Viola mandshurica
貴方の名前
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「美味しいですね!」
寮母さんが多目に夕食を作っていたらしく、綾小路さんに分けてもらうまでも無く、食べる事が出来た。
なので綾小路さんと二人、テーブルを挟んで一緒に食べることにした。
今は7時だけど、他の人は不思議と居ない…そんなに寮って人が少ないのかな?
なんて思いながら、綾小路さんと話を続ける。
「綾小路さん、確か…毎日メニューが違うんですよね?」
「あぁ、たまにデザートとかも出てくるな。」
「そうなんですか!?」
綾小路さんによると店から買ってきてくれたり、手作りだったりするって言ってたっけ…手作りって…凄いなー。
そんなこんなで楽しい夕食を過ごしていると…
「あれ、綾小路と…誰だい?」
「…風間。」
背中から声が聞こえたと思ったら、綾小路さんの表情が厳しくなる。
私も声が聞こえた後ろを振り返ると……いかにも怪しそうな雰囲気を持った、良く言うとミステリアスな、そんな人が立っていた。
「ん?見たことの無い子だね?もしかして新しい入居者って君かい?」
「え?あぁ、はい。」
「菅原さん、そいつとは関わらない方が良い。」
綾小路さんはキッとその人を睨んでいたけど、気にしていないのか髪を弄りながら私に近付いてきた。
「隣、空いてるよね?」
「あ…はい。」
それだけ聞くとキッチンに向かって歩いて行った…と思ったら夕食を持って戻ってきて、私の隣に置いた。
「僕も今から晩御飯なんだ、一緒に食べようじゃないか。」
「おい、風間………」
綾小路さんは何か言いたげだったけど、開いた口を閉じてしまった。
風間と呼ばれた人は相変わらず綾小路さんを気にせず、私に話しかけてきた。
「君、名前は?」
「へ?あ、菅原瑞希です。」
「ふんふん、瑞希ちゃんね、僕は風間望、困った事があったら僕を頼ると良い。」
「はぁ…有り難うございます。」
この風間さんという人の独特の雰囲気に少し困っていると、さっきまで黙っていた綾小路さんが口を開いた。
「風間、菅原さんが困ってるだろ。」
すると、風間さんは箸を止めて反論する。
「心外だなー、僕は紳士的に言ったまでなのに。」
「………菅原さん、風間には気をつけた方が良い。」
「………………あ、瑞希ちゃん、実はね綾小路は…大川という奴と付き合っt「菅原さん、明日は雨らしいね。」……」
「そうなんですか?」
雨か…なんて考えていて、ふと気がつくと二人は元々そりが合わないのか、言い合いが続いていた。
時々風間さんからホモ、とか聞こえたのは出来れば信じたくない。
そうして忙しい入居初日は幕を下ろしたのだった―――…