2022
■Did someone come and go?
++++
「カノン、春風、やってる?」
「野坂先輩おざっす!」
「おはようございます」
学内の通りに新歓用ブースを設置できるのは今週いっぱいまでということで、ラストスパートをかけにいっている。つっても積極的に声出しをしてるとかじゃなくて、基本的に待ちのスタンスであることには違いないんだけど。
MMP昼放送は連休明けから通常放送をスタートすることになった。今やっているお知らせ番組のテイストも残しつつやろうという話になったから、30分の枠をどう配分していくかはやりながら考えることに。鳥ちゃんとブースを作る日はそんなことも話しながら。
「野坂先輩はさすがに4年生にもなると登校の頻度も下がってくるのですね」
「あー、そうだな。全休も普通にあるし授業も一般教養メインになってるから2年春学期と比較するとめっちゃ緩い」
「やっぱそうなるんすねー」
「てかこの机って何? 新歓?」
「そうなんすよ! 今年は新歓の手法も劇的にパワーアップさせてて、こうやって通りにブースを出したり、連休明けに通常の昼放送を始める前にも10分から15分くらいのお知らせ番組を毎日やってるんす」
「毎日!? よくやるな。お知らせってどんなお知らせ?」
「学食のフェア情報だったり、大学のホームページに載ってるような学生課とか教務課からのお知らせだったりします」
「この放送が功を奏したのか、サークル見学に来てくれる人も結構いたのです」
「やっぱ認知度か」
「そーゆーコトっすね。すがやん様々っす」
お知らせ放送をやるに至った経緯だとか、こうしたブースを構えることに関する大学への許可取りだとか。これまでのあらすじを野坂先輩に話すとマジで劇的にパワーアップしてるじゃないかとちょっと誉めてもらえた。それに俺と鳥ちゃんは素直に喜ぶよな。
「見学に来てくれる率が上がったのはわかったけど、問題は実際に入った数だな」
「聞いたらチビりますよ野坂先輩!」
「そうですね。野坂先輩であれば私と奏多が入る前のこともご存知ですから、きっと驚いてもらえると思います」
「自分でハードルを上げに来てるな」
「な・ん・と~? 4人! 入ってくれてます!」
「おー! マジか! プラマイゼロまで持ってったか!」
「そーなんすよ! 代替わりの時に来期は奈々先輩と俺しかいないっつってた事を考えると劇的っすよね!」
「そしたら今は8人でやってるってことか?」
「そーなんすよ」
「男女比とかアナミキ比は?」
「全員男で、アナミキは2人ずつです」
「やはり向島大学でゲッティング☆ガールなど不可能なんだ」
「あの、奈々先輩も度々仰っているその“ゲッティング☆ガール”というのは何のことなのでしょうか」
「それは単純に菜月先輩が、野郎ばっかりでむさ苦しいサークルに春風の似合うぽわぽわして癒される可愛い女子とかいう意味の分からない物を何としても獲得しなければと言って提唱された新歓の作戦名だな。俺は菜月先輩を素晴らしい先輩として尊敬しているけどこの作戦だけは到底理解に苦しむと思っていてだな」
「奏多は賛成しそうな作戦ではあります」
「奈々先輩は鳥ちゃんがいるから満足したっぽいっすけどね」
これこれこういう子たちがサークルに入ってくれて、今はファンフェスに向けて動いているところです的な近況報告を。この机を出せるのは今週いっぱいまでなので、もうちょっと頑張りまーすと意気込む俺たちを野坂先輩が激励してくれる。
お疲れさまでーすと野坂先輩を見送った俺たちは、残りの時間に誰か1人ぐらい話を聞きに来てくれないかなーと待つ作業に入る。昼休みを使ってやっていることなので、撤収の時間のことも考えなくちゃいけないのが地味にめんどくさいんだ。
「カノン先輩とりぃ先輩おはざいまーす」
「おはようございます」
「おー! ジャック、ジュン、おざーす。一緒にメシ食ってたの?」
「そうです」
「今さっき誰か話聞いてったような感じっすか?」
「ちょうど学食から出たところで、先輩たちが人を送り出すようなところが見えて」
「あー、4年生の先輩だよ」
「私たちの様子を気にかけて、声をかけて下さったのです」
「えー! 挨拶くらいしてみたかったっすねー!」
「まあ、いつか会えると思うしそんな焦らなくても平気平気」
ヒロ先輩は正直わかんないけど、ミキサー3人の先輩は悪乗りの延長とかで遊びに来ることがありそうな気がするんだけど、どーかな? でも、遊びに来て下さいっつって頼んだら来てくれそうな気もする。
「4年生の先輩とはどんな話を」
「至って普通の近況報告だよ。昼に短い番組やってますとか、机出して新歓やった結果4人来てくれてますとか」
「何か言ってたっすか!?」
「ちょっと驚いてたかな」
「今の4年生の先輩は、今年度を奈々先輩と希くんの2人で迎えるものだと思っていたので、現状8人にまで人数が増えたということに思うところがあったのでしょう」
「4倍っすもんねー」
「活動の幅を広げるには、頭数を増やすのは有用な策ではあるから」
「あ、ジャックとジュンってこの後授業?」
「俺は英語っす」
「俺も授業ですね」
「じゃムリは言えないかー」
「え、何すか?」
「や、通りかかったついでにブースの片付けちょっと手伝ってくんないかなーと思っただけだから。授業あんなら別にいいよ」
「でも、先輩たちも授業があるんですよね。理系は3年生になるまでは履修がカツカツだと」
「いつも2人でやっているので大丈夫ですよ」
「大丈夫っすよ。手伝うっす」
「そしたらよろしく頼むわー」
「誰か寄ってってくれますかねー」
end.
++++
りっちゃんと神崎はゼミのときくらいしか大学にいなさそうだからこういう新歓になったの知ってるのかなあ?
所々で春風がカノンの言葉を補足するように話してる感じがする。普段のサークルや対策委員でもそんな感じでやっててほしい
(phase3)
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「カノン、春風、やってる?」
「野坂先輩おざっす!」
「おはようございます」
学内の通りに新歓用ブースを設置できるのは今週いっぱいまでということで、ラストスパートをかけにいっている。つっても積極的に声出しをしてるとかじゃなくて、基本的に待ちのスタンスであることには違いないんだけど。
MMP昼放送は連休明けから通常放送をスタートすることになった。今やっているお知らせ番組のテイストも残しつつやろうという話になったから、30分の枠をどう配分していくかはやりながら考えることに。鳥ちゃんとブースを作る日はそんなことも話しながら。
「野坂先輩はさすがに4年生にもなると登校の頻度も下がってくるのですね」
「あー、そうだな。全休も普通にあるし授業も一般教養メインになってるから2年春学期と比較するとめっちゃ緩い」
「やっぱそうなるんすねー」
「てかこの机って何? 新歓?」
「そうなんすよ! 今年は新歓の手法も劇的にパワーアップさせてて、こうやって通りにブースを出したり、連休明けに通常の昼放送を始める前にも10分から15分くらいのお知らせ番組を毎日やってるんす」
「毎日!? よくやるな。お知らせってどんなお知らせ?」
「学食のフェア情報だったり、大学のホームページに載ってるような学生課とか教務課からのお知らせだったりします」
「この放送が功を奏したのか、サークル見学に来てくれる人も結構いたのです」
「やっぱ認知度か」
「そーゆーコトっすね。すがやん様々っす」
お知らせ放送をやるに至った経緯だとか、こうしたブースを構えることに関する大学への許可取りだとか。これまでのあらすじを野坂先輩に話すとマジで劇的にパワーアップしてるじゃないかとちょっと誉めてもらえた。それに俺と鳥ちゃんは素直に喜ぶよな。
「見学に来てくれる率が上がったのはわかったけど、問題は実際に入った数だな」
「聞いたらチビりますよ野坂先輩!」
「そうですね。野坂先輩であれば私と奏多が入る前のこともご存知ですから、きっと驚いてもらえると思います」
「自分でハードルを上げに来てるな」
「な・ん・と~? 4人! 入ってくれてます!」
「おー! マジか! プラマイゼロまで持ってったか!」
「そーなんすよ! 代替わりの時に来期は奈々先輩と俺しかいないっつってた事を考えると劇的っすよね!」
「そしたら今は8人でやってるってことか?」
「そーなんすよ」
「男女比とかアナミキ比は?」
「全員男で、アナミキは2人ずつです」
「やはり向島大学でゲッティング☆ガールなど不可能なんだ」
「あの、奈々先輩も度々仰っているその“ゲッティング☆ガール”というのは何のことなのでしょうか」
「それは単純に菜月先輩が、野郎ばっかりでむさ苦しいサークルに春風の似合うぽわぽわして癒される可愛い女子とかいう意味の分からない物を何としても獲得しなければと言って提唱された新歓の作戦名だな。俺は菜月先輩を素晴らしい先輩として尊敬しているけどこの作戦だけは到底理解に苦しむと思っていてだな」
「奏多は賛成しそうな作戦ではあります」
「奈々先輩は鳥ちゃんがいるから満足したっぽいっすけどね」
これこれこういう子たちがサークルに入ってくれて、今はファンフェスに向けて動いているところです的な近況報告を。この机を出せるのは今週いっぱいまでなので、もうちょっと頑張りまーすと意気込む俺たちを野坂先輩が激励してくれる。
お疲れさまでーすと野坂先輩を見送った俺たちは、残りの時間に誰か1人ぐらい話を聞きに来てくれないかなーと待つ作業に入る。昼休みを使ってやっていることなので、撤収の時間のことも考えなくちゃいけないのが地味にめんどくさいんだ。
「カノン先輩とりぃ先輩おはざいまーす」
「おはようございます」
「おー! ジャック、ジュン、おざーす。一緒にメシ食ってたの?」
「そうです」
「今さっき誰か話聞いてったような感じっすか?」
「ちょうど学食から出たところで、先輩たちが人を送り出すようなところが見えて」
「あー、4年生の先輩だよ」
「私たちの様子を気にかけて、声をかけて下さったのです」
「えー! 挨拶くらいしてみたかったっすねー!」
「まあ、いつか会えると思うしそんな焦らなくても平気平気」
ヒロ先輩は正直わかんないけど、ミキサー3人の先輩は悪乗りの延長とかで遊びに来ることがありそうな気がするんだけど、どーかな? でも、遊びに来て下さいっつって頼んだら来てくれそうな気もする。
「4年生の先輩とはどんな話を」
「至って普通の近況報告だよ。昼に短い番組やってますとか、机出して新歓やった結果4人来てくれてますとか」
「何か言ってたっすか!?」
「ちょっと驚いてたかな」
「今の4年生の先輩は、今年度を奈々先輩と希くんの2人で迎えるものだと思っていたので、現状8人にまで人数が増えたということに思うところがあったのでしょう」
「4倍っすもんねー」
「活動の幅を広げるには、頭数を増やすのは有用な策ではあるから」
「あ、ジャックとジュンってこの後授業?」
「俺は英語っす」
「俺も授業ですね」
「じゃムリは言えないかー」
「え、何すか?」
「や、通りかかったついでにブースの片付けちょっと手伝ってくんないかなーと思っただけだから。授業あんなら別にいいよ」
「でも、先輩たちも授業があるんですよね。理系は3年生になるまでは履修がカツカツだと」
「いつも2人でやっているので大丈夫ですよ」
「大丈夫っすよ。手伝うっす」
「そしたらよろしく頼むわー」
「誰か寄ってってくれますかねー」
end.
++++
りっちゃんと神崎はゼミのときくらいしか大学にいなさそうだからこういう新歓になったの知ってるのかなあ?
所々で春風がカノンの言葉を補足するように話してる感じがする。普段のサークルや対策委員でもそんな感じでやっててほしい
(phase3)
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