2021(04)
■デコボコリアル×ロマン
++++
「ね~朝霞クン、筋肉痛なのはわかるけど、指示はしてくれないと困っちゃうな~」
「いや、喋るのもしんどいんだぞ!?」
「昨日はどうだったの?」
「昨日はほぼ丸1日寝てたよな」
「急に慣れないことするから~。ねえ大石クン」
「うん。こればっかりは何とも言えないかな。朝霞、ウチの会社でのバイトの前には運動しないでね」
日曜日には引っ越しの準備をすると決めて、毎週少しずつ片付ける物を片付けている。のだが、金曜日の緑大遠征ついでにジムで体を動かしてきた結果、昨日は丸1日寝て過ごし、今日は今日でまだ筋肉痛が凄まじくてまともに動くこともままならなくなった。
元々片付けは山口に手伝ってもらってやってたんだけど、俺の体が動かなければ作業も進まないのでパワー要員として大石も召集することにした。コイツは俺以上に片付けが出来ない奴だけど、荷物の梱包や運搬に関してはプロ級だし、その力を買った。
「それでそれだけ体が痛くなるって、どんなトレーニングをしたの」
「動的ストレッチをして、クロストレーナーで30分くらい体を温めてから、エアロバイクでわーっと。ほら、結構前に暗闇エクササイズとかが流行ってて思いっきりペダルを漕いでも他の人から見えませんみたいなの、情報番組とかで見たことないか?」
「何だっけ、時々負荷が強くなったり、思いっきり立ち漕ぎでグイグイグイグイってやるヤツだっけ~?」
「それを果林の監督の下でやってたんだ」
「果林ちゃんが監督ならガチなヤツでしょ~。運動素人にはキツかったんジャない?」
「いや、高木君の初回も俺と同じような感じだったって言ってたし」
「タカティは2コ下で若いんだから同じだと思っちゃダメだよ」
最近は結構年上の人とも話す機会があるから年の1コや2コっていう感じだったんだけど、俺ら年代の2コというのはかなり大きい。2コ下ともなると体力も違うし、徹夜出来るか出来ないかのボーダーが変わる奴もいるとかいないとかっていう話だ。
「つかお前らも急に運動したら体痛くなるだろ?」
「俺は日常的に水泳やってるし、仕事が仕事だから今更かなあ」
「お前に聞いた俺がバカだった。山口、お前はサッカーから離れて久しいだろ」
「それでも朝霞クンよりはちゃんと体動かしてるよ。IFサッカー部の活動ってみんなが思ってるよりちゃんとフットサルしてたしね」
「実在すんのかよくわかんねーあの謎組織、ちゃんとやってたのか」
「ちょっと、伊東クン怒るよ~。あと、スガノ君とカンノ君にも聞いてみてよ、ちゃんとやってたんだから」
「あっ、IFサッカー部って本当に活動やってたんだ」
「そ~なの。実はちゃんとやってたんだよ」
当事者たち以外からは「名前は聞いたことはあるが誰が何をやっているのかが謎」と言われ続けたIFサッカー部なる課外組織があった。サッカー観戦やフットサルをやるという話らしかったが、カズと山口を部長にまあまあ定期的に活動をやっていたらしい。
俺みたいな根っからの文化系が急に体を動かすからこんなことになるのだと、元サッカーエリートと水棲の体力バカが何か言っている。果林の指導は実に良かった。ただ、実に良すぎたからこそ全身満遍なく悲鳴を上げている。
「でも、緑大の施設って凄いんだね~、学内にジムがあるなんてさすがだよ。星大さんにはジムはある?」
「ジムはさすがになかったと思うなあ。体育施設はあんまり使ったことないし」
「そうだよね~」
「ジムの他にもプールがあったり、その他諸々の体育施設が充実してるらしい」
「体育学部があるとやっぱりそうなるんじゃない? 緑大のプールって屋内プールも屋外プールも凄いよね。でも、一般の人も使おうと思えば1回200円で使えるらしいよ」
「えっ、そうなのか」
「うん。緑大まで行くのが遠いから使ったことはないんだけどね。でも世界大会基準のプールでは1回泳いでみたいかも。西海の市民プールはさすがによくある普通のプールだし」
「そうなんだよね~。緑ヶ丘って世界を基準に施設を作ってるみたいなところがあるし、設備は凄いんだよね~。俺もサッカー推薦のお誘いに乗ってたら違う将来があったのかもね~」
「えっ、お前サッカー推薦もらってたのか」
「プロチームから大学までお誘いは結構いろいろ。それをぜ~んぶ蹴って現在に至ってるけどね。将来自分の店を持つためにお金周りの勉強がしたかったからね」
「俺ももうちょっと頑張れば水泳で緑大に行けたかもしれないけど、水泳で食べれるようにはなかなかなれないし、国立大でしっかり勉強して地に足付けた仕事をしてって現在に至ってるよね」
「何だよお前ら……バケモンかよ……」
さも当然かのように言っているけど、コイツらの言っていることは普通じゃないと俺は思う。大学から良かったらウチでその能力を伸ばしませんかって誘われる奴なんかほんの一握りだろう。ただ、それを蹴って違う未来、将来を考えて見通す力を高校生当時から持つことも凄いと思う。
「お前らの共通点って、現実的で金にシビアなところだよな。今気付いた」
「朝霞クンがその瞬間の理想を追いかける人だしお金の扱いにはふわふわ~っとしてるところがあるから、それを補う友達としては俺たち最高ジャない?」
「そういうことで片付けの手伝いは引き続きよろしく」
「ね~、朝霞クンさ~、そんな感じで実家でお兄ちゃん手ぇ焼いてなかった?」
「弟はちょっと手が掛かるくらいが兄さんとしては寂しくないって人もいるみたいだし、どうだろうね」
end.
++++
そういややまよは兄だしPさんは真ん中だしちーちゃんは弟の3人組である。Pさんがめちゃくちゃわがまま放題
ちーちゃんが文武両道でヤベー的なことでノサカがわーひゃー言ってる話もフェーズ1であったけど、やまよも何気に文武両道。
Pさんの部屋の片付けとかいう絶対一人では進まない作業を毎週日曜日の定例作業にしてるのは英断だし手伝ってるやまよ偉い
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「ね~朝霞クン、筋肉痛なのはわかるけど、指示はしてくれないと困っちゃうな~」
「いや、喋るのもしんどいんだぞ!?」
「昨日はどうだったの?」
「昨日はほぼ丸1日寝てたよな」
「急に慣れないことするから~。ねえ大石クン」
「うん。こればっかりは何とも言えないかな。朝霞、ウチの会社でのバイトの前には運動しないでね」
日曜日には引っ越しの準備をすると決めて、毎週少しずつ片付ける物を片付けている。のだが、金曜日の緑大遠征ついでにジムで体を動かしてきた結果、昨日は丸1日寝て過ごし、今日は今日でまだ筋肉痛が凄まじくてまともに動くこともままならなくなった。
元々片付けは山口に手伝ってもらってやってたんだけど、俺の体が動かなければ作業も進まないのでパワー要員として大石も召集することにした。コイツは俺以上に片付けが出来ない奴だけど、荷物の梱包や運搬に関してはプロ級だし、その力を買った。
「それでそれだけ体が痛くなるって、どんなトレーニングをしたの」
「動的ストレッチをして、クロストレーナーで30分くらい体を温めてから、エアロバイクでわーっと。ほら、結構前に暗闇エクササイズとかが流行ってて思いっきりペダルを漕いでも他の人から見えませんみたいなの、情報番組とかで見たことないか?」
「何だっけ、時々負荷が強くなったり、思いっきり立ち漕ぎでグイグイグイグイってやるヤツだっけ~?」
「それを果林の監督の下でやってたんだ」
「果林ちゃんが監督ならガチなヤツでしょ~。運動素人にはキツかったんジャない?」
「いや、高木君の初回も俺と同じような感じだったって言ってたし」
「タカティは2コ下で若いんだから同じだと思っちゃダメだよ」
最近は結構年上の人とも話す機会があるから年の1コや2コっていう感じだったんだけど、俺ら年代の2コというのはかなり大きい。2コ下ともなると体力も違うし、徹夜出来るか出来ないかのボーダーが変わる奴もいるとかいないとかっていう話だ。
「つかお前らも急に運動したら体痛くなるだろ?」
「俺は日常的に水泳やってるし、仕事が仕事だから今更かなあ」
「お前に聞いた俺がバカだった。山口、お前はサッカーから離れて久しいだろ」
「それでも朝霞クンよりはちゃんと体動かしてるよ。IFサッカー部の活動ってみんなが思ってるよりちゃんとフットサルしてたしね」
「実在すんのかよくわかんねーあの謎組織、ちゃんとやってたのか」
「ちょっと、伊東クン怒るよ~。あと、スガノ君とカンノ君にも聞いてみてよ、ちゃんとやってたんだから」
「あっ、IFサッカー部って本当に活動やってたんだ」
「そ~なの。実はちゃんとやってたんだよ」
当事者たち以外からは「名前は聞いたことはあるが誰が何をやっているのかが謎」と言われ続けたIFサッカー部なる課外組織があった。サッカー観戦やフットサルをやるという話らしかったが、カズと山口を部長にまあまあ定期的に活動をやっていたらしい。
俺みたいな根っからの文化系が急に体を動かすからこんなことになるのだと、元サッカーエリートと水棲の体力バカが何か言っている。果林の指導は実に良かった。ただ、実に良すぎたからこそ全身満遍なく悲鳴を上げている。
「でも、緑大の施設って凄いんだね~、学内にジムがあるなんてさすがだよ。星大さんにはジムはある?」
「ジムはさすがになかったと思うなあ。体育施設はあんまり使ったことないし」
「そうだよね~」
「ジムの他にもプールがあったり、その他諸々の体育施設が充実してるらしい」
「体育学部があるとやっぱりそうなるんじゃない? 緑大のプールって屋内プールも屋外プールも凄いよね。でも、一般の人も使おうと思えば1回200円で使えるらしいよ」
「えっ、そうなのか」
「うん。緑大まで行くのが遠いから使ったことはないんだけどね。でも世界大会基準のプールでは1回泳いでみたいかも。西海の市民プールはさすがによくある普通のプールだし」
「そうなんだよね~。緑ヶ丘って世界を基準に施設を作ってるみたいなところがあるし、設備は凄いんだよね~。俺もサッカー推薦のお誘いに乗ってたら違う将来があったのかもね~」
「えっ、お前サッカー推薦もらってたのか」
「プロチームから大学までお誘いは結構いろいろ。それをぜ~んぶ蹴って現在に至ってるけどね。将来自分の店を持つためにお金周りの勉強がしたかったからね」
「俺ももうちょっと頑張れば水泳で緑大に行けたかもしれないけど、水泳で食べれるようにはなかなかなれないし、国立大でしっかり勉強して地に足付けた仕事をしてって現在に至ってるよね」
「何だよお前ら……バケモンかよ……」
さも当然かのように言っているけど、コイツらの言っていることは普通じゃないと俺は思う。大学から良かったらウチでその能力を伸ばしませんかって誘われる奴なんかほんの一握りだろう。ただ、それを蹴って違う未来、将来を考えて見通す力を高校生当時から持つことも凄いと思う。
「お前らの共通点って、現実的で金にシビアなところだよな。今気付いた」
「朝霞クンがその瞬間の理想を追いかける人だしお金の扱いにはふわふわ~っとしてるところがあるから、それを補う友達としては俺たち最高ジャない?」
「そういうことで片付けの手伝いは引き続きよろしく」
「ね~、朝霞クンさ~、そんな感じで実家でお兄ちゃん手ぇ焼いてなかった?」
「弟はちょっと手が掛かるくらいが兄さんとしては寂しくないって人もいるみたいだし、どうだろうね」
end.
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そういややまよは兄だしPさんは真ん中だしちーちゃんは弟の3人組である。Pさんがめちゃくちゃわがまま放題
ちーちゃんが文武両道でヤベー的なことでノサカがわーひゃー言ってる話もフェーズ1であったけど、やまよも何気に文武両道。
Pさんの部屋の片付けとかいう絶対一人では進まない作業を毎週日曜日の定例作業にしてるのは英断だし手伝ってるやまよ偉い
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