2019
■常備菜メモリーズ
++++
たまに授業もバイトもサークル関係のこともない本当の休みには、家のことをガチでやりたくなる。今日は朝から掃除と洗濯をして、そろそろ使わない冬物の片付けをして夏物の確認……って、これは一言で言えば衣替えか。衣替えをして、台所や風呂・トイレといった水回りの掃除をして、これから始まるのが冷蔵庫整理だ。
週末や授業のない平日には常備菜を作って冷蔵庫に置いてある。日持ちは大体1週間くらいで、これをアレンジしながら日々の献立を組み立てていくって感じかな。それと並行して冷凍庫におかずや出汁なんかのストックを作ってるんだけど、古くなった物から順番に片付けなきゃいけないんだ。
「あー……これが1ヶ月前で、これが……うわっ3月か、そろそろヤバいな」
作った物はとにかくバカのひとつ覚えみたくジップロックに入れて冷凍してあって、それぞれ何が入っているのかと作った日付を記録している。こうしておくことで管理をしやすくするっていうのがある。ジャンルごとに当然入れておく場所も決めてあって。ちなみに慧梨夏の部屋の冷蔵庫も軽く管理してるよな。
冷蔵庫にはマスキングテープや付箋のホルダーを磁石でくっつけていて、いつでも何でもメモ出来るようにしてある。わからないのが一番怖い。人間は忘れたり、都合のいいように記憶を改変する生き物だから。記録しておくことで、ダブって作ったり、作った物が化石になる前に掘り起こすことが出来ると俺は思っている。
「ただいまー」
「お帰り。今日は飯食ってこなかったのか?」
「カズ、今日は1日家の片付けするって言ってたでしょ? だから冷蔵庫整理もあるかなーと思って」
「慧梨夏お前さすが過ぎかよ。まさにその通りだよ。今日はこれから冷蔵庫整理」
「でっしょー?」
サークルを終えた慧梨夏が帰ってきた。GREENsは隔週で日曜日にも活動をしていて、今日は活動がある方の日曜日だったんだ。サークルがあるときは大体外で姉ちゃんとかサークルのみんなと飯を食ってくる感じなんだけど、そうか、冷蔵庫整理をわかられてたか。
「うちと違ってカズは家事完璧だからね。冷凍庫から出てくる古いものでもまだお腹にダメージを与えてくるようなレベルじゃないもん、安心安全の冷蔵庫整理ですよ。災害用備蓄食糧の開封祭りにも似て非なるかも」
「あー、そういやこないだお前がもらってきた乾パンどうしような」
「そのまま食べる?」
「そのまま食ってもいいけど、さすがに飽きるし食いにくいだろ。何かアレンジレシピ探して今度化けさせるわ」
「あ~、さすがですわ~」
さて、冷凍庫の中身だ。コロッケやマッシュポテトといったジャガイモ系の総菜や、ロールキャベツなんかもある。あとはハンバーグに鶏団子といった肉系もある。おー、トマトピューレもあるからこれで何かしたいな。つか冷蔵庫整理の度に思うけど俺、マメすぎじゃね? 普通ここまでするかよってくらいに整頓されてるじゃんか。
「慧梨夏、今日のメニューはチキンボールのポテトグラタンに、一口ハンバーグのトマト煮、それからミックスベジタブルのスープです」
「豪勢! って言うか本気で整理するんだったらうちらだけじゃなくて浅浦クンとか高崎クンにも協力してもらえばいいんじゃないかなあ」
「それは一理ある。浅浦は知らないけど高ピーがいればそれはもうドデカい戦力だよ。ちょっと声かけてみよう」
高ピーに声をかけるとちょうどバイト上がりだったようで、冷蔵庫整理を手伝って欲しいという申し出には二つ返事で了承してもらった。よーし、よっぽど新しい物以外は全部使い尽くす勢いでやるぞ。でも冷蔵庫の中が少なくなると少し不安になるんだよな、新しく常備しないとって。
「あっ、そうだカズ。うち帰りにこれ買ってきてたんだよ」
「ん?」
「マステーとジップロック」
「慧梨夏お前最高かよ」
「冷蔵庫整理の後は絶対次の備蓄が始まるからね。いくらジップロックが何回かは洗って再利用出来ると言ってもねえ。あとね、ラップに文字が書けるマジックも買ってきてみたよ」
「おー、これは嬉しい。つか高ピー来るんなら米系も用意しないとな。冷凍飯あったかな。あ、あるわ。ピラフでも作るかー」
「今日がサークル後でよかった。運動後だからごちそうでも罪悪感が少ないもん」
「そんなに食うことに罪悪感あるなら一通りの片付けが終わった後になるけど、上になればいいだけの話じゃんか。それで差し引きゼロにする的な」
「あーはい出ましたドスケベー」
「いくら嫁だ何だと言われても、所詮俺はこういう生き物よ」
「あっ開き直った」
「自分も好きなクセして俺ばっかりドスケベだの何だの言いやがって」
「あっそんなこと言う。やっぱ今日なし?」
「スミマセンでした」
ただ、そうなるとベッドがなー。せっかく綺麗にしたのにまた汚すかって話になってくるんだよな。まあ、また綺麗にすればいいだけの話だから別にって感じですよ。それはともかく、高ピーが来るっていうだけで入る気合いが全然違うんだ。果林ほどまでは行かないにしても、高ピーもそこそこの量食うからね。
「って言うかミックスベジタブルどうしよう」
「スープにするんじゃなかったの?」
「そうなんだけどさ、高ピーグリンピース嫌いじゃんな。あんまりいっぱいは使えなくなりそうだなあ」
「それならまた後日でもいいんじゃない? 冷凍庫に戻しておけば」
end.
++++
いちえりちゃんの冷蔵庫整理のお話。冷蔵庫はいち氏が徹底管理しているよ!
台所の収納ワザとか食品保存ワザとかきっと大好きなんですよねいち氏は。便利グッズとかも試してみたい方。
と言うか本格的に冷蔵庫整理をしたいならMBCCなんだよなあ。瞬殺されるからさすがにちょっとやりすぎになっちゃうのか。
.
++++
たまに授業もバイトもサークル関係のこともない本当の休みには、家のことをガチでやりたくなる。今日は朝から掃除と洗濯をして、そろそろ使わない冬物の片付けをして夏物の確認……って、これは一言で言えば衣替えか。衣替えをして、台所や風呂・トイレといった水回りの掃除をして、これから始まるのが冷蔵庫整理だ。
週末や授業のない平日には常備菜を作って冷蔵庫に置いてある。日持ちは大体1週間くらいで、これをアレンジしながら日々の献立を組み立てていくって感じかな。それと並行して冷凍庫におかずや出汁なんかのストックを作ってるんだけど、古くなった物から順番に片付けなきゃいけないんだ。
「あー……これが1ヶ月前で、これが……うわっ3月か、そろそろヤバいな」
作った物はとにかくバカのひとつ覚えみたくジップロックに入れて冷凍してあって、それぞれ何が入っているのかと作った日付を記録している。こうしておくことで管理をしやすくするっていうのがある。ジャンルごとに当然入れておく場所も決めてあって。ちなみに慧梨夏の部屋の冷蔵庫も軽く管理してるよな。
冷蔵庫にはマスキングテープや付箋のホルダーを磁石でくっつけていて、いつでも何でもメモ出来るようにしてある。わからないのが一番怖い。人間は忘れたり、都合のいいように記憶を改変する生き物だから。記録しておくことで、ダブって作ったり、作った物が化石になる前に掘り起こすことが出来ると俺は思っている。
「ただいまー」
「お帰り。今日は飯食ってこなかったのか?」
「カズ、今日は1日家の片付けするって言ってたでしょ? だから冷蔵庫整理もあるかなーと思って」
「慧梨夏お前さすが過ぎかよ。まさにその通りだよ。今日はこれから冷蔵庫整理」
「でっしょー?」
サークルを終えた慧梨夏が帰ってきた。GREENsは隔週で日曜日にも活動をしていて、今日は活動がある方の日曜日だったんだ。サークルがあるときは大体外で姉ちゃんとかサークルのみんなと飯を食ってくる感じなんだけど、そうか、冷蔵庫整理をわかられてたか。
「うちと違ってカズは家事完璧だからね。冷凍庫から出てくる古いものでもまだお腹にダメージを与えてくるようなレベルじゃないもん、安心安全の冷蔵庫整理ですよ。災害用備蓄食糧の開封祭りにも似て非なるかも」
「あー、そういやこないだお前がもらってきた乾パンどうしような」
「そのまま食べる?」
「そのまま食ってもいいけど、さすがに飽きるし食いにくいだろ。何かアレンジレシピ探して今度化けさせるわ」
「あ~、さすがですわ~」
さて、冷凍庫の中身だ。コロッケやマッシュポテトといったジャガイモ系の総菜や、ロールキャベツなんかもある。あとはハンバーグに鶏団子といった肉系もある。おー、トマトピューレもあるからこれで何かしたいな。つか冷蔵庫整理の度に思うけど俺、マメすぎじゃね? 普通ここまでするかよってくらいに整頓されてるじゃんか。
「慧梨夏、今日のメニューはチキンボールのポテトグラタンに、一口ハンバーグのトマト煮、それからミックスベジタブルのスープです」
「豪勢! って言うか本気で整理するんだったらうちらだけじゃなくて浅浦クンとか高崎クンにも協力してもらえばいいんじゃないかなあ」
「それは一理ある。浅浦は知らないけど高ピーがいればそれはもうドデカい戦力だよ。ちょっと声かけてみよう」
高ピーに声をかけるとちょうどバイト上がりだったようで、冷蔵庫整理を手伝って欲しいという申し出には二つ返事で了承してもらった。よーし、よっぽど新しい物以外は全部使い尽くす勢いでやるぞ。でも冷蔵庫の中が少なくなると少し不安になるんだよな、新しく常備しないとって。
「あっ、そうだカズ。うち帰りにこれ買ってきてたんだよ」
「ん?」
「マステーとジップロック」
「慧梨夏お前最高かよ」
「冷蔵庫整理の後は絶対次の備蓄が始まるからね。いくらジップロックが何回かは洗って再利用出来ると言ってもねえ。あとね、ラップに文字が書けるマジックも買ってきてみたよ」
「おー、これは嬉しい。つか高ピー来るんなら米系も用意しないとな。冷凍飯あったかな。あ、あるわ。ピラフでも作るかー」
「今日がサークル後でよかった。運動後だからごちそうでも罪悪感が少ないもん」
「そんなに食うことに罪悪感あるなら一通りの片付けが終わった後になるけど、上になればいいだけの話じゃんか。それで差し引きゼロにする的な」
「あーはい出ましたドスケベー」
「いくら嫁だ何だと言われても、所詮俺はこういう生き物よ」
「あっ開き直った」
「自分も好きなクセして俺ばっかりドスケベだの何だの言いやがって」
「あっそんなこと言う。やっぱ今日なし?」
「スミマセンでした」
ただ、そうなるとベッドがなー。せっかく綺麗にしたのにまた汚すかって話になってくるんだよな。まあ、また綺麗にすればいいだけの話だから別にって感じですよ。それはともかく、高ピーが来るっていうだけで入る気合いが全然違うんだ。果林ほどまでは行かないにしても、高ピーもそこそこの量食うからね。
「って言うかミックスベジタブルどうしよう」
「スープにするんじゃなかったの?」
「そうなんだけどさ、高ピーグリンピース嫌いじゃんな。あんまりいっぱいは使えなくなりそうだなあ」
「それならまた後日でもいいんじゃない? 冷凍庫に戻しておけば」
end.
++++
いちえりちゃんの冷蔵庫整理のお話。冷蔵庫はいち氏が徹底管理しているよ!
台所の収納ワザとか食品保存ワザとかきっと大好きなんですよねいち氏は。便利グッズとかも試してみたい方。
と言うか本格的に冷蔵庫整理をしたいならMBCCなんだよなあ。瞬殺されるからさすがにちょっとやりすぎになっちゃうのか。
.