昨日の今日でのお話を少し。カズはもうちょっとしたら帰ってくるのかな。
昨日カオちゃんがUSDXのサブチャンでやってた作業配信なんだけど、ツイッターで「この文書作成機器の最新機種が俺の誕生日に発売するとか運命か!? 買うしかない!」的ツイートをしたらそこからブワーッと誕生日が割れましたよね。で、お祝いムードに。
前述の通り、USDXっていうグループはメンバーの誕生日はほとんど非公開。キャラクター遊びに使ってる架空の人物って体だから。唯一の例外はチータかな。チータは誕生日に出てくるハッシュタグを検索してニコニコしてるんだって。
「俺が自分で誕生日に言及したのってその1件のツイートとカンヂさんとの飲酒作業雑談配信でだけじゃんな。ネットの怖さを再確認したところだよ」
「うちも物書きの端くれだからあのニュースはもちろんチェックしてるし進化したな~って感心しながら見てましたよ? でもメーカー希望価格を見たらやっぱいい値段するじゃん。それに保護シートやカバーまで揃えようとしたら大変なことですよ」
「そうなんだよ。しかも限定色の白も欲しいと思ってオンラインショップ見たけど瞬殺されてやがって」
「限定商品はそりゃ瞬殺ですよカオちゃん。でも昨日の配信だけで何台買える? ってくらいに投げ銭飛んできたじゃんねえ」
「配信終わってプロさんから即連絡来てさ」
「ほう」
「「購入資金名目の投げ銭があれだけ来ちゃったから即買って注文明細送って」って言われて焦って注文したんだよ」
「まあ、投げ銭がこっちの意図する使われ方をしたなら投げた側もニッコニコになるからねえ」
「届いたらツイッターにも画像上げるし」
「楽しみにしてるし使用感とかも教えてくれると今後の参考になるかなって」
「その辺は任せといて」
文書作成に特化したツールの使い勝手なんかはうちにも気になるところだからね。カオちゃんに使い勝手を教えてもらってうちも実際に導入するかとか、いろいろ考えてみようかなって。決して安い買い物じゃないからねえ。
「リアルでの誕生日はどうでした?」
「どうでしたって、伊東さんは知ってるだろ。普通に仕事して、配信してって、それだけだよ」
「金曜日だし友達と飲みに行ったりとかしてそうだなって」
「まあ、行こうと思えば行けたんだろうけど、配信やるしなって」
「あそっか」
「誕生日云々自体は木曜日にやってもらったし」
「えっそうなの?」
「山口が職業柄週末の夜はめちゃくちゃ忙しいから、本人的にまだ余裕のある木曜に祝ってくれた。ほら、昨日会社に新しいマグカップ持ち込んだだろ。あれをくれて」
「あーあの! もうマグカップ買い換えたんだなーと思って見てたけど、よっぺさんからのプレゼントだったんだ!?」
「会社用と自宅用で2つくれたんだよ。あの何が素晴らしいかって言ったら、猫舌にめちゃくちゃ優しいんだ」
「えっ、どう優しいの?」
「アツアツのお茶とかをカップに入れても1分後にはめっちゃ飲みやすい温度に下がってんだよ。で、その温度を1時間だったかな? それっくらいキープしてくれるっていう代物だ。アイツが俺には絶対役に立つからって言ってくれてさ。アイツはその辺のセンスがマジでいいんだよなあ。去年も左利き用の万年筆をくれて、俺の欲しい物なんか言わなくても全部わかってますって感じでピンポイントでズドンって」
「うんうん、続けて」
「顔が完全に腐女子のモードになってる気がするんだけど」
「そういうちょっとした日常の話が雨宮の新作を生みます」
「雨宮先生の新作なら俺も期待するしかない」
就活友達だったときからそうなんだけど、カオちゃんと話してたら本の1冊や2冊は余裕で出ちゃうから楽しくて楽しくて仕方ないんだよねえ! 事実は小説よりも奇なりを地でいく人でもあるし。よっぺさんとのエピソードはどれを何度聞いても美味しい。
「でもさ、カオちゃんの欲しい物がよっぺさんにはわかっちゃうみたいに、カオちゃんはよっぺさんの欲しい物をわかったりしないの?」
「それが全然わかんねーんだよ情けないことに」
「そっかあ」
「付き合いが長くなるとわかるようになるモン? 伊東さんはカズの欲しい物とか分かる?」
「新しいキッチングッズとか調理家電とかが出たって記事を見たらカズは欲しがるかなーとは思うんだけど、手頃な物だとうちのスマホに記事が入るより先に台所にあったりする」
「ガチ勢ってその辺の情報収集能力が半端じゃないからな」
「ホントに。って言うかうちら趣味へのスタンスが結構尖ってるから、プレゼントの類は事前に予告するとか話し合うとかして事故がないようにしてるよ」
「確かにそういうのも大事かもな。事前に聞いておけばミスマッチも避けられるし。俺は今度からその形式で行こう。だってわかんねーモンはわかんねーし。つかアイツにとっては俺が何かすること自体がサプライズだ。その理論で行こう」
それでよっぺさんの誕生日っていつなのって聞いたら6月だって。1年先のことに気合いを入れるカオちゃんだけど、絶対ちょっとしたら忘れるヤツ。まあ、直前に思い出せばオッケーなんだろうけどね。
「ただいまー」
「あっ、おかえりー」
「お疲れー」
「ああカオルいらっしゃい、今夕飯の支度するから」
「カズ、仕事終わってすぐなんだろ。ちょっと休んでもいいんじゃないか?」
「休むとね、立ち上がりたくなくなるから立ってるうちにやっちゃいたいんだよ」
「一理ある。何か手伝うか?」
「ああ、大丈夫大丈夫。慧梨夏の相手してて」
end.
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Pさんがやまよから誕生日プレゼントをもらったんだよって浮かれてるだけの話。
某カップの話を聞いてこれPさん持ってたらいいなって思った。
(phase3)
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「カオちゃん昨日見たよ配信。投げ銭の嵐だったねえ」
「何て言うか、欲しい物を具体的に言うモンじゃないなって学習した。勢いが怖すぎて正直ドン引きしてる」
「USDXは誕生日非公開勢が多いから、1人分かるとここぞとばかりにみんな投げるんだよ」
さて、今日はと言えばカオちゃんの誕生日の翌日。お弁当サブスクについてくる夕飯の権利が余ってたから、月末までに使い切ってねとうちにカオちゃんを招待ついでに昨日の今日でのお話を少し。カズはもうちょっとしたら帰ってくるのかな。
昨日カオちゃんがUSDXのサブチャンでやってた作業配信なんだけど、ツイッターで「この文書作成機器の最新機種が俺の誕生日に発売するとか運命か!? 買うしかない!」的ツイートをしたらそこからブワーッと誕生日が割れましたよね。で、お祝いムードに。
前述の通り、USDXっていうグループはメンバーの誕生日はほとんど非公開。キャラクター遊びに使ってる架空の人物って体だから。唯一の例外はチータかな。チータは誕生日に出てくるハッシュタグを検索してニコニコしてるんだって。
「俺が自分で誕生日に言及したのってその1件のツイートとカンヂさんとの飲酒作業雑談配信でだけじゃんな。ネットの怖さを再確認したところだよ」
「うちも物書きの端くれだからあのニュースはもちろんチェックしてるし進化したな~って感心しながら見てましたよ? でもメーカー希望価格を見たらやっぱいい値段するじゃん。それに保護シートやカバーまで揃えようとしたら大変なことですよ」
「そうなんだよ。しかも限定色の白も欲しいと思ってオンラインショップ見たけど瞬殺されてやがって」
「限定商品はそりゃ瞬殺ですよカオちゃん。でも昨日の配信だけで何台買える? ってくらいに投げ銭飛んできたじゃんねえ」
「配信終わってプロさんから即連絡来てさ」
「ほう」
「「購入資金名目の投げ銭があれだけ来ちゃったから即買って注文明細送って」って言われて焦って注文したんだよ」
「まあ、投げ銭がこっちの意図する使われ方をしたなら投げた側もニッコニコになるからねえ」
「届いたらツイッターにも画像上げるし」
「楽しみにしてるし使用感とかも教えてくれると今後の参考になるかなって」
「その辺は任せといて」
文書作成に特化したツールの使い勝手なんかはうちにも気になるところだからね。カオちゃんに使い勝手を教えてもらってうちも実際に導入するかとか、いろいろ考えてみようかなって。決して安い買い物じゃないからねえ。
「リアルでの誕生日はどうでした?」
「どうでしたって、伊東さんは知ってるだろ。普通に仕事して、配信してって、それだけだよ」
「金曜日だし友達と飲みに行ったりとかしてそうだなって」
「まあ、行こうと思えば行けたんだろうけど、配信やるしなって」
「あそっか」
「誕生日云々自体は木曜日にやってもらったし」
「えっそうなの?」
「山口が職業柄週末の夜はめちゃくちゃ忙しいから、本人的にまだ余裕のある木曜に祝ってくれた。ほら、昨日会社に新しいマグカップ持ち込んだだろ。あれをくれて」
「あーあの! もうマグカップ買い換えたんだなーと思って見てたけど、よっぺさんからのプレゼントだったんだ!?」
「会社用と自宅用で2つくれたんだよ。あの何が素晴らしいかって言ったら、猫舌にめちゃくちゃ優しいんだ」
「えっ、どう優しいの?」
「アツアツのお茶とかをカップに入れても1分後にはめっちゃ飲みやすい温度に下がってんだよ。で、その温度を1時間だったかな? それっくらいキープしてくれるっていう代物だ。アイツが俺には絶対役に立つからって言ってくれてさ。アイツはその辺のセンスがマジでいいんだよなあ。去年も左利き用の万年筆をくれて、俺の欲しい物なんか言わなくても全部わかってますって感じでピンポイントでズドンって」
「うんうん、続けて」
「顔が完全に腐女子のモードになってる気がするんだけど」
「そういうちょっとした日常の話が雨宮の新作を生みます」
「雨宮先生の新作なら俺も期待するしかない」
就活友達だったときからそうなんだけど、カオちゃんと話してたら本の1冊や2冊は余裕で出ちゃうから楽しくて楽しくて仕方ないんだよねえ! 事実は小説よりも奇なりを地でいく人でもあるし。よっぺさんとのエピソードはどれを何度聞いても美味しい。
「でもさ、カオちゃんの欲しい物がよっぺさんにはわかっちゃうみたいに、カオちゃんはよっぺさんの欲しい物をわかったりしないの?」
「それが全然わかんねーんだよ情けないことに」
「そっかあ」
「付き合いが長くなるとわかるようになるモン? 伊東さんはカズの欲しい物とか分かる?」
「新しいキッチングッズとか調理家電とかが出たって記事を見たらカズは欲しがるかなーとは思うんだけど、手頃な物だとうちのスマホに記事が入るより先に台所にあったりする」
「ガチ勢ってその辺の情報収集能力が半端じゃないからな」
「ホントに。って言うかうちら趣味へのスタンスが結構尖ってるから、プレゼントの類は事前に予告するとか話し合うとかして事故がないようにしてるよ」
「確かにそういうのも大事かもな。事前に聞いておけばミスマッチも避けられるし。俺は今度からその形式で行こう。だってわかんねーモンはわかんねーし。つかアイツにとっては俺が何かすること自体がサプライズだ。その理論で行こう」
それでよっぺさんの誕生日っていつなのって聞いたら6月だって。1年先のことに気合いを入れるカオちゃんだけど、絶対ちょっとしたら忘れるヤツ。まあ、直前に思い出せばオッケーなんだろうけどね。
「ただいまー」
「あっ、おかえりー」
「お疲れー」
「ああカオルいらっしゃい、今夕飯の支度するから」
「カズ、仕事終わってすぐなんだろ。ちょっと休んでもいいんじゃないか?」
「休むとね、立ち上がりたくなくなるから立ってるうちにやっちゃいたいんだよ」
「一理ある。何か手伝うか?」
「ああ、大丈夫大丈夫。慧梨夏の相手してて」
end.
++++
Pさんがやまよから誕生日プレゼントをもらったんだよって浮かれてるだけの話。
某カップの話を聞いてこれPさん持ってたらいいなって思った。
(phase3)
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