2020(02)
■エコバッグ周りの事情と陰謀
＋＋＋＋
「おはようございます」
「おはよーございまーす」
「果林先輩相変わらず大きな荷物ですねー」
「当然ですよねー。食べなきゃ保たないんだもん」
果林先輩と高木先輩が一緒にサークル室にやってきた。目を引くのはやっぱり果林先輩が提げている大きな袋。最近レジ袋が有料化したことで、緑ヶ丘大学の中に入っている店にもその影響が出ていた。
緑大の学内にはいろいろな店があるけど、緑大がやっている購買ではレジ袋の有料化した。スポーツ用品店、本屋でもレジ袋が紙袋になったりと結構な変化がある。緑大の運営じゃないコンビニやカフェは世間一般と同じだ。
「アタシくらい買い物の機会が増えるとちり積もで大きくなるんだよね」
「わかります」
「タカちゃんはこれからもエコバッグ買わない宣言してたけどね」
「何でですか？ 高木先輩は一人暮らしだし、買い物の機会も多そうですけど」
「って言うか、めんどくさくない？」
「わからないでもないです」
「レジ袋の有料化はどこかの業界団体の陰謀だと思ってるから。あと、うちの買い物ってエイジと半々くらいだから俺個人で買い物に行くのってそこまで多くない」
高木先輩ってやっぱり放送に関係しない話の時はどこかふわっとしてるよなあと思う。エージ先輩が高木先輩の部屋に入り浸ってるから買い物も一緒に行くというのはわからないでもないけど、水回りのことがよくわからないっていうのは。
ただ、エコバッグを持ち歩くのが面倒だとか、陰謀論だというのはわからないでもないなあと思う。荷物が増えるし。海洋環境の保全がどうとか言うけど、実際生き物に影響が多いのはレジ袋じゃなくて縄っぽい物らしいし。これはまたソースを要確認。
「ササはレジ袋どうしてる？」
「本屋では紙袋になっちゃってますし、コンビニの３円くらいだったらぶっちゃけ買ってます」
「だよね」
「エージ先輩はエコバッグを採用してるんですか？」
「ああー……エイジはね。なかなか難しくて悩んでるみたい」
「どう悩むんですか？ 買い物するんなら持っててもいいと思いますけど」
「エコバッグ自体の衛生を気にするからさ。どれくらいの頻度で洗うのか、洗濯機で洗える素材の物にするのか、それとも拭き取りか。洗い替えは要るのか。持ち歩くときの環境によっては食品なんかを入れるに耐えないことにならないか、的な。だったら衛生的なレジ袋をその都度買って、その袋を生ゴミ入れとかにして再利用したいっていう考えもあるみたい」
エージ先輩はちょっと神経質なところがあるとはMBCCでは周知の事実。Ｌ先輩は普通より強めの綺麗好きだけど、エージ先輩は衛生状態にとにかくうるさいという印象がある。エコバッグ問題にしても血が騒いでいるようだ。
よっぽど信用出来る人以外の手料理NGというのも俺からすれば気にしいかなと。他人の握ったおにぎりが食べられないという人の話も聞いたことはあるけど、きっとその類なのかもしれない。でも、伊東さんの料理は食べてるから、やっぱり人なのかな。
「エージ先輩みたいな人には３円で安心を買うっていう感覚なんですかね」
「そうかもね。ほら、エイジはレトルトの食品とかも好きでしょ。徹底的に衛生状態がキープされたところで作ってる食品だから安全って言って。普通に並んでるお総菜も嫌いではないんだけど。俺なんか全然気にしないんだけどね。３秒ルールだって普通に適用するし」
「ああ、食べ物を床に落としても３秒以内ならセーフっていう、あれですか」
「エイジは即アウトだもん。ササは？」
「物によります。クッキーとか、乾燥してる物ならフッてやって食べると思います。果林先輩は」
「アタシはそもそも食べ物を落とさない」
「ですよねー」
エコバッグの話をしていたはずが、エージ先輩の衛生についての話になっていたけど季節柄セーフだと思おう。まだまだ食中毒も多いし、気をつけるに越したことはない。手洗いとか、加熱消毒とかは大事。
「でもさ、エージってあれだけ衛生にウルサいのにタカちゃんの部屋に入り浸ってるのはちょっと矛盾すると思うんだよ。アタシが行くときはそれなりに片付けてくれてるみたいだけど、エージってもうお客さんじゃないでしょ？」
「そうですね。散らかった部屋にエイジが怒って片付け始めるまでがテンプレートですかね。だから潔癖じゃなくて神経質って俺は言ってます。潔癖の人だったらまず俺の部屋の水回りを自分で綺麗にしようとは思いません」
「いやいやいや……タカちゃん、それもどうかと思うんだよお姉さんは。コーヒー関係の物の場所しか把握してないって聞いたことあるよ」
「そうですね。こないだは塩の場所を知らなくて怒られました。砂糖の場所なら知ってるんですけどね」
「ササー、タカちゃんのこういうところは見習っちゃダメだよー」
「大丈夫です」
「大丈夫ですって。ちょっと傷つくなあ」
「あ、えっと、高木先輩の見習うべきところはサークル面ではたくさんありますし、そっちの方でご指導お願いします」
「上手くかわしたな。さすがササ」
生活と密接する物だからこそ、レジ袋やエコバッグからはその人の価値観が滲み出てくるのかもしれない。という風に自分の中ではまとめることにした。でも、他の人はどうしてるんだろう。ちょっと気になってきたな。
end.
＋＋＋＋
MBCCレジ袋問答。元々エコバッグ導入してたハナちゃんの件が入らなかった！ これもエイジの所為だ。２年生のタカエイは仲良しだから。
ササは自宅生なのでスーパーでの買い物は控えめ。コンビニや本屋くらいなのでその都度買っちゃう。他の１年生はどうだろう。
TKGの残念な生活がどんどん残念になってるような気もするけど、他のMBCCメンバーもエイジがなんとかしてくれるやろ的感覚になってるやろなあ
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「おはようございます」
「おはよーございまーす」
「果林先輩相変わらず大きな荷物ですねー」
「当然ですよねー。食べなきゃ保たないんだもん」
果林先輩と高木先輩が一緒にサークル室にやってきた。目を引くのはやっぱり果林先輩が提げている大きな袋。最近レジ袋が有料化したことで、緑ヶ丘大学の中に入っている店にもその影響が出ていた。
緑大の学内にはいろいろな店があるけど、緑大がやっている購買ではレジ袋の有料化した。スポーツ用品店、本屋でもレジ袋が紙袋になったりと結構な変化がある。緑大の運営じゃないコンビニやカフェは世間一般と同じだ。
「アタシくらい買い物の機会が増えるとちり積もで大きくなるんだよね」
「わかります」
「タカちゃんはこれからもエコバッグ買わない宣言してたけどね」
「何でですか？ 高木先輩は一人暮らしだし、買い物の機会も多そうですけど」
「って言うか、めんどくさくない？」
「わからないでもないです」
「レジ袋の有料化はどこかの業界団体の陰謀だと思ってるから。あと、うちの買い物ってエイジと半々くらいだから俺個人で買い物に行くのってそこまで多くない」
高木先輩ってやっぱり放送に関係しない話の時はどこかふわっとしてるよなあと思う。エージ先輩が高木先輩の部屋に入り浸ってるから買い物も一緒に行くというのはわからないでもないけど、水回りのことがよくわからないっていうのは。
ただ、エコバッグを持ち歩くのが面倒だとか、陰謀論だというのはわからないでもないなあと思う。荷物が増えるし。海洋環境の保全がどうとか言うけど、実際生き物に影響が多いのはレジ袋じゃなくて縄っぽい物らしいし。これはまたソースを要確認。
「ササはレジ袋どうしてる？」
「本屋では紙袋になっちゃってますし、コンビニの３円くらいだったらぶっちゃけ買ってます」
「だよね」
「エージ先輩はエコバッグを採用してるんですか？」
「ああー……エイジはね。なかなか難しくて悩んでるみたい」
「どう悩むんですか？ 買い物するんなら持っててもいいと思いますけど」
「エコバッグ自体の衛生を気にするからさ。どれくらいの頻度で洗うのか、洗濯機で洗える素材の物にするのか、それとも拭き取りか。洗い替えは要るのか。持ち歩くときの環境によっては食品なんかを入れるに耐えないことにならないか、的な。だったら衛生的なレジ袋をその都度買って、その袋を生ゴミ入れとかにして再利用したいっていう考えもあるみたい」
エージ先輩はちょっと神経質なところがあるとはMBCCでは周知の事実。Ｌ先輩は普通より強めの綺麗好きだけど、エージ先輩は衛生状態にとにかくうるさいという印象がある。エコバッグ問題にしても血が騒いでいるようだ。
よっぽど信用出来る人以外の手料理NGというのも俺からすれば気にしいかなと。他人の握ったおにぎりが食べられないという人の話も聞いたことはあるけど、きっとその類なのかもしれない。でも、伊東さんの料理は食べてるから、やっぱり人なのかな。
「エージ先輩みたいな人には３円で安心を買うっていう感覚なんですかね」
「そうかもね。ほら、エイジはレトルトの食品とかも好きでしょ。徹底的に衛生状態がキープされたところで作ってる食品だから安全って言って。普通に並んでるお総菜も嫌いではないんだけど。俺なんか全然気にしないんだけどね。３秒ルールだって普通に適用するし」
「ああ、食べ物を床に落としても３秒以内ならセーフっていう、あれですか」
「エイジは即アウトだもん。ササは？」
「物によります。クッキーとか、乾燥してる物ならフッてやって食べると思います。果林先輩は」
「アタシはそもそも食べ物を落とさない」
「ですよねー」
エコバッグの話をしていたはずが、エージ先輩の衛生についての話になっていたけど季節柄セーフだと思おう。まだまだ食中毒も多いし、気をつけるに越したことはない。手洗いとか、加熱消毒とかは大事。
「でもさ、エージってあれだけ衛生にウルサいのにタカちゃんの部屋に入り浸ってるのはちょっと矛盾すると思うんだよ。アタシが行くときはそれなりに片付けてくれてるみたいだけど、エージってもうお客さんじゃないでしょ？」
「そうですね。散らかった部屋にエイジが怒って片付け始めるまでがテンプレートですかね。だから潔癖じゃなくて神経質って俺は言ってます。潔癖の人だったらまず俺の部屋の水回りを自分で綺麗にしようとは思いません」
「いやいやいや……タカちゃん、それもどうかと思うんだよお姉さんは。コーヒー関係の物の場所しか把握してないって聞いたことあるよ」
「そうですね。こないだは塩の場所を知らなくて怒られました。砂糖の場所なら知ってるんですけどね」
「ササー、タカちゃんのこういうところは見習っちゃダメだよー」
「大丈夫です」
「大丈夫ですって。ちょっと傷つくなあ」
「あ、えっと、高木先輩の見習うべきところはサークル面ではたくさんありますし、そっちの方でご指導お願いします」
「上手くかわしたな。さすがササ」
生活と密接する物だからこそ、レジ袋やエコバッグからはその人の価値観が滲み出てくるのかもしれない。という風に自分の中ではまとめることにした。でも、他の人はどうしてるんだろう。ちょっと気になってきたな。
end.
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MBCCレジ袋問答。元々エコバッグ導入してたハナちゃんの件が入らなかった！ これもエイジの所為だ。２年生のタカエイは仲良しだから。
ササは自宅生なのでスーパーでの買い物は控えめ。コンビニや本屋くらいなのでその都度買っちゃう。他の１年生はどうだろう。
TKGの残念な生活がどんどん残念になってるような気もするけど、他のMBCCメンバーもエイジがなんとかしてくれるやろ的感覚になってるやろなあ
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