2019
■ハイレアリティキャラと遊ぼう!
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星港市の中心地・花栄のさらにど真ん中の公園で行われているファンタジックフェスタ、今日はその冷やかしにやってきた。まあ、アレだよ。やっぱり村井おじちゃんとしてはインターフェイスのDJブースに悪いノリで顔を出しておきたいっすわね。麻里と咲良も一緒に来ている。
ファンタジックフェスタは広く一般に向けた祭りだし、インターフェイスの4年が遊びに来ちゃいけないっていう決まりもない。定例会議長が圭斗じゃなきゃここまで悪いノリにはならなかっただろうけど、参加者以外に遊びに来る奴がいるくらいが張り合いがあっていいだろう。
「村井、番組は9時半からだったか」
「そうね、9時半。まあ今が50分だしまあまあって感じっしょ」
「そうだよね。ずっといるワケじゃないし。ねえマーさん。アタシ圭斗さん冷やかしたいんだけど圭斗さんいつかわかる?」
「俺は班の順番とかは知らないんだけど、咲良お前知ってる?」
「いや、さすがに順番までは聞いてない」
「何だよぉー、定例会前議長なのに聞いてないんかーい」
「強いて言えば、伊東の番組にはもう遅れているということくらいしか把握していない」
「ちょっおまマジか!」
引退した今の4年は今いる3人も含めてミキサーの方が多い学年だ。今の3年はアナに人数が偏っていて、2年になるとまたミキサーに偏る。3年はミキサーが少ない上に、その少ないミキサーが失踪したりフェードアウトしたりとさらに減っている。そんなことがあって、特別気になるっていう感じなんだよな。
特に伊東は実質的な3年ミキ唯一の生き残りとして頑張ってる感がある。他にミキサーがいないワケじゃないけど、ステージメインだったりフェードアウト気味だったり。元々インターフェイスの活動にあまり出てこない奴もいる。ラジオの活動となると1人で頑張らなきゃいけなくなることも少なくないはずだ。
――ということを度外視しても、昔からウチと緑ヶ丘は学校間交流が盛んだったからそこそこ仲がいい。圭斗ほどは行かないにしても悪ノリの程度を少しグレードアップさせられるくらいには。ちっきしょ~、今日は伊東を目的にしてきたと言っても過言じゃねーのに遅れてるだって!?
「ちょっ、お前ら早く行くぞ! これを逃したらせっかく買ってきたコイツらが無駄になる!」
「マーさん何なのその無駄な気合い」
「それにその荷物は」
「いーから! 俺らがイジって遊べる奴なんて今のインターフェイスじゃもう希少種だぞ!」
公園には北ステージと南ステージがあって、その間に露店やテントが立ち並んでいる。インターフェイスのブースは賑やかでメインステージと位置づけられる南側の近くにあって、心なしか露店もこちら側の方が繁盛しているように思う。北側を通ってきたけど、向こうは落ち着いて見たい人向けなのかな。
「おっ、今年も揚げ鯛屋来てんね」
「どこのおじちゃんかと思えば村井サンではありませんか。どうしたんですか、こんなところで」
「いよーう圭斗! 村井おじちゃんダヨー」
「帰れ」
「圭斗テメー! それが先輩に対する態度かー!」
この圭斗がまた憎たらしい奴だ。人を人とも先輩とも思わない態度でだな。まあ、別にいいんだけどさ。テッパンのやり取りだし、何より俺は先輩で、オトナだからな! 圭斗との戯れにも大らかな心でだな、うん。
「あ、圭斗さんおはよー」
「松岡、どうだ調子は」
「麻里さん、城戸女史、おはようございます。本日はようこそお越しいただきました。向島インターフェイス放送委員会定例会議長として歓迎します」
「俺とのこの扱いの差よ」
「麻里さんと城戸女史にはそうするだけの理由がありますからね」
何を隠そう、去年のインターフェイスは完っ全に! 咲良と麻里に牛耳られてたよな! 定例会議長と委員長が強すぎたんだ。対策委員前議長委員長の俺と広瀬が束になって当たってもビクともしないとはこのことよ。咲良と麻里の前じゃ圭斗もまだまだひよっこだ。
「松岡、現段階で何か問題は起きていないか?」
「大なり小なりないことはありませんが、僕たちで何とか出来る範囲内です。お心遣いをいただき恐縮です」
「ホントかよ圭斗ぉー」
「ちなみにですが村井サン、この時点で野坂が1時間半弱遅刻していて今もその遅延記録を延ばしているということだけはお伝えしておきます」
「あの野郎ファンフェスでもやりやがったか!」
「他にもいろいろありまして、星ヶ丘系の班長が非常にそわそわしていると。そんな感じですね」
「そうかー……」
「で、村井サンがただ遊びに来たワケではないんでしょう?」
「あっそうだった。お前との立ち話で終わるとこだったよ。俺は伊東を冷やかしに来たんだった」
手に提げた紙袋の中には100均で用意してきたスケッチブックと太マジック。そう、これでミキサーに対してムチャ振りをするという、夏合宿のモニター会なんかでもちょこちょこあるヤツだ。さすがにそんなことをしていいのは身内か3年くらいだし、まあやるなら伊東だよなって。
「村井サン、伊東があからさまにめんどくさそうな顔をしていますよ」
「よぉーし、そうかそうか、それならご希望通りたーっぷりと遊んでやろうじゃねーの」
「マーさん、程々にね」
「城戸女史、おじちゃんが行き過ぎだと感じたら実力行使をしていただいても構いませんので」
「いや、ウチでは出来ないタイプの鍛え方が出来るだろう。公序良俗に反しない範囲でなら好きにしてくれ」
end.
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ファンフェスの先輩たちです。村井おじちゃんの標的は毎回毎回いち氏なのです。そうか、3年ミキの生き残りっていう立ち位置なんだね
番組の順番が毎年ブレッブレなのできちんと決めておきたい。その辺ちゃんとしとかないといろいろ大変だから
村井おじちゃんの悪ノリには困ったものだけど、おじちゃんの持ち込んだスケッチブックとマジックのおかげで救われるペアもあったから良しとしましょう
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星港市の中心地・花栄のさらにど真ん中の公園で行われているファンタジックフェスタ、今日はその冷やかしにやってきた。まあ、アレだよ。やっぱり村井おじちゃんとしてはインターフェイスのDJブースに悪いノリで顔を出しておきたいっすわね。麻里と咲良も一緒に来ている。
ファンタジックフェスタは広く一般に向けた祭りだし、インターフェイスの4年が遊びに来ちゃいけないっていう決まりもない。定例会議長が圭斗じゃなきゃここまで悪いノリにはならなかっただろうけど、参加者以外に遊びに来る奴がいるくらいが張り合いがあっていいだろう。
「村井、番組は9時半からだったか」
「そうね、9時半。まあ今が50分だしまあまあって感じっしょ」
「そうだよね。ずっといるワケじゃないし。ねえマーさん。アタシ圭斗さん冷やかしたいんだけど圭斗さんいつかわかる?」
「俺は班の順番とかは知らないんだけど、咲良お前知ってる?」
「いや、さすがに順番までは聞いてない」
「何だよぉー、定例会前議長なのに聞いてないんかーい」
「強いて言えば、伊東の番組にはもう遅れているということくらいしか把握していない」
「ちょっおまマジか!」
引退した今の4年は今いる3人も含めてミキサーの方が多い学年だ。今の3年はアナに人数が偏っていて、2年になるとまたミキサーに偏る。3年はミキサーが少ない上に、その少ないミキサーが失踪したりフェードアウトしたりとさらに減っている。そんなことがあって、特別気になるっていう感じなんだよな。
特に伊東は実質的な3年ミキ唯一の生き残りとして頑張ってる感がある。他にミキサーがいないワケじゃないけど、ステージメインだったりフェードアウト気味だったり。元々インターフェイスの活動にあまり出てこない奴もいる。ラジオの活動となると1人で頑張らなきゃいけなくなることも少なくないはずだ。
――ということを度外視しても、昔からウチと緑ヶ丘は学校間交流が盛んだったからそこそこ仲がいい。圭斗ほどは行かないにしても悪ノリの程度を少しグレードアップさせられるくらいには。ちっきしょ~、今日は伊東を目的にしてきたと言っても過言じゃねーのに遅れてるだって!?
「ちょっ、お前ら早く行くぞ! これを逃したらせっかく買ってきたコイツらが無駄になる!」
「マーさん何なのその無駄な気合い」
「それにその荷物は」
「いーから! 俺らがイジって遊べる奴なんて今のインターフェイスじゃもう希少種だぞ!」
公園には北ステージと南ステージがあって、その間に露店やテントが立ち並んでいる。インターフェイスのブースは賑やかでメインステージと位置づけられる南側の近くにあって、心なしか露店もこちら側の方が繁盛しているように思う。北側を通ってきたけど、向こうは落ち着いて見たい人向けなのかな。
「おっ、今年も揚げ鯛屋来てんね」
「どこのおじちゃんかと思えば村井サンではありませんか。どうしたんですか、こんなところで」
「いよーう圭斗! 村井おじちゃんダヨー」
「帰れ」
「圭斗テメー! それが先輩に対する態度かー!」
この圭斗がまた憎たらしい奴だ。人を人とも先輩とも思わない態度でだな。まあ、別にいいんだけどさ。テッパンのやり取りだし、何より俺は先輩で、オトナだからな! 圭斗との戯れにも大らかな心でだな、うん。
「あ、圭斗さんおはよー」
「松岡、どうだ調子は」
「麻里さん、城戸女史、おはようございます。本日はようこそお越しいただきました。向島インターフェイス放送委員会定例会議長として歓迎します」
「俺とのこの扱いの差よ」
「麻里さんと城戸女史にはそうするだけの理由がありますからね」
何を隠そう、去年のインターフェイスは完っ全に! 咲良と麻里に牛耳られてたよな! 定例会議長と委員長が強すぎたんだ。対策委員前議長委員長の俺と広瀬が束になって当たってもビクともしないとはこのことよ。咲良と麻里の前じゃ圭斗もまだまだひよっこだ。
「松岡、現段階で何か問題は起きていないか?」
「大なり小なりないことはありませんが、僕たちで何とか出来る範囲内です。お心遣いをいただき恐縮です」
「ホントかよ圭斗ぉー」
「ちなみにですが村井サン、この時点で野坂が1時間半弱遅刻していて今もその遅延記録を延ばしているということだけはお伝えしておきます」
「あの野郎ファンフェスでもやりやがったか!」
「他にもいろいろありまして、星ヶ丘系の班長が非常にそわそわしていると。そんな感じですね」
「そうかー……」
「で、村井サンがただ遊びに来たワケではないんでしょう?」
「あっそうだった。お前との立ち話で終わるとこだったよ。俺は伊東を冷やかしに来たんだった」
手に提げた紙袋の中には100均で用意してきたスケッチブックと太マジック。そう、これでミキサーに対してムチャ振りをするという、夏合宿のモニター会なんかでもちょこちょこあるヤツだ。さすがにそんなことをしていいのは身内か3年くらいだし、まあやるなら伊東だよなって。
「村井サン、伊東があからさまにめんどくさそうな顔をしていますよ」
「よぉーし、そうかそうか、それならご希望通りたーっぷりと遊んでやろうじゃねーの」
「マーさん、程々にね」
「城戸女史、おじちゃんが行き過ぎだと感じたら実力行使をしていただいても構いませんので」
「いや、ウチでは出来ないタイプの鍛え方が出来るだろう。公序良俗に反しない範囲でなら好きにしてくれ」
end.
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ファンフェスの先輩たちです。村井おじちゃんの標的は毎回毎回いち氏なのです。そうか、3年ミキの生き残りっていう立ち位置なんだね
番組の順番が毎年ブレッブレなのできちんと決めておきたい。その辺ちゃんとしとかないといろいろ大変だから
村井おじちゃんの悪ノリには困ったものだけど、おじちゃんの持ち込んだスケッチブックとマジックのおかげで救われるペアもあったから良しとしましょう
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