2019(03)
■コムギハイツでお米食べる
++++
3限終わり、ゴティから呼び出されて第2学食で待ち合わせ。何かと思えば、今日の夜、ゴティの誕生会が開かれるんだって。そっか、ゴティの誕生日って今日だったっけ。MBCCの方では何か計画してる様子がなかったけど、これはもしかしてゴティの誕生日が知られてないパターンのヤツ?
ゴティの誕生会を企画したのは何とアタシと同じ佐藤ゼミの小田ちゃん。ゴティ周りの友達が大集合するみたいだね。小田ちゃん経由でひらっちゃんも来るらしい。他にもいろいろ。参加者は全員が全員知り合いってワケでもないみたい。さすがゴティ、顔が広いなあ。
「えっ、本当にいいのゴティ」
「何か、試作も兼ねてんだと。たくさん作りたいけどあんま作っても余らせるだけじゃね? みたいな話になったらしいんだけど、じゃあ俺が確実に消費出来る奴連れて来るからっつって」
「で、それがアタシ、と」
「お前以外に誰がいんのよ」
「ですよねー」
ゴティの友達の中には件のお米同好会の人がいるらしい。その人が、同好会の活動ついでにごはんでケーキを作ってくれるとかで。お米を材料にしたケーキと、ごはんを盛り付けてケーキ風にしたものと、外国とかで人気のライスケーキというヤツがあるとかないとか。
そんな風にごはんを主役にいろいろ作ってくれるそうなんだけど、いっぱい作って余らせるのは嫌だとその友達が言ったらしい。でも作りたいんだって。じゃあ、確実に消費出来る友達連れて来るよってゴティが白羽の矢を立てたのはアタシだったってワケ。ですよねー。いただきまーす。
「あー! ごっちゃんせんぱーい!」
「おわっ」
「ごっちゃん先輩久し振りです!」
ゴティに飛びついてきたのは、背が高くてスレンダー系の女の子。オレンジっぽい茶髪のおかっぱちゃん。ゴティを先輩って言ってるから多分1年生かな。やっぱ顔広いわゴティ。でも見た感じゴティより普通に背高いわ。170センチ近くありそうな感じ。
「ゴティ、後輩の子?」
「高校の後輩よ。来年から西山ゼミになるんだと。ああ、サチ、こっちはサークルの友達」
「千葉果林でーす」
「三浦祥子です!」
「へー、スポーツに興味あるような感じなんだ」
「そーね。大学に入ってからGREENsでバスケ始めたんだって」
「あ~、GREENsの子なんだ!」
「えっ! 知ってるんですか!」
「ウチのサークル、GREENsに彼女さんいる人いるから知名度はちょっとあるよ。それに、学祭の時は前トップが打倒GREENsを掲げてたし」
「MBCCがあくどいことやってたって聞いたっす!」
MBCCが学祭であくどいことをやっていたと聞いて、少し思い当たる節のあるアタシとゴティは「あー……」とそれを思い起こすしか出来なかったワケで。女装ミスコンのミスと準ミスを売り子に据え、緑大の準ミスターをひたすら鉄板の前に立たせていた。ついでに広告塔としても活躍してもらって。
GREENsと言えばいっちー先輩の彼女さんがいるサークルとしてMBCCではちょこちょこ名前を聞く。いっちー先輩によれば、高ピー先輩といっちー先輩の彼女さんが学祭のブース賞を巡ってバチバチに火花を散らしてたとかで……。高ピー先輩、負けず嫌いだからなあ。
「ああ、そうだサチ、お前今日の夜ヒマ?」
「ヒマヒマのヒマですよ~!」
「あっそう、そしたらさ、今日俺の誕生会があるんだけど、それに来ねえ?」
「えー! ごっちゃん先輩誕生日なんですかー! そーでしたねー! 今頃でしたねー!」
「お米同好会の友達がすげーごちそう作ってくれんだって。たくさん作るから人が多いほどいいらしい。別に参加者全員が知り合いってワケでもないから飛び入り大歓迎って」
「へー! 行きますー! お米同好会って学祭でごはん売ってたサークルですよね! ごちそうってやっぱりごはんですかね!」
「白い飯メインのごちそうらしい」
「は~、楽しみ~! ごっちゃん先輩、どこでやるんですか?」
「あー、えっと、ムギワンの202号室だったかな?」
「えー!」
「まさかのコムギハイツじゃん!」
MBCCでコムギハイツと言えば、高ピー先輩とLが住んでるアパートとして知られてる。今回の会場はコムギハイツⅠの方だけど、ムギワンと聞いて驚いてるよね。そしてさっちゃんも驚いた様子。話を聞くと、GREENsの同期の子がムギワンに住んでるらしい。
「鵠沼クンっていう子が102号室に住んでるんですけど、学祭の頃はずーっと唐揚げ作ってたんですよ! 実質鶏肉倉庫っす」
「やっぱり近いとそうなるよねえ」
「だな」
「あれっ? そう言えば鵠沼って何か最近聞いた気がする」
「学食で会ったとかですか? 学食でバイトしてる子ですし」
「サチお前、学食で働いてる奴の名前なんか知らねーだろ普通」
「確かに!」
「あっ! 食堂で会った! 来年から佐藤ゼミに来る体育会系!」
「マジか」
「ごっちゃん先輩、鵠沼クンも呼んでいいですか!」
「おーおー、誰でも来い来い」
「ゴティ、消費要員いるなら高ピー先輩呼ぶ流れじゃない? お米同好会気にしてる感じだったし」
「いいんじゃね? 誰でもウェルカムって感じだったし」
思いがけず大きな規模になりそうなゴティの誕生会、多分ごはんパーティー。誰でもウェルカムっていうパーティーの経験はあまりないけど、これはこれで楽しそう。多分ゴティ自身にそういう友達がいっぱいいて、そうやって人脈が出来て行ったのかなって。IFサッカー部とかもあったねそう言えば。
「でもごはんいっぱい食べるパーティーでしょ?」
「多分そうなる」
「タカちゃん呼んであげたいなあ。ごはん食べて欲しい」
「呼んだらいいんじゃね? 仮に終電無くなってもLの部屋にぶち込みゃいーし」
end.
++++
ゴティパイセンの誕生日ということで、誕生会が開かれる様子。MBCCの無制限飲みではなかったようですが、件のお米同好会です。
久々にゴサチもやりたいし、ごはんのある会なら果林がどうこうって思ったらこんなことになった。わちゃわちゃ。
そういやMBCCとGREENsってちょっとした因縁がありましたね。主に高崎と慧梨夏の。今後はタカちゃんと鵠さんのあれこれになるのかしら
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3限終わり、ゴティから呼び出されて第2学食で待ち合わせ。何かと思えば、今日の夜、ゴティの誕生会が開かれるんだって。そっか、ゴティの誕生日って今日だったっけ。MBCCの方では何か計画してる様子がなかったけど、これはもしかしてゴティの誕生日が知られてないパターンのヤツ?
ゴティの誕生会を企画したのは何とアタシと同じ佐藤ゼミの小田ちゃん。ゴティ周りの友達が大集合するみたいだね。小田ちゃん経由でひらっちゃんも来るらしい。他にもいろいろ。参加者は全員が全員知り合いってワケでもないみたい。さすがゴティ、顔が広いなあ。
「えっ、本当にいいのゴティ」
「何か、試作も兼ねてんだと。たくさん作りたいけどあんま作っても余らせるだけじゃね? みたいな話になったらしいんだけど、じゃあ俺が確実に消費出来る奴連れて来るからっつって」
「で、それがアタシ、と」
「お前以外に誰がいんのよ」
「ですよねー」
ゴティの友達の中には件のお米同好会の人がいるらしい。その人が、同好会の活動ついでにごはんでケーキを作ってくれるとかで。お米を材料にしたケーキと、ごはんを盛り付けてケーキ風にしたものと、外国とかで人気のライスケーキというヤツがあるとかないとか。
そんな風にごはんを主役にいろいろ作ってくれるそうなんだけど、いっぱい作って余らせるのは嫌だとその友達が言ったらしい。でも作りたいんだって。じゃあ、確実に消費出来る友達連れて来るよってゴティが白羽の矢を立てたのはアタシだったってワケ。ですよねー。いただきまーす。
「あー! ごっちゃんせんぱーい!」
「おわっ」
「ごっちゃん先輩久し振りです!」
ゴティに飛びついてきたのは、背が高くてスレンダー系の女の子。オレンジっぽい茶髪のおかっぱちゃん。ゴティを先輩って言ってるから多分1年生かな。やっぱ顔広いわゴティ。でも見た感じゴティより普通に背高いわ。170センチ近くありそうな感じ。
「ゴティ、後輩の子?」
「高校の後輩よ。来年から西山ゼミになるんだと。ああ、サチ、こっちはサークルの友達」
「千葉果林でーす」
「三浦祥子です!」
「へー、スポーツに興味あるような感じなんだ」
「そーね。大学に入ってからGREENsでバスケ始めたんだって」
「あ~、GREENsの子なんだ!」
「えっ! 知ってるんですか!」
「ウチのサークル、GREENsに彼女さんいる人いるから知名度はちょっとあるよ。それに、学祭の時は前トップが打倒GREENsを掲げてたし」
「MBCCがあくどいことやってたって聞いたっす!」
MBCCが学祭であくどいことをやっていたと聞いて、少し思い当たる節のあるアタシとゴティは「あー……」とそれを思い起こすしか出来なかったワケで。女装ミスコンのミスと準ミスを売り子に据え、緑大の準ミスターをひたすら鉄板の前に立たせていた。ついでに広告塔としても活躍してもらって。
GREENsと言えばいっちー先輩の彼女さんがいるサークルとしてMBCCではちょこちょこ名前を聞く。いっちー先輩によれば、高ピー先輩といっちー先輩の彼女さんが学祭のブース賞を巡ってバチバチに火花を散らしてたとかで……。高ピー先輩、負けず嫌いだからなあ。
「ああ、そうだサチ、お前今日の夜ヒマ?」
「ヒマヒマのヒマですよ~!」
「あっそう、そしたらさ、今日俺の誕生会があるんだけど、それに来ねえ?」
「えー! ごっちゃん先輩誕生日なんですかー! そーでしたねー! 今頃でしたねー!」
「お米同好会の友達がすげーごちそう作ってくれんだって。たくさん作るから人が多いほどいいらしい。別に参加者全員が知り合いってワケでもないから飛び入り大歓迎って」
「へー! 行きますー! お米同好会って学祭でごはん売ってたサークルですよね! ごちそうってやっぱりごはんですかね!」
「白い飯メインのごちそうらしい」
「は~、楽しみ~! ごっちゃん先輩、どこでやるんですか?」
「あー、えっと、ムギワンの202号室だったかな?」
「えー!」
「まさかのコムギハイツじゃん!」
MBCCでコムギハイツと言えば、高ピー先輩とLが住んでるアパートとして知られてる。今回の会場はコムギハイツⅠの方だけど、ムギワンと聞いて驚いてるよね。そしてさっちゃんも驚いた様子。話を聞くと、GREENsの同期の子がムギワンに住んでるらしい。
「鵠沼クンっていう子が102号室に住んでるんですけど、学祭の頃はずーっと唐揚げ作ってたんですよ! 実質鶏肉倉庫っす」
「やっぱり近いとそうなるよねえ」
「だな」
「あれっ? そう言えば鵠沼って何か最近聞いた気がする」
「学食で会ったとかですか? 学食でバイトしてる子ですし」
「サチお前、学食で働いてる奴の名前なんか知らねーだろ普通」
「確かに!」
「あっ! 食堂で会った! 来年から佐藤ゼミに来る体育会系!」
「マジか」
「ごっちゃん先輩、鵠沼クンも呼んでいいですか!」
「おーおー、誰でも来い来い」
「ゴティ、消費要員いるなら高ピー先輩呼ぶ流れじゃない? お米同好会気にしてる感じだったし」
「いいんじゃね? 誰でもウェルカムって感じだったし」
思いがけず大きな規模になりそうなゴティの誕生会、多分ごはんパーティー。誰でもウェルカムっていうパーティーの経験はあまりないけど、これはこれで楽しそう。多分ゴティ自身にそういう友達がいっぱいいて、そうやって人脈が出来て行ったのかなって。IFサッカー部とかもあったねそう言えば。
「でもごはんいっぱい食べるパーティーでしょ?」
「多分そうなる」
「タカちゃん呼んであげたいなあ。ごはん食べて欲しい」
「呼んだらいいんじゃね? 仮に終電無くなってもLの部屋にぶち込みゃいーし」
end.
++++
ゴティパイセンの誕生日ということで、誕生会が開かれる様子。MBCCの無制限飲みではなかったようですが、件のお米同好会です。
久々にゴサチもやりたいし、ごはんのある会なら果林がどうこうって思ったらこんなことになった。わちゃわちゃ。
そういやMBCCとGREENsってちょっとした因縁がありましたね。主に高崎と慧梨夏の。今後はタカちゃんと鵠さんのあれこれになるのかしら
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