2019(04)
■ホームパーティー4人揃えば
++++
「お待たせ。これがMMPが誇る菜月カレーだよ」
「お~、おいしそ~でしょでしょ~」
「うん、確かにこれは味が凝縮されてそうだ」
「と言うか、作ったのはうちだぞ。何でお前がドヤってるんだ。はい朝霞、温玉」
「ありがとう」
「それじゃあ、いただきます」
今日は圭斗の部屋でカレーパーティーが開催されている。メンバーはうちと圭斗、それから星ヶ丘の山口と朝霞だ。実はこのメンバーでは前に山口主催で「卵焼きを食べる会」というのも開催された。その会のときに、うちのカレーは食べる価値があるなどと、圭斗がふざけたことを言って現在に至っている。
そして各々の思うカレーのおともを持ち寄った。山口はチキンカツを、朝霞は温玉を持ってきてくれた。米は前にうちが抽選会で当てたヤツがまだ残ってたから、それを拝借。こたつを4人で囲んで、机の上には水もしっかり用意されている。やっぱりカレーには冷水だろう。
「ん。うん、議長サンの好みだからやっぱちょっと辛めなんだけど、甘みとか旨み? うん、おいしいでしょ~。あっ、朝霞クン熱いの大丈夫?」
「温玉でちょっと冷えるから大丈夫だ。じゃ、俺も一口」
「議長サンこれど~やったらこんな味になるの~? あと、これドロドロを越えてペーストみたくなってるのって、水を少なめにしてるとか?」
「作り方としては、タマネギとニンジンが微塵切り、ジャガイモも半分くらいはニンジンと同じくらいの小ささにする。残り半分は小さめカット。うちが味のしみないジャガイモ好きじゃないから。で、タマネギを飴色にして、ニンジンとジャガイモはレンチン。挽き肉も全部バターで炒めて箱に書いてあるよりほんの少し少なめの水を入れる」
「ふむふむ」
「あとはヨーグルトとかチョコとか本だしなどなどを適当にぶち込んで、最後に醤油をちょっと入れればこうなるぞ」
「菜月さんは簡単に言うけど、ならない」
「「などなどを適当に」っていうのが多分ミソだね~。野菜が細かい分甘くなりやすいのかな。ルーは辛口だよね~?」
「ああ。辛口だ」
山口は自分で料理をするらしく、うちのカレーの作り方を聞いて何がどうしてこうなっているのかを探っているようだった。うちは特に何も考えずにこう作ってるけど、一応作る度に前の味を再現出来てるからこれはこれでうちのカレーとして確立してるんだとは思う。ただ、温め直す度に水を差すから量が減らないっていう。
「ん。なっち、美味いぞ。卵と合わせるとまろやかになる」
「そうだろ」
ちなみに、朝霞が持ってきてくれた温玉は、先週末のバイト後に塩見さんに連れて行ってもらった卵農園直営のレストランで買えるものだ。あの極上のオムライスに乗っていた卵と同じ卵が温泉卵になってるんだからマズいわけがない。と言うか、そんな物を分けてもらって朝霞には感謝しかない。
「山口君のチキンカツも美味しいね」
「これね~、下処理からして揚げたよね~」
「ん、まさか山口君が揚げたのかい?」
「やるやる~。まあ、バイトの延長みたいな感じだしね~」
「へえ、凄いな。僕も料理はするけど、揚げ物はなかなかやらないからね」
「一人暮らしだとやらないのもわかるよ~。台所も汚れるし、1人なのにわざわざ揚げようとは思わないでしょ~」
「そうなんだよ。ところでチキンカツにはうるさい菜月さん、どうかな?」
「大変うまーです」
「よかった~。議長サン、チキンカツが好きなの?」
「MMPでサークル後にたまに行く店で、菜月さんはチキンカツ鍋をよく食べているんだよ」
「へ~、煮込むんだね~。それも美味しそ~」
如何せんうちのカレーがドロドロ系だから、カツに絡むんだ。なんならカツをカレーにディップするような感覚で食べてる。カツの衣の感じが油っぽ過ぎず、ザクザクで美味しいんだ。肉も丁寧に処理がしてあるのかとにかく食べやすいし柔らかい。これは煮込んでも美味しいだろうなあ。
「あ、そうだ。せっかく豊葦まで来てるのにカレーだけ食べて帰るのも難かなと思って、せっかく4人いるしボードゲーム持ってきてるんだけど、ちょっと遊ばないか?」
「うわ~、そこで出てくるのがボードゲームな辺り、さすが朝霞クンでしょ~」
「ボードゲームって、人生ゲームみたいなあれか?」
「人生ゲームは普段ボードゲームをやらない人でも知ってる代表格だな」
「この件、俺もやった~」
「朝霞君、タイトルは?」
「えっと、まずはベタにカタンと」
「ん、いいね。カタンをやろうか」
「圭斗、お前さては経験者か」
「少しかじった程度だよ」
「カタン?」
「俺も知らないよね~」
「大丈夫だ、ちゃんと説明するし」
やっぱり、集まる顔が変わればやることも変わってくるようだ。MMPの集まりではボードゲームをやろうなんて流れにはまずならないと思う。MMPの場合はトランプとかUNOといったカードゲームか、精々麻雀になるのかな。うちはちょっと教えてもらったくらいで全然出来ないけど。
カレーを食べながら、いろいろなことを話した。山口が幹事で開催されるIF3年会のことや、三井がこれでもかとやらかしまくったこと。星ヶ丘の面々はあずさちゃんの件もあったし、あれからうちがどれだけ苦労しまくったのかという愚痴を聞いてもらった。「アイツはどこにでも湧いてくるな」というのは話を聞いた人間が抱く共通の感想。
「ねえ松岡クン」
「ん、どうしたんだい」
「遊ぶ前にシメのチーズリゾットやりたくな~い~? それか焼きカレー。議長サンのカレーとは相性がいいと思うんだ~」
「相性はいいだろうけど、カレーライスの後にリゾットをやるのかい? 僕はすでに結構お腹いっぱいだよ」
「そっか~、1杯しか食べてないしイケると思ったんだけど~」
「圭斗お前、相変わらず食わないな」
「そうだそうだー。そんなだから骨と皮だけなんだー」
「ん、菜月さんが大石君の何がいいのかを語り始めるのかな?」
「朝霞クンと議長サン、リゾット作ったら食べる~?」
「食べるぞ」
「うちも食べる」
「じゃ、ちょっと台所お借りしま~す。でも、議長サンのカレーと本当に相性良さそうなのはコロッケでしょ~」
「あ、いいな。なっちカレーのコロッケとか絶対美味いヤツじゃんか」
「伊東クンの部屋でのホームパーティーならワンチャンあるかも~」
end.
++++
菜圭洋朝のカレーパーティーの話は前にもあったんですが、あの時は準備段階で終わったんですね
やまよの提案よ。カレーライスの後にチーズリゾットでシメようとするとか。でもナツP的にはアリだったんですね。まあ、普通に食べる人たちだもんね
今年のノリなら菜月カレーがいち氏宅に出張するのも全然あるし、最終的に慧梨夏がそれをうまうましてそうなので逆に見たい
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「お待たせ。これがMMPが誇る菜月カレーだよ」
「お~、おいしそ~でしょでしょ~」
「うん、確かにこれは味が凝縮されてそうだ」
「と言うか、作ったのはうちだぞ。何でお前がドヤってるんだ。はい朝霞、温玉」
「ありがとう」
「それじゃあ、いただきます」
今日は圭斗の部屋でカレーパーティーが開催されている。メンバーはうちと圭斗、それから星ヶ丘の山口と朝霞だ。実はこのメンバーでは前に山口主催で「卵焼きを食べる会」というのも開催された。その会のときに、うちのカレーは食べる価値があるなどと、圭斗がふざけたことを言って現在に至っている。
そして各々の思うカレーのおともを持ち寄った。山口はチキンカツを、朝霞は温玉を持ってきてくれた。米は前にうちが抽選会で当てたヤツがまだ残ってたから、それを拝借。こたつを4人で囲んで、机の上には水もしっかり用意されている。やっぱりカレーには冷水だろう。
「ん。うん、議長サンの好みだからやっぱちょっと辛めなんだけど、甘みとか旨み? うん、おいしいでしょ~。あっ、朝霞クン熱いの大丈夫?」
「温玉でちょっと冷えるから大丈夫だ。じゃ、俺も一口」
「議長サンこれど~やったらこんな味になるの~? あと、これドロドロを越えてペーストみたくなってるのって、水を少なめにしてるとか?」
「作り方としては、タマネギとニンジンが微塵切り、ジャガイモも半分くらいはニンジンと同じくらいの小ささにする。残り半分は小さめカット。うちが味のしみないジャガイモ好きじゃないから。で、タマネギを飴色にして、ニンジンとジャガイモはレンチン。挽き肉も全部バターで炒めて箱に書いてあるよりほんの少し少なめの水を入れる」
「ふむふむ」
「あとはヨーグルトとかチョコとか本だしなどなどを適当にぶち込んで、最後に醤油をちょっと入れればこうなるぞ」
「菜月さんは簡単に言うけど、ならない」
「「などなどを適当に」っていうのが多分ミソだね~。野菜が細かい分甘くなりやすいのかな。ルーは辛口だよね~?」
「ああ。辛口だ」
山口は自分で料理をするらしく、うちのカレーの作り方を聞いて何がどうしてこうなっているのかを探っているようだった。うちは特に何も考えずにこう作ってるけど、一応作る度に前の味を再現出来てるからこれはこれでうちのカレーとして確立してるんだとは思う。ただ、温め直す度に水を差すから量が減らないっていう。
「ん。なっち、美味いぞ。卵と合わせるとまろやかになる」
「そうだろ」
ちなみに、朝霞が持ってきてくれた温玉は、先週末のバイト後に塩見さんに連れて行ってもらった卵農園直営のレストランで買えるものだ。あの極上のオムライスに乗っていた卵と同じ卵が温泉卵になってるんだからマズいわけがない。と言うか、そんな物を分けてもらって朝霞には感謝しかない。
「山口君のチキンカツも美味しいね」
「これね~、下処理からして揚げたよね~」
「ん、まさか山口君が揚げたのかい?」
「やるやる~。まあ、バイトの延長みたいな感じだしね~」
「へえ、凄いな。僕も料理はするけど、揚げ物はなかなかやらないからね」
「一人暮らしだとやらないのもわかるよ~。台所も汚れるし、1人なのにわざわざ揚げようとは思わないでしょ~」
「そうなんだよ。ところでチキンカツにはうるさい菜月さん、どうかな?」
「大変うまーです」
「よかった~。議長サン、チキンカツが好きなの?」
「MMPでサークル後にたまに行く店で、菜月さんはチキンカツ鍋をよく食べているんだよ」
「へ~、煮込むんだね~。それも美味しそ~」
如何せんうちのカレーがドロドロ系だから、カツに絡むんだ。なんならカツをカレーにディップするような感覚で食べてる。カツの衣の感じが油っぽ過ぎず、ザクザクで美味しいんだ。肉も丁寧に処理がしてあるのかとにかく食べやすいし柔らかい。これは煮込んでも美味しいだろうなあ。
「あ、そうだ。せっかく豊葦まで来てるのにカレーだけ食べて帰るのも難かなと思って、せっかく4人いるしボードゲーム持ってきてるんだけど、ちょっと遊ばないか?」
「うわ~、そこで出てくるのがボードゲームな辺り、さすが朝霞クンでしょ~」
「ボードゲームって、人生ゲームみたいなあれか?」
「人生ゲームは普段ボードゲームをやらない人でも知ってる代表格だな」
「この件、俺もやった~」
「朝霞君、タイトルは?」
「えっと、まずはベタにカタンと」
「ん、いいね。カタンをやろうか」
「圭斗、お前さては経験者か」
「少しかじった程度だよ」
「カタン?」
「俺も知らないよね~」
「大丈夫だ、ちゃんと説明するし」
やっぱり、集まる顔が変わればやることも変わってくるようだ。MMPの集まりではボードゲームをやろうなんて流れにはまずならないと思う。MMPの場合はトランプとかUNOといったカードゲームか、精々麻雀になるのかな。うちはちょっと教えてもらったくらいで全然出来ないけど。
カレーを食べながら、いろいろなことを話した。山口が幹事で開催されるIF3年会のことや、三井がこれでもかとやらかしまくったこと。星ヶ丘の面々はあずさちゃんの件もあったし、あれからうちがどれだけ苦労しまくったのかという愚痴を聞いてもらった。「アイツはどこにでも湧いてくるな」というのは話を聞いた人間が抱く共通の感想。
「ねえ松岡クン」
「ん、どうしたんだい」
「遊ぶ前にシメのチーズリゾットやりたくな~い~? それか焼きカレー。議長サンのカレーとは相性がいいと思うんだ~」
「相性はいいだろうけど、カレーライスの後にリゾットをやるのかい? 僕はすでに結構お腹いっぱいだよ」
「そっか~、1杯しか食べてないしイケると思ったんだけど~」
「圭斗お前、相変わらず食わないな」
「そうだそうだー。そんなだから骨と皮だけなんだー」
「ん、菜月さんが大石君の何がいいのかを語り始めるのかな?」
「朝霞クンと議長サン、リゾット作ったら食べる~?」
「食べるぞ」
「うちも食べる」
「じゃ、ちょっと台所お借りしま~す。でも、議長サンのカレーと本当に相性良さそうなのはコロッケでしょ~」
「あ、いいな。なっちカレーのコロッケとか絶対美味いヤツじゃんか」
「伊東クンの部屋でのホームパーティーならワンチャンあるかも~」
end.
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菜圭洋朝のカレーパーティーの話は前にもあったんですが、あの時は準備段階で終わったんですね
やまよの提案よ。カレーライスの後にチーズリゾットでシメようとするとか。でもナツP的にはアリだったんですね。まあ、普通に食べる人たちだもんね
今年のノリなら菜月カレーがいち氏宅に出張するのも全然あるし、最終的に慧梨夏がそれをうまうましてそうなので逆に見たい
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