2020(02)
■レッド・ホット・BBQ!
++++
「これ、輸入料理店に売ってたバーベキューソースなんだけど、美味しいらしいからみんなも使ってみて~。でも、1つだけ注意があって、ちょっと辛いみたいなのよ」
「え。兄さん、どれくらい辛いの?」
「ちえりちゃんは美味しいって言ってたわよ」
「ちえりさんの味覚って当てにならないもんなあ……」
今日は大石クンのお兄さんのベティさんがやってるお店の慰労会的なバーベキューに混ぜてもらってる。俺は朝霞クンに誘われて来たんだけど、海でのバーベキューって夏を謳歌してるって感じで本当に楽しいでしょでしょ~。
バーベキューで美味しくお肉を食べてたら、ベティさんが俺たちのところにバーベキューソースを持って来てくれた。だけど、これが結構な代物らしく。ちょっと辛いってどれっくらい辛いんだろ。でも、味は本当に旨味がぎゅっとしてて美味しいんだって。
「俺は食べるけど、みんなは良かったらでいいよ。お店の人、結構変わった料理とか調味料とか大好きで、激辛好きの人とかもいるし」
「俺は使ってみようかな。ある程度までなら辛いのも大丈夫だし」
「俺は山口の反応を見て使うかどうかを決めよう」
「うん、そうだね。朝霞クンは様子見した方が良さそうだね。女の子たちはどうする~?」
「うちは使ってみようかな、辛いの好きだし」
「私は、味見を……」
大石クンが朝霞クン以外の紙皿に例のソースを入れてくれて、まずはそれを匂ってみる。匂いは普通のバーベキューソースが、ちょっとスパイシーになったような感じ? 小指でちょっとだけ味を見る。うん? うん。確かにちょっと辛めかな? でも美味しいかも。
「わ、辛い。食べれなくはないけど、普通のヤツの方が好きだな俺は」
「……確かに、辛い……けど、美味しい……」
「うん、美味し~んだけど、あ、後から来る。朝霞クンはやめといた方がいいね~」
「そうか、結構辛いか」
「なっちは大丈夫?」
「議長サンは辛いの好きだし、美味し~んじゃないの?」
「うん、まあ、美味しいんだけど、辛さをあんまり感じない。あ、いや、バーベキューソースとしては美味しいんだ」
「えっ!? これを感じないの!? 辛いよ!?」
「議長サン、いくら辛いのが得意でもさすがにある程度は辛いデショ?」
「旨味は感じてるぞ」
「そんだけ旨味があるならちょっと俺も食べてみようかな」
「えっ朝霞クン、美味しいけど、本当に辛いよ?」
朝霞クンは辛いのがあんまり得意じゃない。だけど、あんまりみんなが辛いけど美味しいって言うから興味が湧いちゃったみたい。それで、お肉に思いっ切りソースをつけて口の中に入れるじゃない。次の瞬間のリアクションがさあ。
「っ~!? かっら! スーッ、スーッ」
「朝霞クン大丈夫!? だから言ったのに~! はいお水」
「マジで無理なんだが!? サンキュ。つか何だこれ!? え、つかなっちこれを感じないとか大丈夫か!?」
水を飲んでもまだスースー言って辛さが尾を引いてるような感じ。多分朝霞クンとか大石クンの反応が辛さに弱いとか普通の人の反応なんだと思う。俺と福井サンは辛いのも好きって人の反応なんだろうけど、問題は議長サンだよ。この辛さを感じないって。
「肉だけじゃなくてこれでイカを食べても美味しいだろうなあ。あ、美味しい。このソースどこに売ってるんだろう」
「……なっち、よっぽど気に入ったなら兄さんに聞いたらいいと思うよ」
「じゃあ後から聞いてみよう」
「でも、こういうちょっと変わったソースとか、外国以外にもご当地ソースとか醤油とかあったりするのかな」
「あるよ~。牡蠣醤油とか~、すだち醤油とか~、醤油だけでもいろいろ~」
「醤油だったら緑風にもあるぞ。普通の濃い色をした醤油ってよりかは、みりんみたいな薄い色で、淡口醤油なのかな。切ったキュウリとかをちょっと漬けるだけでも美味しい。玉子焼きとかおひたしに使ってもいいみたいだぞ。この辺じゃ見ないから、本当に緑風のローカルな醤油なんだろうなあ」
「へ~、なんていうの~?」
「名前は忘れた。物はイメージ出来てるんだけど」
これっくらいの大きさで、こういう色で、と議長サンの頭の中にはしっかりとしたイメージがあるみたいなんだけど、肝心の名前が出て来ないから調べようにも調べられない。だけど本当に美味しいっていうその調味料が気になって気になって仕方ない。
「議長サン、実家に行く予定は?」
「来週には帰るけど、どうした?」
「良かったら送ってくれない? それがどんな料理に使えるかとか、興味あるし」
「何でうちがお前に」
「あ~あ、俺が料理を練習したら、こないだのよりも~っと美味しい玉子焼きが食べさせてあげられるんだけどな~」
「美味い玉子焼き!? なっち、俺からも頼む。と言うか、俺にも送ってくれ。キュウリを切って漬けるだけで美味いとかめちゃ助かる」
「まあ、いいけど」
議長サンのある意味崩壊してる味覚でも美味しくて使えるっていう調味料だし、気になるよね~。あと、玉子焼きでもう1人釣れた。
「大石、このバーベキューソースで焼きそばを焼いたらすごく美味しくなると思うんだ」
「えっと、そしたら普通の焼きそばの他にコーナーを作ろっかー」
end.
++++
激辛バーベキューソースを使ってる学生組を見たかったというだけのヤツで……海に入ってる話とかは来年以降かしら
で、このメンツだと辛さに弱い朝霞Pと強い菜月さんの対比をやりたかった。ちーちゃんの辛さ耐性は今決まった。普通の人くらいの感じ。
料理の研究に余念がないやまよとカンタンにおかずを一品作りたい朝霞Pがお醤油に飛びついたぞ。菜月さん送ってあげてー
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「これ、輸入料理店に売ってたバーベキューソースなんだけど、美味しいらしいからみんなも使ってみて~。でも、1つだけ注意があって、ちょっと辛いみたいなのよ」
「え。兄さん、どれくらい辛いの?」
「ちえりちゃんは美味しいって言ってたわよ」
「ちえりさんの味覚って当てにならないもんなあ……」
今日は大石クンのお兄さんのベティさんがやってるお店の慰労会的なバーベキューに混ぜてもらってる。俺は朝霞クンに誘われて来たんだけど、海でのバーベキューって夏を謳歌してるって感じで本当に楽しいでしょでしょ~。
バーベキューで美味しくお肉を食べてたら、ベティさんが俺たちのところにバーベキューソースを持って来てくれた。だけど、これが結構な代物らしく。ちょっと辛いってどれっくらい辛いんだろ。でも、味は本当に旨味がぎゅっとしてて美味しいんだって。
「俺は食べるけど、みんなは良かったらでいいよ。お店の人、結構変わった料理とか調味料とか大好きで、激辛好きの人とかもいるし」
「俺は使ってみようかな。ある程度までなら辛いのも大丈夫だし」
「俺は山口の反応を見て使うかどうかを決めよう」
「うん、そうだね。朝霞クンは様子見した方が良さそうだね。女の子たちはどうする~?」
「うちは使ってみようかな、辛いの好きだし」
「私は、味見を……」
大石クンが朝霞クン以外の紙皿に例のソースを入れてくれて、まずはそれを匂ってみる。匂いは普通のバーベキューソースが、ちょっとスパイシーになったような感じ? 小指でちょっとだけ味を見る。うん? うん。確かにちょっと辛めかな? でも美味しいかも。
「わ、辛い。食べれなくはないけど、普通のヤツの方が好きだな俺は」
「……確かに、辛い……けど、美味しい……」
「うん、美味し~んだけど、あ、後から来る。朝霞クンはやめといた方がいいね~」
「そうか、結構辛いか」
「なっちは大丈夫?」
「議長サンは辛いの好きだし、美味し~んじゃないの?」
「うん、まあ、美味しいんだけど、辛さをあんまり感じない。あ、いや、バーベキューソースとしては美味しいんだ」
「えっ!? これを感じないの!? 辛いよ!?」
「議長サン、いくら辛いのが得意でもさすがにある程度は辛いデショ?」
「旨味は感じてるぞ」
「そんだけ旨味があるならちょっと俺も食べてみようかな」
「えっ朝霞クン、美味しいけど、本当に辛いよ?」
朝霞クンは辛いのがあんまり得意じゃない。だけど、あんまりみんなが辛いけど美味しいって言うから興味が湧いちゃったみたい。それで、お肉に思いっ切りソースをつけて口の中に入れるじゃない。次の瞬間のリアクションがさあ。
「っ~!? かっら! スーッ、スーッ」
「朝霞クン大丈夫!? だから言ったのに~! はいお水」
「マジで無理なんだが!? サンキュ。つか何だこれ!? え、つかなっちこれを感じないとか大丈夫か!?」
水を飲んでもまだスースー言って辛さが尾を引いてるような感じ。多分朝霞クンとか大石クンの反応が辛さに弱いとか普通の人の反応なんだと思う。俺と福井サンは辛いのも好きって人の反応なんだろうけど、問題は議長サンだよ。この辛さを感じないって。
「肉だけじゃなくてこれでイカを食べても美味しいだろうなあ。あ、美味しい。このソースどこに売ってるんだろう」
「……なっち、よっぽど気に入ったなら兄さんに聞いたらいいと思うよ」
「じゃあ後から聞いてみよう」
「でも、こういうちょっと変わったソースとか、外国以外にもご当地ソースとか醤油とかあったりするのかな」
「あるよ~。牡蠣醤油とか~、すだち醤油とか~、醤油だけでもいろいろ~」
「醤油だったら緑風にもあるぞ。普通の濃い色をした醤油ってよりかは、みりんみたいな薄い色で、淡口醤油なのかな。切ったキュウリとかをちょっと漬けるだけでも美味しい。玉子焼きとかおひたしに使ってもいいみたいだぞ。この辺じゃ見ないから、本当に緑風のローカルな醤油なんだろうなあ」
「へ~、なんていうの~?」
「名前は忘れた。物はイメージ出来てるんだけど」
これっくらいの大きさで、こういう色で、と議長サンの頭の中にはしっかりとしたイメージがあるみたいなんだけど、肝心の名前が出て来ないから調べようにも調べられない。だけど本当に美味しいっていうその調味料が気になって気になって仕方ない。
「議長サン、実家に行く予定は?」
「来週には帰るけど、どうした?」
「良かったら送ってくれない? それがどんな料理に使えるかとか、興味あるし」
「何でうちがお前に」
「あ~あ、俺が料理を練習したら、こないだのよりも~っと美味しい玉子焼きが食べさせてあげられるんだけどな~」
「美味い玉子焼き!? なっち、俺からも頼む。と言うか、俺にも送ってくれ。キュウリを切って漬けるだけで美味いとかめちゃ助かる」
「まあ、いいけど」
議長サンのある意味崩壊してる味覚でも美味しくて使えるっていう調味料だし、気になるよね~。あと、玉子焼きでもう1人釣れた。
「大石、このバーベキューソースで焼きそばを焼いたらすごく美味しくなると思うんだ」
「えっと、そしたら普通の焼きそばの他にコーナーを作ろっかー」
end.
++++
激辛バーベキューソースを使ってる学生組を見たかったというだけのヤツで……海に入ってる話とかは来年以降かしら
で、このメンツだと辛さに弱い朝霞Pと強い菜月さんの対比をやりたかった。ちーちゃんの辛さ耐性は今決まった。普通の人くらいの感じ。
料理の研究に余念がないやまよとカンタンにおかずを一品作りたい朝霞Pがお醤油に飛びついたぞ。菜月さん送ってあげてー
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