2021(04)
■分けて担うみんなの役割
++++
「えーと、これからどうする?」
「どうしようなあ」
春の番組制作会が終わって、対策委員も代替わりを迎えた。これまでは2年生の先輩と一緒に俺たち1年生も雰囲気を掴むために活動してたんだけど、これからは本格的に俺たちだけで会議をすることになるようだ。代が替わって最初にやることは、役職を決めること。誰が何の係を担うのかという話だ。
最重要役職としてはトップの議長と委員長。それから、機材管理担当と会計。この4つの役職は必ず埋めなきゃならなくて、あとは書記とか何となくって感じの役職に適当に当てはめていく感じになるとか。それぞれ誰が向いてるんだとかそういうことはまだ全然わからないし、お互い牽制し合ってるって感じだ。
「あ、そうだ。役職決める前に俺からお知らせしていい?」
「カノンどーぞ」
「こないだの番組制作会でウチの新メンバーが2人インターフェイスデビューしたんだけど、2人がそれぞれ対策委員と定例会に分かれて入ってもらうことになりました」
「ちなみに対策にはどっちが来るような感じ?」
「鳥ちゃんだね。あ、俺もこれまで通り兼任はするんだけど、そういうことでよろしく」
向島からのお知らせに関してはみんな歓迎の意を示した。この間の番組制作会で見た感じでは、とりぃは落ち着いた雰囲気のある女子という印象がある。映像系大学と向島の新メンバーを対象にした初心者講習会にもいたと思うけど、あの時は特に話をしてないし、人となりなんかがわかるのはこれからだろうか。
あやめ先輩から言われているのは、俺たちは機材関係を期待されているということ。俺は対策委員唯一の車持ちだからドライバーとしての役割があるし、留守番が嫌だという理由で対策委員に連れて来た北星にも役割はある。これからインターフェイスで映像関係の活動が始まるのだとすれば、北星がいる意味はかなり大きい。映像関係は俺と北星、それからくるちゃんでどうにか出来ないだろうか。
「それで、役職はどう決める? 機材管理は俺とくるみ、あと当麻・北星から選ぶんだろうけど」
「議長はやっぱりしっかりしてる人の方がいいのかな?」
「じゃあ俺はだめだ~」
「みんな最初からお前は議長だと思ってない」
「ひどいよ当麻~」
「奈々先輩が言うには、定例会や講習会の講師相手に発言することもあるから、その辺しっかり物を言える人の方がいいらしいよなー」
「しっかり物を言う、か。その辺ずけずけしてんのは俺かカノン、海月……えーと」
「えっ、いくら私がグレートフルマスターオブセレモニー兼ステージミューズでも対策委員の議長はムリだよ! 何だかんだ言ってまだラジオの活動が主な以上やっぱラジオメインの大学の人の方が良くない?」
「カノンは掛け持ちな上、とりぃに任せるのはさすがにって感じがするから俺はシノを推したいけど。大前提としてシノは上手いしはっきりしてるから、いいと思う」
「俺かあ」
「そうだね! 当麻が言うことには筋が通ってると思うよ! あたしもシノがいいと思うな!」
「くるみお前他人事だと思ってるだろ」
「大丈夫大丈夫! あたしもちゃんとフォローするって!」
「それじゃあ俺が議長やらしてもらいます」
みんな異議なしということで、とりあえず議長はシノに決まった。俺が推薦したことで決まった感があるからちょっと申し訳なさはあるけど、このメンバーだったらやっぱりシノにやってもらうのが一番いいと思う。俺の中でシノのイメージはササが話してたことで構成されてる点もあるから、めちゃくちゃ努力してるとかみんなを引っ張る力があるんだって話を信じた形だ。
「そしたら、議長になりましたんでここから話を進めさせてもらいます。他の役職だけど、やりたい人とか、推薦とかありますか」
「あ、そうだ。発言いいですか」
「はい当麻」
「シノに議長をやってもらったんで、機材管理はウチで、と言うか俺がやるのがいいのかなと思って」
「いいのか?」
「俺が唯一のドライバーだから機材運搬には絶対関わるし、くるちゃんに機材管理を任せると緑大さんに役割が集中し過ぎると思って。機材管理とかシステム系統で万が一があっても高木さんとは連絡が取れるんで、俺が適任かなとは。これから映像関係の機材が来てもある程度はわかるし」
「確かに。俺は当麻にやってもらいたいと思うけどみんなはどうですか」
「いいでーす」
「当麻なら安心だね!」
「だね~」
「でも、1コの大学に役割が集中するのはよくないっつーのは確かになー。定例会との兼任だからってあんま何でも出来ない俺が言うのも難だけど、みんなでやってくって考えはいいと思うぜー」
「カノンは定例会とのパイプ役っていう他の誰にも出来ない重大な役割があるじゃんな」
「そうだよ!」
「だね~」
「そしたら委員長と会計と書記を分けてもらう感じでいくか?」
「じゃあ私会計やろうかな。対策委員の会計は代々ウチの先輩たちがやってたみたいだし」
「えっ、そ、そしたらあたしは書記でいいかな…?」
結局委員長は星大の七海、会計は星ヶ丘のくらら、そして書記は青女のちとせが担うことになった。役職に関しては大体そんな感じでやるけどみんなそれぞれ平等に働くことには違いない。そして俺は機材管理の観点で言えば北星を上手いこと動かさないといけない。
「そしたら役職も決まったんでこの体制でこれからやってくっつーことでよろしくお願いします。あとカノンは定例会で報告よろしく」
「了解っす」
end.
++++
当麻からは高菜時代のイシカー兄さんの匂いを感じるね。淡々と言いたいことをしれっと通してる感じの機材管理。
ムードメーカーくるちゃんの後ろから北星が「だね~」とかって合いの手(?)を入れているのがほのぼの。
相棒大好き佐々木陸の惚気話的な物がいい方に働いた事象。ササ・彩人・当麻の3人の話とかもたまに見たい
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「えーと、これからどうする?」
「どうしようなあ」
春の番組制作会が終わって、対策委員も代替わりを迎えた。これまでは2年生の先輩と一緒に俺たち1年生も雰囲気を掴むために活動してたんだけど、これからは本格的に俺たちだけで会議をすることになるようだ。代が替わって最初にやることは、役職を決めること。誰が何の係を担うのかという話だ。
最重要役職としてはトップの議長と委員長。それから、機材管理担当と会計。この4つの役職は必ず埋めなきゃならなくて、あとは書記とか何となくって感じの役職に適当に当てはめていく感じになるとか。それぞれ誰が向いてるんだとかそういうことはまだ全然わからないし、お互い牽制し合ってるって感じだ。
「あ、そうだ。役職決める前に俺からお知らせしていい?」
「カノンどーぞ」
「こないだの番組制作会でウチの新メンバーが2人インターフェイスデビューしたんだけど、2人がそれぞれ対策委員と定例会に分かれて入ってもらうことになりました」
「ちなみに対策にはどっちが来るような感じ?」
「鳥ちゃんだね。あ、俺もこれまで通り兼任はするんだけど、そういうことでよろしく」
向島からのお知らせに関してはみんな歓迎の意を示した。この間の番組制作会で見た感じでは、とりぃは落ち着いた雰囲気のある女子という印象がある。映像系大学と向島の新メンバーを対象にした初心者講習会にもいたと思うけど、あの時は特に話をしてないし、人となりなんかがわかるのはこれからだろうか。
あやめ先輩から言われているのは、俺たちは機材関係を期待されているということ。俺は対策委員唯一の車持ちだからドライバーとしての役割があるし、留守番が嫌だという理由で対策委員に連れて来た北星にも役割はある。これからインターフェイスで映像関係の活動が始まるのだとすれば、北星がいる意味はかなり大きい。映像関係は俺と北星、それからくるちゃんでどうにか出来ないだろうか。
「それで、役職はどう決める? 機材管理は俺とくるみ、あと当麻・北星から選ぶんだろうけど」
「議長はやっぱりしっかりしてる人の方がいいのかな?」
「じゃあ俺はだめだ~」
「みんな最初からお前は議長だと思ってない」
「ひどいよ当麻~」
「奈々先輩が言うには、定例会や講習会の講師相手に発言することもあるから、その辺しっかり物を言える人の方がいいらしいよなー」
「しっかり物を言う、か。その辺ずけずけしてんのは俺かカノン、海月……えーと」
「えっ、いくら私がグレートフルマスターオブセレモニー兼ステージミューズでも対策委員の議長はムリだよ! 何だかんだ言ってまだラジオの活動が主な以上やっぱラジオメインの大学の人の方が良くない?」
「カノンは掛け持ちな上、とりぃに任せるのはさすがにって感じがするから俺はシノを推したいけど。大前提としてシノは上手いしはっきりしてるから、いいと思う」
「俺かあ」
「そうだね! 当麻が言うことには筋が通ってると思うよ! あたしもシノがいいと思うな!」
「くるみお前他人事だと思ってるだろ」
「大丈夫大丈夫! あたしもちゃんとフォローするって!」
「それじゃあ俺が議長やらしてもらいます」
みんな異議なしということで、とりあえず議長はシノに決まった。俺が推薦したことで決まった感があるからちょっと申し訳なさはあるけど、このメンバーだったらやっぱりシノにやってもらうのが一番いいと思う。俺の中でシノのイメージはササが話してたことで構成されてる点もあるから、めちゃくちゃ努力してるとかみんなを引っ張る力があるんだって話を信じた形だ。
「そしたら、議長になりましたんでここから話を進めさせてもらいます。他の役職だけど、やりたい人とか、推薦とかありますか」
「あ、そうだ。発言いいですか」
「はい当麻」
「シノに議長をやってもらったんで、機材管理はウチで、と言うか俺がやるのがいいのかなと思って」
「いいのか?」
「俺が唯一のドライバーだから機材運搬には絶対関わるし、くるちゃんに機材管理を任せると緑大さんに役割が集中し過ぎると思って。機材管理とかシステム系統で万が一があっても高木さんとは連絡が取れるんで、俺が適任かなとは。これから映像関係の機材が来てもある程度はわかるし」
「確かに。俺は当麻にやってもらいたいと思うけどみんなはどうですか」
「いいでーす」
「当麻なら安心だね!」
「だね~」
「でも、1コの大学に役割が集中するのはよくないっつーのは確かになー。定例会との兼任だからってあんま何でも出来ない俺が言うのも難だけど、みんなでやってくって考えはいいと思うぜー」
「カノンは定例会とのパイプ役っていう他の誰にも出来ない重大な役割があるじゃんな」
「そうだよ!」
「だね~」
「そしたら委員長と会計と書記を分けてもらう感じでいくか?」
「じゃあ私会計やろうかな。対策委員の会計は代々ウチの先輩たちがやってたみたいだし」
「えっ、そ、そしたらあたしは書記でいいかな…?」
結局委員長は星大の七海、会計は星ヶ丘のくらら、そして書記は青女のちとせが担うことになった。役職に関しては大体そんな感じでやるけどみんなそれぞれ平等に働くことには違いない。そして俺は機材管理の観点で言えば北星を上手いこと動かさないといけない。
「そしたら役職も決まったんでこの体制でこれからやってくっつーことでよろしくお願いします。あとカノンは定例会で報告よろしく」
「了解っす」
end.
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当麻からは高菜時代のイシカー兄さんの匂いを感じるね。淡々と言いたいことをしれっと通してる感じの機材管理。
ムードメーカーくるちゃんの後ろから北星が「だね~」とかって合いの手(?)を入れているのがほのぼの。
相棒大好き佐々木陸の惚気話的な物がいい方に働いた事象。ササ・彩人・当麻の3人の話とかもたまに見たい
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