2021(04)
■インターフェイスの偉い人ー!
++++
うーん、これはインターフェイスでも大した役職を持ってない私の仕事じゃない気がするけど、映像系大学の代表っていう意味では私の仕事なのかなあ? 今日は桜貝大学の放送サークルの人たちと面談をするっていうことになっていて、それで単身いつものコーヒーショップに乗り込んで来たワケだけど。
北星から「こういう話があるんですけど~」と桜貝サイドでインターフェイスへの復帰に関する話し合いが進んでいると聞いた。何でも、桜貝に北星の高校の同級生がいたらしくて、奇跡的に北星がその子からの連絡を私に伝えることが出来て現在に至ってるみたい。インターフェイスへの復帰に関しては、定例会議長のミドリに話したところ、定例会の前に1回個別に話をした方がいいかもねって。
一応青敬の持ち込み案件って扱いだからなのか、それともミドリがテスト期間であまり自由に動けないからか。まあ、別に何でもいいんだけど、誰かもう1人くらい来てくれたって良かったんじゃないかなーとは思う。ミドリが無理でもおハナかユキちゃんか、三役のどっちかが。別にいいんだけど。
待ち合わせをするに当たって、大体の場所と自分の特徴を向こうに伝えてある。約束の時間よりは少し早めに来てるから、向こうに私を探してもらう形になってるはず。コーヒーを飲みながら、来るかなー来ないかなーそろそろかなーと待っている。こうやって知らない人と待ち合わせるって、インターフェイス独特の雰囲気というか空気を感じるよね。
「こんにちはー、桜貝ですー」
「あっ、こんにちはー。今回インターフェイスの代表として出て来てる、青浪敬愛大学の諏訪あやめです」
「桜貝大学の尼崎リリアです」
「稲美氷空です」
「三木さつきです」
よろしくお願いしまーすと席に着いたけど、まさか向こうは3人で来るとは思わなかった。圧倒的な数的不利。尼崎さんは見た目からちょっとオシャレで華やか、活動的って感じがする。稲美さんはおしとやかで知的っぽそうな雰囲気で、三木さんは素朴そうな雰囲気っていうのが第一印象。女子のそれなんか全然当てにならないんだけど。
「えっと、インターフェイスの活動に興味を持たれたってことですけど」
「映像関係の活動が始まるって話を聞いたんですよー。だったらアタシたちもバリバリやれそうじゃんって思ってー」
「ちょっとリリア、もっと経緯を丁寧に説明しないと。すみません諏訪さん。掻い摘んで説明させていただくと――」
桜貝のサークル室に残された古い議事録には、昔はインターフェイスの活動に参加していた記録があったそうだ。それは私たちも噂でしか聞いたことのない、スキー場DJの活動。それが終わってからは、映像の活動をやっているわけでもないインターフェイスでラジオをやってる意味は? となってフェードアウトしていたそうだ。
稲美さんによれば、インターフェイスで映像の活動にも力を入れていくのなら、自分たちもそこで活動する意味を見出せるのではないかということ。それから、自分たちだけではなかなか得ることの出来ない男性的な発想を得ることによる技術の向上など、メリットとデメリットを並べて話し合った結果、参加してみるのもいいのでは? となったらしい。
「――ということです」
「そうですか、よくわかりました」
「インターフェイスで始めようとしている映像の活動というのは具体的にどんなことをするというのは」
「それは現在話し合っている最中ですね。実際に映像作品を作るだけでなく、5月にあるファンフェスのDJブースの配信など、そういったことも出来そうかなとは」
「実際にやるとなると現状は青敬さんが主体となる感じですか?」
「他の大学さんの活動がラジオやステージが主なので、そうなると思います。ちなみにですけど、桜貝さんはどういった作品を作っているとか、見ることの出来るチャンネルなんかはありますか?」
「えーとですね」
「ありますよー! これがSBCチャンネルなんだけど、どんなに短い動画でも最低週1投稿をモットーにやってまーす」
「はあ。ちょっと見てみますね」
紹介されたチャンネルに投稿されている動画を見てみると、私のイメージするザ・ユーチューバーという雰囲気がする。「○○をやってみた」とか「○○を紹介」みたいな感じの実写動画がメインって感じかな。たまにメンバーが自分の好きな分野の話をするって感じの動画もある。稲美さんは短歌動画の担当みたいだ。
絵コンテをしっかり書いて、しっかり撮影した物をどう編集して見やすい映像にするかっていうことを頑張っているウチとはテイストがまるっきり違うなあと思いながらも、ウチでやっているようなことが偉いとか凄いとかいうことでもないから、いろんなタイプの団体があってもいいよねってことで落ち着いた。
「こういう勢いってウチにはなかなかないので、凄いなあって思います」
「ちなみに、青敬さんのチャンネルってありますか?」
「ありますよ。ここなんですけど」
「サムネが睡眠導入音楽っぽい」
「リリア!」
「それってドローンで撮影した風景動画ですかね?」
「ドローンなんか使ってるんですか!」
「わあ…! お花畑が素敵ですね」
「えーと、稲美さん、とりあえず他の人との顔合わせの日程なんかを詰めますか?」
「そうですね」
とりあえず、桜貝さんの3人衆はちゃんと話を進めるなら稲美さんに話を振るのが良さそうってことはわかった。でも、これ以上のことはミドリに投ーげた。実際私だけで話しててもどうにもならないもんね。インターフェイスの偉い人ー、何とかして―!
end.
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最初の頃はかんなの後ろでですーとかますーとしか喋ってなかったあやめもかなりの進歩を遂げているね
桜貝の3人衆もまだキャラがちゃんと固まってないので後から見るとこの話も誰ってことになるんだろう
北星が人からの連絡をちゃんと伝えることが出来るというのは奇跡的という扱いのようです
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うーん、これはインターフェイスでも大した役職を持ってない私の仕事じゃない気がするけど、映像系大学の代表っていう意味では私の仕事なのかなあ? 今日は桜貝大学の放送サークルの人たちと面談をするっていうことになっていて、それで単身いつものコーヒーショップに乗り込んで来たワケだけど。
北星から「こういう話があるんですけど~」と桜貝サイドでインターフェイスへの復帰に関する話し合いが進んでいると聞いた。何でも、桜貝に北星の高校の同級生がいたらしくて、奇跡的に北星がその子からの連絡を私に伝えることが出来て現在に至ってるみたい。インターフェイスへの復帰に関しては、定例会議長のミドリに話したところ、定例会の前に1回個別に話をした方がいいかもねって。
一応青敬の持ち込み案件って扱いだからなのか、それともミドリがテスト期間であまり自由に動けないからか。まあ、別に何でもいいんだけど、誰かもう1人くらい来てくれたって良かったんじゃないかなーとは思う。ミドリが無理でもおハナかユキちゃんか、三役のどっちかが。別にいいんだけど。
待ち合わせをするに当たって、大体の場所と自分の特徴を向こうに伝えてある。約束の時間よりは少し早めに来てるから、向こうに私を探してもらう形になってるはず。コーヒーを飲みながら、来るかなー来ないかなーそろそろかなーと待っている。こうやって知らない人と待ち合わせるって、インターフェイス独特の雰囲気というか空気を感じるよね。
「こんにちはー、桜貝ですー」
「あっ、こんにちはー。今回インターフェイスの代表として出て来てる、青浪敬愛大学の諏訪あやめです」
「桜貝大学の尼崎リリアです」
「稲美氷空です」
「三木さつきです」
よろしくお願いしまーすと席に着いたけど、まさか向こうは3人で来るとは思わなかった。圧倒的な数的不利。尼崎さんは見た目からちょっとオシャレで華やか、活動的って感じがする。稲美さんはおしとやかで知的っぽそうな雰囲気で、三木さんは素朴そうな雰囲気っていうのが第一印象。女子のそれなんか全然当てにならないんだけど。
「えっと、インターフェイスの活動に興味を持たれたってことですけど」
「映像関係の活動が始まるって話を聞いたんですよー。だったらアタシたちもバリバリやれそうじゃんって思ってー」
「ちょっとリリア、もっと経緯を丁寧に説明しないと。すみません諏訪さん。掻い摘んで説明させていただくと――」
桜貝のサークル室に残された古い議事録には、昔はインターフェイスの活動に参加していた記録があったそうだ。それは私たちも噂でしか聞いたことのない、スキー場DJの活動。それが終わってからは、映像の活動をやっているわけでもないインターフェイスでラジオをやってる意味は? となってフェードアウトしていたそうだ。
稲美さんによれば、インターフェイスで映像の活動にも力を入れていくのなら、自分たちもそこで活動する意味を見出せるのではないかということ。それから、自分たちだけではなかなか得ることの出来ない男性的な発想を得ることによる技術の向上など、メリットとデメリットを並べて話し合った結果、参加してみるのもいいのでは? となったらしい。
「――ということです」
「そうですか、よくわかりました」
「インターフェイスで始めようとしている映像の活動というのは具体的にどんなことをするというのは」
「それは現在話し合っている最中ですね。実際に映像作品を作るだけでなく、5月にあるファンフェスのDJブースの配信など、そういったことも出来そうかなとは」
「実際にやるとなると現状は青敬さんが主体となる感じですか?」
「他の大学さんの活動がラジオやステージが主なので、そうなると思います。ちなみにですけど、桜貝さんはどういった作品を作っているとか、見ることの出来るチャンネルなんかはありますか?」
「えーとですね」
「ありますよー! これがSBCチャンネルなんだけど、どんなに短い動画でも最低週1投稿をモットーにやってまーす」
「はあ。ちょっと見てみますね」
紹介されたチャンネルに投稿されている動画を見てみると、私のイメージするザ・ユーチューバーという雰囲気がする。「○○をやってみた」とか「○○を紹介」みたいな感じの実写動画がメインって感じかな。たまにメンバーが自分の好きな分野の話をするって感じの動画もある。稲美さんは短歌動画の担当みたいだ。
絵コンテをしっかり書いて、しっかり撮影した物をどう編集して見やすい映像にするかっていうことを頑張っているウチとはテイストがまるっきり違うなあと思いながらも、ウチでやっているようなことが偉いとか凄いとかいうことでもないから、いろんなタイプの団体があってもいいよねってことで落ち着いた。
「こういう勢いってウチにはなかなかないので、凄いなあって思います」
「ちなみに、青敬さんのチャンネルってありますか?」
「ありますよ。ここなんですけど」
「サムネが睡眠導入音楽っぽい」
「リリア!」
「それってドローンで撮影した風景動画ですかね?」
「ドローンなんか使ってるんですか!」
「わあ…! お花畑が素敵ですね」
「えーと、稲美さん、とりあえず他の人との顔合わせの日程なんかを詰めますか?」
「そうですね」
とりあえず、桜貝さんの3人衆はちゃんと話を進めるなら稲美さんに話を振るのが良さそうってことはわかった。でも、これ以上のことはミドリに投ーげた。実際私だけで話しててもどうにもならないもんね。インターフェイスの偉い人ー、何とかして―!
end.
++++
最初の頃はかんなの後ろでですーとかますーとしか喋ってなかったあやめもかなりの進歩を遂げているね
桜貝の3人衆もまだキャラがちゃんと固まってないので後から見るとこの話も誰ってことになるんだろう
北星が人からの連絡をちゃんと伝えることが出来るというのは奇跡的という扱いのようです
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