2020(03)
■インターフェイスに我らあり
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「――っていう話なんですよハマちゃん先輩」
「あー、そーいや俺も考えなきゃだったわ。そしたら今日はそれを話し合うかあ」
という感じで、ハマさんとあやめさん主動で始まった話だ。この話題に関係があるのは俺と雨竜と北星の3人だそうだ。何の話が始まるのか全く想像もつかないから、ちょっとそわそわする。雨竜なんかはわくわくしてるみたいだけど、真面目に凄いな。
「お前ら3人は夏合宿にも出たからインターフェイスのことについてもちょっとは知ってるだろうけど、対策委員とか定例会っつーヤツがあんのな」
「定例会と対策委員って、具体的にどう違うんですか?」
「定例会はインターフェイス全体を見てる感じで、対策委員は基本夏合宿とか講習会担当みたいな? あと、任期も違うな。定例会は2年で対策委員は1年とか」
「今年はウチから対策委員を出してないんだけど、人もいるし次は出した方がいいかなと思って」
「インターフェイス内でAKBCの存在感を高めるチャンスでもあるわな。定例会はマストとして、対策委員も出してみようか」
定例会と対策委員がそれぞれどんな仕事をするのかサラッと説明を受けたけど、定例会の方は正直あんまり印象にない。毎月会議に出て、各大学の活動報告をもらったり、作品出展の作品やレビューを持ち運びするのが主な仕事かな?
対策委員は初心者講習会や夏合宿に関わる仕事が主なようだ。合宿の準備や当日に高木先輩が忙しなく動いていた印象がとても強い。今年は人数の都合で青敬からは出てないんだけど、人が少なくても定例会と対策委員を兼任することもあるとか。
「えー、俺、定例会でも対策委員でもどっちでもいいんで出たいっす! 合宿めちゃ面白かったんで!」
「そーかそーか。そしたら雨竜はどっちにしようか。合宿が面白かったんなら対策委員か?」
「でも、定例会もファンフェスとかありますよね、向舞祭もありますし」
「えっ、インターフェイスで向舞祭にも出てるんすか!?」
「そーなんだよ。インターフェイスのスポンサーじゃないけど、会議してるビルって企業さんの会議室なんじゃんな。その企業が向舞祭のスポンサーで、その関係で毎年スタッフとして駆り出されてんだよ。一応時給も出る短期バイト扱いなんだけどな。アナならMCの人のアシスタントだし、ミキなら音響のサポートがメインだな」
「えー! いいなー! ハマさんハマさん、俺定例会がいいっす!」
「わかった、雨竜は定例会な。そしたら当麻、お前対策委員やってみる?」
さすが、根っからの派手好きで祭り好きの雨竜は向舞祭という単語に惹かれて定例会に入ることに決めてしまった。向舞祭の仕事は毎年ちょっとネガティブになりがちだから、前向きな気持ちでこの仕事を出来る人間がいた方がいい、と先輩たちはホッとしているようだった。
そして、雨竜が定例会に収まったことで対策委員に勧誘された俺だ。だけど、こうして誰が何をやるって話でなかなか北星に声がかからないというのは……まあ、うん、他校の人もあることだからいつものようにぼやぼやされても困るっていうことなのかな。
「あっそうだ当麻! 当麻って車あったよね!」
「ありますね」
「はー、よかったぁー!」
「対策委員って車が必要になってくるんですか?」
「初心者講習会とか夏合宿で機材の運搬をするからね。今年の子たち、誰も車持ってなかったからその都度アオがレンタカー借りて運転してたんだって」
「毎回それはなかなかめんどくさいですね。わかりました、ドライバーとして頑張ります」
「ありがとー! みんなにいい報告が出来るよー」
行事の度に毎回レンタカーを借りたり車のある人のバイトのシフトまで歪めるという力技で何とかしていたという話を聞いて、車の有無が本当に重要なんだと理解する。それと同時に、俺にかかって来る責任がどんだけ大きいんだよと。
「え~、雨竜も当麻も忙しくなるの~?」
「来年からは定例会でバリバリやるぞ! 俺がインターフェイスに青敬ありっつーことを見せつけてやるぜ!」
「対策委員は任期1年だけど、夏合宿が終わるまでは相当忙しいそうだから」
「やだよ~、1人にしないでよ~」
「でも、俺も雨竜も役割が決まってるし。そもそもお前、自分の動画制作はいいのかよ」
「他の友達を作るのも~、案外楽しかったし~。それより当麻~、置いてかないで~。俺と遊んでよ~」
北星は留守番寂しいよ~とへなへなした声を出してるけど、そういうことで決めることでもないだろうし。どうしたものか。
「そしたら、北星も一緒に忙しくなろうか。当麻、対策委員に北星も連れてって」
「あやめさん、2人もいて大丈夫なんすか?」
「平気平気。緑大とか毎年2人出してるし。北星は機材に強いし男手だから戦力になるでしょ。ただ、普段のことはよろしく」
「……わかりました。そういうことだから北星、一緒に対策委員だぞ」
「やった~。よろしく~」
ドライバー、それから北星の保護者としての役割を担い対策委員になることになった。他の大学さんは誰が出て来るんだろう。1年間やっていけるかな。
end.
++++
この話では、なんとハマちゃんがいつもの「マジパねえ!」って言ってないぞ! すごい! どうした! マジパねえ!
あと、アオがバイトのシフトを歪めてたのは同じ情報センターで働いてるミドリだから出来たことなんだよなあ……
向舞祭のスタッフとしての仕事にポジティブな雨竜、何気にかなりレアなキャラですね。でも、祭り好きなら向舞祭は楽しみよね
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「――っていう話なんですよハマちゃん先輩」
「あー、そーいや俺も考えなきゃだったわ。そしたら今日はそれを話し合うかあ」
という感じで、ハマさんとあやめさん主動で始まった話だ。この話題に関係があるのは俺と雨竜と北星の3人だそうだ。何の話が始まるのか全く想像もつかないから、ちょっとそわそわする。雨竜なんかはわくわくしてるみたいだけど、真面目に凄いな。
「お前ら3人は夏合宿にも出たからインターフェイスのことについてもちょっとは知ってるだろうけど、対策委員とか定例会っつーヤツがあんのな」
「定例会と対策委員って、具体的にどう違うんですか?」
「定例会はインターフェイス全体を見てる感じで、対策委員は基本夏合宿とか講習会担当みたいな? あと、任期も違うな。定例会は2年で対策委員は1年とか」
「今年はウチから対策委員を出してないんだけど、人もいるし次は出した方がいいかなと思って」
「インターフェイス内でAKBCの存在感を高めるチャンスでもあるわな。定例会はマストとして、対策委員も出してみようか」
定例会と対策委員がそれぞれどんな仕事をするのかサラッと説明を受けたけど、定例会の方は正直あんまり印象にない。毎月会議に出て、各大学の活動報告をもらったり、作品出展の作品やレビューを持ち運びするのが主な仕事かな?
対策委員は初心者講習会や夏合宿に関わる仕事が主なようだ。合宿の準備や当日に高木先輩が忙しなく動いていた印象がとても強い。今年は人数の都合で青敬からは出てないんだけど、人が少なくても定例会と対策委員を兼任することもあるとか。
「えー、俺、定例会でも対策委員でもどっちでもいいんで出たいっす! 合宿めちゃ面白かったんで!」
「そーかそーか。そしたら雨竜はどっちにしようか。合宿が面白かったんなら対策委員か?」
「でも、定例会もファンフェスとかありますよね、向舞祭もありますし」
「えっ、インターフェイスで向舞祭にも出てるんすか!?」
「そーなんだよ。インターフェイスのスポンサーじゃないけど、会議してるビルって企業さんの会議室なんじゃんな。その企業が向舞祭のスポンサーで、その関係で毎年スタッフとして駆り出されてんだよ。一応時給も出る短期バイト扱いなんだけどな。アナならMCの人のアシスタントだし、ミキなら音響のサポートがメインだな」
「えー! いいなー! ハマさんハマさん、俺定例会がいいっす!」
「わかった、雨竜は定例会な。そしたら当麻、お前対策委員やってみる?」
さすが、根っからの派手好きで祭り好きの雨竜は向舞祭という単語に惹かれて定例会に入ることに決めてしまった。向舞祭の仕事は毎年ちょっとネガティブになりがちだから、前向きな気持ちでこの仕事を出来る人間がいた方がいい、と先輩たちはホッとしているようだった。
そして、雨竜が定例会に収まったことで対策委員に勧誘された俺だ。だけど、こうして誰が何をやるって話でなかなか北星に声がかからないというのは……まあ、うん、他校の人もあることだからいつものようにぼやぼやされても困るっていうことなのかな。
「あっそうだ当麻! 当麻って車あったよね!」
「ありますね」
「はー、よかったぁー!」
「対策委員って車が必要になってくるんですか?」
「初心者講習会とか夏合宿で機材の運搬をするからね。今年の子たち、誰も車持ってなかったからその都度アオがレンタカー借りて運転してたんだって」
「毎回それはなかなかめんどくさいですね。わかりました、ドライバーとして頑張ります」
「ありがとー! みんなにいい報告が出来るよー」
行事の度に毎回レンタカーを借りたり車のある人のバイトのシフトまで歪めるという力技で何とかしていたという話を聞いて、車の有無が本当に重要なんだと理解する。それと同時に、俺にかかって来る責任がどんだけ大きいんだよと。
「え~、雨竜も当麻も忙しくなるの~?」
「来年からは定例会でバリバリやるぞ! 俺がインターフェイスに青敬ありっつーことを見せつけてやるぜ!」
「対策委員は任期1年だけど、夏合宿が終わるまでは相当忙しいそうだから」
「やだよ~、1人にしないでよ~」
「でも、俺も雨竜も役割が決まってるし。そもそもお前、自分の動画制作はいいのかよ」
「他の友達を作るのも~、案外楽しかったし~。それより当麻~、置いてかないで~。俺と遊んでよ~」
北星は留守番寂しいよ~とへなへなした声を出してるけど、そういうことで決めることでもないだろうし。どうしたものか。
「そしたら、北星も一緒に忙しくなろうか。当麻、対策委員に北星も連れてって」
「あやめさん、2人もいて大丈夫なんすか?」
「平気平気。緑大とか毎年2人出してるし。北星は機材に強いし男手だから戦力になるでしょ。ただ、普段のことはよろしく」
「……わかりました。そういうことだから北星、一緒に対策委員だぞ」
「やった~。よろしく~」
ドライバー、それから北星の保護者としての役割を担い対策委員になることになった。他の大学さんは誰が出て来るんだろう。1年間やっていけるかな。
end.
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この話では、なんとハマちゃんがいつもの「マジパねえ!」って言ってないぞ! すごい! どうした! マジパねえ!
あと、アオがバイトのシフトを歪めてたのは同じ情報センターで働いてるミドリだから出来たことなんだよなあ……
向舞祭のスタッフとしての仕事にポジティブな雨竜、何気にかなりレアなキャラですね。でも、祭り好きなら向舞祭は楽しみよね
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