2018(02)
■お疲れサマー、ご苦労さん
++++
「……っはぁ~、うっめえ」
「朝霞クンお疲れ様でしょでしょ~」
どうやら向舞祭が無事に終わったらしく、定例会が解散してそのままの足で朝霞クンは店にやって来た。まずは串の五種盛りと生中で。ビールを一気にジョッキ半分くらい行って、大きく息を吐く。本当にお疲れの様子。だけど、部活のステージも向舞祭も終わって朝霞クンはようやく自由の身。
「疲れた……実家に帰る……」
「明日ね~」
「いや、マジでお前聞いてくれよ。定例会はさ、基本的に会場ごとのメインMCを補佐するアシスタント的役割なワケな? アナウンサーはな」
「そうだね~」
「何かテレビ局のアナウンサーみたいな人とかガチなイベントで見たことあるようなMCの人とかいろいろいるワケじゃんな」
「勉強になった?」
「それはそうとして、俺は水鈴さんに付いてたんだよ」
「え~!? ナニソレめっちゃ見たかったんですけど!」
「中途半端に知ってる人だからこそ逆に緊張しまくって何かもう途中から記憶ない」
そして朝霞クンは最初のジョッキを空にして、おかわりくださいとそれを突きつける。この調子だと、セルフ打ち上げなのも相まってハイピッチになりそうな感じ。最悪の事態を想定しておいた方がよさそうだね~。
で、何よりも気になる水鈴さんとの共演について。確かこっしーさんも定例会の方で向舞祭のステージに立った時の相手が水鈴さんだったって言ってたんだよね~。って言うか水鈴さんから聞いたのかな、それはどっちでもいいや。
って言うか、本職の俺がそれを出来てないのがちょっと悔しくも思う。確かに俺はステージスターであって、朝霞クンの理想や自分の思い描くそれであろうと頑張ってるけど、その基本になってるのが水鈴さんへの憧れであって。上手で華のあるステージMCと言えば今でも水鈴さんだよね。
「あ~……おかわりください」
「朝霞ク~ン、ちょっとハイピッチ過ぎるよ~? ほら、串も食べて~」
「大体なあ山口、圭斗の本番の強さは何なんだ、それまでは死んでてロクに練習すら出来てなかったのに本番になった瞬間復活してそれらしくこなしてやがったそうじゃねーか、俺は違う会場だったから見れてないんだけどさ。大石は大石でバイトばっか詰めてたクセに全然体力有り余ってるしよ。は~マジ誰かヘタクソかつ体力もない俺というポンコツを何とかしてくれ」
「……お客さ~ん、大分酔ってますね~」
「いいんだ、俺が持つべきはマイクじゃなくてペンだから……いいんだ……ラジドラ書くし……来月の作品出展ウチだし……ラジドラ書くし……謹慎中にめっちゃネタはインプットしてるしそれでめっちゃ台本書くし……ペン持った俺ナメんなよ…? すげーの作ってやるからな、朝霞班ナメんなよ…?」
「朝霞クン大分キてるし作品出展の件は初めて聞いたよ!?」
これもうおかわりさせちゃダメなヤツでしょでしょ~! って言うか普段見ない感じの酔い方だけど、これもイベント明けだからかなあ、変な感じ。愚痴っぽくもあり、ネガティブっぽくもあり。いや、でも最終的にはペン持つって言ってるから“ロイ”から“朝霞P”に戻りつつあるのかな。
朝霞クンは作品出展のラジドラについてこれこれこういう構想があって~とそれまでのジメジメした感じではなくはっきりとした様子で語り始めた。楽しそうで何より。朝霞班はそれぞれの役割があるから、他の分野の仕事って……あ~、Dとミキが出来て女声担当という万能なつばちゃんがいた。まあいいや!
「朝霞クン、電話鳴ってない?」
「あ、誰だろ。え、マジで。……はいもしもし。おー! 久し振り! どうしたどうした! ちょっ、シンお前勘弁してくれよ、恥ずかしいじゃねーかよ!」
え、誰これ。何かすっごいきゃっきゃしてるんですけど、朝霞クンの姿形をしたこれは誰ですかね。
「え、マジで。乗っけてくれんの? いいね~、ついでにドライブとか。うんうん、あっ、俺? 星港市内。へー、緑ヶ丘かー。来てくれるならその方が助かるけど。えっ、キャラが違う? そりゃお前何年経ってると思ってんだよ~。あと俺今飲んでる、ってそれが原因か! あっはっは!」
朝霞クンが楽しそうで何より。電話だからかお酒飲んでるからかスイッチがオフってるからかわかんないけどキャラが違うことに関しては俺も驚いてるよね~。
「山口ぃー、俺明日実家に帰るんだけどー」
「それは聞いたよ~」
「高校の同級生に山羽駅まで乗っけてもらうことになったじゃんな、寝坊する気しかしな……おかわりください」
「お酒ならもうダメだよ~」
「チッ」
「それに寝坊する気しかしないって、起こせってこと?」
「山口洋平君、バイト明けからラジドラ会議をしませう~、今ならいい物が書ける気がしませう~、へっへっへ、俺のネタ帳が火を吹くせう~」
「ダメだこれ! 完全にイってる! 朝霞ク~ン、電話大丈夫~?」
「いっけね~、お~いもしもし~」
あっこれ1人で帰しちゃ危ないヤツですね。とりあえず適当に保護しとかなきゃ。
end.
++++
向舞祭終わりで朝霞Pがふらふらと洋平ちゃんのお店にご飯を食べに来たようです
しかしすっごいピッチで飲んでますね! 朝霞Pもなかなか酒癖が悪いのでこの後洋平ちゃん大変なことになってそうです
さて、これで朝霞Pは明日実家に帰るらしいですが電話の相手ってあの人っすよね
.
++++
「……っはぁ~、うっめえ」
「朝霞クンお疲れ様でしょでしょ~」
どうやら向舞祭が無事に終わったらしく、定例会が解散してそのままの足で朝霞クンは店にやって来た。まずは串の五種盛りと生中で。ビールを一気にジョッキ半分くらい行って、大きく息を吐く。本当にお疲れの様子。だけど、部活のステージも向舞祭も終わって朝霞クンはようやく自由の身。
「疲れた……実家に帰る……」
「明日ね~」
「いや、マジでお前聞いてくれよ。定例会はさ、基本的に会場ごとのメインMCを補佐するアシスタント的役割なワケな? アナウンサーはな」
「そうだね~」
「何かテレビ局のアナウンサーみたいな人とかガチなイベントで見たことあるようなMCの人とかいろいろいるワケじゃんな」
「勉強になった?」
「それはそうとして、俺は水鈴さんに付いてたんだよ」
「え~!? ナニソレめっちゃ見たかったんですけど!」
「中途半端に知ってる人だからこそ逆に緊張しまくって何かもう途中から記憶ない」
そして朝霞クンは最初のジョッキを空にして、おかわりくださいとそれを突きつける。この調子だと、セルフ打ち上げなのも相まってハイピッチになりそうな感じ。最悪の事態を想定しておいた方がよさそうだね~。
で、何よりも気になる水鈴さんとの共演について。確かこっしーさんも定例会の方で向舞祭のステージに立った時の相手が水鈴さんだったって言ってたんだよね~。って言うか水鈴さんから聞いたのかな、それはどっちでもいいや。
って言うか、本職の俺がそれを出来てないのがちょっと悔しくも思う。確かに俺はステージスターであって、朝霞クンの理想や自分の思い描くそれであろうと頑張ってるけど、その基本になってるのが水鈴さんへの憧れであって。上手で華のあるステージMCと言えば今でも水鈴さんだよね。
「あ~……おかわりください」
「朝霞ク~ン、ちょっとハイピッチ過ぎるよ~? ほら、串も食べて~」
「大体なあ山口、圭斗の本番の強さは何なんだ、それまでは死んでてロクに練習すら出来てなかったのに本番になった瞬間復活してそれらしくこなしてやがったそうじゃねーか、俺は違う会場だったから見れてないんだけどさ。大石は大石でバイトばっか詰めてたクセに全然体力有り余ってるしよ。は~マジ誰かヘタクソかつ体力もない俺というポンコツを何とかしてくれ」
「……お客さ~ん、大分酔ってますね~」
「いいんだ、俺が持つべきはマイクじゃなくてペンだから……いいんだ……ラジドラ書くし……来月の作品出展ウチだし……ラジドラ書くし……謹慎中にめっちゃネタはインプットしてるしそれでめっちゃ台本書くし……ペン持った俺ナメんなよ…? すげーの作ってやるからな、朝霞班ナメんなよ…?」
「朝霞クン大分キてるし作品出展の件は初めて聞いたよ!?」
これもうおかわりさせちゃダメなヤツでしょでしょ~! って言うか普段見ない感じの酔い方だけど、これもイベント明けだからかなあ、変な感じ。愚痴っぽくもあり、ネガティブっぽくもあり。いや、でも最終的にはペン持つって言ってるから“ロイ”から“朝霞P”に戻りつつあるのかな。
朝霞クンは作品出展のラジドラについてこれこれこういう構想があって~とそれまでのジメジメした感じではなくはっきりとした様子で語り始めた。楽しそうで何より。朝霞班はそれぞれの役割があるから、他の分野の仕事って……あ~、Dとミキが出来て女声担当という万能なつばちゃんがいた。まあいいや!
「朝霞クン、電話鳴ってない?」
「あ、誰だろ。え、マジで。……はいもしもし。おー! 久し振り! どうしたどうした! ちょっ、シンお前勘弁してくれよ、恥ずかしいじゃねーかよ!」
え、誰これ。何かすっごいきゃっきゃしてるんですけど、朝霞クンの姿形をしたこれは誰ですかね。
「え、マジで。乗っけてくれんの? いいね~、ついでにドライブとか。うんうん、あっ、俺? 星港市内。へー、緑ヶ丘かー。来てくれるならその方が助かるけど。えっ、キャラが違う? そりゃお前何年経ってると思ってんだよ~。あと俺今飲んでる、ってそれが原因か! あっはっは!」
朝霞クンが楽しそうで何より。電話だからかお酒飲んでるからかスイッチがオフってるからかわかんないけどキャラが違うことに関しては俺も驚いてるよね~。
「山口ぃー、俺明日実家に帰るんだけどー」
「それは聞いたよ~」
「高校の同級生に山羽駅まで乗っけてもらうことになったじゃんな、寝坊する気しかしな……おかわりください」
「お酒ならもうダメだよ~」
「チッ」
「それに寝坊する気しかしないって、起こせってこと?」
「山口洋平君、バイト明けからラジドラ会議をしませう~、今ならいい物が書ける気がしませう~、へっへっへ、俺のネタ帳が火を吹くせう~」
「ダメだこれ! 完全にイってる! 朝霞ク~ン、電話大丈夫~?」
「いっけね~、お~いもしもし~」
あっこれ1人で帰しちゃ危ないヤツですね。とりあえず適当に保護しとかなきゃ。
end.
++++
向舞祭終わりで朝霞Pがふらふらと洋平ちゃんのお店にご飯を食べに来たようです
しかしすっごいピッチで飲んでますね! 朝霞Pもなかなか酒癖が悪いのでこの後洋平ちゃん大変なことになってそうです
さて、これで朝霞Pは明日実家に帰るらしいですが電話の相手ってあの人っすよね
.