2017(02)
■お見合いクリエイト
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プリントアウトした写真を入れるのにちょうどいい額縁はないかなーと思って画材屋さんにふらりと入ると、ちょうど友達の姿が。せっかくだし、声をかけてみよう。
「マリーン」
「あっ、あやめ。どうしたです?」
「額縁を見に来たんだよ。マリンは?」
「私は弟と買い物。ここには弟の用事で来てて、私は見る物もないかなって」
インターフェイスの夏合宿で一緒の班になったマリンには、親の都合で姉弟になった同い年の弟がいる。緑ヶ丘大学に通っていて、美術部なんだそうだ。確かに美術部なら画材屋には用事もありまくりだよね。
「興味が薄い店に付き添いで来るのもしんどいね」
「あやめはそんなことない? お姉さんの付き添いとかで」
「うーん。かんなとは趣味が似てるし特にそういうことはないかな。あっ、でも最近やたら化粧品売場が長くなったし、それはうーんって」
「そっか。うちの場合はまず互いを知ることからだし、こういうのに興味があるんだーっていう興味で保ってる感はあるけどなかなかね」
「なるほど」
すると、奥の方から茉莉奈と呼ぶ声がする。マリンがはーいと返事をすれば、棚の影からひょっこりと顔を出す男の子。弟だって聞いてるから男の子ってわかるけど、背丈はマリンとそんなに変わらないし小柄だなあ。
「茉莉奈、どちらの青の方が好きですか」
「こっち」
「ではこっちで作りますね」
「実苑、他校の友達。青敬だっけ?」
「うん、青敬」
「青敬の諏訪あやめ。ほら、ちょっと実苑っぽい雰囲気って言ってた子」
「こんにちは、初めまして。茉莉奈の弟の、浦和実苑です」
「諏訪あやめです」
実苑くんは今さっきマリンに選んでもらっていた青い絵の具と、その前に選んでいた物を持ってレジに並ぶ。こういうのを見ていると、美術部ってお金かかりそう。機材と足にお金をかけた私が言うなって気もするけど。
「お待たせしました。あの、あやめさんの話は茉莉奈から少し聞きました。もし良ければどのような作品を作っているのか聞かせてもらえませんか」
「はい、いいですよ」
「ここでは難なので、どこか適当なカフェに移動しましょうか」
「実苑、あやめも額縁見に来てるんだよ」
「あっ、そうですか。すみません」
「絶対今日買わなきゃいけないワケじゃないから大丈夫だよ」
すたこらさっさとカフェに移動して、手元には人数分の飲み物と、各々の武器。
「僕は主に造形をしています。動物や竜などの架空生物が得意です。今ここに現物はありませんが、作った物の写真があります」
「失礼します」
実苑くんが差し出してくれた画像を拡大したりしながら見ていく。動物の毛並みや竜の鱗や爪なんかの細かいところまでしっかり作られている。私は造形のことは全然わかんないんだけど、素人目にも凄さがよくわかる。
「それと、たまにアクセサリーなどを作っています。竜の目を模した髪留めやブローチなどですね」
「カッコ良さそう」
「はい。需要はそこそこあるようで、出した分だけ売れますね」
「実際に売ってるんですね。すごいです」
「あやめさんはどんな」
「私は主に動画や写真を制作しています。最近は肉体美と言うか人体に興味がありますが、風景なども好きです。撮ったものはこのタブレットを」
「失礼します」
後攻、諏訪あやめ。撮った物をぶち込んだタブレットを差し出す。マリンが「どこのお見合いです?」と入れたツッコミには私も実苑くんも苦笑い。気を取り直して撮った物を見てもらう。
「僕は写真が専門ではないのであまり大きなことは言えないのですが、創作意欲の掻き立てられる作品です。人間も捨てたものではありませんね」
「実苑、その発言はいろいろ問題だよ」
「この野球のスロー動画ですね。この躍動する筋肉ですよ。僕は見ての通りのもやしっ子なので憧れますし、象ってみたいですね。あやめさん、この人を紹介してもらえませんか。あわよくば習作としてフィギュア化させていただければと」
「それは先輩に少し話してみてですけど、憧れますよね筋肉」
「あと、得意な構図ばかりでなくいろいろなことに挑戦しているのがわかります。その姿勢は僕も見習っていきたいと思います」
この後も話が弾んで、実苑くんと連絡先を交換することになった。マリンは興味の薄い話に長々と付き合わされてきっと疲れただろうけど、私はすごく楽しかったんだよね。
あっ、越谷さんに話をしてみないといけないのか。何て言おう。フィギュア化されてみませんか? あはは、さすがにそれはないか。どうしようかなーっと。
end.
++++
こっしーさんがフィギュア化されたら黙ってない人がいますね。今度はいくら積もうとするのかしら
というワケで、浦和姉弟とあやめです。実苑とあやめって何気に気が合うと言うか、話くらいは弾むんじゃないかなと思って絡めてみました。マリンいるし。
割と真面目に、こっしーさんて今人生の中でも結構なモテ期のうちの1回が到来してるんじゃないかと思うの
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プリントアウトした写真を入れるのにちょうどいい額縁はないかなーと思って画材屋さんにふらりと入ると、ちょうど友達の姿が。せっかくだし、声をかけてみよう。
「マリーン」
「あっ、あやめ。どうしたです?」
「額縁を見に来たんだよ。マリンは?」
「私は弟と買い物。ここには弟の用事で来てて、私は見る物もないかなって」
インターフェイスの夏合宿で一緒の班になったマリンには、親の都合で姉弟になった同い年の弟がいる。緑ヶ丘大学に通っていて、美術部なんだそうだ。確かに美術部なら画材屋には用事もありまくりだよね。
「興味が薄い店に付き添いで来るのもしんどいね」
「あやめはそんなことない? お姉さんの付き添いとかで」
「うーん。かんなとは趣味が似てるし特にそういうことはないかな。あっ、でも最近やたら化粧品売場が長くなったし、それはうーんって」
「そっか。うちの場合はまず互いを知ることからだし、こういうのに興味があるんだーっていう興味で保ってる感はあるけどなかなかね」
「なるほど」
すると、奥の方から茉莉奈と呼ぶ声がする。マリンがはーいと返事をすれば、棚の影からひょっこりと顔を出す男の子。弟だって聞いてるから男の子ってわかるけど、背丈はマリンとそんなに変わらないし小柄だなあ。
「茉莉奈、どちらの青の方が好きですか」
「こっち」
「ではこっちで作りますね」
「実苑、他校の友達。青敬だっけ?」
「うん、青敬」
「青敬の諏訪あやめ。ほら、ちょっと実苑っぽい雰囲気って言ってた子」
「こんにちは、初めまして。茉莉奈の弟の、浦和実苑です」
「諏訪あやめです」
実苑くんは今さっきマリンに選んでもらっていた青い絵の具と、その前に選んでいた物を持ってレジに並ぶ。こういうのを見ていると、美術部ってお金かかりそう。機材と足にお金をかけた私が言うなって気もするけど。
「お待たせしました。あの、あやめさんの話は茉莉奈から少し聞きました。もし良ければどのような作品を作っているのか聞かせてもらえませんか」
「はい、いいですよ」
「ここでは難なので、どこか適当なカフェに移動しましょうか」
「実苑、あやめも額縁見に来てるんだよ」
「あっ、そうですか。すみません」
「絶対今日買わなきゃいけないワケじゃないから大丈夫だよ」
すたこらさっさとカフェに移動して、手元には人数分の飲み物と、各々の武器。
「僕は主に造形をしています。動物や竜などの架空生物が得意です。今ここに現物はありませんが、作った物の写真があります」
「失礼します」
実苑くんが差し出してくれた画像を拡大したりしながら見ていく。動物の毛並みや竜の鱗や爪なんかの細かいところまでしっかり作られている。私は造形のことは全然わかんないんだけど、素人目にも凄さがよくわかる。
「それと、たまにアクセサリーなどを作っています。竜の目を模した髪留めやブローチなどですね」
「カッコ良さそう」
「はい。需要はそこそこあるようで、出した分だけ売れますね」
「実際に売ってるんですね。すごいです」
「あやめさんはどんな」
「私は主に動画や写真を制作しています。最近は肉体美と言うか人体に興味がありますが、風景なども好きです。撮ったものはこのタブレットを」
「失礼します」
後攻、諏訪あやめ。撮った物をぶち込んだタブレットを差し出す。マリンが「どこのお見合いです?」と入れたツッコミには私も実苑くんも苦笑い。気を取り直して撮った物を見てもらう。
「僕は写真が専門ではないのであまり大きなことは言えないのですが、創作意欲の掻き立てられる作品です。人間も捨てたものではありませんね」
「実苑、その発言はいろいろ問題だよ」
「この野球のスロー動画ですね。この躍動する筋肉ですよ。僕は見ての通りのもやしっ子なので憧れますし、象ってみたいですね。あやめさん、この人を紹介してもらえませんか。あわよくば習作としてフィギュア化させていただければと」
「それは先輩に少し話してみてですけど、憧れますよね筋肉」
「あと、得意な構図ばかりでなくいろいろなことに挑戦しているのがわかります。その姿勢は僕も見習っていきたいと思います」
この後も話が弾んで、実苑くんと連絡先を交換することになった。マリンは興味の薄い話に長々と付き合わされてきっと疲れただろうけど、私はすごく楽しかったんだよね。
あっ、越谷さんに話をしてみないといけないのか。何て言おう。フィギュア化されてみませんか? あはは、さすがにそれはないか。どうしようかなーっと。
end.
++++
こっしーさんがフィギュア化されたら黙ってない人がいますね。今度はいくら積もうとするのかしら
というワケで、浦和姉弟とあやめです。実苑とあやめって何気に気が合うと言うか、話くらいは弾むんじゃないかなと思って絡めてみました。マリンいるし。
割と真面目に、こっしーさんて今人生の中でも結構なモテ期のうちの1回が到来してるんじゃないかと思うの
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