数字題/5題
貴方の名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
四角関係協戦同盟
「で、綾小路さん!聞いてますか?」
「く、倉田さん、近い…」
「いいから!ちょっと来てください!」
放課後の部活動が各々の音を出し始める頃、帰ろうとして廊下を歩いている時に倉田さんが凄い剣幕で詰め寄ってきた。
倉田さんは新聞部に所属しているらしく、風間や日野経由で時々挨拶する程度だったから、何か怒らせるようなことはしていない。
訳も分からず、手を引かれて近くの教室に連れて行かれる。
教室の窓際に移動すると、倉田さんが窓を指さす。
「瑞希先輩のこと好きなんですよね?」
「えっ」
倉田さんが指差した先には、菅原さんがグラウンドを走っている姿があった。
その姿に、つい、目を追ってしまう。
「で、好きなんですか?」
「突然…なんでそんなことを聞くんだ?」
「またまた〜、分かってるんですよ。」
倉田さんは不敵な笑みを浮かべている。
確かにクラスメイトの菅原さんを好ましいと思っていたが、それは誰にも言っていない。
「…どうだろうか。けど、もしそうだったらどうなんだ?」
「その時は〜…私達、組みませんか?」
「うん?」
「だ・か・ら、瑞希先輩大好き同盟です。」
「は?」
「私達の敵はアレです。」
倉田さんが指差す先が変わる。
それはグラウンドから少し離れた茂み。
見慣れたクラスメイトの風間が菅原さん達が走っているグラウンドを見ている様だった。
「風間?」
「風間先輩、抜け駆けしようとしてますよ。」
「そ、そうか…」
「私より、近くで瑞希先輩の活躍を見るなんて…!いきますよ!」
倉田さんは勢いよく教室を飛び出す。
取り残されたから帰れるものの、菅原さんの話で逃げるのもな…
状況に負けて渋々付いていく。
今日まで俺は穏やかに菅原さんを見ていただけなのに…
グラウンド近くに来ると立ち止まっている菅原さんと話しかけている倉田さん。
風間がその2人を見ている。
確かに、近くで改めて風間の様子を見ると、他の人には目もくれずに見惚れている様にも見える。
なんとなく負けたくない気持ちで、風間よりも前に出て菅原さんを見る。
そうすると倉田さんがこっちに気づいて満面の笑みを浮かべて菅原さんと仲が良いことを自慢している風だったが、その後菅原さんにも声をかけたようだ。
菅原さんが俺に向かって手を振ってくれる。
俺も嬉しくて控えめに手を振り返す。
その動きに風間が俺を見つけたようで近づいてくる。
そして菅原さんに向かって手を振る。
菅原さんは風間さんにも手を振り返す。
その様子に倉田さんが面白くなかったのか、菅原さんの手を引っ張り会話に戻ったようだ。
「ねえ、綾小路。キミさ、僕が先に待っていたのに、抜け駆けは良く無いんじゃないの?」
「…抜け駆けって?」
「しらばっくれても無駄だよ。あんなに鼻の下伸ばしてたら、誰でもわかる。」
風間は俺を嫌そうな顔で見た後、再び菅原さん達に視線を戻す。
俺はマスクをしているのに変なことを言う奴だ。
「そういう風間は、菅原さんをストーカーみたいに見てたじゃないか。」
「人聞き悪いな〜。良いかい?僕は菅原には興味無いから。菅原が居ると恵美ちゃんがやってくる。つまり、そう言うこと。わかる?」
「つまり…お前は倉田さんが好きなのか。」
「なんでぼかしたのにハッキリ言うのかな〜。」
風間の言葉にホッとする自分がいて、それだけ菅原さんのことを好きなんだと、俺自身が再確認することになった。
その上で倉田さんの行動を思い出す。倉田さんが居る限り、菅原さんに話しかけるなど、夢のまた夢だ。
「…手伝おうか?」
「は?綾小路が?何が出来るん…まあ、いいか。じゃあさ、こう菅原に話しかけてよ。」
「なんだ?」
「「今日一緒に帰らないか?」ってさ。」
「俺が?」
「考えてみたまえ。僕が誘ったら恵美ちゃんに勘違いされるじゃないか。それより綾小路が誘って、菅原が来るなら恵美ちゃんが来る。そこに僕がさりげなく合流する。ほら、完璧じゃないか。」
既に倉田さんは風間の想い人を勘違いしているが…まあ、俺にとっても悪い話ではない。
「…良いだろう。じゃあ言ってくる。」
風間をその場に残し、グラウンドに近づく。
今度は倉田さんより先に菅原さんがこちらに気づく。
「綾小路くん、どうしたの?」
倉田さんは菅原さんの手を引っ張りながら、こちらの様子を伺っている。
「や、やあ、部活お疲れ様。」
「ありがとう。あと片付けで終わりなんだ。」
「そうか…じゃあ、終わったら一緒に帰らないか?」
「え?」
「あ、いや、良かったらだけど。」
驚いた様子の菅原さん。それはそうだ。
今まで他愛のない話はしたことがあるが、帰りを誘ったことなど一度もない。
倉田さんは菅原さんを見上げて反応を見ている。
「あ…綾小路くんが、良いなら…うん。」
菅原さんは少し恥ずかしそうに頷く。
もしかして俺のことを意識してくれているのかって思ったが、そもそも男子と親しくしているところを見たことがないから慣れてないだけだ。
いや、そう思っていないとすぐに舞い上がりそうだ。
マスクの下は本当に鼻が伸びているかもしれない。
「じゃあ、私も一緒に帰りますー!良いですよね?瑞希先輩?」
倉田さんは菅原さんの手を引き、上目遣いでお願いしている。
それを見た菅原さんは笑顔で頷いていた。
これで、風間も勝手に来るだろう。
成り行きとはいえ、この協力関係は俺にとって良いキッカケになった。
倉田さんの同盟に加入を決め、菅原さんの片付けをいつもより近くから眺めることにした。
四角関係協戦同盟
(利益最大限)
後書き
綾小路さんが色んな人とお話ししてるとこが書きたいなと思い、こちらのお題に。
綾小路さんの苦労人感が申し訳ないんですが、良いんですよね…。
「で、綾小路さん!聞いてますか?」
「く、倉田さん、近い…」
「いいから!ちょっと来てください!」
放課後の部活動が各々の音を出し始める頃、帰ろうとして廊下を歩いている時に倉田さんが凄い剣幕で詰め寄ってきた。
倉田さんは新聞部に所属しているらしく、風間や日野経由で時々挨拶する程度だったから、何か怒らせるようなことはしていない。
訳も分からず、手を引かれて近くの教室に連れて行かれる。
教室の窓際に移動すると、倉田さんが窓を指さす。
「瑞希先輩のこと好きなんですよね?」
「えっ」
倉田さんが指差した先には、菅原さんがグラウンドを走っている姿があった。
その姿に、つい、目を追ってしまう。
「で、好きなんですか?」
「突然…なんでそんなことを聞くんだ?」
「またまた〜、分かってるんですよ。」
倉田さんは不敵な笑みを浮かべている。
確かにクラスメイトの菅原さんを好ましいと思っていたが、それは誰にも言っていない。
「…どうだろうか。けど、もしそうだったらどうなんだ?」
「その時は〜…私達、組みませんか?」
「うん?」
「だ・か・ら、瑞希先輩大好き同盟です。」
「は?」
「私達の敵はアレです。」
倉田さんが指差す先が変わる。
それはグラウンドから少し離れた茂み。
見慣れたクラスメイトの風間が菅原さん達が走っているグラウンドを見ている様だった。
「風間?」
「風間先輩、抜け駆けしようとしてますよ。」
「そ、そうか…」
「私より、近くで瑞希先輩の活躍を見るなんて…!いきますよ!」
倉田さんは勢いよく教室を飛び出す。
取り残されたから帰れるものの、菅原さんの話で逃げるのもな…
状況に負けて渋々付いていく。
今日まで俺は穏やかに菅原さんを見ていただけなのに…
グラウンド近くに来ると立ち止まっている菅原さんと話しかけている倉田さん。
風間がその2人を見ている。
確かに、近くで改めて風間の様子を見ると、他の人には目もくれずに見惚れている様にも見える。
なんとなく負けたくない気持ちで、風間よりも前に出て菅原さんを見る。
そうすると倉田さんがこっちに気づいて満面の笑みを浮かべて菅原さんと仲が良いことを自慢している風だったが、その後菅原さんにも声をかけたようだ。
菅原さんが俺に向かって手を振ってくれる。
俺も嬉しくて控えめに手を振り返す。
その動きに風間が俺を見つけたようで近づいてくる。
そして菅原さんに向かって手を振る。
菅原さんは風間さんにも手を振り返す。
その様子に倉田さんが面白くなかったのか、菅原さんの手を引っ張り会話に戻ったようだ。
「ねえ、綾小路。キミさ、僕が先に待っていたのに、抜け駆けは良く無いんじゃないの?」
「…抜け駆けって?」
「しらばっくれても無駄だよ。あんなに鼻の下伸ばしてたら、誰でもわかる。」
風間は俺を嫌そうな顔で見た後、再び菅原さん達に視線を戻す。
俺はマスクをしているのに変なことを言う奴だ。
「そういう風間は、菅原さんをストーカーみたいに見てたじゃないか。」
「人聞き悪いな〜。良いかい?僕は菅原には興味無いから。菅原が居ると恵美ちゃんがやってくる。つまり、そう言うこと。わかる?」
「つまり…お前は倉田さんが好きなのか。」
「なんでぼかしたのにハッキリ言うのかな〜。」
風間の言葉にホッとする自分がいて、それだけ菅原さんのことを好きなんだと、俺自身が再確認することになった。
その上で倉田さんの行動を思い出す。倉田さんが居る限り、菅原さんに話しかけるなど、夢のまた夢だ。
「…手伝おうか?」
「は?綾小路が?何が出来るん…まあ、いいか。じゃあさ、こう菅原に話しかけてよ。」
「なんだ?」
「「今日一緒に帰らないか?」ってさ。」
「俺が?」
「考えてみたまえ。僕が誘ったら恵美ちゃんに勘違いされるじゃないか。それより綾小路が誘って、菅原が来るなら恵美ちゃんが来る。そこに僕がさりげなく合流する。ほら、完璧じゃないか。」
既に倉田さんは風間の想い人を勘違いしているが…まあ、俺にとっても悪い話ではない。
「…良いだろう。じゃあ言ってくる。」
風間をその場に残し、グラウンドに近づく。
今度は倉田さんより先に菅原さんがこちらに気づく。
「綾小路くん、どうしたの?」
倉田さんは菅原さんの手を引っ張りながら、こちらの様子を伺っている。
「や、やあ、部活お疲れ様。」
「ありがとう。あと片付けで終わりなんだ。」
「そうか…じゃあ、終わったら一緒に帰らないか?」
「え?」
「あ、いや、良かったらだけど。」
驚いた様子の菅原さん。それはそうだ。
今まで他愛のない話はしたことがあるが、帰りを誘ったことなど一度もない。
倉田さんは菅原さんを見上げて反応を見ている。
「あ…綾小路くんが、良いなら…うん。」
菅原さんは少し恥ずかしそうに頷く。
もしかして俺のことを意識してくれているのかって思ったが、そもそも男子と親しくしているところを見たことがないから慣れてないだけだ。
いや、そう思っていないとすぐに舞い上がりそうだ。
マスクの下は本当に鼻が伸びているかもしれない。
「じゃあ、私も一緒に帰りますー!良いですよね?瑞希先輩?」
倉田さんは菅原さんの手を引き、上目遣いでお願いしている。
それを見た菅原さんは笑顔で頷いていた。
これで、風間も勝手に来るだろう。
成り行きとはいえ、この協力関係は俺にとって良いキッカケになった。
倉田さんの同盟に加入を決め、菅原さんの片付けをいつもより近くから眺めることにした。
四角関係協戦同盟
(利益最大限)
後書き
綾小路さんが色んな人とお話ししてるとこが書きたいなと思い、こちらのお題に。
綾小路さんの苦労人感が申し訳ないんですが、良いんですよね…。
3/3ページ