2017(02)
■信じて用い、頼ること
++++
「……朝霞、文系の3年は履修にも余裕があるんじゃないの」
「この惨状は一体。人間学部って3年もカツカツなのか」
「いや……宇部、菅野、俺がいるところから察しろ」
放送部では定期的に班長会議が行われる。今はステージも近いし頻度がいつもより高くなっていて、今日も会議室に集められている。しかし、班長が全員揃っているわけではない。
一部の班長……と言うか、部長の日高と鳴尾浜が来ていないのだ。ちなみに今は普通に授業をやっている時間帯。そんな時間に会議をやるのもどうかと思うが、なかなか日程が揃わないのだ。
余談だが、班長会議は宇部の都合を中心に日程が組まれている。部内で最も忙しい班長が宇部だからだ(次点は須賀)。部活の上でもそうだし、学部の上でも。実質的部長として部長会に出ていたりするという都合もある。
「普通にやってりゃ人間学部の3年なんざさほど履修はないぞ。日高と鳴尾浜は未だに必修残してるけど」
「じゃあ、お前が普通なんだな」
「その通りだ」
お世辞にも成績は良くないが、単位自体は順調に取っている。3年のこの時期に賭けたいなら1・2年のうちにしっかりやっとけという越谷さんの教えを忠実に守った結果だ。その教えをいただいて、越谷さんには感謝している。
「まあ、いいわ。部長と鳴尾浜には後で私が直接連絡すればいいことだし。会議を始めましょう」
この時期に班長会議だけに、内容は丸の池ステージのことが中心になる。タイムテーブルの確認や、進捗報告など。活動の最中に起こった問題などもここで報告することになる。
その他には、部長会からの連絡があったり、文化会からの通達があったり。時期によってはインターフェイスの話も。班長会議はぶっちゃけ部長がいなくたって回る。宇部さえいればいいと全員わかっているけど敢えて誰も言わないのだ。
「先に出した台本から変わった班はあるかしら」
「あ、朝霞班は――」
「書いてないと死ぬ人はいいわ」
「いや宇部、話くらい聞けよ」
「あら朝霞、3年目にもなれば聞かなくてもわかるのよ。他にそういう班があれば本番3日前までに報告して下さい」
「宇部P、いいんだ?」
「あら、須賀さん。須賀班の台本が変わるのかしら」
「ウチの本は良く出来てるから変わらないんだ! 変わるかもしれないって言ってたのは鎌ヶ谷班なんだ! かまひびがひーこら言ってたんだ!」
須賀が小耳に挟んだらしい話に、宇部が大きく溜め息を吐く。得てして何かあるのは現場にいない奴。この場ではどうしようもない。そして宇部は周りを確認して、違う話を切り出す。
「ところで、誰か部長の班が練習しているところを見たことがあるかしら」
「いや、ないな」
「宇部P、どうしたんだ? ちなみにボクも見たことがないんだ」
「台本も提出されないし、班が動いているような気配もないの。不気味だと思って」
「宇部、考えすぎじゃないか? 俺たちは常に部長を見てるワケじゃない。俺たちの見てないところで動いてる可能性もある。今も、授業に出てる体で練習をしてるとか」
「菅野の言う通りだといいのだけど」
「あの日高が自主的に練習なんかするかねえ。ラクして人の手柄を盗んでく汚い野郎が。今頃ウチらが提出した台本をコピペでもしてんじゃねーのかい?」
「……魚里さん、口を慎みなさい」
「宇部、アンタだってそれがないとは言い切れないんだろ? 誰よりも他人を信用しないアンタがさ、よりによってあの日高を信じることなんか出来っこないさ」
宇部と魚里の間に火花が散り、一触即発状態。その間に菅野と須賀が入って落ち着け、次の話に行くんだと火消しに奔走。宇部と魚里の因縁はガチなヤツだし、この程度で済んで良かったと思うしかない。
「とにかく。ステージまで日がありません。各班、事故、怪我等ないように。熱中症にも気をつけて活動して下さい。何か異常があれば私まで」
end.
++++
スガセラカップルも班長なんだ! ということで今年度から出てきたキャラクターを突っ込んだ班長会議。日高とシゲトラは授業に出てる。
「書いてないと死ぬ人はいいわ」www まあ、朝霞Pは確かにそうなんだけど宇部Pもバッサリ行ったぜ!
宇部Pとうお姐の間に入るスガセラがかわいい。そしてそれに関しては傍観の朝霞Pである。って言うかかまひびってかまひびで通じるのか
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「……朝霞、文系の3年は履修にも余裕があるんじゃないの」
「この惨状は一体。人間学部って3年もカツカツなのか」
「いや……宇部、菅野、俺がいるところから察しろ」
放送部では定期的に班長会議が行われる。今はステージも近いし頻度がいつもより高くなっていて、今日も会議室に集められている。しかし、班長が全員揃っているわけではない。
一部の班長……と言うか、部長の日高と鳴尾浜が来ていないのだ。ちなみに今は普通に授業をやっている時間帯。そんな時間に会議をやるのもどうかと思うが、なかなか日程が揃わないのだ。
余談だが、班長会議は宇部の都合を中心に日程が組まれている。部内で最も忙しい班長が宇部だからだ(次点は須賀)。部活の上でもそうだし、学部の上でも。実質的部長として部長会に出ていたりするという都合もある。
「普通にやってりゃ人間学部の3年なんざさほど履修はないぞ。日高と鳴尾浜は未だに必修残してるけど」
「じゃあ、お前が普通なんだな」
「その通りだ」
お世辞にも成績は良くないが、単位自体は順調に取っている。3年のこの時期に賭けたいなら1・2年のうちにしっかりやっとけという越谷さんの教えを忠実に守った結果だ。その教えをいただいて、越谷さんには感謝している。
「まあ、いいわ。部長と鳴尾浜には後で私が直接連絡すればいいことだし。会議を始めましょう」
この時期に班長会議だけに、内容は丸の池ステージのことが中心になる。タイムテーブルの確認や、進捗報告など。活動の最中に起こった問題などもここで報告することになる。
その他には、部長会からの連絡があったり、文化会からの通達があったり。時期によってはインターフェイスの話も。班長会議はぶっちゃけ部長がいなくたって回る。宇部さえいればいいと全員わかっているけど敢えて誰も言わないのだ。
「先に出した台本から変わった班はあるかしら」
「あ、朝霞班は――」
「書いてないと死ぬ人はいいわ」
「いや宇部、話くらい聞けよ」
「あら朝霞、3年目にもなれば聞かなくてもわかるのよ。他にそういう班があれば本番3日前までに報告して下さい」
「宇部P、いいんだ?」
「あら、須賀さん。須賀班の台本が変わるのかしら」
「ウチの本は良く出来てるから変わらないんだ! 変わるかもしれないって言ってたのは鎌ヶ谷班なんだ! かまひびがひーこら言ってたんだ!」
須賀が小耳に挟んだらしい話に、宇部が大きく溜め息を吐く。得てして何かあるのは現場にいない奴。この場ではどうしようもない。そして宇部は周りを確認して、違う話を切り出す。
「ところで、誰か部長の班が練習しているところを見たことがあるかしら」
「いや、ないな」
「宇部P、どうしたんだ? ちなみにボクも見たことがないんだ」
「台本も提出されないし、班が動いているような気配もないの。不気味だと思って」
「宇部、考えすぎじゃないか? 俺たちは常に部長を見てるワケじゃない。俺たちの見てないところで動いてる可能性もある。今も、授業に出てる体で練習をしてるとか」
「菅野の言う通りだといいのだけど」
「あの日高が自主的に練習なんかするかねえ。ラクして人の手柄を盗んでく汚い野郎が。今頃ウチらが提出した台本をコピペでもしてんじゃねーのかい?」
「……魚里さん、口を慎みなさい」
「宇部、アンタだってそれがないとは言い切れないんだろ? 誰よりも他人を信用しないアンタがさ、よりによってあの日高を信じることなんか出来っこないさ」
宇部と魚里の間に火花が散り、一触即発状態。その間に菅野と須賀が入って落ち着け、次の話に行くんだと火消しに奔走。宇部と魚里の因縁はガチなヤツだし、この程度で済んで良かったと思うしかない。
「とにかく。ステージまで日がありません。各班、事故、怪我等ないように。熱中症にも気をつけて活動して下さい。何か異常があれば私まで」
end.
++++
スガセラカップルも班長なんだ! ということで今年度から出てきたキャラクターを突っ込んだ班長会議。日高とシゲトラは授業に出てる。
「書いてないと死ぬ人はいいわ」www まあ、朝霞Pは確かにそうなんだけど宇部Pもバッサリ行ったぜ!
宇部Pとうお姐の間に入るスガセラがかわいい。そしてそれに関しては傍観の朝霞Pである。って言うかかまひびってかまひびで通じるのか
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