旧:短編まとめ
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《クリスマス》
(クリボッチなう。)
頭の中で呟いて、ソファに寝転んだ。
組織にクリスマスなんて関係ないし、聖夜で浮かれている標的を消すなら持ってこいの日だ。
つまり。
自分の恋人であるジンは、暗殺の真っ最中である。
イブイブからイブにかけて仕事だった私と、イブから今日まで仕事の彼。
会うこともできないし、電話もできない。
いやまあ、私も組織の一員だから。クリスマスに固執してるわけじゃないし、彼が無事に帰ってくればそれでいいのだけど。
(つい、買っちゃったんだよね…)
昨日の任務の帰り、目についたシャンパンと、シンプルなチェーンネックレスを買ったのだ。
しかも、ネックレスはペアで、留め具にイニシャルを彫って貰って。
(バカにされそうだなぁ)
何がクリスマスだよ、日本人は無宗教だな。って、彼は意地悪く笑うだろう。
でもきっと。クリスマスに間に合わなかったこのプレゼントを鼻で笑いながらも受け取ってくれるに違いない。…つけてくれるかは別として。
なんて、ぼんやりチェーンを眺めていれば。
日付は26日になっていた。
(ああ、もう寝よう)
チェーンを箱に戻し、その箱も引き出しかどっかに仕舞おうと立ち上がった時だ。
「…やっぱり間に合わなかったか」
部屋に入ってきたのは真っ黒なロングコートに長い銀髪の彼。
『ジン!まだ、任務のはずじゃ…』
「思ったより早く片付いた。25日中に戻れるかと思ったが、雪なんか降りやがるから」
ジンはコートと帽子を脱ぎながら近付いてきて、その腕に私を閉じ込めた。
『…っ』
「どうせ一人で拗ねてると思って、急いでやったんだぜ?」
『…拗ねてない』
「でも日付変わるまで起きてたじゃねぇか」
『…もし25日の内に帰ってきたら、クリスマスプレゼントあげようと思ったの、はい』
急いで来てくれたお礼に、特別にあげる。
と、チェーンの入った箱を押し付けた。
間に合わせようとしてくれれるとは思わなくて。嬉しいけど、恥ずかしくて顔をあげられない。
「はっ、首輪で繋ごうってか」
『ジンが繋がれるなら、私も繋がれてあげる』
顔を背けたまま、既にチェーンをつけている私の首もとを見せる。
「…いいぜ?繋がれてやっても。お前も、手枷で繋いでやるがな」
『え…』
突然距離をとられて、捕まれた手首。
そこにつけられる、細身でシルバーのブレスレット。
よくみたら、彼の手首にも同じものが光っている。
「…ほら、」
『……屈んで?』
再び手元に戻ってくるチェーンネックレス。
ソファに座った彼の首に、それを回してつける。
「まさか俺が首輪つけられるとはな」
『私もつけてくれるとは思わなかった。…ありがとう』
ハイネックに隠れて見えはしないけど、そこにあると知っているだけで嬉しくなれる。
「…お前だからだろ。責任とれよ」
『っ!』
ネックレスをつけようと、抱きつくような格好をしていたから。
そのまま抱き寄せられて、キスされた。
「返事は」
『…っ、私だってジンじゃなきゃ手枷なんてつけないし』
「はっ、当たり前だ。他の奴なんて俺が許さねぇ」
1日遅れのクリスマスプレゼント。
Fin.