2021
■時に和みとユーモアと
++++
班長が対策委員議長のアオだから、初動が早いと言うか真面目だなっていう印象。班が決まってまだ2日だと思うけど、何かみんなの予定が合ったんだろうね。みんなの都合がついたんならさっそく会っておこうと急遽設けられた班顔合わせ。便宜上1班っていうことになってるみたいだね。ちなみにあたしは副班長。
「――ということで、このメンバーでやっていくのでよろしくお願いします」
「お願いしまーす。そしたら、自己紹介とかしていく感じ?」
「そうだね。自己紹介をして、ペアを決めて、班ごとの番組のテーマを決めるところまでやれたら今日の進捗は達成されるかなと」
「じゃあアオからで」
「はい。星港大学のミキサーで、対策委員議長の高山蒼希です。DJネームはアオです」
「はーい、青女のアナウンサーの上野美雪で、DJネームはユキでーす。よろしくお願いしまーす。そしたら次、1年生の子たち、順番にやってこっか」
アオから個別に届いたメッセージでお願いされていたのは、班運営の補助について。アオは対策委員の会議でも淡々と話を進めがちで、ユーモアだとか、寄り道だとか、そういう和みっていうの? そんな要素が欠けがちになるみたい。だからとっつきにくいと思われがちというか。
場を和ませる努力はするけど、ぎこちなくなって余計変な空気にしてしまうかもしれないし、場を回すことに関してはあたしの力も借りたいという話だった。……ということをミドリに相談したら、アオは対策委員の議長職でも忙しいだろうし、本当に助けて欲しいんだろうね。とのこと。副班長の大事な仕事なんだね。
「緑ヶ丘大学から来ました、アナウンサーの栗山玲那です。DJネームはレナです。よろしくお願いします」
「星ヶ丘のディレクターで、インターフェイスではミキサーの荒川みちるです。DJネームが特にないんですけど、どうしたらいいですか?」
「呼んでほしい名前があればそれを採用するし、特になければ多分そのままみちるとかで通すことになると思う」
「えー! アオ、それは味気ないよ! 何かいいセンスでDJネームを付けてあげたい!」
「青女のノリっていうのが怖いけど……一応本人の希望も聞きつつ、全員の自己紹介が終わってからまた考えよう。そしたら、次の子」
「あ、はい。青女の柏崎みわです。ミキサーです」
「星ヶ丘の五百崎深青です。アナウンサーです」
何か1年生のみんなが淡々としてると言うか、クール系が揃ったような感じ? みわは単純に真顔なだけでのらりくらりしてるマイペース系なんだけど、他の子は本当にクールそうな感じ。もしかして和み要素要らなかったりする!? でもアオとは相性良さそうだね!
「えっと、星ヶ丘勢のDJネームは……どうしようか?」
「私は大学でもみちると呼ばれているので、そのままでも」
「あらそう。あれっ、そう言えば2人、星ヶ丘から出て来てるってことは普段の事とかも知ってるんだね」
「いえ、班が違うので私は彼のことを知りません」
「同じく。今初めて顔を合わせてます」
「へー。やっぱ星ヶ丘は規模が大きいから」
「俺のことは皆さんが好きなように呼んでいただければ」
「じゃあ深青で」
「えー。アオ、ちょっとストレート過ぎない?」
「この手の話し合いでこれっていうのが決まる試しはほとんどないからね」
「えー。みちるはチルチルとかかわいいと思ったんだけど」
「ええと、出典元の話が最終的にはいい結末でないのでそれはちょっと」
「残念」
アオの言うことが結局正しいんだよね。これっていうDJネームを決める時には情報とノリと勢いが大事になって来るんだけど。こういうのは向島さんが得意っていう印象がある。なっちゃんにわかばって付けてくれたのも野坂先輩だったし。
「ペアを決めます。とは言っても、青女同士と星ヶ丘同士は組めないから、これをこうしてこうやって結んで……はい、出来ました」
ペア決めも一瞬。誰がどうしてああするみたいな話が一切なくて、誰と誰が組めないから無条件でこうなりますって感じでアオがアナミキ別に書いた名前を線で結んで行ったよね。でもみんなそれでしっかり納得するんだ。話が早い。ちなみにあたしはみちると組むことになったよね。
「レナ、みわは割といつも真顔だからクールに思われがちだけど、実際はただマイペースな子だから。話を聞いてないとかも割とあるんでよろしくお願いします!」
「わかりました」
「えー。ユキ先輩、人の話はちゃんと聞いてますよ」
「自分が思ってるより聞けてないよ」
「そうなんですね」
「つーか、この班男子が俺だけじゃないですか。インターフェイスの男女比もそんな感じなんですか?」
「この班はたまたまこうなっただけで、インターフェイス全体では男子の方がちょっと多いくらい」
「もしかして名前が“みお”だから女子だと思われた説?」
「星ヶ丘から出てる対策委員がどこまで自分のところの人を把握してるかの問題ではあるけど、無いとは言い切れない」
でも、正直みおって名前もだけど、ビジュアルがよくわかんないんだよね。髪が長いしメイクもしてるし。でも背は高いし声はちゃんと男子だなって感じだけど。あんまり詳しくはないけど、バンドとかやってそうな雰囲気はちょっとある。偏見だね。
「ちなみに深青ってどこ班?」
「小林班。みちるは?」
「戸田班。小林班なら音楽やってる感じ?」
「ベースやってる。戸田班って、あの子いるトコっしょ? キーボードの彩人」
「うん、そう。彩人は知ってるんだ」
「そうね。音楽のことでちょっと話した。でも戸田班ってことはステージガチ勢か。じゃあバリバリ練習してんだ」
「まあ、人並みには」
end.
++++
唐突にふえるなのすぱんえっくす。キャラの全貌はまだまだこれからの深青が登場。そのうちちゃんみおって言い始めるに30ペソ。
壁はぶっ壊して最短距離を行く系鋼の蒼希ですが、さすがに議長職と班長職の掛け持ちはリスキーだと思ったのかしら。ユキちゃんに期待される役割とは。
今はまだ大人しい荒川さんだけど、そのうち大学デビューが破綻したときの深青のリアクションも楽しみ。
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班長が対策委員議長のアオだから、初動が早いと言うか真面目だなっていう印象。班が決まってまだ2日だと思うけど、何かみんなの予定が合ったんだろうね。みんなの都合がついたんならさっそく会っておこうと急遽設けられた班顔合わせ。便宜上1班っていうことになってるみたいだね。ちなみにあたしは副班長。
「――ということで、このメンバーでやっていくのでよろしくお願いします」
「お願いしまーす。そしたら、自己紹介とかしていく感じ?」
「そうだね。自己紹介をして、ペアを決めて、班ごとの番組のテーマを決めるところまでやれたら今日の進捗は達成されるかなと」
「じゃあアオからで」
「はい。星港大学のミキサーで、対策委員議長の高山蒼希です。DJネームはアオです」
「はーい、青女のアナウンサーの上野美雪で、DJネームはユキでーす。よろしくお願いしまーす。そしたら次、1年生の子たち、順番にやってこっか」
アオから個別に届いたメッセージでお願いされていたのは、班運営の補助について。アオは対策委員の会議でも淡々と話を進めがちで、ユーモアだとか、寄り道だとか、そういう和みっていうの? そんな要素が欠けがちになるみたい。だからとっつきにくいと思われがちというか。
場を和ませる努力はするけど、ぎこちなくなって余計変な空気にしてしまうかもしれないし、場を回すことに関してはあたしの力も借りたいという話だった。……ということをミドリに相談したら、アオは対策委員の議長職でも忙しいだろうし、本当に助けて欲しいんだろうね。とのこと。副班長の大事な仕事なんだね。
「緑ヶ丘大学から来ました、アナウンサーの栗山玲那です。DJネームはレナです。よろしくお願いします」
「星ヶ丘のディレクターで、インターフェイスではミキサーの荒川みちるです。DJネームが特にないんですけど、どうしたらいいですか?」
「呼んでほしい名前があればそれを採用するし、特になければ多分そのままみちるとかで通すことになると思う」
「えー! アオ、それは味気ないよ! 何かいいセンスでDJネームを付けてあげたい!」
「青女のノリっていうのが怖いけど……一応本人の希望も聞きつつ、全員の自己紹介が終わってからまた考えよう。そしたら、次の子」
「あ、はい。青女の柏崎みわです。ミキサーです」
「星ヶ丘の五百崎深青です。アナウンサーです」
何か1年生のみんなが淡々としてると言うか、クール系が揃ったような感じ? みわは単純に真顔なだけでのらりくらりしてるマイペース系なんだけど、他の子は本当にクールそうな感じ。もしかして和み要素要らなかったりする!? でもアオとは相性良さそうだね!
「えっと、星ヶ丘勢のDJネームは……どうしようか?」
「私は大学でもみちると呼ばれているので、そのままでも」
「あらそう。あれっ、そう言えば2人、星ヶ丘から出て来てるってことは普段の事とかも知ってるんだね」
「いえ、班が違うので私は彼のことを知りません」
「同じく。今初めて顔を合わせてます」
「へー。やっぱ星ヶ丘は規模が大きいから」
「俺のことは皆さんが好きなように呼んでいただければ」
「じゃあ深青で」
「えー。アオ、ちょっとストレート過ぎない?」
「この手の話し合いでこれっていうのが決まる試しはほとんどないからね」
「えー。みちるはチルチルとかかわいいと思ったんだけど」
「ええと、出典元の話が最終的にはいい結末でないのでそれはちょっと」
「残念」
アオの言うことが結局正しいんだよね。これっていうDJネームを決める時には情報とノリと勢いが大事になって来るんだけど。こういうのは向島さんが得意っていう印象がある。なっちゃんにわかばって付けてくれたのも野坂先輩だったし。
「ペアを決めます。とは言っても、青女同士と星ヶ丘同士は組めないから、これをこうしてこうやって結んで……はい、出来ました」
ペア決めも一瞬。誰がどうしてああするみたいな話が一切なくて、誰と誰が組めないから無条件でこうなりますって感じでアオがアナミキ別に書いた名前を線で結んで行ったよね。でもみんなそれでしっかり納得するんだ。話が早い。ちなみにあたしはみちると組むことになったよね。
「レナ、みわは割といつも真顔だからクールに思われがちだけど、実際はただマイペースな子だから。話を聞いてないとかも割とあるんでよろしくお願いします!」
「わかりました」
「えー。ユキ先輩、人の話はちゃんと聞いてますよ」
「自分が思ってるより聞けてないよ」
「そうなんですね」
「つーか、この班男子が俺だけじゃないですか。インターフェイスの男女比もそんな感じなんですか?」
「この班はたまたまこうなっただけで、インターフェイス全体では男子の方がちょっと多いくらい」
「もしかして名前が“みお”だから女子だと思われた説?」
「星ヶ丘から出てる対策委員がどこまで自分のところの人を把握してるかの問題ではあるけど、無いとは言い切れない」
でも、正直みおって名前もだけど、ビジュアルがよくわかんないんだよね。髪が長いしメイクもしてるし。でも背は高いし声はちゃんと男子だなって感じだけど。あんまり詳しくはないけど、バンドとかやってそうな雰囲気はちょっとある。偏見だね。
「ちなみに深青ってどこ班?」
「小林班。みちるは?」
「戸田班。小林班なら音楽やってる感じ?」
「ベースやってる。戸田班って、あの子いるトコっしょ? キーボードの彩人」
「うん、そう。彩人は知ってるんだ」
「そうね。音楽のことでちょっと話した。でも戸田班ってことはステージガチ勢か。じゃあバリバリ練習してんだ」
「まあ、人並みには」
end.
++++
唐突にふえるなのすぱんえっくす。キャラの全貌はまだまだこれからの深青が登場。そのうちちゃんみおって言い始めるに30ペソ。
壁はぶっ壊して最短距離を行く系鋼の蒼希ですが、さすがに議長職と班長職の掛け持ちはリスキーだと思ったのかしら。ユキちゃんに期待される役割とは。
今はまだ大人しい荒川さんだけど、そのうち大学デビューが破綻したときの深青のリアクションも楽しみ。
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