2018(02)
■外の世界での大発見
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物を書く作業は、ここが一番落ち着くなあと思う。土曜日で一般的には休みなのにわざわざ大学まで出てきての作業。ミーティングルームの班のブースでカリカリと手を動かす。家には誘惑が多いし、それを断ち切ることも出来ていいよね。
夏合宿まであと3日。それまでに少しでもしっかりトークを詰めておきたい。一言一句詰めた台本を書くことは禁止されていて、単語レベルだったり一文程度のメモ書きでしっかりまとめておかないといけない。
手元には、5班班長で私とペアを組む野坂先輩がくれた初心者講習会のレジュメ。私とあやめは講習会に出ていないからとわざわざ用意してくれた物。これを見て、自分で考えながらしっかりとトークを組み立てていく。
これをくれるときに、野坂先輩は私に謝っていた。インターフェイスのラジオのことを一から教えるとは言ったけど、自分はミキサーだからアナウンサーのことには限界があると。どうしてもミキサー視点になるのが申し訳ないって。
私からすればそこまでしてもらって謝ってもらう必要は全然ないし、むしろ対策委員は大変なのにリアル初心者を2人も抱えて、そこまでしてもらってありがとうございますという気持ちでいっぱい。真面目で誠実な人だなと思う。
「あら、浦和さん」
「あっ、宇部さんこんにちはです。お仕事ですか?」
「ええ。文化会の部長会だったのよ。あなたは?」
「夏合宿のトークを詰める作業です」
「そう。頑張っているのね」
宇部さんは、私がインターフェイスの夏合宿に出ると言ったときも何一つ文句も言わずに送り出してくれた。つばめ先輩と話すきっかけが欲しかったっていうのが動機だけど、外で何かを掴んでいらっしゃいねと言ってもらえて今は頑張れている。
「ラジオはどうかしら、ステージとはいろいろ違うと思うけれど」
「一言一句台本を詰めたらダメだったり、いろいろ違って難しいです。でも、ラジオのことは班長がしっかり教えてくれているので形にはなってきていますです」
「そう、いい班長に当たったのね」
「はいです。初心者講習会のレジュメも刷ってくれましたです。これがそうなんですけど」
「私も見ていいかしら」
「どうぞです」
レジュメを見ながら宇部さんは時々頷いたり、なるほどと声を漏らしている。宇部さんもこれを見てステージとは違うところから知見を得たりしているのかな、と思った。監査だし凄くしっかりしているけど意外に柔軟なところもあったりするから、次のステージにも生きてきたりとか。想像はタダです。
「いいレジュメだわ。これはあなたの班長が作ったのかしら」
「講習会の講師の人が作ったそうです。向島のなっちさんて女の人らしいですけど」
「向島……ああ、彼女は確かに上手い人ね」
「知ってるですか?」
「向島の作品出展のディスクがあるわ。そこに収録されていたのが確か彼女の番組だったの。とても上手くまとまっていたのよ。トークもだし、ミキサーもソツがなかったわ。機材王国と呼ばれるだけはあって」
「聞いてみたいです」
「では、部室に行きましょうか。番組を聞くのも勉強のひとつよ」
薄暗く埃っぽい部室に移動して、番組を聞く準備をする。宇部さんが機材を立ち上げてくれて、聞くべきディスクを確認している。私はスピーカーの前に座って勉強する体制に。そこから聞こえてきたのはラジオドラマ。今はこのトラックはいいわと飛ばした次に、向島大学の食堂で実際に流されている昼放送が始まった。
「わっ」
「どうしたの?」
「この番組のミキサー、班長です! 合宿では私とペアを組むです!」
「あら、いい相手に当たったのね」
「ミキサーも主体的に番組を作ってるって教えてくれたですよ」
「例えば?」
「ラジオではステージでPがやってるような進行計画はミキサーがやってくれてるです。あと、BGMもアナウンサーの雰囲気や企画内容に沿うように選んでくれるです。3ペアある班のまとまりも見てるって言っててびっくりしたですよ。番組の打ち合わせでも私の意見を引き出してくれますし、それを踏まえてこんな風にも出来るって選択肢をいろいろ用意してくれるですよ」
「宇部班は人数が多いし私が何でも決めるから一人一人とじっくり話し合うことは少ないけれど、密に話し合って2人で作っていくのは1対1のラジオならではね」
「いろいろ良くしてもらってますですし、少しでも結果で応えたいです」
「あなたなら出来るわ。真面目で練習熱心だもの」
バックには、作品出展の番組。するすると聞けてしまって、空気に馴染んでいるなあって。さすがにここまではいかないかもしれないけど、初心者なりにやれるだけやってやるですよ。夏合宿に出たことは決して無駄じゃなかったですよ。動機はともかく結果としては大正解です。
「ところで、戸田さんは大丈夫かしら」
「つばめ先輩です?」
「報告を聞く限り、彼女の班は物騒なことになっているそうだけど」
end.
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夏合宿5班のターンはお休みも作業をしているマリン回。マリンは基本的に真面目だからな! つばちゃんに対してがアレなだけでやね
なんかすげえノサカ上げっぽくなってるけど、ノサカは菜月さんと圭斗さんがいなけりゃ基本万能なんや。あれっ、5班って確か圭斗さnげふんげふん
そしてつばちゃんはあまり大丈夫じゃなさそうです。つばちゃんに害をなす存在があるとわかったらマリンが黙ってないっすねこれは
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物を書く作業は、ここが一番落ち着くなあと思う。土曜日で一般的には休みなのにわざわざ大学まで出てきての作業。ミーティングルームの班のブースでカリカリと手を動かす。家には誘惑が多いし、それを断ち切ることも出来ていいよね。
夏合宿まであと3日。それまでに少しでもしっかりトークを詰めておきたい。一言一句詰めた台本を書くことは禁止されていて、単語レベルだったり一文程度のメモ書きでしっかりまとめておかないといけない。
手元には、5班班長で私とペアを組む野坂先輩がくれた初心者講習会のレジュメ。私とあやめは講習会に出ていないからとわざわざ用意してくれた物。これを見て、自分で考えながらしっかりとトークを組み立てていく。
これをくれるときに、野坂先輩は私に謝っていた。インターフェイスのラジオのことを一から教えるとは言ったけど、自分はミキサーだからアナウンサーのことには限界があると。どうしてもミキサー視点になるのが申し訳ないって。
私からすればそこまでしてもらって謝ってもらう必要は全然ないし、むしろ対策委員は大変なのにリアル初心者を2人も抱えて、そこまでしてもらってありがとうございますという気持ちでいっぱい。真面目で誠実な人だなと思う。
「あら、浦和さん」
「あっ、宇部さんこんにちはです。お仕事ですか?」
「ええ。文化会の部長会だったのよ。あなたは?」
「夏合宿のトークを詰める作業です」
「そう。頑張っているのね」
宇部さんは、私がインターフェイスの夏合宿に出ると言ったときも何一つ文句も言わずに送り出してくれた。つばめ先輩と話すきっかけが欲しかったっていうのが動機だけど、外で何かを掴んでいらっしゃいねと言ってもらえて今は頑張れている。
「ラジオはどうかしら、ステージとはいろいろ違うと思うけれど」
「一言一句台本を詰めたらダメだったり、いろいろ違って難しいです。でも、ラジオのことは班長がしっかり教えてくれているので形にはなってきていますです」
「そう、いい班長に当たったのね」
「はいです。初心者講習会のレジュメも刷ってくれましたです。これがそうなんですけど」
「私も見ていいかしら」
「どうぞです」
レジュメを見ながら宇部さんは時々頷いたり、なるほどと声を漏らしている。宇部さんもこれを見てステージとは違うところから知見を得たりしているのかな、と思った。監査だし凄くしっかりしているけど意外に柔軟なところもあったりするから、次のステージにも生きてきたりとか。想像はタダです。
「いいレジュメだわ。これはあなたの班長が作ったのかしら」
「講習会の講師の人が作ったそうです。向島のなっちさんて女の人らしいですけど」
「向島……ああ、彼女は確かに上手い人ね」
「知ってるですか?」
「向島の作品出展のディスクがあるわ。そこに収録されていたのが確か彼女の番組だったの。とても上手くまとまっていたのよ。トークもだし、ミキサーもソツがなかったわ。機材王国と呼ばれるだけはあって」
「聞いてみたいです」
「では、部室に行きましょうか。番組を聞くのも勉強のひとつよ」
薄暗く埃っぽい部室に移動して、番組を聞く準備をする。宇部さんが機材を立ち上げてくれて、聞くべきディスクを確認している。私はスピーカーの前に座って勉強する体制に。そこから聞こえてきたのはラジオドラマ。今はこのトラックはいいわと飛ばした次に、向島大学の食堂で実際に流されている昼放送が始まった。
「わっ」
「どうしたの?」
「この番組のミキサー、班長です! 合宿では私とペアを組むです!」
「あら、いい相手に当たったのね」
「ミキサーも主体的に番組を作ってるって教えてくれたですよ」
「例えば?」
「ラジオではステージでPがやってるような進行計画はミキサーがやってくれてるです。あと、BGMもアナウンサーの雰囲気や企画内容に沿うように選んでくれるです。3ペアある班のまとまりも見てるって言っててびっくりしたですよ。番組の打ち合わせでも私の意見を引き出してくれますし、それを踏まえてこんな風にも出来るって選択肢をいろいろ用意してくれるですよ」
「宇部班は人数が多いし私が何でも決めるから一人一人とじっくり話し合うことは少ないけれど、密に話し合って2人で作っていくのは1対1のラジオならではね」
「いろいろ良くしてもらってますですし、少しでも結果で応えたいです」
「あなたなら出来るわ。真面目で練習熱心だもの」
バックには、作品出展の番組。するすると聞けてしまって、空気に馴染んでいるなあって。さすがにここまではいかないかもしれないけど、初心者なりにやれるだけやってやるですよ。夏合宿に出たことは決して無駄じゃなかったですよ。動機はともかく結果としては大正解です。
「ところで、戸田さんは大丈夫かしら」
「つばめ先輩です?」
「報告を聞く限り、彼女の班は物騒なことになっているそうだけど」
end.
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夏合宿5班のターンはお休みも作業をしているマリン回。マリンは基本的に真面目だからな! つばちゃんに対してがアレなだけでやね
なんかすげえノサカ上げっぽくなってるけど、ノサカは菜月さんと圭斗さんがいなけりゃ基本万能なんや。あれっ、5班って確か圭斗さnげふんげふん
そしてつばちゃんはあまり大丈夫じゃなさそうです。つばちゃんに害をなす存在があるとわかったらマリンが黙ってないっすねこれは
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