2020(02)
■不仲のポーズでぱぱぱやー
++++
「あっ、大石クン。星大さんてテスト期間だったよね~? 出て来てくれてありがと~」
「ううん、さすがにもうテストもあんまりないもん、大丈夫だよ」
「議長サンも~、大石クンとの間を中継してもらって~」
「うちは普通にテストある日なんだけどな」
「いくら公立でも文系の4年でフツーにテストあるって~、それはさすがに議長サンのこれまでの行いデショ~?」
「捻り潰されたいようだな」
「ちょ~っとぉ! 冗談じゃな~い! ステイステイ」
こないだの朝霞クンの惚気を大石クンにリークしようと思ったものの、大石クンの連絡先を知らないということに気付いて少し。連絡先を知ってそうな子……この場合、議長サンがいいかなと思って中継してもらった結果、3人でお茶することになったよね。変な組み合わせ。
議長サンと大石クンって結構仲良いみたくて、個人的に会ったり遊んだりしてるんだって。何か変な感じ。ただ、この2人が顔を合わせてたのもあずさチャン関係だって聞いてちょっと納得。去年向島さん……と言うか三井クン関係でいろいろあったねそう言えば。
「そう言えば、2人とも週末は来てくれるんだよね?」
「あ、バーベキューでしょ~? お店の慰労会に俺がいてもいいのかな~って思ったけど」
「うんうん」
「賑やかにやりたいっていうのが兄さんの希望だから、むしろ来てもらいたいよ」
「それじゃあお呼ばれしま~す。でも、議長サンが夏の海に来るって聞いてビックリしたよ俺。議長サン夏の日中嫌いジャない」
「まあな。でも、せっかく美奈が誘ってくれたし、行こうかなと」
「ふ~ん。やっぱ議長サン福井サンと仲良いんだね~」
「なっちと美奈は親友同士だもん。仲はいいよ」
「俺と朝霞クンも負けてないけどね~」
「あはは、そうだよね」
「ちょっと前は朝霞に依存して自分の存在意義を保ってたヤンデレだったのに、何がどうなってこうなったのやら」
「議長サン? 相変わらず言っていいコトと悪いコトの区別がつかない悪いお口だね~」
ホンット! 議長サンって相変わらず議長サンなんだよね! お口が過ぎるって言うか~。自分は傷ひとつ付いたらしばらく再起不能になる豆腐メンタルなのに、人に対してはこうだから。さすがにボロクソに言うにしてもある程度人は見てるんだろうけど。
「そう言えば、なっちとアニって仲良くないって聞いてたけど、今はもう昔ほどじゃないんでしょ?」
「対策委員だった当時はも~う、合わない合わない」
「ふざけ倒した態度だし顔も見たくなかった」
「言ってくれるジャない」
「大体、お前が最初に突っかかって来たんじゃないか」
「いいジャないもうその件は~。いつまでも根に持つよね~、もう2年以上前!」
対策委員当時のことは活動の中で和解して現在に至ってるけど、今でも顔を合わせればお互い悪態や毒舌のひとつは吐き合うから、俺たちの関係はこういう感じなんだと思う。ただ、議長サンは俺の誕生会に来てくれたし、他にもプライベートで一緒にタルト食べたりしてたからね。
仲良しこよしでもないけど、顔も見たくないっていうほどでもないって感じ? 付かず離れず。だけど、こういう距離感の人が1人くらいはいた方がいいと思うんだ。あんまり近過ぎると見えなくなる、言えなくなることもあるだろうし。
「まあ、圭斗と石川に比べたら、うちらはビジネス不仲みたいな、そういう」
「あ、言い得て妙~。ビジネス不仲~」
「はは……圭斗と石川はね……あの2人は本当に仲が悪いよね……」
「石川クンの、松岡クンに対する毒が本当に容赦なかったデショデショ~」
「圭斗も圭斗で石川に対してボロクソ言ってたから、やっぱ合わないんだろうな」
「俺と議長サンは根暗同士、どっかで通じるところがあるんだけどね~」
「事実でもお前に根暗って言われたら腹立つな」
「本当の事なんだから~、認めなきゃ~」
俺たちが互いにボロクソに言い合ってるだけの掛け合いを見て、大石クンがいいなあって笑ってる。大石クンは本人の性格もそうだけど、無遠慮に何でも言うってことが出来ないみたくて。春の大喧嘩を経て朝霞クン相手にはちょっと出来るようになったみたいだけどね。
「そう言えばアニ、確か本題があるんだっけ?」
「あっそうそう! あずさチャンの幼馴染みの大石クンにだからこそこっそり話したい朝霞クンの秘密~? 言ったのバレたら殺されるだろうけどネ~」
「朝霞の秘密かあ。秘密も何もないように見えるけど」
「こないだ朝霞クンの誕生日だったジャない? 朝霞クンと飲んでたの、お祝いの体で」
「あっそうなんだ」
「例によって酔ってぐだぐだになるんだけど、酔ったら、普段言わないことが暴かれるよね~」
「え、何だろう」
「何だかんだで朝霞クンはあずさチャンのコト、ちゃんと好きだよ」
「はー……そうなんだ、よかった。ほら、付き合ってるのに全然変わんないからさ」
「ご存知の通り、ああいう人だから全然伝わんないだけで。こないだすっごい惚気てた。……まあ、朝霞クン比でだけど」
「朝霞の惚気…!? うわ、鳥肌立っちゃった」
「山口、もっと詳しく」
「さすが、向島さんでしょ~。議長サンも恋バナ大好き~」
「まあ、美奈の親友だしね。……朝霞、当日は尋問で大変だろうなあ」
朝霞クンの話は夜のバーで話すようなしっとりした話じゃなくて、本当にささやかなんだけどね。それでも議長サンはキャーキャー言ってるし、大石クンはよかったねよかったねって。……ある意味で、レベルはちょうどなんだなあ。
「あっそうだ大石クン! 浮き輪とか、要る物はこっちで持って来た方がいいよね?」
「パラソルとか浮き輪は心配しないで。うちにあるから」
「あ、良かった~」
「山口、泳げないのか。意外だな」
「俺は泳げますぅ~。泳げないのは朝霞クンですぅ~」
「あー……うん、確かに。イメージ通りだ」
「議長サン、そこで納得しないであげて」
end.
++++
何だか変わった組み合わせだけど、それも夏の海(の計画)がさせることということで……ご愛嬌。
ナツよの不仲っぷりは知ってる人は知ってる感じのヤツですが、最近ではそこまでギスギスしてない感じですね。なんなら敢えて悪態を吐きあってる感じ。
しかし菜月さんから見ても洋平ちゃんは泳げそうで朝霞Pが泳げなさそうっていうイメージなのね。まあそうなるやろな
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「あっ、大石クン。星大さんてテスト期間だったよね~? 出て来てくれてありがと~」
「ううん、さすがにもうテストもあんまりないもん、大丈夫だよ」
「議長サンも~、大石クンとの間を中継してもらって~」
「うちは普通にテストある日なんだけどな」
「いくら公立でも文系の4年でフツーにテストあるって~、それはさすがに議長サンのこれまでの行いデショ~?」
「捻り潰されたいようだな」
「ちょ~っとぉ! 冗談じゃな~い! ステイステイ」
こないだの朝霞クンの惚気を大石クンにリークしようと思ったものの、大石クンの連絡先を知らないということに気付いて少し。連絡先を知ってそうな子……この場合、議長サンがいいかなと思って中継してもらった結果、3人でお茶することになったよね。変な組み合わせ。
議長サンと大石クンって結構仲良いみたくて、個人的に会ったり遊んだりしてるんだって。何か変な感じ。ただ、この2人が顔を合わせてたのもあずさチャン関係だって聞いてちょっと納得。去年向島さん……と言うか三井クン関係でいろいろあったねそう言えば。
「そう言えば、2人とも週末は来てくれるんだよね?」
「あ、バーベキューでしょ~? お店の慰労会に俺がいてもいいのかな~って思ったけど」
「うんうん」
「賑やかにやりたいっていうのが兄さんの希望だから、むしろ来てもらいたいよ」
「それじゃあお呼ばれしま~す。でも、議長サンが夏の海に来るって聞いてビックリしたよ俺。議長サン夏の日中嫌いジャない」
「まあな。でも、せっかく美奈が誘ってくれたし、行こうかなと」
「ふ~ん。やっぱ議長サン福井サンと仲良いんだね~」
「なっちと美奈は親友同士だもん。仲はいいよ」
「俺と朝霞クンも負けてないけどね~」
「あはは、そうだよね」
「ちょっと前は朝霞に依存して自分の存在意義を保ってたヤンデレだったのに、何がどうなってこうなったのやら」
「議長サン? 相変わらず言っていいコトと悪いコトの区別がつかない悪いお口だね~」
ホンット! 議長サンって相変わらず議長サンなんだよね! お口が過ぎるって言うか~。自分は傷ひとつ付いたらしばらく再起不能になる豆腐メンタルなのに、人に対してはこうだから。さすがにボロクソに言うにしてもある程度人は見てるんだろうけど。
「そう言えば、なっちとアニって仲良くないって聞いてたけど、今はもう昔ほどじゃないんでしょ?」
「対策委員だった当時はも~う、合わない合わない」
「ふざけ倒した態度だし顔も見たくなかった」
「言ってくれるジャない」
「大体、お前が最初に突っかかって来たんじゃないか」
「いいジャないもうその件は~。いつまでも根に持つよね~、もう2年以上前!」
対策委員当時のことは活動の中で和解して現在に至ってるけど、今でも顔を合わせればお互い悪態や毒舌のひとつは吐き合うから、俺たちの関係はこういう感じなんだと思う。ただ、議長サンは俺の誕生会に来てくれたし、他にもプライベートで一緒にタルト食べたりしてたからね。
仲良しこよしでもないけど、顔も見たくないっていうほどでもないって感じ? 付かず離れず。だけど、こういう距離感の人が1人くらいはいた方がいいと思うんだ。あんまり近過ぎると見えなくなる、言えなくなることもあるだろうし。
「まあ、圭斗と石川に比べたら、うちらはビジネス不仲みたいな、そういう」
「あ、言い得て妙~。ビジネス不仲~」
「はは……圭斗と石川はね……あの2人は本当に仲が悪いよね……」
「石川クンの、松岡クンに対する毒が本当に容赦なかったデショデショ~」
「圭斗も圭斗で石川に対してボロクソ言ってたから、やっぱ合わないんだろうな」
「俺と議長サンは根暗同士、どっかで通じるところがあるんだけどね~」
「事実でもお前に根暗って言われたら腹立つな」
「本当の事なんだから~、認めなきゃ~」
俺たちが互いにボロクソに言い合ってるだけの掛け合いを見て、大石クンがいいなあって笑ってる。大石クンは本人の性格もそうだけど、無遠慮に何でも言うってことが出来ないみたくて。春の大喧嘩を経て朝霞クン相手にはちょっと出来るようになったみたいだけどね。
「そう言えばアニ、確か本題があるんだっけ?」
「あっそうそう! あずさチャンの幼馴染みの大石クンにだからこそこっそり話したい朝霞クンの秘密~? 言ったのバレたら殺されるだろうけどネ~」
「朝霞の秘密かあ。秘密も何もないように見えるけど」
「こないだ朝霞クンの誕生日だったジャない? 朝霞クンと飲んでたの、お祝いの体で」
「あっそうなんだ」
「例によって酔ってぐだぐだになるんだけど、酔ったら、普段言わないことが暴かれるよね~」
「え、何だろう」
「何だかんだで朝霞クンはあずさチャンのコト、ちゃんと好きだよ」
「はー……そうなんだ、よかった。ほら、付き合ってるのに全然変わんないからさ」
「ご存知の通り、ああいう人だから全然伝わんないだけで。こないだすっごい惚気てた。……まあ、朝霞クン比でだけど」
「朝霞の惚気…!? うわ、鳥肌立っちゃった」
「山口、もっと詳しく」
「さすが、向島さんでしょ~。議長サンも恋バナ大好き~」
「まあ、美奈の親友だしね。……朝霞、当日は尋問で大変だろうなあ」
朝霞クンの話は夜のバーで話すようなしっとりした話じゃなくて、本当にささやかなんだけどね。それでも議長サンはキャーキャー言ってるし、大石クンはよかったねよかったねって。……ある意味で、レベルはちょうどなんだなあ。
「あっそうだ大石クン! 浮き輪とか、要る物はこっちで持って来た方がいいよね?」
「パラソルとか浮き輪は心配しないで。うちにあるから」
「あ、良かった~」
「山口、泳げないのか。意外だな」
「俺は泳げますぅ~。泳げないのは朝霞クンですぅ~」
「あー……うん、確かに。イメージ通りだ」
「議長サン、そこで納得しないであげて」
end.
++++
何だか変わった組み合わせだけど、それも夏の海(の計画)がさせることということで……ご愛嬌。
ナツよの不仲っぷりは知ってる人は知ってる感じのヤツですが、最近ではそこまでギスギスしてない感じですね。なんなら敢えて悪態を吐きあってる感じ。
しかし菜月さんから見ても洋平ちゃんは泳げそうで朝霞Pが泳げなさそうっていうイメージなのね。まあそうなるやろな
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