2021(04)
■正式なはじめまして
＋＋＋＋
「野坂先輩良かったですねッ！ １年生がこんな時期にも関わらず２人も入ってくれた上に、美男美女ですよッ！」
「これもカノンの地道な努力の成果だな。よく頑張った」
「あざっす！」
ラジオの練習を始め、希くんに口頭でサークル加入をしますと言ったことでMMPに加入したことにはなっていたのですが、実際にサークルの代表になった２年生の先輩に会っておいた方がいいと希くんが顔合わせの機会を設けてくれました。
新加入となる私と奏多が初めて顔を合わせるのは、２年生の奈々先輩と、３年生の野坂先輩だと紹介を受けました。奈々先輩と野坂先輩はそれぞれミキサーで、だからアナウンサーのことを教えるのに徹平くんに救援要請を出したんだよと改めて説明がされました。
野坂先輩はインターフェイスという組織で開催される初心者講習会で講師を務め上げるほどの腕前だとのことです。昨年末でサークル自体は引退されたのですが、私と奏多にラジオの基礎を教えていただけるようお願いするため召集されたとのことです。
「ちなみに、簡単に練習はしてるっていう話だけど、今現在の技量はどんな感じなんだ？」
「鳥ちゃんは発声とマイクの前での姿勢なら今の段階でインターフェイスに出しても即１年の上位っす！ トークに関してはちょっと課題もあるっすけど、すがやんにも協力してもらって何とかやってるって感じっす」
「すがやんまで巻き込んだのか」
「半分MMPみたいなモンなんで！ つか、マジレスをすると俺もまだまだ半人前なんで、さすがに１人で２人は見れなかったんす」
「いや、カノンはよく頑張ってる。で、奏多の方は？」
「飲み込みが早すぎて既に俺より上手いっす」
「あー……ドンマイ」
「でっ、でもまだ実戦経験はこれからだし!? 俺もまだ負けてねーし！ なんなら構成とかアイディアが俺の土俵だし!?」
「かっすー、俺なんかと張り合うなよ～」
「だって奏多星大に行けるレベルで頭いーのにスポーツまで出来てミキサーまで出来るとか嫌味かよ～！ そんな完璧な奴が現れて、俺はどーすりゃいーんだ！」
「カノン元気出してッ！ 野坂先輩も星大に行けるレベルで頭良いオールＳでスポーツも出来てミキサーまで出来てるから、急に現れたんじゃなくてそんな人は結構ゴロゴロいるよッ！」
「だったら尚更凡人の俺に救いはないじゃないっすか！」
「奈々さ～ん、トドメ刺してますよ～」
「カノンごめーんッ！ 悪気はなかったんだよ～ッ！」
「あと俺はさすがにオールＳじゃねーし、野坂さんのがヤベー人っつーことで許してくれよかっすー」
「うん、サークル入ってくれたし許す」
私にはまだミキサーの技術に関することはよくわからないのですが、奏多の飲み込みがいいのは本当で、希くんが返答に困るような技術的な質問をよくしているようなんです。多分、自分なりにいろいろ調べて予習をしているんでしょうけど。勉強に限らず、何でもそうなんですよね。
「そう言えば、２人のDJネームって決まった？」
「あ、まだっす」
「DJネーム？」
「ラジオやるとき用の名前かな。本名フルネームでやるんじゃなくて、あだ名とかを使う感じ。俺ならカノンだし、野坂先輩ならマーシーって感じでそれぞれみんなにあるんだよ。ほら、すがやんとか」
「それってみんな名前になぞらえてる感じなんすか？」
「全然関係ない人もいるっちゃいるけど、普通のあだ名をそのまま使ってる人もいるし、本当に人それぞれかな」
「野坂先輩のマーシーという名前は、どのようにして決まったのですか？」
「俺の下の名前が雅史っていうんだけど、マサシとも読めるし、その誤読由来の名前かな」
「なるほど」
「そうなると、友達の少ない春風にはハードルが高くなるな。それと言ったあだ名もないし」
「本当のことだけどわざわざ言わなくてもいいでしょう」
「あーあー鳥ちゃん、友達なんか量より質だから！」
「カノンの言う通り。これから出来る友達が人生規模の付き合いになる可能性だってあるんだから、悲観的に捉えることもない」
友達が少ないことを少し気にしていたのですが、野坂先輩の仰る「これから出来る友達が人生規模の付き合いになる可能性がある」という言葉に希望を持ちました。そのような友達が出来ればいいと思いますし、相手にとってもそのように付き合える自分でありたいと思います。
「と言うか、それと言ったあだ名がないのはあなただって同じでしょう、奏多」
「おーっとォ、気付いちまったか」
「私が聞いたことがあるのは高校の時に松兄と呼ばれていたくらいじゃないの」
「あー、あったなそんなのも。周りからしたらダブってタメになった１コ上の扱いがめんどかったんじゃん？」
「いーじゃん松兄ッ！ 雰囲気もぴったりだしッ！」
「あ、それで決まる感じっす？」
「松兄がいいなら」
「もうそう呼んでるじゃねーすか奈々さん」
「うちは好きだしDJネームに不採用でもそう呼ぼうかなと思って」
「奈々さんが気に入ってくれたんなら、採用しようかな」
「松兄よろしくねッ」
「よろしくっす」
「え、周りから１コ上ってことはうちとタメ？」
「いや、さらに一浪してるんでストレートの３年とタメっす。野坂さんがストレートならここがタメのはずっすよ」
「マジか、タメか」
「じゃあうちから見てもリアルに松兄なんじゃんッ！」
「いや、松の付くお兄さまと言えば俺の中では圭斗先輩一択でだな」
「そーいや圭斗先輩って松岡でしたねッ。でも４年生はもう卒業なんでこれからの活動には影響しないっす、うっすうっす」
「奈々お前！ 圭斗先輩の存在を抹消しようとしたな！」
「そんなこと言ってないじゃないすかッ！ 今は１年生の話ですよッ！ はるかちゃんのDJネームをつけるんですよッ！」
end.
＋＋＋＋
ノサカがカノンの全肯定お兄さんになったかと思いきや、圭斗さんに関しては安定のヤツなのでやはりノサカである
去年やった感じでは奈々と奏多のデコボココンビが結構好きなので今後もちょっとずつ見ていきたい
ノサカと奏多のヤベー奴対決は成績の差で現状ノサカに軍配？ カノンと奏多が楽しそうにやってて真希ちゃんらも安心だね
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「野坂先輩良かったですねッ！ １年生がこんな時期にも関わらず２人も入ってくれた上に、美男美女ですよッ！」
「これもカノンの地道な努力の成果だな。よく頑張った」
「あざっす！」
ラジオの練習を始め、希くんに口頭でサークル加入をしますと言ったことでMMPに加入したことにはなっていたのですが、実際にサークルの代表になった２年生の先輩に会っておいた方がいいと希くんが顔合わせの機会を設けてくれました。
新加入となる私と奏多が初めて顔を合わせるのは、２年生の奈々先輩と、３年生の野坂先輩だと紹介を受けました。奈々先輩と野坂先輩はそれぞれミキサーで、だからアナウンサーのことを教えるのに徹平くんに救援要請を出したんだよと改めて説明がされました。
野坂先輩はインターフェイスという組織で開催される初心者講習会で講師を務め上げるほどの腕前だとのことです。昨年末でサークル自体は引退されたのですが、私と奏多にラジオの基礎を教えていただけるようお願いするため召集されたとのことです。
「ちなみに、簡単に練習はしてるっていう話だけど、今現在の技量はどんな感じなんだ？」
「鳥ちゃんは発声とマイクの前での姿勢なら今の段階でインターフェイスに出しても即１年の上位っす！ トークに関してはちょっと課題もあるっすけど、すがやんにも協力してもらって何とかやってるって感じっす」
「すがやんまで巻き込んだのか」
「半分MMPみたいなモンなんで！ つか、マジレスをすると俺もまだまだ半人前なんで、さすがに１人で２人は見れなかったんす」
「いや、カノンはよく頑張ってる。で、奏多の方は？」
「飲み込みが早すぎて既に俺より上手いっす」
「あー……ドンマイ」
「でっ、でもまだ実戦経験はこれからだし!? 俺もまだ負けてねーし！ なんなら構成とかアイディアが俺の土俵だし!?」
「かっすー、俺なんかと張り合うなよ～」
「だって奏多星大に行けるレベルで頭いーのにスポーツまで出来てミキサーまで出来るとか嫌味かよ～！ そんな完璧な奴が現れて、俺はどーすりゃいーんだ！」
「カノン元気出してッ！ 野坂先輩も星大に行けるレベルで頭良いオールＳでスポーツも出来てミキサーまで出来てるから、急に現れたんじゃなくてそんな人は結構ゴロゴロいるよッ！」
「だったら尚更凡人の俺に救いはないじゃないっすか！」
「奈々さ～ん、トドメ刺してますよ～」
「カノンごめーんッ！ 悪気はなかったんだよ～ッ！」
「あと俺はさすがにオールＳじゃねーし、野坂さんのがヤベー人っつーことで許してくれよかっすー」
「うん、サークル入ってくれたし許す」
私にはまだミキサーの技術に関することはよくわからないのですが、奏多の飲み込みがいいのは本当で、希くんが返答に困るような技術的な質問をよくしているようなんです。多分、自分なりにいろいろ調べて予習をしているんでしょうけど。勉強に限らず、何でもそうなんですよね。
「そう言えば、２人のDJネームって決まった？」
「あ、まだっす」
「DJネーム？」
「ラジオやるとき用の名前かな。本名フルネームでやるんじゃなくて、あだ名とかを使う感じ。俺ならカノンだし、野坂先輩ならマーシーって感じでそれぞれみんなにあるんだよ。ほら、すがやんとか」
「それってみんな名前になぞらえてる感じなんすか？」
「全然関係ない人もいるっちゃいるけど、普通のあだ名をそのまま使ってる人もいるし、本当に人それぞれかな」
「野坂先輩のマーシーという名前は、どのようにして決まったのですか？」
「俺の下の名前が雅史っていうんだけど、マサシとも読めるし、その誤読由来の名前かな」
「なるほど」
「そうなると、友達の少ない春風にはハードルが高くなるな。それと言ったあだ名もないし」
「本当のことだけどわざわざ言わなくてもいいでしょう」
「あーあー鳥ちゃん、友達なんか量より質だから！」
「カノンの言う通り。これから出来る友達が人生規模の付き合いになる可能性だってあるんだから、悲観的に捉えることもない」
友達が少ないことを少し気にしていたのですが、野坂先輩の仰る「これから出来る友達が人生規模の付き合いになる可能性がある」という言葉に希望を持ちました。そのような友達が出来ればいいと思いますし、相手にとってもそのように付き合える自分でありたいと思います。
「と言うか、それと言ったあだ名がないのはあなただって同じでしょう、奏多」
「おーっとォ、気付いちまったか」
「私が聞いたことがあるのは高校の時に松兄と呼ばれていたくらいじゃないの」
「あー、あったなそんなのも。周りからしたらダブってタメになった１コ上の扱いがめんどかったんじゃん？」
「いーじゃん松兄ッ！ 雰囲気もぴったりだしッ！」
「あ、それで決まる感じっす？」
「松兄がいいなら」
「もうそう呼んでるじゃねーすか奈々さん」
「うちは好きだしDJネームに不採用でもそう呼ぼうかなと思って」
「奈々さんが気に入ってくれたんなら、採用しようかな」
「松兄よろしくねッ」
「よろしくっす」
「え、周りから１コ上ってことはうちとタメ？」
「いや、さらに一浪してるんでストレートの３年とタメっす。野坂さんがストレートならここがタメのはずっすよ」
「マジか、タメか」
「じゃあうちから見てもリアルに松兄なんじゃんッ！」
「いや、松の付くお兄さまと言えば俺の中では圭斗先輩一択でだな」
「そーいや圭斗先輩って松岡でしたねッ。でも４年生はもう卒業なんでこれからの活動には影響しないっす、うっすうっす」
「奈々お前！ 圭斗先輩の存在を抹消しようとしたな！」
「そんなこと言ってないじゃないすかッ！ 今は１年生の話ですよッ！ はるかちゃんのDJネームをつけるんですよッ！」
end.
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ノサカがカノンの全肯定お兄さんになったかと思いきや、圭斗さんに関しては安定のヤツなのでやはりノサカである
去年やった感じでは奈々と奏多のデコボココンビが結構好きなので今後もちょっとずつ見ていきたい
ノサカと奏多のヤベー奴対決は成績の差で現状ノサカに軍配？ カノンと奏多が楽しそうにやってて真希ちゃんらも安心だね
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