2020(02)
■夏の出会いのレポート
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すがやんと一緒に第1学食の2階のスペースに陣取って、お喋りの時間。このスペースのことは高崎先輩から教えてもらったんだけど、第2学食のカフェテリアよりは人が少ないし机も木製で大きいから居心地が良くてお気に入り。
「くるみー、もうちょいしたらサキも来るってー」
「やったあ! いろんな話聞きたいなー」
「でも最近だったら夏合宿関係の話になって来るのかな。顔合わせとか打ち合わせとか」
「すがやんももう顔合わせした?」
「ウチの班はさ、班長がすげー独創的なセンスしてる人なんだわ」
あたしはロールケーキを、すがやんはたこ焼きを摘まみながら、サキを待ちつつ自分たちの近況について話す。インターフェイスの夏合宿では、他校の人と班を組んで番組を作る。その顔合わせが続々と行われてるみたくて。あたしの班もちょっと前に済んでて。
「独創的って?」
「すげー作ったアニメ声をしてんだって。歌って踊れるアイドル声優を目指してるとかで」
「すごいね! それじゃあアナウンサーさん?」
「だな。班をまとめてんのは実質的に副班長の先輩なんだけど、その人が持ってるカメラがすげーガチなの。映像作品作ってるとかでさ」
「だったら青敬さんかな?」
「そうそう! 青敬って言ってた! いつ撮影チャンスが来るかわかんないからって。常に作品制作のことを考えててすげーなーって」
「あたしの班にも青敬の子がいるよ。作ってる作品は今度見せてもらうんだー」
奈々先輩は明るくて優しくて、マリン先輩は厳しいけど頼れて、1年生のみんなもそれなりに打ち解けて話してたのかな。他の班のみんながどういう感じなのかはわかんないから自分の基準だけど。ちとせちゃんがホントに可愛くって! あと、北星がMBCCにいないタイプの子でいろんな意味で凄いなって。
「お疲れー」
「あっ、サキ! おー、レナもいる!」
「そこでサキと会って。くるみとすがやんがいるって言うからついてきた。お邪魔します」
「おー、来い来い! あー、こうなったらササとシノも来ねーかなぁー」
「陸はバイトだし厳しいと思う。シノはわからないけど」
そう言えば、いつの間にかレナはササと付き合い始めてたんだって! おめでたいし、お似合いだよね! それはそうと、サキとレナも一緒の席に着いて、近況報告の続きを。サキとレナの班の話ってあんまり聞かないもんね。
「今どんな話題?」
「夏合宿の話。班の事とか。サキは?」
「あー、ウチの班は……ハナ先輩が大変そう」
「そう言えば一緒なんだっけ。どんな風に大変そうなの?」
「向島の女子とペアを組むことになったんだけど、何を言ってもリアクションが薄いらしくて」
「サキより?」
「うん、俺より」
「ネタのつもりで振ったのにガチなトーンで返すなよ」
「すがやん、サキは静かなだけで物事に対する反応はちゃんとしてるよ」
「わかってんよ。レナ、お前までマジレスすんな」
MBCCの1、2年生で合宿に参加するのは9人だけど、その中で一番大変そうなのはハナ先輩なんだろうなってまとまった。あたしたちは1年生だから先輩を頼れるけど、2年生の先輩は自分がしっかりしてないといけないし。
ただ、あたしたちは「緑ヶ丘だから1年生ペアで」って言われてる率がとても高い。実際あたしも星大の千颯とペアだし、レナも、サキも、すがやんもみんなペアの相手が1年生。この感じだと、多分ササとシノもそうだと思う。
「レナ、ササってどんな感じなの? 何か聞いてる?」
「陸はペア組んでる相手の子と結構仲良くなってるみたい。星ヶ丘のすごいイケメンらしいけど」
「ササは誰とでも分け隔てなく話せるもんね」
「イケメンかー、ササが言うんだからきっとすげーイケメンなんだろーなー」
「ササとすごいイケメンのペアってただただ凄くない?」
「星ヶ丘? だったらあの子かな」
「サキ、知ってるの?」
「初心者講習会でシノに無理矢理挨拶させられた。緑メッシュの髪で、すごい美形だった。確か、彩人だったかな」
「つか、シノだよ。何だよ無理矢理挨拶させるって」
「まあ、シノだし。で、講習会時点でササと結構仲良くなってたし、ペアになって良かったんじゃない」
ササとサキがすごいイケメン、すごい美形って言ってるその星ヶ丘の子に対する期待値がみんなすごく上がってるよね。でも、知らないところで期待値を勝手に上げるのは良くないよね。あたしも自分の知らないところでいろいろ言われてたらって思うと怖いもん。
「あれっ、シノって確かエージ先輩と一緒の班なんだっけ?」
「そうだね。エージ先輩が想像以上に厳しくてひーひー言ってるって陸が」
「エージ先輩と一緒だったら心強いと思うなー。そんな厳しいの!?」
「厳しいんだって」
「まあ、でもそうでしょ。高木先輩に対するいつもの感じを見てたら」
「そう言えば高木先輩ってどんな感じなのかな」
「高木先輩はごくごく普通だって。話もスムーズに進めてくれるしって」
「高木先輩ってさ、エージ先輩の話が本当なら日常生活では結構のんびりしてるんでしょ?」
「厳密にはだらしないだね」
「でも、ミキサーの時とかは覚醒するみたいな。ギャップが凄い」
その後もみんなで班の様子とか、そこで出会った面白い子について話したりしてた。いろいろ新しい出会いがあったり、番組にどう向き合うかっていう話が本当に楽しいけど、本当に大丈夫かなって緊張もする。実は、班の子とはペアになる千颯が一番話してないし。あーん、大丈夫かなー。
end.
++++
MBCC1年生たちがきゃっきゃしてるのがただただ可愛いので無駄に量産したくなります。ササシノいないけど。
ここの子らはサークル時間外にもたまにこうやって集まってるといいなあと思うの。すがくるとか特に。他の友達もたくさんいそうだけどね
夏合宿の話で言えば、どうやらハナちゃんが大変そうで……その辺の様子もまた覗き見てみたい
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すがやんと一緒に第1学食の2階のスペースに陣取って、お喋りの時間。このスペースのことは高崎先輩から教えてもらったんだけど、第2学食のカフェテリアよりは人が少ないし机も木製で大きいから居心地が良くてお気に入り。
「くるみー、もうちょいしたらサキも来るってー」
「やったあ! いろんな話聞きたいなー」
「でも最近だったら夏合宿関係の話になって来るのかな。顔合わせとか打ち合わせとか」
「すがやんももう顔合わせした?」
「ウチの班はさ、班長がすげー独創的なセンスしてる人なんだわ」
あたしはロールケーキを、すがやんはたこ焼きを摘まみながら、サキを待ちつつ自分たちの近況について話す。インターフェイスの夏合宿では、他校の人と班を組んで番組を作る。その顔合わせが続々と行われてるみたくて。あたしの班もちょっと前に済んでて。
「独創的って?」
「すげー作ったアニメ声をしてんだって。歌って踊れるアイドル声優を目指してるとかで」
「すごいね! それじゃあアナウンサーさん?」
「だな。班をまとめてんのは実質的に副班長の先輩なんだけど、その人が持ってるカメラがすげーガチなの。映像作品作ってるとかでさ」
「だったら青敬さんかな?」
「そうそう! 青敬って言ってた! いつ撮影チャンスが来るかわかんないからって。常に作品制作のことを考えててすげーなーって」
「あたしの班にも青敬の子がいるよ。作ってる作品は今度見せてもらうんだー」
奈々先輩は明るくて優しくて、マリン先輩は厳しいけど頼れて、1年生のみんなもそれなりに打ち解けて話してたのかな。他の班のみんながどういう感じなのかはわかんないから自分の基準だけど。ちとせちゃんがホントに可愛くって! あと、北星がMBCCにいないタイプの子でいろんな意味で凄いなって。
「お疲れー」
「あっ、サキ! おー、レナもいる!」
「そこでサキと会って。くるみとすがやんがいるって言うからついてきた。お邪魔します」
「おー、来い来い! あー、こうなったらササとシノも来ねーかなぁー」
「陸はバイトだし厳しいと思う。シノはわからないけど」
そう言えば、いつの間にかレナはササと付き合い始めてたんだって! おめでたいし、お似合いだよね! それはそうと、サキとレナも一緒の席に着いて、近況報告の続きを。サキとレナの班の話ってあんまり聞かないもんね。
「今どんな話題?」
「夏合宿の話。班の事とか。サキは?」
「あー、ウチの班は……ハナ先輩が大変そう」
「そう言えば一緒なんだっけ。どんな風に大変そうなの?」
「向島の女子とペアを組むことになったんだけど、何を言ってもリアクションが薄いらしくて」
「サキより?」
「うん、俺より」
「ネタのつもりで振ったのにガチなトーンで返すなよ」
「すがやん、サキは静かなだけで物事に対する反応はちゃんとしてるよ」
「わかってんよ。レナ、お前までマジレスすんな」
MBCCの1、2年生で合宿に参加するのは9人だけど、その中で一番大変そうなのはハナ先輩なんだろうなってまとまった。あたしたちは1年生だから先輩を頼れるけど、2年生の先輩は自分がしっかりしてないといけないし。
ただ、あたしたちは「緑ヶ丘だから1年生ペアで」って言われてる率がとても高い。実際あたしも星大の千颯とペアだし、レナも、サキも、すがやんもみんなペアの相手が1年生。この感じだと、多分ササとシノもそうだと思う。
「レナ、ササってどんな感じなの? 何か聞いてる?」
「陸はペア組んでる相手の子と結構仲良くなってるみたい。星ヶ丘のすごいイケメンらしいけど」
「ササは誰とでも分け隔てなく話せるもんね」
「イケメンかー、ササが言うんだからきっとすげーイケメンなんだろーなー」
「ササとすごいイケメンのペアってただただ凄くない?」
「星ヶ丘? だったらあの子かな」
「サキ、知ってるの?」
「初心者講習会でシノに無理矢理挨拶させられた。緑メッシュの髪で、すごい美形だった。確か、彩人だったかな」
「つか、シノだよ。何だよ無理矢理挨拶させるって」
「まあ、シノだし。で、講習会時点でササと結構仲良くなってたし、ペアになって良かったんじゃない」
ササとサキがすごいイケメン、すごい美形って言ってるその星ヶ丘の子に対する期待値がみんなすごく上がってるよね。でも、知らないところで期待値を勝手に上げるのは良くないよね。あたしも自分の知らないところでいろいろ言われてたらって思うと怖いもん。
「あれっ、シノって確かエージ先輩と一緒の班なんだっけ?」
「そうだね。エージ先輩が想像以上に厳しくてひーひー言ってるって陸が」
「エージ先輩と一緒だったら心強いと思うなー。そんな厳しいの!?」
「厳しいんだって」
「まあ、でもそうでしょ。高木先輩に対するいつもの感じを見てたら」
「そう言えば高木先輩ってどんな感じなのかな」
「高木先輩はごくごく普通だって。話もスムーズに進めてくれるしって」
「高木先輩ってさ、エージ先輩の話が本当なら日常生活では結構のんびりしてるんでしょ?」
「厳密にはだらしないだね」
「でも、ミキサーの時とかは覚醒するみたいな。ギャップが凄い」
その後もみんなで班の様子とか、そこで出会った面白い子について話したりしてた。いろいろ新しい出会いがあったり、番組にどう向き合うかっていう話が本当に楽しいけど、本当に大丈夫かなって緊張もする。実は、班の子とはペアになる千颯が一番話してないし。あーん、大丈夫かなー。
end.
++++
MBCC1年生たちがきゃっきゃしてるのがただただ可愛いので無駄に量産したくなります。ササシノいないけど。
ここの子らはサークル時間外にもたまにこうやって集まってるといいなあと思うの。すがくるとか特に。他の友達もたくさんいそうだけどね
夏合宿の話で言えば、どうやらハナちゃんが大変そうで……その辺の様子もまた覗き見てみたい
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