2020(04)
■やりたいことは全部やりたい!
++++
「高木せんぱーい! おはようございまーす!」
「ああ、おはようくるみ。ジャージだけど体育の後?」
「いえ、最近ちょっと太っちゃったんで、ジムで体動かしてるんですよー!」
「冬だから溜めこんじゃうのかな」
「そうなんですよー、冬のスイーツってどれも濃厚で美味しくって、つい食べ過ぎちゃうんです! それで、果林先輩に教えてもらって」
スイーツ動画を撮るのが趣味のくるみは、日常的にスイーツを食べている。その他にもしっかりご飯も食べているし、サークル室でもよく中華まんやお菓子を食べているように思う。だからなのか、ちょっと太ってしまったみたいだ。まあ、これもわかるなあ。
それからくるみは食べることと体形の維持を目的に、ちょっとした空き時間に学内のジムで運動するようにしたんだそうだ。果林先輩に何を教えてもらったのかと言うと、ただ走るだけよりも、スクワットをした方がいいよということ。
「スクワットかー、しんどそうだなあ」
「そうなんですよ、結構しんどいんです! でも、最初は少ない回数でもいいから正しいフォームでやりなさいって教えてもらって」
「ただ回数をやればいいワケでもないんだね」
「そうです! それで基礎代謝を上げて、からの~、ランです!」
「へえ、頑張ってるんだね」
「まあ、すぐに結果が出るワケじゃないから継続なんですけどね。でも、走れば走るだけミドカのポイントも少しずつですけど溜まって、ごはんにしようかな、おやつにしようかな、来年の教科書代の足しにしようかなって今から考えてます!」
「そうか、ランニングマシーンで走った分だけポイントが入るんだっけ。俺もちょっと考えてみようかな」
くるみが結構頑張ってるんだなと思うと同時に、さすがの俺でも3年生になれば時間に余裕も出来て来るだろうし、少しは体を動かしてみようかなと。ついでにミドカのポイントを溜めて節約出来れば儲けものだよね。
体を動かした後のスイーツが本当に美味しくって、とくるみはニッコニコで言う。だけどそれじゃあせっかく体を動かしてる意味が半減しちゃうんじゃないかとは突っ込む。ただ、糖質カットとかで体のことを気遣うスイーツも最近ではあるらしく、運動後にはそういう物を選んでますと。
「あたし最近“まいみぃ”ちゃんっていう子の農業系動画を見てるんです。畑を耕すところからやってて、家庭菜園がメインの動画なんですけど」
「“まいみぃ”…? あれ」
「今日もあなたとあいまいみぃー、の挨拶がかわいいんですよー!」
「あ! 来年佐藤ゼミに入る子だ!」
「えー! そうなんですかー!? ってことは1年生なんですね! へー、緑大の同級生なんだー、何かうれしー」
「それで、その子の動画がどうかしたの?」
「野菜を使ったスイーツを作るっていう動画から見始めたんですけど、まいみぃちゃんのアクティブさがほんっとうに尊敬で! やろうと思ったことを本当にやっちゃうところとか、畑仕事を継続する力とか山登りする体力とか、すっごいなあと思って」
「確かにね。農業には休みがないもんね。確かその子、お米同好会って言ってなかったかな」
「へー、そうなんですね!」
確か、農業系動画の子はエントリーシートと動画を見てこの子はいいねって話をしてたんだよね。そしたら先生が現れて赤丸をしていって。確かにチャンネル登録者数も結構いるみたかったし、現にこんなに身近なところにもいるもんね。凄いなあ。
「あたしも、スイーツの断面動画以外にやってみたいと思ったことをいろいろやりたいなと思って」
「うん、いいと思うよ。今は何かやりたいとかあるの?」
「今は食べる専なんですけど、自分でお菓子作りもやってみたいですね!」
「でも、お菓子からは離れないんだね」
「簡単で、低コストで、美味しく、時短で作れるスイーツとかを研究したいですね。高木先輩の周りにお菓子作りの上手な人っていますか?」
「お菓子作りだったら伊東先輩が凄く上手だよ」
「えーっ! カズ先輩は料理上手って聞いてましたけど、お菓子作りも得意なんですかー!?」
「そうだね。クッキーにケーキに何でも来いだね」
「えー、お話してみたーい。いろいろ教えて欲しいなー! 高木先輩、カズ先輩を紹介してもらっていいですかー?」
「うん、それは全然大丈夫だよ。それじゃあ、くるみがそういうことを言ってたって言っとくよ」
「ありがとうございまーす!」
だけど、伊東先輩のお菓子って凄く本格的っていう印象が強い。上手いのはかなり上手いんだけどね。簡単で美味しいっていうのは果林先輩とか、お菓子ではないかもしれないけど土田先輩の管轄っていうイメージだ。まあいいか。話だけはしておこう。
「でも、お菓子の研究でまた太っちゃわない?」
「年末年始のお休みでどれだけ運動を習慣化出来るかにかかってます…! バイト中にもこっそりできる運動とかないかなー」
「怠けがちだもんね、年末年始は。俺もそろそろどうやって帰るか考えないと。バスかな、新幹線かな」
「高木先輩、実家ではちゃんとご飯食べてくださいね! バランスのいい食事ですよ!」
「うーん、くるみまで果林先輩みたいなことを言うんだね」
「食事の話になると果林先輩って二言目にはタカちゃんはー、ですからね!」
「あはは……果林先輩を心配させないように、来年からはちゃんとしないとね」
end.
++++
果林式トレーニングを経て、くるちゃんが少しトレーニングを始めることにしたようです。冬のスイーツは重たいもんね。
佐藤ゼミの選考をパスしたまいみぃなる動画投稿者についてはこれから詰めることになるとは思うけど、どんな子なのかな。いい子だとは言われてますね。
TKGの食の事情がアレなのはMBCCの中での共通認識なのかな。くるちゃんも果林と一緒になってちゃんとごはんを食べなさいって。かわいい。
.
++++
「高木せんぱーい! おはようございまーす!」
「ああ、おはようくるみ。ジャージだけど体育の後?」
「いえ、最近ちょっと太っちゃったんで、ジムで体動かしてるんですよー!」
「冬だから溜めこんじゃうのかな」
「そうなんですよー、冬のスイーツってどれも濃厚で美味しくって、つい食べ過ぎちゃうんです! それで、果林先輩に教えてもらって」
スイーツ動画を撮るのが趣味のくるみは、日常的にスイーツを食べている。その他にもしっかりご飯も食べているし、サークル室でもよく中華まんやお菓子を食べているように思う。だからなのか、ちょっと太ってしまったみたいだ。まあ、これもわかるなあ。
それからくるみは食べることと体形の維持を目的に、ちょっとした空き時間に学内のジムで運動するようにしたんだそうだ。果林先輩に何を教えてもらったのかと言うと、ただ走るだけよりも、スクワットをした方がいいよということ。
「スクワットかー、しんどそうだなあ」
「そうなんですよ、結構しんどいんです! でも、最初は少ない回数でもいいから正しいフォームでやりなさいって教えてもらって」
「ただ回数をやればいいワケでもないんだね」
「そうです! それで基礎代謝を上げて、からの~、ランです!」
「へえ、頑張ってるんだね」
「まあ、すぐに結果が出るワケじゃないから継続なんですけどね。でも、走れば走るだけミドカのポイントも少しずつですけど溜まって、ごはんにしようかな、おやつにしようかな、来年の教科書代の足しにしようかなって今から考えてます!」
「そうか、ランニングマシーンで走った分だけポイントが入るんだっけ。俺もちょっと考えてみようかな」
くるみが結構頑張ってるんだなと思うと同時に、さすがの俺でも3年生になれば時間に余裕も出来て来るだろうし、少しは体を動かしてみようかなと。ついでにミドカのポイントを溜めて節約出来れば儲けものだよね。
体を動かした後のスイーツが本当に美味しくって、とくるみはニッコニコで言う。だけどそれじゃあせっかく体を動かしてる意味が半減しちゃうんじゃないかとは突っ込む。ただ、糖質カットとかで体のことを気遣うスイーツも最近ではあるらしく、運動後にはそういう物を選んでますと。
「あたし最近“まいみぃ”ちゃんっていう子の農業系動画を見てるんです。畑を耕すところからやってて、家庭菜園がメインの動画なんですけど」
「“まいみぃ”…? あれ」
「今日もあなたとあいまいみぃー、の挨拶がかわいいんですよー!」
「あ! 来年佐藤ゼミに入る子だ!」
「えー! そうなんですかー!? ってことは1年生なんですね! へー、緑大の同級生なんだー、何かうれしー」
「それで、その子の動画がどうかしたの?」
「野菜を使ったスイーツを作るっていう動画から見始めたんですけど、まいみぃちゃんのアクティブさがほんっとうに尊敬で! やろうと思ったことを本当にやっちゃうところとか、畑仕事を継続する力とか山登りする体力とか、すっごいなあと思って」
「確かにね。農業には休みがないもんね。確かその子、お米同好会って言ってなかったかな」
「へー、そうなんですね!」
確か、農業系動画の子はエントリーシートと動画を見てこの子はいいねって話をしてたんだよね。そしたら先生が現れて赤丸をしていって。確かにチャンネル登録者数も結構いるみたかったし、現にこんなに身近なところにもいるもんね。凄いなあ。
「あたしも、スイーツの断面動画以外にやってみたいと思ったことをいろいろやりたいなと思って」
「うん、いいと思うよ。今は何かやりたいとかあるの?」
「今は食べる専なんですけど、自分でお菓子作りもやってみたいですね!」
「でも、お菓子からは離れないんだね」
「簡単で、低コストで、美味しく、時短で作れるスイーツとかを研究したいですね。高木先輩の周りにお菓子作りの上手な人っていますか?」
「お菓子作りだったら伊東先輩が凄く上手だよ」
「えーっ! カズ先輩は料理上手って聞いてましたけど、お菓子作りも得意なんですかー!?」
「そうだね。クッキーにケーキに何でも来いだね」
「えー、お話してみたーい。いろいろ教えて欲しいなー! 高木先輩、カズ先輩を紹介してもらっていいですかー?」
「うん、それは全然大丈夫だよ。それじゃあ、くるみがそういうことを言ってたって言っとくよ」
「ありがとうございまーす!」
だけど、伊東先輩のお菓子って凄く本格的っていう印象が強い。上手いのはかなり上手いんだけどね。簡単で美味しいっていうのは果林先輩とか、お菓子ではないかもしれないけど土田先輩の管轄っていうイメージだ。まあいいか。話だけはしておこう。
「でも、お菓子の研究でまた太っちゃわない?」
「年末年始のお休みでどれだけ運動を習慣化出来るかにかかってます…! バイト中にもこっそりできる運動とかないかなー」
「怠けがちだもんね、年末年始は。俺もそろそろどうやって帰るか考えないと。バスかな、新幹線かな」
「高木先輩、実家ではちゃんとご飯食べてくださいね! バランスのいい食事ですよ!」
「うーん、くるみまで果林先輩みたいなことを言うんだね」
「食事の話になると果林先輩って二言目にはタカちゃんはー、ですからね!」
「あはは……果林先輩を心配させないように、来年からはちゃんとしないとね」
end.
++++
果林式トレーニングを経て、くるちゃんが少しトレーニングを始めることにしたようです。冬のスイーツは重たいもんね。
佐藤ゼミの選考をパスしたまいみぃなる動画投稿者についてはこれから詰めることになるとは思うけど、どんな子なのかな。いい子だとは言われてますね。
TKGの食の事情がアレなのはMBCCの中での共通認識なのかな。くるちゃんも果林と一緒になってちゃんとごはんを食べなさいって。かわいい。
.