2019
■Are you forgetting something?
++++
「やあやあみんな、今週の土曜日は何の日かわかるかなー?」
こんな風に、三井があからさまに何かをアピールし始めると要注意だ。何の日か知っているうちは完全にスルーをキメるけど、ピンと来ない1・2年生はお前は何を言ってるんだという目をして三井を見る。頼むから誰も正解を出すなよ、後が面倒になる。と言うか、触れずにいてくれるのが模範解答なんだけど。
「野坂~、土曜日は何の日かな?」
「昼放送の収録以外にそれと言った予定はありませんね」
「そうじゃなくてさ~、ほら、大切な日だよ」
「昼放送の収録以外に何が大切なのかちょっとわかりませんし興味もありませんね」
よし、いいぞノサカ! 本当に昼放送の収録をそこまで大切に思ってくれているのならそろそろ遅刻せずに来て欲しいものだけど、今日の答え方、三井のあしらい方としてはいいぞ! 次回の遅刻は30分くらいまでなら実質ゼロ分にカウントしてやらないこともないぞ。
「そ、そうだね。サークルの活動をそこまで大切に思ってるのはいいことだね。さて、野坂には聞いたから、こーた~? 土曜日は何の日かな~?」
「5と15と25の5とつく日はポイント5倍~で大変な日ですよ、週末ですし」
「相変わらずこーたの歌には音程がないね」
「何なんですか! 人が地獄に突き落とされる日を嘲笑いに来たんですか!? まったくもう、三井先輩だって仮にもスーパーのレジ打ちならポイント倍増施策の日がどれだけ忙しくなるかわかって然るべきですがね! 自分のことばっかりで人のことを考えるということをしないんですから。人をバカにして楽しむだけならさっさと別の人を当たって下さいよね! もう! ぷんぷん!」
カンザキの歌の単調な音程はともかく、言っていることは壮絶だ。それはもう忙しい日にバイトに入っているということなのだろう。そんなときに、会社が違うとは言え同じくスーパー勤めの三井に喧嘩(と解釈するには十分すぎる煽りだろう)を売られてキレる気持ちはわからないでもない。
と言うか、カンザキのこれが真理だ。自分のことばっかりで人のことを考えるということをしない。それが三井という奴だ。ノサカとカンザキでダメならラブ&ピースの総本山・りっちゃんとゆるふわ系毒舌のヒロがまともな答えを出すはずもなく、2年生全員からボコボコにされた三井である。ざまあみろ。
「奈~々~? 奈々はさすがに大丈夫だよね?」
「えっ、何なんですか三井先輩」
「お前は1年生に何を期待するって言うんだ。って言うか後輩に集るな、見苦しい。いや、百歩譲って2年生はいい。でも奈々に何かしたらもれなくうちがお前を抹殺するぞ。ラブ&ピースとかじゃなく抹殺する。辞世の句でも用意しておけ」
「ちょっ、そう言いながらポスターを丸めないで!」
「やァー、リーチの長い物を持ッた菜月先輩は最強スよー」
「菜月先輩素敵ですッ! 一生ついて行きますッ!」
「何なら丸腰でも菜月先輩にはローキックという伝家の宝刀が」
「間違いありませんね。逆に奈々に手を出していただいて菜月先輩に三井先輩を滅してもらった方が平和になるのでは?」
「それはあるわ。デデーン、三井先輩」
「アウトー」と2年生4人分の声が重なったところで、三井が何をこんなにアピールしているのかという話だ。今度の週末、土曜日の25日は三井の誕生日なんだ。これが緑ヶ丘とか青女ならメンバーの誕生日に飲み会やパーティーを開いて盛大にやるそうだけど、残念ながらここは向島。そんなことをやるような集団ではない。
ところが、三井は人の誕生日を調べ上げては1人でプレゼント贈呈式なんかを開いて盛り上がっている。祝う分にはいいんだけど、それを恩着せがましく自分はお前のためにこれをこれだけしてやっただの、自分の時もよろしくなどと押しつけてくるんだ。それが今。
なんなら三井のプレゼントセンスはとても悪い。それこそ人の誕生日を知っていて祝う自分は気遣いの出来るカッコいい男アピールとか、相手のリアクションで遊びたいがためのチョイスなんだろうなというのが滲み出ている。人のことなんかこれっぽっちも考えちゃいないんだ。
「菜月~! 菜月はわかってくれてるよね!」
「わかった上で無視してることをわからないようならお前の目は節穴かと」
「うーわひでっ!」
「普段人に心ないとか言うのはどの口だ。お前の思ううち像を完璧に演じてるんじゃないか、感謝されて然るべきだ」
「菜月に人を思いやることを期待した俺が馬鹿だったよ」
「ようやく自分が馬鹿だと理解したか。よかったな、ひとつ賢くなれて」
「三井先輩が菜月先輩に口で勝つのは一生不可能では」
「間違いありませんね」
「と言うか菜月先輩に心ないとか三井先輩失礼すぎません? 場合によってはうちが三井先輩をブチコロですわ」
「奈々はいい子だなあ」
「奈々は菜月先輩の味方です~ッ! きゃっきゃっ」
「#春風の似合うぽわぽわして癒される可愛い女子 #とは」
「少なくともこんなに物騒な女子ではありませんね」
「や、菜月先輩のブリザードと奈々の殺人級熱波を足して2で割りャちょーどじゃないスか? 今日もMMPは平和スわ」
りっちゃんの素晴らしいまとめでこの話が着地したところで、三井はと言うとまだまだ誕生日を祝われることを諦めていないようだ。往生際の悪い奴め。MMPがそういうのに無頓着なのを知っててやってるのが性質悪いんだ。
「三井、そんなに誕生日を祝われたいなら緑ヶ丘にでも乗り込んで来い。パーティーを開いてもらえるだろうから」
「それ俺死ぬヤツじゃん知ってるよ」
end.
++++
毎年恒例三井サンの誕生日アピール回です。みんなからボコボコにされてさすがに少しかわいそうだけど、これくらいが三井サンらしい。
と言うか、三井サンの出てくる平和的な話がこの辺までになりそうですね、例年の流れだと。ノサカ生きろ。
そして春風の似合う(略)女子の定義とはという話。奈々のはりっちゃん曰く殺人的熱波。でも大体間違ってない。
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「やあやあみんな、今週の土曜日は何の日かわかるかなー?」
こんな風に、三井があからさまに何かをアピールし始めると要注意だ。何の日か知っているうちは完全にスルーをキメるけど、ピンと来ない1・2年生はお前は何を言ってるんだという目をして三井を見る。頼むから誰も正解を出すなよ、後が面倒になる。と言うか、触れずにいてくれるのが模範解答なんだけど。
「野坂~、土曜日は何の日かな?」
「昼放送の収録以外にそれと言った予定はありませんね」
「そうじゃなくてさ~、ほら、大切な日だよ」
「昼放送の収録以外に何が大切なのかちょっとわかりませんし興味もありませんね」
よし、いいぞノサカ! 本当に昼放送の収録をそこまで大切に思ってくれているのならそろそろ遅刻せずに来て欲しいものだけど、今日の答え方、三井のあしらい方としてはいいぞ! 次回の遅刻は30分くらいまでなら実質ゼロ分にカウントしてやらないこともないぞ。
「そ、そうだね。サークルの活動をそこまで大切に思ってるのはいいことだね。さて、野坂には聞いたから、こーた~? 土曜日は何の日かな~?」
「5と15と25の5とつく日はポイント5倍~で大変な日ですよ、週末ですし」
「相変わらずこーたの歌には音程がないね」
「何なんですか! 人が地獄に突き落とされる日を嘲笑いに来たんですか!? まったくもう、三井先輩だって仮にもスーパーのレジ打ちならポイント倍増施策の日がどれだけ忙しくなるかわかって然るべきですがね! 自分のことばっかりで人のことを考えるということをしないんですから。人をバカにして楽しむだけならさっさと別の人を当たって下さいよね! もう! ぷんぷん!」
カンザキの歌の単調な音程はともかく、言っていることは壮絶だ。それはもう忙しい日にバイトに入っているということなのだろう。そんなときに、会社が違うとは言え同じくスーパー勤めの三井に喧嘩(と解釈するには十分すぎる煽りだろう)を売られてキレる気持ちはわからないでもない。
と言うか、カンザキのこれが真理だ。自分のことばっかりで人のことを考えるということをしない。それが三井という奴だ。ノサカとカンザキでダメならラブ&ピースの総本山・りっちゃんとゆるふわ系毒舌のヒロがまともな答えを出すはずもなく、2年生全員からボコボコにされた三井である。ざまあみろ。
「奈~々~? 奈々はさすがに大丈夫だよね?」
「えっ、何なんですか三井先輩」
「お前は1年生に何を期待するって言うんだ。って言うか後輩に集るな、見苦しい。いや、百歩譲って2年生はいい。でも奈々に何かしたらもれなくうちがお前を抹殺するぞ。ラブ&ピースとかじゃなく抹殺する。辞世の句でも用意しておけ」
「ちょっ、そう言いながらポスターを丸めないで!」
「やァー、リーチの長い物を持ッた菜月先輩は最強スよー」
「菜月先輩素敵ですッ! 一生ついて行きますッ!」
「何なら丸腰でも菜月先輩にはローキックという伝家の宝刀が」
「間違いありませんね。逆に奈々に手を出していただいて菜月先輩に三井先輩を滅してもらった方が平和になるのでは?」
「それはあるわ。デデーン、三井先輩」
「アウトー」と2年生4人分の声が重なったところで、三井が何をこんなにアピールしているのかという話だ。今度の週末、土曜日の25日は三井の誕生日なんだ。これが緑ヶ丘とか青女ならメンバーの誕生日に飲み会やパーティーを開いて盛大にやるそうだけど、残念ながらここは向島。そんなことをやるような集団ではない。
ところが、三井は人の誕生日を調べ上げては1人でプレゼント贈呈式なんかを開いて盛り上がっている。祝う分にはいいんだけど、それを恩着せがましく自分はお前のためにこれをこれだけしてやっただの、自分の時もよろしくなどと押しつけてくるんだ。それが今。
なんなら三井のプレゼントセンスはとても悪い。それこそ人の誕生日を知っていて祝う自分は気遣いの出来るカッコいい男アピールとか、相手のリアクションで遊びたいがためのチョイスなんだろうなというのが滲み出ている。人のことなんかこれっぽっちも考えちゃいないんだ。
「菜月~! 菜月はわかってくれてるよね!」
「わかった上で無視してることをわからないようならお前の目は節穴かと」
「うーわひでっ!」
「普段人に心ないとか言うのはどの口だ。お前の思ううち像を完璧に演じてるんじゃないか、感謝されて然るべきだ」
「菜月に人を思いやることを期待した俺が馬鹿だったよ」
「ようやく自分が馬鹿だと理解したか。よかったな、ひとつ賢くなれて」
「三井先輩が菜月先輩に口で勝つのは一生不可能では」
「間違いありませんね」
「と言うか菜月先輩に心ないとか三井先輩失礼すぎません? 場合によってはうちが三井先輩をブチコロですわ」
「奈々はいい子だなあ」
「奈々は菜月先輩の味方です~ッ! きゃっきゃっ」
「#春風の似合うぽわぽわして癒される可愛い女子 #とは」
「少なくともこんなに物騒な女子ではありませんね」
「や、菜月先輩のブリザードと奈々の殺人級熱波を足して2で割りャちょーどじゃないスか? 今日もMMPは平和スわ」
りっちゃんの素晴らしいまとめでこの話が着地したところで、三井はと言うとまだまだ誕生日を祝われることを諦めていないようだ。往生際の悪い奴め。MMPがそういうのに無頓着なのを知っててやってるのが性質悪いんだ。
「三井、そんなに誕生日を祝われたいなら緑ヶ丘にでも乗り込んで来い。パーティーを開いてもらえるだろうから」
「それ俺死ぬヤツじゃん知ってるよ」
end.
++++
毎年恒例三井サンの誕生日アピール回です。みんなからボコボコにされてさすがに少しかわいそうだけど、これくらいが三井サンらしい。
と言うか、三井サンの出てくる平和的な話がこの辺までになりそうですね、例年の流れだと。ノサカ生きろ。
そして春風の似合う(略)女子の定義とはという話。奈々のはりっちゃん曰く殺人的熱波。でも大体間違ってない。
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