2020(03)
■好きを通して達する境地
++++
「あっ、さとちゃん先輩ご無沙汰してます!」
「ミドリ君久し振りー。話はユキちゃんから聞いてたけど、元気だったー?」
「はい、それなりに元気にやってます」
「それで、この子がこないだユキちゃんつてに紹介した、1年生の有馬蓮くんです」
「川北さんのバイト先の後輩の、有馬蓮っていいます」
「ご丁寧にどうもー。青女3年の、糸魚川沙都子です。よろしくね」
有馬くんが情報センターのスタッフになって6ヶ月目。最初はパステルピンクを基調としたひらひら可愛らしい服装にびっくりしたけど、今じゃもう驚きも何もなくなっちゃったから慣れって怖い。手作りのテディベア、アシュリーとも相変わらず一緒だ。
ひらひらした可愛らしい服やテディベアは、市販の物も買うそうだけど、自分でも作っているそうだ。手芸や裁縫が趣味なんだよね。ものづくりが好きな俺は当然食いつくし、その話をユキちゃんにもしたら、青女さんでさとちゃん先輩にもその話が伝わったらしく。
さとちゃん先輩と言えば、青女さんのステージ衣装の制作を一挙に引き受けている実力派。それだけじゃなくて小物作りなんかもかなり上手。こういう人が俺の先輩にいるんだよーって話を有馬くんにしたら、ぜひお会いしてみたいですって返事があって今日に至ってる。後見人は俺とユキちゃん。
「わー、いいお洋服ー。今日の服も自分で作ってるの?」
「そうですね。このサイズだと、なかなかこういうデザインはないので。自分で作った方が早かったんです」
「そうだよね。昔からこういうかわいいお洋服が好きだったの?」
「そうですね。小さい頃は市販の物でもいろいろ選べたんですが、成長するとなかなか」
有馬くんの着ている服は、ジャンルで言うとロリータ……ロリィタって書くのかな? そこに区分するのが一番近い感じなんだそうだ。リボンやレース、フリルで装飾されていて~という感じの可愛らしい雰囲気だ。
ただ、一言でロリータファッションと言っても甘いとか姫系とか、いわゆるゴスロリとか、いろいろあって、俺には何が何だか。ただ、有馬くんが好きなのは甘系っていう、かわいらしい感じの洋服らしい。ピンクのひらひらの日が多いもんね。
「メンズだと色もなかなか選べなくて」
「そうだよね。王子系って感じでもないもんね。あたしの友達に王子系の服がすっごく似合う子がいて! 実際青女の王子様ポジションで人気のある子なんだけど」
「その人は中性的な雰囲気の人なんですか?」
「どっちかって言えばそうかも。背が高くて、立ち振る舞いが紳士でって感じで」
「僕もいっそ中性的な体つきだったり顔つきだったら好きなものを違和感なく着れたんでしょうか」
「え、今の服も全然違和感ないよ。むしろ上手に着こなしてる。自分で着るために作っただけあって、ポイントを押さえてあるって言うか。男性の服と女性の服って、体のラインが違うから作るにしても全然変わって来るでしょ。有馬くんの服は、大きな男の人が着るからいい。そういう作り方になってる。ごめんね、もうちょっとよく見せてくれる?」
「あっ、どうぞ」
今では衣食住の食をメインに履修しているそうだけど、さとちゃん先輩は元々が衣の人だから俺やユキちゃんよりこの分野には強いし、何より本当に好きなことだからガンガン突っ込んで行ってる。いつもはほわほわ~っとしてるのに、パリッとした真剣な顔つきだもん。
情報センターでは誰も有馬くんの服がおかしいなんて言わなかった(むしろ烏丸さんやカナコさんは褒めてた)けど、やっぱりこれまでにはいろいろ言われて辛い目にも遭って来たのかなって。好きなことを貫くには辛い時期というのもあったのかもしれない。
「糸魚川さんは、自分で着る服は作ってるんですか?」
「あたしはサークルの子のステージ衣装とか、イベントに出す雑貨がメインかな。自分で着る服……あれっ、そう言えば全然作ったことないかも」
「さと先輩、彼氏さんには作ったことあるんですか?」
「小物はいくつか作ってるけど、お洋服は作ってないよ」
「えー! 彼氏さんにお洋服作りましょうよー! 絶対喜んでくれますよー!」
「そうかな?」
「メンズ服でしたら僕もある程度相談に乗れますよ」
「ありがとう。でも、お洋服よりもお人形の方を教えてくれないかな? テディベアとかも好きな人で」
「そういうことでしたら! 僕の趣味で人のお役に立てるなんて…! 川北さん、そんなことがあっていいんでしょうか?」
「全然問題ないよ! さとちゃん先輩にぜひテディベア作りを教えてあげてよ」
さとちゃん先輩は意外や意外、ぬいぐるみ作りなんかはやったことがなかったそうだ。さとちゃん先輩の彼氏さんは洋服より雑貨系の方が喜んでくれそうということで、有馬くんが先生となってテディベア作りに挑戦することになった。
「せっかくだし、ユキちゃんとミドリ君も一緒にテディベア作り教わろうよ」
「え、あたしもやるんですか?」
「俺は出来る気がしないんですけど、大丈夫ですかねー」
「大丈夫ですよ。最初の子は大体が不格好なんですけど、それでも愛着は湧くんですよ」
「ものづくりが好きな2人が実際作ってみると、どんなのが出来るんだろう。楽しみー」
「楽しみですねー」
end.
++++
クマが好きなのはナノスパで言えばちーちゃんもだなあと思いつつ、ちょっと変わった組み合わせです。さとちゃんとレンレン。
ピンクのひらひらが基本のレンレンだけど、今のスタイルを貫き通すまでにはいろいろ葛藤もあったのかなと。本人の性格的にね。
さとちゃんがクマ作りを極め始めたら大変なことになりそうだけど、これから糸魚川家や長野っちの部屋がクマに溢れないかな、大丈夫かな
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「あっ、さとちゃん先輩ご無沙汰してます!」
「ミドリ君久し振りー。話はユキちゃんから聞いてたけど、元気だったー?」
「はい、それなりに元気にやってます」
「それで、この子がこないだユキちゃんつてに紹介した、1年生の有馬蓮くんです」
「川北さんのバイト先の後輩の、有馬蓮っていいます」
「ご丁寧にどうもー。青女3年の、糸魚川沙都子です。よろしくね」
有馬くんが情報センターのスタッフになって6ヶ月目。最初はパステルピンクを基調としたひらひら可愛らしい服装にびっくりしたけど、今じゃもう驚きも何もなくなっちゃったから慣れって怖い。手作りのテディベア、アシュリーとも相変わらず一緒だ。
ひらひらした可愛らしい服やテディベアは、市販の物も買うそうだけど、自分でも作っているそうだ。手芸や裁縫が趣味なんだよね。ものづくりが好きな俺は当然食いつくし、その話をユキちゃんにもしたら、青女さんでさとちゃん先輩にもその話が伝わったらしく。
さとちゃん先輩と言えば、青女さんのステージ衣装の制作を一挙に引き受けている実力派。それだけじゃなくて小物作りなんかもかなり上手。こういう人が俺の先輩にいるんだよーって話を有馬くんにしたら、ぜひお会いしてみたいですって返事があって今日に至ってる。後見人は俺とユキちゃん。
「わー、いいお洋服ー。今日の服も自分で作ってるの?」
「そうですね。このサイズだと、なかなかこういうデザインはないので。自分で作った方が早かったんです」
「そうだよね。昔からこういうかわいいお洋服が好きだったの?」
「そうですね。小さい頃は市販の物でもいろいろ選べたんですが、成長するとなかなか」
有馬くんの着ている服は、ジャンルで言うとロリータ……ロリィタって書くのかな? そこに区分するのが一番近い感じなんだそうだ。リボンやレース、フリルで装飾されていて~という感じの可愛らしい雰囲気だ。
ただ、一言でロリータファッションと言っても甘いとか姫系とか、いわゆるゴスロリとか、いろいろあって、俺には何が何だか。ただ、有馬くんが好きなのは甘系っていう、かわいらしい感じの洋服らしい。ピンクのひらひらの日が多いもんね。
「メンズだと色もなかなか選べなくて」
「そうだよね。王子系って感じでもないもんね。あたしの友達に王子系の服がすっごく似合う子がいて! 実際青女の王子様ポジションで人気のある子なんだけど」
「その人は中性的な雰囲気の人なんですか?」
「どっちかって言えばそうかも。背が高くて、立ち振る舞いが紳士でって感じで」
「僕もいっそ中性的な体つきだったり顔つきだったら好きなものを違和感なく着れたんでしょうか」
「え、今の服も全然違和感ないよ。むしろ上手に着こなしてる。自分で着るために作っただけあって、ポイントを押さえてあるって言うか。男性の服と女性の服って、体のラインが違うから作るにしても全然変わって来るでしょ。有馬くんの服は、大きな男の人が着るからいい。そういう作り方になってる。ごめんね、もうちょっとよく見せてくれる?」
「あっ、どうぞ」
今では衣食住の食をメインに履修しているそうだけど、さとちゃん先輩は元々が衣の人だから俺やユキちゃんよりこの分野には強いし、何より本当に好きなことだからガンガン突っ込んで行ってる。いつもはほわほわ~っとしてるのに、パリッとした真剣な顔つきだもん。
情報センターでは誰も有馬くんの服がおかしいなんて言わなかった(むしろ烏丸さんやカナコさんは褒めてた)けど、やっぱりこれまでにはいろいろ言われて辛い目にも遭って来たのかなって。好きなことを貫くには辛い時期というのもあったのかもしれない。
「糸魚川さんは、自分で着る服は作ってるんですか?」
「あたしはサークルの子のステージ衣装とか、イベントに出す雑貨がメインかな。自分で着る服……あれっ、そう言えば全然作ったことないかも」
「さと先輩、彼氏さんには作ったことあるんですか?」
「小物はいくつか作ってるけど、お洋服は作ってないよ」
「えー! 彼氏さんにお洋服作りましょうよー! 絶対喜んでくれますよー!」
「そうかな?」
「メンズ服でしたら僕もある程度相談に乗れますよ」
「ありがとう。でも、お洋服よりもお人形の方を教えてくれないかな? テディベアとかも好きな人で」
「そういうことでしたら! 僕の趣味で人のお役に立てるなんて…! 川北さん、そんなことがあっていいんでしょうか?」
「全然問題ないよ! さとちゃん先輩にぜひテディベア作りを教えてあげてよ」
さとちゃん先輩は意外や意外、ぬいぐるみ作りなんかはやったことがなかったそうだ。さとちゃん先輩の彼氏さんは洋服より雑貨系の方が喜んでくれそうということで、有馬くんが先生となってテディベア作りに挑戦することになった。
「せっかくだし、ユキちゃんとミドリ君も一緒にテディベア作り教わろうよ」
「え、あたしもやるんですか?」
「俺は出来る気がしないんですけど、大丈夫ですかねー」
「大丈夫ですよ。最初の子は大体が不格好なんですけど、それでも愛着は湧くんですよ」
「ものづくりが好きな2人が実際作ってみると、どんなのが出来るんだろう。楽しみー」
「楽しみですねー」
end.
++++
クマが好きなのはナノスパで言えばちーちゃんもだなあと思いつつ、ちょっと変わった組み合わせです。さとちゃんとレンレン。
ピンクのひらひらが基本のレンレンだけど、今のスタイルを貫き通すまでにはいろいろ葛藤もあったのかなと。本人の性格的にね。
さとちゃんがクマ作りを極め始めたら大変なことになりそうだけど、これから糸魚川家や長野っちの部屋がクマに溢れないかな、大丈夫かな
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