2020(02)
■第１次留学生派遣計画
＋＋＋＋
「さーて、どうするＬ。いよいよ本格的に昼放送の枠問題が現実の物になって来てるけど」
「一応野坂には相談したけど、そう上手く行くかな」
夏合宿が終わって、インターフェイスの活動も一段落。来たる秋学期に向けて考えることは、学祭のことや昼放送のこと。学祭のことは１年生が頑張ってくれると思うからアタシたちは監督程度でいいだろうし、大祭実行の手伝いに関しては向こうから連絡が来るはず。問題は、昼放送で。
秋学期の昼放送は１年生から３年生が入り混じっての編成になる。毎年その採用にはボーダーが設けられていて、実力や出席率、それから履修で決められてるみたい。どの学年でもボーダーに届かなくて秋学期の昼放送で落ちる子っていうのは必ずいた。だけど、問題は今の１年生。
今の１年生６人は夏合宿を見てる限りみんな実力的には全然大丈夫だし、みんな真面目にサークルに来てる。この辺のボーダーを余裕で越えて来てる時点で秋学期の枠を用意してあげたい。だけど「じゃあ２、３年生を削る？」って話でもない。そう、枠が全然足りないっていう大問題。
前にアタシとＬがノリで「枠が余ってる向島に出張させて修行させたら」とかっていう話はしてて、こないだの合宿終わりに野坂にもこれこれこういう……という話はした。野坂も「持ち帰って律に相談する」という風には言ってたんだけど、これがどうも割と真面目に実現しそうな雰囲気で。
「向島は向島で活動をどう存続させるかっていう問題にぶち当たってるとは言うじゃん」
「だな。あれからさらに１人減ったんだろ」
「みたいだね。まあ、野坂曰く「元々いないような物だったからノーダメージだ」とのことだけど」
「仮に向島にウチの留学生を受け入れてもらえるとして、誰を送るかっていう話な」
「そうだね」
緑ヶ丘大学と向島大学は同じ豊葦市にキャンパスがあって、星港市に行くより移動は断然楽だ。電車とかバスを使うとちょっとめんどくさいんだけど、原付とか車があるならちょっと行けばすぐって感じ。だから派遣とか留学とかっていう話が出て来るんだよね。
向島の昼放送は収録でやってるそうだから、絶対昼にいなきゃいけないってこともない。夕方に行ってサッと収録をしてっていう感じで全然イケるらしい。誰と組むことになるのかっていう問題はあるけど、今いる向島のメンツなら誰が誰と当たってもそうそう問題じゃないと思う。
「留学生候補を絞るか、まずは」
「だね」
「向島にいないのがアナだから、とりあえずアナだろ」
「で、足があること。でも１年アナの３人はみんな足あるし大丈夫そうだね」
「俺はすがやんがいいと思うな」
「何で？」
「すがやんって周りをよく見て自分がどうすべきかをちゃんと考える子だろ。向島のあの濃い空間に行っても耐え得るんじゃないかって」
「あー、適応能力みたいなこと？」
「うん。ササとレナはちょっと、あのノリに中てられないかが心配だ」
向島は、ラジオの実力こそ粒揃いだし物凄いんだけど、如何せんノリとか空気が変に濃いんだよね。変人揃いって言うかさ。そんなところにクールの権化みたいなササやレナを送りこんで大丈夫かなっていうのがＬが心配に思ってることらしい。気持ちはわかる。向島の濃さはね。うん。
「でも、ササはイケメン枠として野坂が丁重に扱うだろうし、レナは女子だから奈々が喜びそうじゃない？」
「何か、それはそれで律から苦情が来そうだ。女子の扱いに関してはわかんないけどイケメンが来たおかげで野坂があーだこーだ」
「……すがやんにしよっか、合宿でも同じ班に向島の子いたはずだし」
「だな。すがやんには俺から話しとくわ」
「って言うか余るのってアナの１枠だけ？ ミキサーも余んない？」
「あー、ミキサーはさ、五島が「俺今回昼放送いいわー」って辞退してるから、人数ピッタリなんだよ。壮平もちょっとラインに届いてないし」
「あ、そうなんだ。ゴティ忙しいのかな」
「まあアイツもアイツでいろいろ忙しい奴だし、気持ちを尊重して今回の選出は見送ろうかと」
あとは留学に派遣される候補になったすがやん本人の気持ちを確かめるだけっていう感じかな。でも、いくら枠が足りないからってよその大学に出されてそこで番組やって来いっていきなり言われて大丈夫かな。ウチにいなくていいってワケじゃないこともちゃんと伝えなきゃね。
ウチと向島は活動の曜日が同じ月水金だから、派遣に出されるとなるとMBCCへのフル出席は難しくなる。それでなくても１年生は学祭のことでも忙しい。結構な負担になってくるかもだから、１年生に投げっぱなしじゃなくて上級生もちゃんとフォローしてあげなきゃねとは落ち着いた。
「あくまで今の話は仮で、あとは履修を見てちゃんと決めるって感じで」
「ですよねー、わかってまーす」
「すがやんに話して納得してもらえたら、向島サイドにも話さないとな」
end.
＋＋＋＋
今年の１年生がみんな安定して良くて、２、３年生のいつものメンバーもそれぞれ昼放送の枠に収まるとなれば、足りませんよねー
ちょっと前にちょろっと言っていた留学計画もかなり現実的に考えなきゃいけない段階に来ました。出来ちゃう地理関係なのです。
凄いイケメンを寄こすことでりっちゃんから苦情をもらいそうっていうのもまたｗ ノサカのイケメン好きも大概ってことなのねｗｗｗ
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「さーて、どうするＬ。いよいよ本格的に昼放送の枠問題が現実の物になって来てるけど」
「一応野坂には相談したけど、そう上手く行くかな」
夏合宿が終わって、インターフェイスの活動も一段落。来たる秋学期に向けて考えることは、学祭のことや昼放送のこと。学祭のことは１年生が頑張ってくれると思うからアタシたちは監督程度でいいだろうし、大祭実行の手伝いに関しては向こうから連絡が来るはず。問題は、昼放送で。
秋学期の昼放送は１年生から３年生が入り混じっての編成になる。毎年その採用にはボーダーが設けられていて、実力や出席率、それから履修で決められてるみたい。どの学年でもボーダーに届かなくて秋学期の昼放送で落ちる子っていうのは必ずいた。だけど、問題は今の１年生。
今の１年生６人は夏合宿を見てる限りみんな実力的には全然大丈夫だし、みんな真面目にサークルに来てる。この辺のボーダーを余裕で越えて来てる時点で秋学期の枠を用意してあげたい。だけど「じゃあ２、３年生を削る？」って話でもない。そう、枠が全然足りないっていう大問題。
前にアタシとＬがノリで「枠が余ってる向島に出張させて修行させたら」とかっていう話はしてて、こないだの合宿終わりに野坂にもこれこれこういう……という話はした。野坂も「持ち帰って律に相談する」という風には言ってたんだけど、これがどうも割と真面目に実現しそうな雰囲気で。
「向島は向島で活動をどう存続させるかっていう問題にぶち当たってるとは言うじゃん」
「だな。あれからさらに１人減ったんだろ」
「みたいだね。まあ、野坂曰く「元々いないような物だったからノーダメージだ」とのことだけど」
「仮に向島にウチの留学生を受け入れてもらえるとして、誰を送るかっていう話な」
「そうだね」
緑ヶ丘大学と向島大学は同じ豊葦市にキャンパスがあって、星港市に行くより移動は断然楽だ。電車とかバスを使うとちょっとめんどくさいんだけど、原付とか車があるならちょっと行けばすぐって感じ。だから派遣とか留学とかっていう話が出て来るんだよね。
向島の昼放送は収録でやってるそうだから、絶対昼にいなきゃいけないってこともない。夕方に行ってサッと収録をしてっていう感じで全然イケるらしい。誰と組むことになるのかっていう問題はあるけど、今いる向島のメンツなら誰が誰と当たってもそうそう問題じゃないと思う。
「留学生候補を絞るか、まずは」
「だね」
「向島にいないのがアナだから、とりあえずアナだろ」
「で、足があること。でも１年アナの３人はみんな足あるし大丈夫そうだね」
「俺はすがやんがいいと思うな」
「何で？」
「すがやんって周りをよく見て自分がどうすべきかをちゃんと考える子だろ。向島のあの濃い空間に行っても耐え得るんじゃないかって」
「あー、適応能力みたいなこと？」
「うん。ササとレナはちょっと、あのノリに中てられないかが心配だ」
向島は、ラジオの実力こそ粒揃いだし物凄いんだけど、如何せんノリとか空気が変に濃いんだよね。変人揃いって言うかさ。そんなところにクールの権化みたいなササやレナを送りこんで大丈夫かなっていうのがＬが心配に思ってることらしい。気持ちはわかる。向島の濃さはね。うん。
「でも、ササはイケメン枠として野坂が丁重に扱うだろうし、レナは女子だから奈々が喜びそうじゃない？」
「何か、それはそれで律から苦情が来そうだ。女子の扱いに関してはわかんないけどイケメンが来たおかげで野坂があーだこーだ」
「……すがやんにしよっか、合宿でも同じ班に向島の子いたはずだし」
「だな。すがやんには俺から話しとくわ」
「って言うか余るのってアナの１枠だけ？ ミキサーも余んない？」
「あー、ミキサーはさ、五島が「俺今回昼放送いいわー」って辞退してるから、人数ピッタリなんだよ。壮平もちょっとラインに届いてないし」
「あ、そうなんだ。ゴティ忙しいのかな」
「まあアイツもアイツでいろいろ忙しい奴だし、気持ちを尊重して今回の選出は見送ろうかと」
あとは留学に派遣される候補になったすがやん本人の気持ちを確かめるだけっていう感じかな。でも、いくら枠が足りないからってよその大学に出されてそこで番組やって来いっていきなり言われて大丈夫かな。ウチにいなくていいってワケじゃないこともちゃんと伝えなきゃね。
ウチと向島は活動の曜日が同じ月水金だから、派遣に出されるとなるとMBCCへのフル出席は難しくなる。それでなくても１年生は学祭のことでも忙しい。結構な負担になってくるかもだから、１年生に投げっぱなしじゃなくて上級生もちゃんとフォローしてあげなきゃねとは落ち着いた。
「あくまで今の話は仮で、あとは履修を見てちゃんと決めるって感じで」
「ですよねー、わかってまーす」
「すがやんに話して納得してもらえたら、向島サイドにも話さないとな」
end.
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今年の１年生がみんな安定して良くて、２、３年生のいつものメンバーもそれぞれ昼放送の枠に収まるとなれば、足りませんよねー
ちょっと前にちょろっと言っていた留学計画もかなり現実的に考えなきゃいけない段階に来ました。出来ちゃう地理関係なのです。
凄いイケメンを寄こすことでりっちゃんから苦情をもらいそうっていうのもまたｗ ノサカのイケメン好きも大概ってことなのねｗｗｗ
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