2021(04)
■share the workload
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ダブルトークの練習をする春の番組制作会まではあと2週間を切った。ウチの新メンバーとしてインターフェイスデビューをする鳥ちゃんと奏多のレベルを最低限の番組をやれるくらいにするぞという目標で今までやってきたけど、この時点でほとんど問題ないくらいにはなったと思う。
俺は参加してないんだけど、鳥ちゃんと奏多、それから映像をメインにやってる青敬や、今度からインターフェイスの活動に復帰する桜貝大学の人たちを対象にした初心者講習会めいたことがあったらしい。それで一応理論めいたことも教えてもらえたからオッケー。野坂先輩マジですげーや。
例によってすがやんにも来てもらっての練習だ。発声練習からの、そろそろ実戦的な練習を多くやっていくことに。3分トークとかはちょこちょこやってたけど、15分とか30分ぶっ通して番組をやるってことはまだまだこれから。
2人の特訓中、俺はアナミキの二刀流でやっていることからミキサーの奏多にいろいろ教えながらやってたけど、インターフェイスでは一応アナってことになっている。だから俺もそろそろアナとしての感覚を戻していかないとマズい。
「そうだ、練習の前に業務連絡があるんだった。今のうちにしちゃっていい?」
「はい。お願いします」
「今すぐにではないんだけど、鳥ちゃんと奏多にも出来れば、対策委員と定例会でやってもらいたいなーと思ってて」
「ええと、それぞれがどういった性質のある組織でしたっけ」
「定例会はインターフェイス全体に関わることを話し合ったりしてて、月1回くらい会議をしてる。任期は基本2年。ファンフェスのこととか、作品を持ち回りでモニターし合う作品出展の管理とかをしてるかな。あと、夏には向舞祭のスタッフとしてMCやPAのアシスタントをやるらしい」
「あと、俺からの補足だけど、インターフェイスでもパソコンが導入されたってことで音源や番組のファイル化だとか、それを利用しやすくするための新しいシステムを作ってたりもする」
「自分たちでシステムを構築するのですね」
「その辺のことは野坂先輩が詳しいかな。あの人も仕様に結構関わってたはずだから」
「さすが野坂先輩です」
「対策委員は、初心者講習会や夏合宿みたいな、技術向上に関する行事を運営してるって感じ。忙しいときはめちゃくちゃ忙しいらしい。任期は1年だって」
「今って誰がやってんの?」
「今までは奈々先輩が兼務してたらしいんだけど、それがめちゃくちゃしんどかったって。今は俺も兼務してるんだけど、人が増えたんなら分業した方がいいって言ってて」
「確かに、希くんの負担が大きくなりそうですね。サークルでも実際アナウンス部長としての役割もありますし」
どうしても無理なら現状のまま行っても俺は全然いいし覚悟してたけど、どうやら鳥ちゃんと奏多が前向きに考えてくれているようでマジでいい同期を迎えることが出来たなあと思う。
「カノン、外野の俺が言うのも難だけどさ、定例会には奏多に来てもらった方がいいんじゃないかと思う」
「いや、すがやんは半分MMPみたいなモンだし定例会なんだから外野ってことはないだろ。でも、理由があるなら聞いときたい」
「俺らの学年の定例会って、単純にミキサーだけやってるミキサーがサキしかいないじゃん。カノンと彩人も一応ミキサーはかじってるけど、純粋なミキサーかと言えば、そうじゃないし」
「まあなー。俺も勉強と練習はしてるけど、まだまだ半人前なのは否定出来ない」
「だからミキサーの奏多に来てもらえれば安定感が出てくるかなとは」
「一理ある。つか理しかない。って言うか奏多って確か情報だよな」
「情報だな」
「じゃプログラムとか結構出来る?」
「ある程度は出来るぜ。応用情報とブロンズだけどオラクルマスター持ってるし」
「マジか! じゃめっちゃ戦力じゃん! 奏多、ぜひ定例会に!」
「あと、完全に個人的な都合だし言うのが遅くなって申し訳ないんだけど、実は俺たち、ちょっと前から付き合い始めて」
そうすがやんが鳥ちゃんを指して言うモンだから、全然想像も出来なかった話に俺は「ええ!?」と驚くしか出来なかったワケで。すがやんと鳥ちゃんが付き合い始めたって!? いや、確かに仲がいいとは思ってたけど、すがやんがまたこっちに来始めてから1ヶ月とかだろ!?
「えっ、って言うか奏多知ってた!?」
「俺は付き合い始めて2日目とかに春風から聞いた」
「マジかよ!」
「いや、そうは言うけど春風がめんどくせー事を俺に頼みたいがための報告だぜ?」
「そのことは謝ったでしょう」
「真宙君との戦いで俺がどんだけ精神すり減らしたやら」
「それはともかく。私は機械類が好きなので機材のことも勉強すれば理解出来るとは思います。ですが、徹平くんとのこともありますから、対策委員で行くのが皆さんの心証としてもいいのかなと」
「実際対策委員って結構ガンガンとかのんびり系の子が多いし鳥ちゃんみたく慎重に物事を見てくれる子がいた方がいいのかもしれない」
こうして奏多が定例会、鳥ちゃんが対策委員で行くことに決まり、一応春の番組制作会が終わってから改めてそれぞれの組織にご挨拶をしようということになった。俺も一応これまで通り兼務はするけど、メインではなくサブって感じでやっていくことに。
「よーし、マジでガチな業務連絡はおしまい! あと、ライトなヤツが1件ありまーす。緑ヶ丘から鳥ちゃんと奏多を含めた1年9人での向島との親睦会をやりたいっていうお誘いが来てます。それで――」
end.
++++
春風と奏多は何やかんやMMPを盛り上げようと頑張ってるカノンの良きサポーターだなと
すがやんは結局番組制作会が終わるまで練習に付き合うような感じなのかな? 半分MMPに拍車がかかってないか
結局奏多が真宙君とどのようにして戦ったのかは端折られたらしい。その件はまたいつかの機会に。
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ダブルトークの練習をする春の番組制作会まではあと2週間を切った。ウチの新メンバーとしてインターフェイスデビューをする鳥ちゃんと奏多のレベルを最低限の番組をやれるくらいにするぞという目標で今までやってきたけど、この時点でほとんど問題ないくらいにはなったと思う。
俺は参加してないんだけど、鳥ちゃんと奏多、それから映像をメインにやってる青敬や、今度からインターフェイスの活動に復帰する桜貝大学の人たちを対象にした初心者講習会めいたことがあったらしい。それで一応理論めいたことも教えてもらえたからオッケー。野坂先輩マジですげーや。
例によってすがやんにも来てもらっての練習だ。発声練習からの、そろそろ実戦的な練習を多くやっていくことに。3分トークとかはちょこちょこやってたけど、15分とか30分ぶっ通して番組をやるってことはまだまだこれから。
2人の特訓中、俺はアナミキの二刀流でやっていることからミキサーの奏多にいろいろ教えながらやってたけど、インターフェイスでは一応アナってことになっている。だから俺もそろそろアナとしての感覚を戻していかないとマズい。
「そうだ、練習の前に業務連絡があるんだった。今のうちにしちゃっていい?」
「はい。お願いします」
「今すぐにではないんだけど、鳥ちゃんと奏多にも出来れば、対策委員と定例会でやってもらいたいなーと思ってて」
「ええと、それぞれがどういった性質のある組織でしたっけ」
「定例会はインターフェイス全体に関わることを話し合ったりしてて、月1回くらい会議をしてる。任期は基本2年。ファンフェスのこととか、作品を持ち回りでモニターし合う作品出展の管理とかをしてるかな。あと、夏には向舞祭のスタッフとしてMCやPAのアシスタントをやるらしい」
「あと、俺からの補足だけど、インターフェイスでもパソコンが導入されたってことで音源や番組のファイル化だとか、それを利用しやすくするための新しいシステムを作ってたりもする」
「自分たちでシステムを構築するのですね」
「その辺のことは野坂先輩が詳しいかな。あの人も仕様に結構関わってたはずだから」
「さすが野坂先輩です」
「対策委員は、初心者講習会や夏合宿みたいな、技術向上に関する行事を運営してるって感じ。忙しいときはめちゃくちゃ忙しいらしい。任期は1年だって」
「今って誰がやってんの?」
「今までは奈々先輩が兼務してたらしいんだけど、それがめちゃくちゃしんどかったって。今は俺も兼務してるんだけど、人が増えたんなら分業した方がいいって言ってて」
「確かに、希くんの負担が大きくなりそうですね。サークルでも実際アナウンス部長としての役割もありますし」
どうしても無理なら現状のまま行っても俺は全然いいし覚悟してたけど、どうやら鳥ちゃんと奏多が前向きに考えてくれているようでマジでいい同期を迎えることが出来たなあと思う。
「カノン、外野の俺が言うのも難だけどさ、定例会には奏多に来てもらった方がいいんじゃないかと思う」
「いや、すがやんは半分MMPみたいなモンだし定例会なんだから外野ってことはないだろ。でも、理由があるなら聞いときたい」
「俺らの学年の定例会って、単純にミキサーだけやってるミキサーがサキしかいないじゃん。カノンと彩人も一応ミキサーはかじってるけど、純粋なミキサーかと言えば、そうじゃないし」
「まあなー。俺も勉強と練習はしてるけど、まだまだ半人前なのは否定出来ない」
「だからミキサーの奏多に来てもらえれば安定感が出てくるかなとは」
「一理ある。つか理しかない。って言うか奏多って確か情報だよな」
「情報だな」
「じゃプログラムとか結構出来る?」
「ある程度は出来るぜ。応用情報とブロンズだけどオラクルマスター持ってるし」
「マジか! じゃめっちゃ戦力じゃん! 奏多、ぜひ定例会に!」
「あと、完全に個人的な都合だし言うのが遅くなって申し訳ないんだけど、実は俺たち、ちょっと前から付き合い始めて」
そうすがやんが鳥ちゃんを指して言うモンだから、全然想像も出来なかった話に俺は「ええ!?」と驚くしか出来なかったワケで。すがやんと鳥ちゃんが付き合い始めたって!? いや、確かに仲がいいとは思ってたけど、すがやんがまたこっちに来始めてから1ヶ月とかだろ!?
「えっ、って言うか奏多知ってた!?」
「俺は付き合い始めて2日目とかに春風から聞いた」
「マジかよ!」
「いや、そうは言うけど春風がめんどくせー事を俺に頼みたいがための報告だぜ?」
「そのことは謝ったでしょう」
「真宙君との戦いで俺がどんだけ精神すり減らしたやら」
「それはともかく。私は機械類が好きなので機材のことも勉強すれば理解出来るとは思います。ですが、徹平くんとのこともありますから、対策委員で行くのが皆さんの心証としてもいいのかなと」
「実際対策委員って結構ガンガンとかのんびり系の子が多いし鳥ちゃんみたく慎重に物事を見てくれる子がいた方がいいのかもしれない」
こうして奏多が定例会、鳥ちゃんが対策委員で行くことに決まり、一応春の番組制作会が終わってから改めてそれぞれの組織にご挨拶をしようということになった。俺も一応これまで通り兼務はするけど、メインではなくサブって感じでやっていくことに。
「よーし、マジでガチな業務連絡はおしまい! あと、ライトなヤツが1件ありまーす。緑ヶ丘から鳥ちゃんと奏多を含めた1年9人での向島との親睦会をやりたいっていうお誘いが来てます。それで――」
end.
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春風と奏多は何やかんやMMPを盛り上げようと頑張ってるカノンの良きサポーターだなと
すがやんは結局番組制作会が終わるまで練習に付き合うような感じなのかな? 半分MMPに拍車がかかってないか
結局奏多が真宙君とどのようにして戦ったのかは端折られたらしい。その件はまたいつかの機会に。
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