幼なじみの恋に/5題
貴方の名前
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もう恋は始まっていた
部活が終わると先輩らに挨拶しつつ、急いで走る。
全然疲れてないけど、少しだけ息を乱しながら、校門に立っている人影に声をかける。
「瑞希!待った?」
「ううん、私もさっき部活終わったとこ。」
そういって笑う瑞希は俺の幼なじみ。
小さい頃から一緒に帰っているからか、早く終わった方が待っているのが普通になった。
…まあテニス部より遅い部活ないから走ってるワケだけど
待ち合わせの校門を出て、帰路につく。
小テスト勉強全然してねえ〜
とか他愛もない話を瑞希としていると、
一日が終わるんだなって感じる。
いつもの寄り道コース(今日は遅いから寄らなかったけど)を過ぎたあたりで瑞希が立ち止まる。
「赤也…なんか調子悪かった?」
と突然瑞希が顔を覗きこんで訊いてくる。
「へ?…別に、いつもどおりだけど?」
確かに、今日は上手くいかなかったけど、カッコ悪い気がして隠しちまう。
「じゃあ今日も副部長さんに怒られたとか?」
「今日も、って俺がいっつも怒られてるみたいじゃん!」
「違うの?」
「…違わないけど。」
「ほら、やっぱり。」
ニッと笑う瑞希に、つられて笑う。
「大体、今日は副部長に怒られませんでした〜」
「じゃあ良い日だったんだ」
「ちょ、それ極端すぎるって」
「ふふ、冗談」
瑞希は嘘ついてるって分かってるはずなのに、俺が言いたくないことは深入りしない。
嬉しいけど、もっと俺のこと考えて欲しいって思う。
なんでか、わかんないけど。
矛盾してるモヤモヤをどうするか考えて、喋らなくなると瑞希も無言で、俺が考えているのを邪魔しないようにしてるみたいだった。
もう家に着く、っていう辺りで足が止まる。
振り返る瑞希。
「あのさ、瑞希」
「うん?」
「…やっぱ、今日上手くいかなくてさ」
瑞希に対して、カッコ悪いのと嘘つくのどっちが嫌かって思ってちゃんと言うことにした。
「そっか」
瑞希は真面目な顔して聞いていた。
「赤也」
「ん?」
俺を見つめる瑞希。
そしたら瑞希の手が俺の手を掴む。
なんで、なんで?
なんで瑞希は俺の手掴んでるの?
そんな俺のことはお構いなしに、
掴んだ手は俺の指を一つずつ開く。
今まで触られることが全く無かった訳でもないのに、
急に手と顔が熱くなった気がする。
俺の手を見つめながら瑞希が口を開く。
「大丈夫だよ」
手の平を触る瑞希の手はとても柔らかい
その手で俺の手の硬くなっている部分を確かめているようだった。
「…なにそれ、すっげえ恥ずかしい」
目を逸らすと瑞希の笑い声だけ返ってくる。
何となく上手くいかなくて落ち込んだ時も
俺自身よりも先に瑞希は気付いて
それとなく励ましてくれる。
今まで…俺は"幼なじみだから"こう思うんだって終わらせてた。
いや、気づかないようにしてたっていうか、
というか、この気持ちって本当はこういう気持ちなんだ。
だから恥ずかしさも嬉しく思えてきた。
瑞希が目を細めて笑うと、ただ可愛いって思う。
もう恋は始まっていた
でも、どんな顔したらいいんだっけ
後書き
最強チームの「限界」を抱えた帰り道みたいなイメージで書いてました。
赤也の混乱を表現したいなって、思いつつ、思った以上に赤也が難しかったので、またリベンジしたいなと。
部活が終わると先輩らに挨拶しつつ、急いで走る。
全然疲れてないけど、少しだけ息を乱しながら、校門に立っている人影に声をかける。
「瑞希!待った?」
「ううん、私もさっき部活終わったとこ。」
そういって笑う瑞希は俺の幼なじみ。
小さい頃から一緒に帰っているからか、早く終わった方が待っているのが普通になった。
…まあテニス部より遅い部活ないから走ってるワケだけど
待ち合わせの校門を出て、帰路につく。
小テスト勉強全然してねえ〜
とか他愛もない話を瑞希としていると、
一日が終わるんだなって感じる。
いつもの寄り道コース(今日は遅いから寄らなかったけど)を過ぎたあたりで瑞希が立ち止まる。
「赤也…なんか調子悪かった?」
と突然瑞希が顔を覗きこんで訊いてくる。
「へ?…別に、いつもどおりだけど?」
確かに、今日は上手くいかなかったけど、カッコ悪い気がして隠しちまう。
「じゃあ今日も副部長さんに怒られたとか?」
「今日も、って俺がいっつも怒られてるみたいじゃん!」
「違うの?」
「…違わないけど。」
「ほら、やっぱり。」
ニッと笑う瑞希に、つられて笑う。
「大体、今日は副部長に怒られませんでした〜」
「じゃあ良い日だったんだ」
「ちょ、それ極端すぎるって」
「ふふ、冗談」
瑞希は嘘ついてるって分かってるはずなのに、俺が言いたくないことは深入りしない。
嬉しいけど、もっと俺のこと考えて欲しいって思う。
なんでか、わかんないけど。
矛盾してるモヤモヤをどうするか考えて、喋らなくなると瑞希も無言で、俺が考えているのを邪魔しないようにしてるみたいだった。
もう家に着く、っていう辺りで足が止まる。
振り返る瑞希。
「あのさ、瑞希」
「うん?」
「…やっぱ、今日上手くいかなくてさ」
瑞希に対して、カッコ悪いのと嘘つくのどっちが嫌かって思ってちゃんと言うことにした。
「そっか」
瑞希は真面目な顔して聞いていた。
「赤也」
「ん?」
俺を見つめる瑞希。
そしたら瑞希の手が俺の手を掴む。
なんで、なんで?
なんで瑞希は俺の手掴んでるの?
そんな俺のことはお構いなしに、
掴んだ手は俺の指を一つずつ開く。
今まで触られることが全く無かった訳でもないのに、
急に手と顔が熱くなった気がする。
俺の手を見つめながら瑞希が口を開く。
「大丈夫だよ」
手の平を触る瑞希の手はとても柔らかい
その手で俺の手の硬くなっている部分を確かめているようだった。
「…なにそれ、すっげえ恥ずかしい」
目を逸らすと瑞希の笑い声だけ返ってくる。
何となく上手くいかなくて落ち込んだ時も
俺自身よりも先に瑞希は気付いて
それとなく励ましてくれる。
今まで…俺は"幼なじみだから"こう思うんだって終わらせてた。
いや、気づかないようにしてたっていうか、
というか、この気持ちって本当はこういう気持ちなんだ。
だから恥ずかしさも嬉しく思えてきた。
瑞希が目を細めて笑うと、ただ可愛いって思う。
もう恋は始まっていた
でも、どんな顔したらいいんだっけ
後書き
最強チームの「限界」を抱えた帰り道みたいなイメージで書いてました。
赤也の混乱を表現したいなって、思いつつ、思った以上に赤也が難しかったので、またリベンジしたいなと。
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