2020(03)
■第2次缶蹴り戦争に向けて
++++
「おはようございまーす」
「おはようすがやん」
「あっ、果林先輩、向島さんから緑大さんに提案があるんですけどって話を預かってるんですけどどうしましょう」
「もう代替わりしてるし、アタシたちじゃなくて2年生に回してくれる?」
「わかりましたっす!」
毎週水曜日は向島に派遣されているすがやんが、金曜日にしてくれる活動報告と言うかお土産話は毎週毎週濃いなあと思いながら聞いている。何と言うか、すがやんも向島色にちょっとずつ染まってるなあって。今日持ち帰って来た話は向島からの提案っていうし、何だろうね。
「おはようございます」
「タカちゃん、何かすがやんが話があるって」
「えっ、どうしたの?」
「向島さんから、緑大さんに提案があるんですけどって話っす」
今聞いてもいいけど全員に関係のある話ならみんな来てからにしよっか、とタカちゃんはひとまずすがやんを止めた。そうこうしているうちに1人、また1人と増えて来て、そろそろサークルを始めますよーという空気になっていく。
「じゃ、そろそろ始めるべ」
「エイジ、最初にすがやんの話を挟んでくれる? 水曜日の活動報告」
「そうか。そしたらすがやん、頼むべ」
「はいっす。えーと、向島さんからの提案で、今年も交流会の体で飲み会と缶蹴り大会のリベンジマッチをやりませんかって話が出てます」
去年の今頃、向島との合同で飲み会と缶蹴り大会が開催された。飲み会は緑ヶ丘主催、缶蹴りは向島主催で。昔は本当に技術向上のための練習会をしてたそうなんだけど、とりあえず交流会から始めようって言って行事だけ復活させたんだよね。
で、飲み会がよくあるお鍋メインの飲み放題コースで、缶蹴りは向島大学を会場に走り回ってたんだけど、結果として引き分けに終わってジャンケンで勝敗を決めてたよね。高ピー先輩も圭斗先輩も不完全燃焼って感じだったっぽい。
「ただ、今年は向島大学近くに家のある人がいないので、去年と同じように出来るかなあ? っていう風には話してましたね」
「そういや去年は圭斗先輩の部屋にみんな行ってたんだっけ? 俺と五島は情報棟に行ってたけど」
「そうですね。松岡先輩のお部屋にお邪魔して」
「あー、そうだったな。俺とお前が1年だからって布団貸してもらってたべ」
「えー! なんすかその交流会! 缶蹴り!? 俺もやりたいっす! エージ先輩、高木先輩、やりましょう!」
「あたしも向島の先輩とお話したいですー! 先輩、やりましょうよー」
「うん、せっかく誘ってもらってるし、俺はいいと思うよ。エイジはどう思う?」
「あー、そうだな。いいんじゃね? すがやん、そのように返事しといてもら」
「あーっ! ちょっと待って! カノンから電話だ! はいもしもし?」
懐かしい話をしていると、突如すがやんのスマホに着信が入る。しかも相手が向島の子ということで何とタイムリーな。とりあえず缶蹴りリベンジマッチは臨むところだというスタンスで、ひとまずこの電話を全員で見守ることに。
「えー!? マジで!? 何かすげー話になってんな! はあ。ほう。え、そしたらちょっと待って!? 先輩に話聞くわ! 果林先輩!」
「え、何? てかさっきも2年生に回してって言ったじゃん」
「あのですね、交流会の最新情報なんですけど、向島さんはどうやら4年生のツートップっていう先輩も参戦するそうで、緑大も4年を出して来いってケンカ売られてるっす! 果林先輩、4年生の先輩にちょっと相談してもらえませんか」
「まあ、向島で缶蹴りに一番熱いのって4年生だしねえ。わかったよ。聞くだけ聞いてみるよ。でも、日程の候補とかがもうちょっと詳しくならないとプレゼンバトルにまで持ち込めない人がいるからさ。もうちょっと詳しいことって聞ける? ああ、ウチのスタンスとしては喧嘩上等だって伝えて」
「了解っす」
これこれこういう~とすがやんが伝えてくれている。それにしても、そうか、向島は4年生が出て来るか。ツートップってことは圭斗先輩となっち先輩。向こうの要求は高ピー先輩といっちー先輩を出して来いってことだね。実にわかりやすい。
「松岡先輩と奥村先輩も参加するとか、なかなかに凄いね」
「これで高崎先輩とカズ先輩も出て来るなら凄いことになるっていう」
「エージ先輩、その先輩たちってそんなに凄いんすか」
「4年生の先輩つーのは、個人の存在感とかスター性が半端じゃないっていう」
「えー! そーなんすか! それはぜひ見てみたいっすね!」
「高崎先輩を表現するときに使う「アナウンサーの双璧」っつーのは聞いたことあるか? 向島のなっちサンってのがそのもう1人だっていう」
「ミキサーの双璧はいないんすか?」
「4年生はアナに偏った学年だし、そういうのは聞かないっていう。カズ先輩がナンバーワンだっつーのは間違いないべ!」
「エージ、技術だけならいっちー先輩より上だって言われてた先輩が2人いるの、聞いたことない?」
「え、マジすか? そんな人がいたんすか」
「いたんですよ~」
4年生の参加はともかく、向島との交流会については正式開催に向けて動いて行くことになった。時期は忘年会前の今月後半ごろかな。とりあえず、アタシは去年の反省を生かして当日のジャージの色を考えないと。迷彩柄がいいかな。
end.
++++
技術だけならいち氏より上だと言われていたのは村井おじちゃんが推すイシカー兄さんと育ちゃん。技術以外も含めた総合ではいち氏が1番。
そして今年もとうとうこの季節がやってきました。MBCCvsMMP缶蹴りバトルですが、どうやら4年生の参戦が本格化しているようで。圭斗さんヒマなんかなあ
MMPの方じゃ去年の高崎みたくMBCCの1年の何人かは缶蹴り大丈夫そうかなあって心配してそうだけど、みんな案外嫌いじゃないんだよ
.
++++
「おはようございまーす」
「おはようすがやん」
「あっ、果林先輩、向島さんから緑大さんに提案があるんですけどって話を預かってるんですけどどうしましょう」
「もう代替わりしてるし、アタシたちじゃなくて2年生に回してくれる?」
「わかりましたっす!」
毎週水曜日は向島に派遣されているすがやんが、金曜日にしてくれる活動報告と言うかお土産話は毎週毎週濃いなあと思いながら聞いている。何と言うか、すがやんも向島色にちょっとずつ染まってるなあって。今日持ち帰って来た話は向島からの提案っていうし、何だろうね。
「おはようございます」
「タカちゃん、何かすがやんが話があるって」
「えっ、どうしたの?」
「向島さんから、緑大さんに提案があるんですけどって話っす」
今聞いてもいいけど全員に関係のある話ならみんな来てからにしよっか、とタカちゃんはひとまずすがやんを止めた。そうこうしているうちに1人、また1人と増えて来て、そろそろサークルを始めますよーという空気になっていく。
「じゃ、そろそろ始めるべ」
「エイジ、最初にすがやんの話を挟んでくれる? 水曜日の活動報告」
「そうか。そしたらすがやん、頼むべ」
「はいっす。えーと、向島さんからの提案で、今年も交流会の体で飲み会と缶蹴り大会のリベンジマッチをやりませんかって話が出てます」
去年の今頃、向島との合同で飲み会と缶蹴り大会が開催された。飲み会は緑ヶ丘主催、缶蹴りは向島主催で。昔は本当に技術向上のための練習会をしてたそうなんだけど、とりあえず交流会から始めようって言って行事だけ復活させたんだよね。
で、飲み会がよくあるお鍋メインの飲み放題コースで、缶蹴りは向島大学を会場に走り回ってたんだけど、結果として引き分けに終わってジャンケンで勝敗を決めてたよね。高ピー先輩も圭斗先輩も不完全燃焼って感じだったっぽい。
「ただ、今年は向島大学近くに家のある人がいないので、去年と同じように出来るかなあ? っていう風には話してましたね」
「そういや去年は圭斗先輩の部屋にみんな行ってたんだっけ? 俺と五島は情報棟に行ってたけど」
「そうですね。松岡先輩のお部屋にお邪魔して」
「あー、そうだったな。俺とお前が1年だからって布団貸してもらってたべ」
「えー! なんすかその交流会! 缶蹴り!? 俺もやりたいっす! エージ先輩、高木先輩、やりましょう!」
「あたしも向島の先輩とお話したいですー! 先輩、やりましょうよー」
「うん、せっかく誘ってもらってるし、俺はいいと思うよ。エイジはどう思う?」
「あー、そうだな。いいんじゃね? すがやん、そのように返事しといてもら」
「あーっ! ちょっと待って! カノンから電話だ! はいもしもし?」
懐かしい話をしていると、突如すがやんのスマホに着信が入る。しかも相手が向島の子ということで何とタイムリーな。とりあえず缶蹴りリベンジマッチは臨むところだというスタンスで、ひとまずこの電話を全員で見守ることに。
「えー!? マジで!? 何かすげー話になってんな! はあ。ほう。え、そしたらちょっと待って!? 先輩に話聞くわ! 果林先輩!」
「え、何? てかさっきも2年生に回してって言ったじゃん」
「あのですね、交流会の最新情報なんですけど、向島さんはどうやら4年生のツートップっていう先輩も参戦するそうで、緑大も4年を出して来いってケンカ売られてるっす! 果林先輩、4年生の先輩にちょっと相談してもらえませんか」
「まあ、向島で缶蹴りに一番熱いのって4年生だしねえ。わかったよ。聞くだけ聞いてみるよ。でも、日程の候補とかがもうちょっと詳しくならないとプレゼンバトルにまで持ち込めない人がいるからさ。もうちょっと詳しいことって聞ける? ああ、ウチのスタンスとしては喧嘩上等だって伝えて」
「了解っす」
これこれこういう~とすがやんが伝えてくれている。それにしても、そうか、向島は4年生が出て来るか。ツートップってことは圭斗先輩となっち先輩。向こうの要求は高ピー先輩といっちー先輩を出して来いってことだね。実にわかりやすい。
「松岡先輩と奥村先輩も参加するとか、なかなかに凄いね」
「これで高崎先輩とカズ先輩も出て来るなら凄いことになるっていう」
「エージ先輩、その先輩たちってそんなに凄いんすか」
「4年生の先輩つーのは、個人の存在感とかスター性が半端じゃないっていう」
「えー! そーなんすか! それはぜひ見てみたいっすね!」
「高崎先輩を表現するときに使う「アナウンサーの双璧」っつーのは聞いたことあるか? 向島のなっちサンってのがそのもう1人だっていう」
「ミキサーの双璧はいないんすか?」
「4年生はアナに偏った学年だし、そういうのは聞かないっていう。カズ先輩がナンバーワンだっつーのは間違いないべ!」
「エージ、技術だけならいっちー先輩より上だって言われてた先輩が2人いるの、聞いたことない?」
「え、マジすか? そんな人がいたんすか」
「いたんですよ~」
4年生の参加はともかく、向島との交流会については正式開催に向けて動いて行くことになった。時期は忘年会前の今月後半ごろかな。とりあえず、アタシは去年の反省を生かして当日のジャージの色を考えないと。迷彩柄がいいかな。
end.
++++
技術だけならいち氏より上だと言われていたのは村井おじちゃんが推すイシカー兄さんと育ちゃん。技術以外も含めた総合ではいち氏が1番。
そして今年もとうとうこの季節がやってきました。MBCCvsMMP缶蹴りバトルですが、どうやら4年生の参戦が本格化しているようで。圭斗さんヒマなんかなあ
MMPの方じゃ去年の高崎みたくMBCCの1年の何人かは缶蹴り大丈夫そうかなあって心配してそうだけど、みんな案外嫌いじゃないんだよ
.