2020(04)
■恋愛っていつ来るの?
++++
「えーっ! えっ、えっ、いつの間に!?」
「へ~、すご~い。おめでと~」
インターフェイス夏合宿で一緒の班になった1年生4人は、合宿が終わった後からもたまにこうやって一緒に遊んでた。LINEでも結構連絡を取り合ってるし、仲が良いよねっていう風には他の子たちにもよく言われるかな。
それで、冬休みになって久し振りにごはんでも行こーって4人で集まって、お鍋をつついてるときにちとせちゃんと千颯からされた衝撃の発表だよ! いつの間にか2人、付き合ってたんだって! 全然知らなかったから本当にビックリ!
ビックリはしたけど、基本的にはおめでとうっていう気持ちだよね。実際2人はとってもお似合い。あたしも北星も、おめでとうって祝福して。……細かいことを聞くのはこれからだよね。あと、他の子たちにもまだ言ってなかったんだって。
「あのね、本当にちょっと前だよね」
「うん。1ヶ月ほど前かな。ねえ」
「ふつ~に疑問なんだけど~、好き合って~、付き合うのって~、どういうきっかけでそうなるものなの~?」
「俺たちは割と自然にって感じじゃなかったかなあ」
「うん、そうだよね」
「でも~、自然にって言っても~、どっちかが「付き合お~」って切り出すワケでしょ~?」
「あっそうだよ! どっちから!?」
「えっと、それは俺から」
「へ~、やる~」
「北星の言ってることもわかるんだよ。自分たちがいい雰囲気なんじゃないかって思っても、それを切り出さなきゃ動かないし。実際全然「付き合って」って言えなかった」
外国とかだったら「好きです、付き合ってください」「オッケーです」みたいなやり取りが無くって自然と恋人になってることもあるとは聞いたことがあるけど、そんなの全然想像出来ないな。告白と返事がワンセットって感じ。
でも、いいなあ。千颯とちとせちゃんて特にふわ~っとした雰囲気だから、2人を見てるとこっちまでふわ~ってしてきちゃって幸せなオーラを真正面からばしゃばしゃ浴びちゃうんだよね。潤っちゃう潤っちゃう。
「好きな子に~、付き合って~って言って、それから~?」
「北星、グイグイ行くね。そういうの、あたしの役割だと思ってた」
「恋愛って~、今まで俺の周りになかった事柄だから~。未知って言うか~。友情が恋愛に変わる瞬間のそれって~、どんなんだろ~って思って~。当麻はもうベテランだし~」
「あっそうだよね。当麻って青敬の3人組の中でも大人って言うか、落ち着いてるなって思ってたけど、北星から見てもやっぱりそうなんだ」
「北星、恋愛に興味が湧いてきた感じ?」
「大学に入って~、いっぱい友達が出来て、友情は何となくわかったから~」
「彼女欲しい?」
「恋愛は、話を聞くだけでいいかな~。俺~、動画作るのに忙しいし~」
北星は生活も勉強も動画制作が中心に回ってるとは当麻や雨竜がよく言ってたし、北星の話を聞くと本当にそんな感じなんだなあとは思ってた。北星が自分たちと友達になったのも奇跡みたいなことで、それっくらい映像にしか興味が無かったって。
確かに、あたしも自分のブログ関係でいろいろ北星に相談してたんだけど、その話を聞いててもやってることの次元が違うなって思うもんね。動画制作の報酬で十分お小遣いになるし、それがあるから普通のアルバイトはしなくていいって、すごいもん。
「でも、あたしたちの距離が縮まったのはくるちゃんと北星のおかげみたいなところがあるんだよ」
「え、あたしたち何かしたっけ」
「全然覚えがないけど~」
「2人、面白いから見てて飽きないし。こういう会の帰りとかにちとせと2人になって、くるみと北星の話で盛り上がってるうちに俺たちも仲良くなってた感がある」
「うん。くるちゃんと北星っていいコンビだからね。これからも仲良くしててほしいな」
「その辺はバッチリじゃない? ねえ北星」
「そうだといいな~」
「友達としてもそうだし、あたしのブログの相談役としても頼りにしてるし」
「友達としてはこれからもよろしく~。ブログ関係は、俺も頑張る~」
あ~、でもちとせちゃん、千颯の横ですっごくキラキラしてるし、幸せなんだろうな~。いいな~。彼氏か~、でもあたしには夢のまた夢かな~。デートとかいろんなこともしたいけど、それ以上にスイーツの断面や動画撮影を極める方が先!
「あっ、2人付き合っておめでたいけど、これからもこうやって4人で会おうね!」
「それはもちろんだよ! くるちゃんと北星ともお話したいもん」
「ちとせちゃ~ん!」
「でも~、俺たち3人は~、対策委員の会議でも会えるよね~」
「あ、そうだよね。千颯って定例会とかに出てる?」
「うん。俺は定例会。今3人が対策委員って聞いて一瞬寂しかったな」
「ウチのすがやんとサキをよろしくね」
「あっ、すがやんはもう仲良くなったよ。すがやんて明るいしいい子だね」
「さすがすがやん! えっ、サキはどうしてる? 大丈夫? 1人ですみっこにいない?」
「その辺は大丈夫かな。あの子、星ヶ丘の彩人と仲良いんだよ。あ、でも2人ですみっこにいるかなあ」
「サ~キ~! それじゃダメなんだって~!」
end.
++++
唐突に降って湧いたお付き合いの話だけど、これを機に星大やら青女やらの目立たない1年生にスポットが当たるきっかけになるかしら。
くるちゃんと北星は友達として仲良くしつつも、ある種ビジネスパートナーのような付き合い方もしてるのかな。その辺きっちりしてそう。主にくるみが。
そしてさらに唐突に定例会でのサキの話になったけど、彩人と2人ですみっこってそれは大丈夫なのか…? そしてすがやんは安定のコミュ強すがやんでした。
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「えーっ! えっ、えっ、いつの間に!?」
「へ~、すご~い。おめでと~」
インターフェイス夏合宿で一緒の班になった1年生4人は、合宿が終わった後からもたまにこうやって一緒に遊んでた。LINEでも結構連絡を取り合ってるし、仲が良いよねっていう風には他の子たちにもよく言われるかな。
それで、冬休みになって久し振りにごはんでも行こーって4人で集まって、お鍋をつついてるときにちとせちゃんと千颯からされた衝撃の発表だよ! いつの間にか2人、付き合ってたんだって! 全然知らなかったから本当にビックリ!
ビックリはしたけど、基本的にはおめでとうっていう気持ちだよね。実際2人はとってもお似合い。あたしも北星も、おめでとうって祝福して。……細かいことを聞くのはこれからだよね。あと、他の子たちにもまだ言ってなかったんだって。
「あのね、本当にちょっと前だよね」
「うん。1ヶ月ほど前かな。ねえ」
「ふつ~に疑問なんだけど~、好き合って~、付き合うのって~、どういうきっかけでそうなるものなの~?」
「俺たちは割と自然にって感じじゃなかったかなあ」
「うん、そうだよね」
「でも~、自然にって言っても~、どっちかが「付き合お~」って切り出すワケでしょ~?」
「あっそうだよ! どっちから!?」
「えっと、それは俺から」
「へ~、やる~」
「北星の言ってることもわかるんだよ。自分たちがいい雰囲気なんじゃないかって思っても、それを切り出さなきゃ動かないし。実際全然「付き合って」って言えなかった」
外国とかだったら「好きです、付き合ってください」「オッケーです」みたいなやり取りが無くって自然と恋人になってることもあるとは聞いたことがあるけど、そんなの全然想像出来ないな。告白と返事がワンセットって感じ。
でも、いいなあ。千颯とちとせちゃんて特にふわ~っとした雰囲気だから、2人を見てるとこっちまでふわ~ってしてきちゃって幸せなオーラを真正面からばしゃばしゃ浴びちゃうんだよね。潤っちゃう潤っちゃう。
「好きな子に~、付き合って~って言って、それから~?」
「北星、グイグイ行くね。そういうの、あたしの役割だと思ってた」
「恋愛って~、今まで俺の周りになかった事柄だから~。未知って言うか~。友情が恋愛に変わる瞬間のそれって~、どんなんだろ~って思って~。当麻はもうベテランだし~」
「あっそうだよね。当麻って青敬の3人組の中でも大人って言うか、落ち着いてるなって思ってたけど、北星から見てもやっぱりそうなんだ」
「北星、恋愛に興味が湧いてきた感じ?」
「大学に入って~、いっぱい友達が出来て、友情は何となくわかったから~」
「彼女欲しい?」
「恋愛は、話を聞くだけでいいかな~。俺~、動画作るのに忙しいし~」
北星は生活も勉強も動画制作が中心に回ってるとは当麻や雨竜がよく言ってたし、北星の話を聞くと本当にそんな感じなんだなあとは思ってた。北星が自分たちと友達になったのも奇跡みたいなことで、それっくらい映像にしか興味が無かったって。
確かに、あたしも自分のブログ関係でいろいろ北星に相談してたんだけど、その話を聞いててもやってることの次元が違うなって思うもんね。動画制作の報酬で十分お小遣いになるし、それがあるから普通のアルバイトはしなくていいって、すごいもん。
「でも、あたしたちの距離が縮まったのはくるちゃんと北星のおかげみたいなところがあるんだよ」
「え、あたしたち何かしたっけ」
「全然覚えがないけど~」
「2人、面白いから見てて飽きないし。こういう会の帰りとかにちとせと2人になって、くるみと北星の話で盛り上がってるうちに俺たちも仲良くなってた感がある」
「うん。くるちゃんと北星っていいコンビだからね。これからも仲良くしててほしいな」
「その辺はバッチリじゃない? ねえ北星」
「そうだといいな~」
「友達としてもそうだし、あたしのブログの相談役としても頼りにしてるし」
「友達としてはこれからもよろしく~。ブログ関係は、俺も頑張る~」
あ~、でもちとせちゃん、千颯の横ですっごくキラキラしてるし、幸せなんだろうな~。いいな~。彼氏か~、でもあたしには夢のまた夢かな~。デートとかいろんなこともしたいけど、それ以上にスイーツの断面や動画撮影を極める方が先!
「あっ、2人付き合っておめでたいけど、これからもこうやって4人で会おうね!」
「それはもちろんだよ! くるちゃんと北星ともお話したいもん」
「ちとせちゃ~ん!」
「でも~、俺たち3人は~、対策委員の会議でも会えるよね~」
「あ、そうだよね。千颯って定例会とかに出てる?」
「うん。俺は定例会。今3人が対策委員って聞いて一瞬寂しかったな」
「ウチのすがやんとサキをよろしくね」
「あっ、すがやんはもう仲良くなったよ。すがやんて明るいしいい子だね」
「さすがすがやん! えっ、サキはどうしてる? 大丈夫? 1人ですみっこにいない?」
「その辺は大丈夫かな。あの子、星ヶ丘の彩人と仲良いんだよ。あ、でも2人ですみっこにいるかなあ」
「サ~キ~! それじゃダメなんだって~!」
end.
++++
唐突に降って湧いたお付き合いの話だけど、これを機に星大やら青女やらの目立たない1年生にスポットが当たるきっかけになるかしら。
くるちゃんと北星は友達として仲良くしつつも、ある種ビジネスパートナーのような付き合い方もしてるのかな。その辺きっちりしてそう。主にくるみが。
そしてさらに唐突に定例会でのサキの話になったけど、彩人と2人ですみっこってそれは大丈夫なのか…? そしてすがやんは安定のコミュ強すがやんでした。
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