2021(02)
■繋ぐ縁の再集合
++++
「おーす!」
「みんな久し振りー」
夏合宿の班で一緒になった1年4人が再集合。俺とすがやん、それからわかちゃんとたっちゃんだ。すがやんが言ってたんだけど、他の班ではちょこちょこ会って遊んでるみたいなんだって。せっかく知り合ったんだし、この縁をそのままなかったことにするのも勿体ないし。
実際に集まって何をするのかってのはまだ具体的には決まってないけど、目的を決めるのはとりあえず集まってからでいいかなっていう感じ。アクティブに遊び回ってもいいし、飯食いながら近況報告とかでもいいし。男4人だから何でも出来そうだ。
遊ぶんならとりあえず花栄か世音坂みたいなところはある。その辺に集まっておけばあとはどうにでもなるかなあと。そもそも俺らは合宿の時に集まっただけで、誰がどんなものを好きかとか、そういうことも全然知らない。実質的初回だから無難でいいのかなと。
「明日から秋学期が始まるし、みんな忙しくなるだろうからこんな風に集まるのもなかなか出来なくなりそうだねー」
「わかちゃん、緑ヶ丘はもう始まってんだわ」
「星ヶ丘も始まってます。多分私立と公立で違うんじゃないかな。カノンは明日からだよね」
「そーだな、ウチも明日から」
「えっそうなんだ!」
合宿を経て何となくみんなのキャラクターも分かって来た。この4人だと俺が一番うるさいっつーかガンガン行くタイプだし、すがやんは相手や状況に応じて立ち回りを変えられるバランサータイプ。わかちゃんはちょっと天然入ってるし、たっちゃんはおっとりしていて虫が嫌い。
「よーしお待たせー」
「それ何?」
「これはタピオカの黒糖ミルクとモンブラン」
「モンブランも秋っぽくていいな」
「すがやんのは?」
「紅茶とミルクレープ」
「紅茶って甘いの?」
「ううん、買った状態では何も入ってない」
「すげー、オトナー」
「わかちゃんは?」
「りんごジュースとカボチャのタルトだよ」
「たっちゃんのは抹茶ラテとチーズケーキだね」
「そうだね」
結局インターフェイス的にはいつものカフェに落ち着くんだよな。それぞれが好きな飲み物とケーキを頼んでいろんなことを話すのかな。すがやんが甘くない熱い紅茶を飲んでるだけで大人だなあと感心してしまうメンツなので、程度としてはもしかしてお察しの俺らなのか?
「ああ、そうだ。みんなさ、ジャガイモに興味ある?」
「ジャガイモ?」
「ミドリ先輩っていう2年生の先輩からなんだけど、北辰のジャガイモが大量にあるから1ケースから引き取り手を探してるんだって。とにかくたくさんあるから助けてーってことみたい。ちなみに、ジャガイモの箱の画像もあるんだけど」
「すげーデケーじゃん!」
「1ケースくらいだったら家にあってもいいんだろうけど、見た感じすごいデカいのがめちゃくちゃいっぱい入ったケースだな」
「わかちゃん、これって使い道は自由?」
「引き取った後のことは貰った人が好きにしたらいいんじゃないかな」
「はー……そしたらちょっと相談してみるか。返事っていつまでにすればいい?」
「早い方が嬉しいみたいけど、急いでもないって」
「わかった、了解!」
俺も1ケースもらおうかな、とすがやんがわかちゃんと話を付けているのを後目に、俺は俺でもらってもいないジャガイモの使い道を考える。春学期の終わりごろに大学祭で出す食品ブースの話をしてたと思うんだけど、あれって結局まだ何も決まってなかったよなと思って。
「カノン、ジャガイモで何かやる気?」
「大学祭の食品ブースで使えないかなーと思って。ほら、ウチって来期は奈々先輩と俺だけになるし、2人で何が出来るかなって考えたらやっぱ金が要るじゃん?」
「カノン偉いな。1年だったらサークルの先のことなんか先輩任せになるのが普通だけど、もう自分で考えてて」
「や、すがやんにも考えてもらうし!」
「えっ、俺も!?」
「だってすがやんもウチでしばらく一緒にやるワケだし。半分MMPのメンバーみたいなモンじゃん」
「うーん、そうなのかなー? えっ、面白いことを思いついたら採用してもらえんの?」
「面白ければオッケーなんじゃね? いや! でも、そんな簡単にウチのレベルに達してもらっても困るぜ!」
「え、すがやんとカノンが一緒にってどういうこと?」
「ウチの人数が少なすぎて、緑ヶ丘からすがやんを派遣してもらって昼放送の枠を埋めるっていう」
「俺は俺で、向島さんがどういう感じでやってるのかっていうのを勉強して持ち帰るっていう仕事があるっぽい」
「へー」
話を聞いて行くと、他の大学のみんなもそれぞれ大学祭に向けて動いてるみたいだ。緑ヶ丘はDJブースと食品ブースを3日間フルでやるっぽいし、星大は食品ブース一本で。星ヶ丘はステージだけをやるらしい。風の噂によれば、青女と青敬はインターフェイスの中でも学祭の日程が少し早いとか。
「大学祭なー、マジでどうしよ。明日先輩たちにプレゼンしてみっかなー」
「プレゼンしたらいいじゃんな! 面白ければ採用してもらえる空気感なんだったらイケるって!」
「よーし、頑張るぞ!」
「大学祭ってみんな凄い準備に時間かけるみたいだし、どれくらい遅くまで練習するんだろう」
「星ヶ丘はステージだもんなー。しかも大体の大学で学祭が代替わりのタイミングだって言うじゃんな。3年生にとっては最後だろ?」
「あー、だからかー」
「来年に向けて俺は稼ぐ!」
end.
++++
サドニナ班の1年生4人が再集結。カノやんは去年から仲良しだったけど、わかちゃんとたっちゃんのキャラ立ちが今後課題。
星大からのジャガイモをどうするかについての会議は次のサークルで行われるのかしら。去年の話参照。
すがやんが1ケースもらってどうするのかしら。普通におうちで食べる用かな? まあ一般家庭で1ケースならしばらく大丈夫かー
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「おーす!」
「みんな久し振りー」
夏合宿の班で一緒になった1年4人が再集合。俺とすがやん、それからわかちゃんとたっちゃんだ。すがやんが言ってたんだけど、他の班ではちょこちょこ会って遊んでるみたいなんだって。せっかく知り合ったんだし、この縁をそのままなかったことにするのも勿体ないし。
実際に集まって何をするのかってのはまだ具体的には決まってないけど、目的を決めるのはとりあえず集まってからでいいかなっていう感じ。アクティブに遊び回ってもいいし、飯食いながら近況報告とかでもいいし。男4人だから何でも出来そうだ。
遊ぶんならとりあえず花栄か世音坂みたいなところはある。その辺に集まっておけばあとはどうにでもなるかなあと。そもそも俺らは合宿の時に集まっただけで、誰がどんなものを好きかとか、そういうことも全然知らない。実質的初回だから無難でいいのかなと。
「明日から秋学期が始まるし、みんな忙しくなるだろうからこんな風に集まるのもなかなか出来なくなりそうだねー」
「わかちゃん、緑ヶ丘はもう始まってんだわ」
「星ヶ丘も始まってます。多分私立と公立で違うんじゃないかな。カノンは明日からだよね」
「そーだな、ウチも明日から」
「えっそうなんだ!」
合宿を経て何となくみんなのキャラクターも分かって来た。この4人だと俺が一番うるさいっつーかガンガン行くタイプだし、すがやんは相手や状況に応じて立ち回りを変えられるバランサータイプ。わかちゃんはちょっと天然入ってるし、たっちゃんはおっとりしていて虫が嫌い。
「よーしお待たせー」
「それ何?」
「これはタピオカの黒糖ミルクとモンブラン」
「モンブランも秋っぽくていいな」
「すがやんのは?」
「紅茶とミルクレープ」
「紅茶って甘いの?」
「ううん、買った状態では何も入ってない」
「すげー、オトナー」
「わかちゃんは?」
「りんごジュースとカボチャのタルトだよ」
「たっちゃんのは抹茶ラテとチーズケーキだね」
「そうだね」
結局インターフェイス的にはいつものカフェに落ち着くんだよな。それぞれが好きな飲み物とケーキを頼んでいろんなことを話すのかな。すがやんが甘くない熱い紅茶を飲んでるだけで大人だなあと感心してしまうメンツなので、程度としてはもしかしてお察しの俺らなのか?
「ああ、そうだ。みんなさ、ジャガイモに興味ある?」
「ジャガイモ?」
「ミドリ先輩っていう2年生の先輩からなんだけど、北辰のジャガイモが大量にあるから1ケースから引き取り手を探してるんだって。とにかくたくさんあるから助けてーってことみたい。ちなみに、ジャガイモの箱の画像もあるんだけど」
「すげーデケーじゃん!」
「1ケースくらいだったら家にあってもいいんだろうけど、見た感じすごいデカいのがめちゃくちゃいっぱい入ったケースだな」
「わかちゃん、これって使い道は自由?」
「引き取った後のことは貰った人が好きにしたらいいんじゃないかな」
「はー……そしたらちょっと相談してみるか。返事っていつまでにすればいい?」
「早い方が嬉しいみたいけど、急いでもないって」
「わかった、了解!」
俺も1ケースもらおうかな、とすがやんがわかちゃんと話を付けているのを後目に、俺は俺でもらってもいないジャガイモの使い道を考える。春学期の終わりごろに大学祭で出す食品ブースの話をしてたと思うんだけど、あれって結局まだ何も決まってなかったよなと思って。
「カノン、ジャガイモで何かやる気?」
「大学祭の食品ブースで使えないかなーと思って。ほら、ウチって来期は奈々先輩と俺だけになるし、2人で何が出来るかなって考えたらやっぱ金が要るじゃん?」
「カノン偉いな。1年だったらサークルの先のことなんか先輩任せになるのが普通だけど、もう自分で考えてて」
「や、すがやんにも考えてもらうし!」
「えっ、俺も!?」
「だってすがやんもウチでしばらく一緒にやるワケだし。半分MMPのメンバーみたいなモンじゃん」
「うーん、そうなのかなー? えっ、面白いことを思いついたら採用してもらえんの?」
「面白ければオッケーなんじゃね? いや! でも、そんな簡単にウチのレベルに達してもらっても困るぜ!」
「え、すがやんとカノンが一緒にってどういうこと?」
「ウチの人数が少なすぎて、緑ヶ丘からすがやんを派遣してもらって昼放送の枠を埋めるっていう」
「俺は俺で、向島さんがどういう感じでやってるのかっていうのを勉強して持ち帰るっていう仕事があるっぽい」
「へー」
話を聞いて行くと、他の大学のみんなもそれぞれ大学祭に向けて動いてるみたいだ。緑ヶ丘はDJブースと食品ブースを3日間フルでやるっぽいし、星大は食品ブース一本で。星ヶ丘はステージだけをやるらしい。風の噂によれば、青女と青敬はインターフェイスの中でも学祭の日程が少し早いとか。
「大学祭なー、マジでどうしよ。明日先輩たちにプレゼンしてみっかなー」
「プレゼンしたらいいじゃんな! 面白ければ採用してもらえる空気感なんだったらイケるって!」
「よーし、頑張るぞ!」
「大学祭ってみんな凄い準備に時間かけるみたいだし、どれくらい遅くまで練習するんだろう」
「星ヶ丘はステージだもんなー。しかも大体の大学で学祭が代替わりのタイミングだって言うじゃんな。3年生にとっては最後だろ?」
「あー、だからかー」
「来年に向けて俺は稼ぐ!」
end.
++++
サドニナ班の1年生4人が再集結。カノやんは去年から仲良しだったけど、わかちゃんとたっちゃんのキャラ立ちが今後課題。
星大からのジャガイモをどうするかについての会議は次のサークルで行われるのかしら。去年の話参照。
すがやんが1ケースもらってどうするのかしら。普通におうちで食べる用かな? まあ一般家庭で1ケースならしばらく大丈夫かー
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