言われて嬉しくない言葉/5つ
貴方の名前
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「お前存在感消すの上手いよな」
視線を感じる。
いや、というか隣に知らない女が居る。
知らない女がノートを片手に俺を見ている。
現在、4限目。
隣の奴が休みで珍しいなって思った1限目。
隣に知らない女がいるなって思った2限目。
隣の知らない女が俺を時々見てくる3限目。
…いい加減、無視する方が難しくなってきた。
チャイムの音で授業が終わる。
立ち上がるクラスメイト達。
「おい。」
見知らぬ女に呼びかける。
「はい?」
既に俺の方を見ていたので、そのままの姿勢で返事をする女。
「どういうつもりだ。」
「あ、私はB組の菅原。」
「聞いてない。」
「確かに。」
特に表情の変化もなく答える女。
正直、不審者に声をかけたら喜びそうで嫌だった。
でも、反応を見るにそうでもないらしい。
「何で俺を見ている?」
「うーん、とりあえずご飯にしない?お昼時間勿体無いし。」
鞄から弁当を取り出し、席を立つ菅原という女。
意味がわからない。
でも、昼食を取らずに一日を乗り切るのは厳しいから、とりあえず俺も弁当を取り出して教室を出る。
そしてアイツと違う方向を向いて、いつもの場所に向かう。
いつもの席に座り、携帯を取り出し樺地に連絡。
(同じクラスに菅原って居るのか?)
樺地からの返信。
(菅原 瑞希 居ます。)
(どんな奴だ?)
(授業 時々居なくなって テニス部でも 見かけます。)
(ありがとう。助かった。)
ひとまず同級生ということで、緊張は少し和らいだ。
いや、不審者には変わらないが。
顔を上げると、警戒している張本人の菅原が、いつも空いているはずの向かいの席に座り、ごく自然に弁当を広げている。
俺の行動をどこまで知っているんだ。
とはいえ、何かされるということもなくコイツは食べている。
弁当の中身は普通だった。
俺もとりあえず弁当を広げ、食べ始める。
少しの無言。
菅原はいつの間に食べ終わったのか、弁当を包んでいる。
いつ食べたんだ?
その後にノートを取り出して何か書いている。
目の前に居るからか、一瞬だけ見えた。
(お弁当の中身:沢庵にぬか漬け…美味しそう)
何書いてるんだ。
ノートを閉じて、俺の顔を見る菅原。
「日吉くんってさ、」
俺はまだ食べているので、視線だけ向けて続きを促す。
「日吉くんって、この氷帝で一番来るの早いでしょ?それでいて帰るのが一番遅い時も多い。」
別に隠しては無いが、コイツ…さも当然かのように話し出したぞ。
「…それがどうした。」
「だから尾行してる。」
「は?」
今の話から、そうはならないだろ。
「だって尾行したいなって思ったら時間は多い方がいいし、それならテニス部でしょ?」
「別に俺じゃなくても良いんじゃないのか。それこそ跡部さんとか。」
「いやだ、私ストーカーじゃないから学校の外に出たらしないし。だから日吉くんが良い。」
「待て。学校でもストーカーだろ。」
「違います。ただよくすれ違うだけですー。」
「さっき尾けているって自分で言っただろ。」
何が面白いのか笑いだす菅原。
俺は分かりやすく溜め息を吐いた。
要するに氷帝で一番学校に居る人を尾行したかったらしい。
「…いつからだ。」
「え?」
「いつから俺のことを尾けてるんだ。」
「うーん、一ヶ月くらいかな?最初はただ遠目に見てた。」
「一ヶ月…。」
それまで気付かなかった自分に驚く。
「最初はテニス部の人ってどんな練習してるんだろうって思って見てたの。」
まあ、見学者が居るのは今に始まったことではない。
「そしたら、見たことないフォームで練習してる人がいて、それが日吉くん。」
「なんだ?結局ファンってオチか?」
「いや全然。」
脊髄反射のように返事をする菅原。
腹立つ。
「そういうのじゃなくて、皆が帰った後の方が大変な練習してるのに興味がわいたの。」
別に見られて困るものでもないが、誰に言うつもりでも無いことをコイツに見られたと思うと恥ずかしい。
「だから、普段1人の時にもストイックなんだろうなあって思って練習以外も見るようになって。」
そういう菅原は今までと違って茶化すようでもなく笑っている。
嘘には感じなかった。
「だから、日吉くんを見習うために、尾けてたの。」
最後がおかしい。
「なんだそれは。直接聞けば良いだろ。」
「うーん、でもそういうのって多少盛ったり、良いように言ったりしない?」
「俺に聞くな。」
「ね?で、ついでにバレないようにどこまで近づけるかを試してたの。流石に2mはバレちゃった…。」
「なっ…」
菅原が隣の席に座らないと分からないくらい近付いていたのか?
俺の視力が良いとは言えないが、だとしてもここまで近づけるのは間違いなくコイツの無駄な才能だ。
「でも実際に会話出来て良かった。これは情報の更新しないと。」
「…まだ取るのかよ。」
再びメモを取っている様子に呆れて、弁当の残りを食べ切る。
そして菅原の方を見ると既に居なくなっていた。
なんてやつだ。
「菅原…か。」
変な奴だが、全くの悪人でもないみたいだ。
「呼んだ?」
「なっ、なな!」
机の下から這い出てくる菅原に俺は情けない声をあげる。
「お前存在感消すの上手いよな」
「え、嬉しい!じゃあこれからもそうする!」
「嬉しがるな、そしてやめろ。」
後書き
このお題見た時に声が聞こえてきて「あ、日吉くん…。じゃあ氷帝にしよう。」って即決でした。
まさかこんなにおもしれー(やべー)女の子になるとは…これはこれとして、同じセリフでいつかリベンジいたします。
でも、なんだかんだ話を聞いて、振り回される日吉くんって良いなって思って書いておりました。
この子は、日吉くんとはこれから仲良くなるかなって思います。(これ以上下がらないので)
視線を感じる。
いや、というか隣に知らない女が居る。
知らない女がノートを片手に俺を見ている。
現在、4限目。
隣の奴が休みで珍しいなって思った1限目。
隣に知らない女がいるなって思った2限目。
隣の知らない女が俺を時々見てくる3限目。
…いい加減、無視する方が難しくなってきた。
チャイムの音で授業が終わる。
立ち上がるクラスメイト達。
「おい。」
見知らぬ女に呼びかける。
「はい?」
既に俺の方を見ていたので、そのままの姿勢で返事をする女。
「どういうつもりだ。」
「あ、私はB組の菅原。」
「聞いてない。」
「確かに。」
特に表情の変化もなく答える女。
正直、不審者に声をかけたら喜びそうで嫌だった。
でも、反応を見るにそうでもないらしい。
「何で俺を見ている?」
「うーん、とりあえずご飯にしない?お昼時間勿体無いし。」
鞄から弁当を取り出し、席を立つ菅原という女。
意味がわからない。
でも、昼食を取らずに一日を乗り切るのは厳しいから、とりあえず俺も弁当を取り出して教室を出る。
そしてアイツと違う方向を向いて、いつもの場所に向かう。
いつもの席に座り、携帯を取り出し樺地に連絡。
(同じクラスに菅原って居るのか?)
樺地からの返信。
(菅原 瑞希 居ます。)
(どんな奴だ?)
(授業 時々居なくなって テニス部でも 見かけます。)
(ありがとう。助かった。)
ひとまず同級生ということで、緊張は少し和らいだ。
いや、不審者には変わらないが。
顔を上げると、警戒している張本人の菅原が、いつも空いているはずの向かいの席に座り、ごく自然に弁当を広げている。
俺の行動をどこまで知っているんだ。
とはいえ、何かされるということもなくコイツは食べている。
弁当の中身は普通だった。
俺もとりあえず弁当を広げ、食べ始める。
少しの無言。
菅原はいつの間に食べ終わったのか、弁当を包んでいる。
いつ食べたんだ?
その後にノートを取り出して何か書いている。
目の前に居るからか、一瞬だけ見えた。
(お弁当の中身:沢庵にぬか漬け…美味しそう)
何書いてるんだ。
ノートを閉じて、俺の顔を見る菅原。
「日吉くんってさ、」
俺はまだ食べているので、視線だけ向けて続きを促す。
「日吉くんって、この氷帝で一番来るの早いでしょ?それでいて帰るのが一番遅い時も多い。」
別に隠しては無いが、コイツ…さも当然かのように話し出したぞ。
「…それがどうした。」
「だから尾行してる。」
「は?」
今の話から、そうはならないだろ。
「だって尾行したいなって思ったら時間は多い方がいいし、それならテニス部でしょ?」
「別に俺じゃなくても良いんじゃないのか。それこそ跡部さんとか。」
「いやだ、私ストーカーじゃないから学校の外に出たらしないし。だから日吉くんが良い。」
「待て。学校でもストーカーだろ。」
「違います。ただよくすれ違うだけですー。」
「さっき尾けているって自分で言っただろ。」
何が面白いのか笑いだす菅原。
俺は分かりやすく溜め息を吐いた。
要するに氷帝で一番学校に居る人を尾行したかったらしい。
「…いつからだ。」
「え?」
「いつから俺のことを尾けてるんだ。」
「うーん、一ヶ月くらいかな?最初はただ遠目に見てた。」
「一ヶ月…。」
それまで気付かなかった自分に驚く。
「最初はテニス部の人ってどんな練習してるんだろうって思って見てたの。」
まあ、見学者が居るのは今に始まったことではない。
「そしたら、見たことないフォームで練習してる人がいて、それが日吉くん。」
「なんだ?結局ファンってオチか?」
「いや全然。」
脊髄反射のように返事をする菅原。
腹立つ。
「そういうのじゃなくて、皆が帰った後の方が大変な練習してるのに興味がわいたの。」
別に見られて困るものでもないが、誰に言うつもりでも無いことをコイツに見られたと思うと恥ずかしい。
「だから、普段1人の時にもストイックなんだろうなあって思って練習以外も見るようになって。」
そういう菅原は今までと違って茶化すようでもなく笑っている。
嘘には感じなかった。
「だから、日吉くんを見習うために、尾けてたの。」
最後がおかしい。
「なんだそれは。直接聞けば良いだろ。」
「うーん、でもそういうのって多少盛ったり、良いように言ったりしない?」
「俺に聞くな。」
「ね?で、ついでにバレないようにどこまで近づけるかを試してたの。流石に2mはバレちゃった…。」
「なっ…」
菅原が隣の席に座らないと分からないくらい近付いていたのか?
俺の視力が良いとは言えないが、だとしてもここまで近づけるのは間違いなくコイツの無駄な才能だ。
「でも実際に会話出来て良かった。これは情報の更新しないと。」
「…まだ取るのかよ。」
再びメモを取っている様子に呆れて、弁当の残りを食べ切る。
そして菅原の方を見ると既に居なくなっていた。
なんてやつだ。
「菅原…か。」
変な奴だが、全くの悪人でもないみたいだ。
「呼んだ?」
「なっ、なな!」
机の下から這い出てくる菅原に俺は情けない声をあげる。
「お前存在感消すの上手いよな」
「え、嬉しい!じゃあこれからもそうする!」
「嬉しがるな、そしてやめろ。」
後書き
このお題見た時に声が聞こえてきて「あ、日吉くん…。じゃあ氷帝にしよう。」って即決でした。
まさかこんなにおもしれー(やべー)女の子になるとは…これはこれとして、同じセリフでいつかリベンジいたします。
でも、なんだかんだ話を聞いて、振り回される日吉くんって良いなって思って書いておりました。
この子は、日吉くんとはこれから仲良くなるかなって思います。(これ以上下がらないので)
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