Viola mandshurica
貴方の名前
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ザァァ…
外の音で目が覚める。
初めての寮での睡眠は何事も無く、ぐっすりと眠れた。
欠伸をしながら、のそのそとベッドから離れカーテンを開ける、今日は雨らしい。
昨日綾小路さんが言ってたっけ、なんて思いながら制服に着替えて、準備を始めた――…
「………無い。」
傘も持ってきたと思ったけれど、どうやら忘れたようだ。
…どうしよう。
寮の入り口で傘を買いに行こうと思いながら、何処にコンビニがあるのか分からないから困っていると後ろから女の子が話しかけてきた。
「こんな所でどうしたの?」
「?……あ、福沢さん。」
「あ、覚えててくれた?」
福沢さん…同じクラスの子で何度か挨拶した位で親しいって程でもないけど、可愛くて社交的な女の子なのは知っている。
「…で、どうかしたの?」
「あ、あぁ…えぇっと……傘、忘れて…」
「なんだ~そんなことなら一緒に行こう、ね?」
「え、いいの?」
「勿論!」
福沢さんがそう言って玄関から出ると傘を開いて此方に傘を傾けた。
「有難う!」
私はお言葉に甘えて福沢さんの隣を歩いて、学校まで一緒に登校した。
「……ね、どうせなら名前で呼び合おうよ!」
登校中、他愛も無い話をしていると福沢さんがそんなことを言い出した、実は私も、もっと仲良くなりたいな…なんて考えていたから、うん!と一つ返事で返した。
「玲子ちゃん…だよね?」
「そうだよ、あなたは瑞希ちゃんでしょ?知ってるよ。」
「うん、寮でも宜しくね!」
「宜しく~!あ、私は四階の部屋だよ。」
「へぇー、坂上君や恵美ちゃんと一緒なんだね。」
「あ、二人のこと知ってるんだ。」
「うん、昨日会ったばかりだけど…」
「そうだったんだ~、寮に今年入ったのは三人だったらしいから、私も知ってるんだ。」
「ふーん、私で四人目ってことだね…でも、私だけ三階かー…」
「そんなの、いつでも会えるってー」
「そ、そうだよね!」
その後も二人で仲良く話しながら、教室まで一緒に行った――――