2020(02)
■合宿はもう始まっている
++++
いよいよインターフェイス夏合宿が始まった。対策委員は一般参加者より早く会場の青年自然の家に集合して、機材セッティングなどの準備をしている。車は今回もアオがレンタカーを借りてくれて、それで運搬しつつメンバーも移動してって感じで来た。
最寄り駅には会計のゲンゴローに待機してもらっている。一般参加者のみんなが乗って来るタクシーの運賃を手渡す係だ。毎年中型タクシーを手配していて、運賃は1組につき1000円。最後の子とゲンゴローが到着したら、合宿の始まりだ。
「おーい、サドニナ! サボるな! 椅子並べるべ!」
「重い~! ムリ~!」
「ムリじゃない!」
「ミキサーの子もイス並べようよ~! サドニナはマイクより重たい物持てないの~!」
「ミキサー陣は機材セットしてるっていう!」
隙あらばサドニナがサボろうとしているようだけど、それをエイジが何とかコントロールしてるっていう感じ。……まあ、エイジにはこれくらい日常茶飯事だもんなあ。それはそうと、機材セッティングの方は俺とアオがメインで、奈々とわかばが細かなところを見てくれている。
ところで今年はどこの班も中継形式での番組をやらないということで、ワイヤレス関係の機材は置いてきた。その代わり、今年はパソコン関係の機材が増えているから運搬量自体はそんなに変わらなかった。パソコン関係の接続はいつもより入念なチェックが必要だ。
「みんな~、お~は~よ~」
「あっ、ダイさんおはようございますッ! 今日からよろしくお願いしますッ!」
この夏合宿で講師を務めてもらう水沢さんがもう到着して、俺たちが準備する様子を見ている。参加者が集合してからはオリエンテーションがあって、その次に最初の全体講習がある。その講習で使う物などを重点的に用意するという段取りだ。機材とホワイトボード周りがメインになるのかな。それから、パソコンと。
「あっ、タカティちょっといい?」
「はい」
「一応さ、自前のプロジェクター持って来たんだよ。簡単に資料作ったからさ、それを壁に映したらみんな見やすいかなと思って」
「えー、凄いですね」
「で、これをどっか適当な電源で繋げさせてほしいんだけど」
「どうぞどうぞ。ちなみに資料はどの端末から引っ張って」
「それは俺の自前のタブレットがあるからね。ちょっと、映り具合のチェックしてもいいかな」
「そうですね、どこにプロジェクターを置けば後ろからでも綺麗に見えるかは確認した方がいいですね」
講師2回目ということで、水沢さんも去年の反省を生かして準備をしてくれたようだ。対策委員としては本当にありがたい限り。俺はプロジェクターの接続と、動作確認の方に回ってどこからどう見えるかを伝えていく。
とりあえず、1班と6班の最後列の席に座ってどう見えるかというのがポイントになるのかな。実際にはもっと人がいる中での見え方を見なきゃいけないんだろうけど、対策委員はみんな準備をしてるからそこに人はなかなか裂けない。
「エイジ、サドニナ、ちょっといい?」
「ん、どうしたっていう」
「ちょっと2人、俺の前に座ってくれる? 壁にプロジェクターで資料を投影するんだけど、最後列からの見え方が見たいからさ」
「おー、わかったべ」
「やっと座れるー!」
「じゃ、映すねー」
壁にはほんのりと資料が投影されている。だけども部屋のカーテンが開いているからか、見え方が弱いような気がする。カーテンを閉めてもらえば最初よりは見えやすくなった。で、人越しに資料がどう見えるかという話だけど……。
「タカティ、そこからの見え方どう?」
「問題なく見えますね」
「そーおー? じゃあこの角度でいいかな?」
「って言うかさタカティ」
「どしたのアオ」
「この中じゃタカティが一番背高いんだから、何の問題もないのは当たり前じゃない?」
「あ、そっか」
俺は168センチしかないのに対策委員のメンバーの中では一番背が高いんだよね。合宿に来る子の中にはササとか彩人みたくもっと背の高い子も普通にいるから俺を基準にしてもダメなんじゃないかって気がちょっと。
「お~、盲点だったね~。そしたらタカティとサドニナちゃん、席替わってみようか」
「はぁーい」
「で、エージ君はタカティの横に座ってくれる? サドニナちゃんの視線を遮る感じで。サドニナちゃんどう?」
「下の方が見にくいんで~、もうちょっと上に映してくれたらいいな~って」
「はいはい~。どう?」
「いい感じです!」
「それじゃあこの位置で行こうか」
無事にプロジェクターの位置が決まったところで、各々の準備に戻って行く。そうこうしている間にゲンゴローからは参加者がこっちに向かい始めたと連絡が来る。いよいよ始まるんだなと思う。2泊3日を無事乗り切れるように。
「奈々、駅からタクシー来始めてるらしいから、玄関行って参加者の誘導に回ってもらえる? 来た人を班ごとに固めて参加費の準備するように言ってもらって」
「はーいッ!」
end.
++++
いよいよ夏合宿が始まります。さすがの2年目、ダイさんの方もかなりパワーアップしているようです。自前のプロジェクターか。
放送機材に関わらず、プロジェクターなどの機材も強いのはタカちゃんという扱いなのかな。まあ強そうだものね実際。事前確認は大事。
油断するとすぐ仕事をサボろうとするのは部屋でのTKGもサドニナも一緒なのでエイジ的には何らいつもとやることは変わらないのであった
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いよいよインターフェイス夏合宿が始まった。対策委員は一般参加者より早く会場の青年自然の家に集合して、機材セッティングなどの準備をしている。車は今回もアオがレンタカーを借りてくれて、それで運搬しつつメンバーも移動してって感じで来た。
最寄り駅には会計のゲンゴローに待機してもらっている。一般参加者のみんなが乗って来るタクシーの運賃を手渡す係だ。毎年中型タクシーを手配していて、運賃は1組につき1000円。最後の子とゲンゴローが到着したら、合宿の始まりだ。
「おーい、サドニナ! サボるな! 椅子並べるべ!」
「重い~! ムリ~!」
「ムリじゃない!」
「ミキサーの子もイス並べようよ~! サドニナはマイクより重たい物持てないの~!」
「ミキサー陣は機材セットしてるっていう!」
隙あらばサドニナがサボろうとしているようだけど、それをエイジが何とかコントロールしてるっていう感じ。……まあ、エイジにはこれくらい日常茶飯事だもんなあ。それはそうと、機材セッティングの方は俺とアオがメインで、奈々とわかばが細かなところを見てくれている。
ところで今年はどこの班も中継形式での番組をやらないということで、ワイヤレス関係の機材は置いてきた。その代わり、今年はパソコン関係の機材が増えているから運搬量自体はそんなに変わらなかった。パソコン関係の接続はいつもより入念なチェックが必要だ。
「みんな~、お~は~よ~」
「あっ、ダイさんおはようございますッ! 今日からよろしくお願いしますッ!」
この夏合宿で講師を務めてもらう水沢さんがもう到着して、俺たちが準備する様子を見ている。参加者が集合してからはオリエンテーションがあって、その次に最初の全体講習がある。その講習で使う物などを重点的に用意するという段取りだ。機材とホワイトボード周りがメインになるのかな。それから、パソコンと。
「あっ、タカティちょっといい?」
「はい」
「一応さ、自前のプロジェクター持って来たんだよ。簡単に資料作ったからさ、それを壁に映したらみんな見やすいかなと思って」
「えー、凄いですね」
「で、これをどっか適当な電源で繋げさせてほしいんだけど」
「どうぞどうぞ。ちなみに資料はどの端末から引っ張って」
「それは俺の自前のタブレットがあるからね。ちょっと、映り具合のチェックしてもいいかな」
「そうですね、どこにプロジェクターを置けば後ろからでも綺麗に見えるかは確認した方がいいですね」
講師2回目ということで、水沢さんも去年の反省を生かして準備をしてくれたようだ。対策委員としては本当にありがたい限り。俺はプロジェクターの接続と、動作確認の方に回ってどこからどう見えるかを伝えていく。
とりあえず、1班と6班の最後列の席に座ってどう見えるかというのがポイントになるのかな。実際にはもっと人がいる中での見え方を見なきゃいけないんだろうけど、対策委員はみんな準備をしてるからそこに人はなかなか裂けない。
「エイジ、サドニナ、ちょっといい?」
「ん、どうしたっていう」
「ちょっと2人、俺の前に座ってくれる? 壁にプロジェクターで資料を投影するんだけど、最後列からの見え方が見たいからさ」
「おー、わかったべ」
「やっと座れるー!」
「じゃ、映すねー」
壁にはほんのりと資料が投影されている。だけども部屋のカーテンが開いているからか、見え方が弱いような気がする。カーテンを閉めてもらえば最初よりは見えやすくなった。で、人越しに資料がどう見えるかという話だけど……。
「タカティ、そこからの見え方どう?」
「問題なく見えますね」
「そーおー? じゃあこの角度でいいかな?」
「って言うかさタカティ」
「どしたのアオ」
「この中じゃタカティが一番背高いんだから、何の問題もないのは当たり前じゃない?」
「あ、そっか」
俺は168センチしかないのに対策委員のメンバーの中では一番背が高いんだよね。合宿に来る子の中にはササとか彩人みたくもっと背の高い子も普通にいるから俺を基準にしてもダメなんじゃないかって気がちょっと。
「お~、盲点だったね~。そしたらタカティとサドニナちゃん、席替わってみようか」
「はぁーい」
「で、エージ君はタカティの横に座ってくれる? サドニナちゃんの視線を遮る感じで。サドニナちゃんどう?」
「下の方が見にくいんで~、もうちょっと上に映してくれたらいいな~って」
「はいはい~。どう?」
「いい感じです!」
「それじゃあこの位置で行こうか」
無事にプロジェクターの位置が決まったところで、各々の準備に戻って行く。そうこうしている間にゲンゴローからは参加者がこっちに向かい始めたと連絡が来る。いよいよ始まるんだなと思う。2泊3日を無事乗り切れるように。
「奈々、駅からタクシー来始めてるらしいから、玄関行って参加者の誘導に回ってもらえる? 来た人を班ごとに固めて参加費の準備するように言ってもらって」
「はーいッ!」
end.
++++
いよいよ夏合宿が始まります。さすがの2年目、ダイさんの方もかなりパワーアップしているようです。自前のプロジェクターか。
放送機材に関わらず、プロジェクターなどの機材も強いのはタカちゃんという扱いなのかな。まあ強そうだものね実際。事前確認は大事。
油断するとすぐ仕事をサボろうとするのは部屋でのTKGもサドニナも一緒なのでエイジ的には何らいつもとやることは変わらないのであった
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