四季織々
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《夏 とろり。》花宮
暑がり花宮✕寒がりヒロイン
…ヒロイン視点…
夏の暑い気候の中。 この時期しか着れないキャミソールの膝丈ワンピースを纏って、恋人の真君の前に座っている。 寒がりな私には冷房も弱いもので十分だけど、…真君は、かなり暑そうだ。 しっとりと汗をかいた額と、 それが露になって伝う首筋が物語っている。
(冷房、強くしてあげたいけど…)
私は羽織れば寒さを凌げるけど、暑い彼はそういうわけにもいかない。
そう思って声をかけても、「平気だ」という返事しか返ってこない。
そのニュアンスは、平気。ではなく、我慢する。に聞こえるのだけど。
(随分、溶けた目を、向けてくれる)
彼なりの、優しさかもしれない。
『ありがと、なんか冷たい飲みもの持ってくる』
その優しさに報いようと立ち上がって台所に立つ。そして、ふと。
彼の視線が背後から私の脚を凝視していることに気づいた。
舐めるような視線、とはこのことだろう。見えてないはずなのに、踝、ふくらはぎ、膝…もっと上まで見られてる気がしてならない。
『真君、ほら…』
耐えかねて、彼に向かい合って麦茶を差し出す。それから、
『汗、拭いたげる』
彼の首にかかるタオルを引いて汗を拭った。
正面を向いて、また、気づいてしまう。
熱に潤んだ彼の視線は、キャミソールに晒された私の肩や二の腕を凝視している。
(そんな、溶け落ちそうな、甘い視線向けないで)
視線の熱さに堪えながら、彼の額、頬、首筋を拭う。
…私だっておんなじだ。彼の素肌が惜しげなく晒されてたら、眺めていたいしあわよくば触れたい。
胸の奥から、とろり。と、劣情と背徳感が混ざった愛しさが零れた。
「ふは、お前、その顔」
それが顔に出て彼に笑われる。
でもそんなの
『お相子。真君も、見すぎ』
「気づいた?」
『気づくよ、ほら、今も』
ずれた肩のストラップを直す私の手元に、彼の視線は流れて。じっとその動きを見つめているあたり、似た者同士。
両手で彼の頬を包んで、視線を私に戻す。見てくれるのも嬉しいけど、そこばっか見られるのもちょっと違う。
『今度は私が寒くても我慢するから、冷房さげよ?こんな熱いと、熱中症になっちゃうかも』
「お前が冷えるのも駄目だろ」
そういうとこ。わりと下心なのに、根本的には優しくしてくれる。
あの、真君が。
それだけで、私は内側からぽかぽかと温まってしまって。
『んー、冷えたら…真くんにあっためて貰うから大丈夫』
もう温まってるから大丈夫だよ、って意味も込めたかったけど。
彼は小さく唸ったあと、冷房をガンガンと下げて。あわてふためく私を腕の中へ閉じ込めて。
「ちゃんと温めてやる」
耳元で低く囁いた。
あ、だめだ。
こんなの、とける。
冷房で冷えた二の腕を、彼の温かい手がさする。ふくらはぎを、撫でる。
体温のコントラストが効きすぎて、彼の手は熱いくらいだ。
二の腕から、肩へ。
ふくらはぎから、膝へ。
高鳴る胸は、何を期待してるやら。
どんどん中心へ進む熱に浮かされて
”本当に溶け合ったら一つになれる”
なんて、馬鹿なことがよぎった。
Fin.
→冬
暑がり花宮✕寒がりヒロイン
…ヒロイン視点…
夏の暑い気候の中。 この時期しか着れないキャミソールの膝丈ワンピースを纏って、恋人の真君の前に座っている。 寒がりな私には冷房も弱いもので十分だけど、…真君は、かなり暑そうだ。 しっとりと汗をかいた額と、 それが露になって伝う首筋が物語っている。
(冷房、強くしてあげたいけど…)
私は羽織れば寒さを凌げるけど、暑い彼はそういうわけにもいかない。
そう思って声をかけても、「平気だ」という返事しか返ってこない。
そのニュアンスは、平気。ではなく、我慢する。に聞こえるのだけど。
(随分、溶けた目を、向けてくれる)
彼なりの、優しさかもしれない。
『ありがと、なんか冷たい飲みもの持ってくる』
その優しさに報いようと立ち上がって台所に立つ。そして、ふと。
彼の視線が背後から私の脚を凝視していることに気づいた。
舐めるような視線、とはこのことだろう。見えてないはずなのに、踝、ふくらはぎ、膝…もっと上まで見られてる気がしてならない。
『真君、ほら…』
耐えかねて、彼に向かい合って麦茶を差し出す。それから、
『汗、拭いたげる』
彼の首にかかるタオルを引いて汗を拭った。
正面を向いて、また、気づいてしまう。
熱に潤んだ彼の視線は、キャミソールに晒された私の肩や二の腕を凝視している。
(そんな、溶け落ちそうな、甘い視線向けないで)
視線の熱さに堪えながら、彼の額、頬、首筋を拭う。
…私だっておんなじだ。彼の素肌が惜しげなく晒されてたら、眺めていたいしあわよくば触れたい。
胸の奥から、とろり。と、劣情と背徳感が混ざった愛しさが零れた。
「ふは、お前、その顔」
それが顔に出て彼に笑われる。
でもそんなの
『お相子。真君も、見すぎ』
「気づいた?」
『気づくよ、ほら、今も』
ずれた肩のストラップを直す私の手元に、彼の視線は流れて。じっとその動きを見つめているあたり、似た者同士。
両手で彼の頬を包んで、視線を私に戻す。見てくれるのも嬉しいけど、そこばっか見られるのもちょっと違う。
『今度は私が寒くても我慢するから、冷房さげよ?こんな熱いと、熱中症になっちゃうかも』
「お前が冷えるのも駄目だろ」
そういうとこ。わりと下心なのに、根本的には優しくしてくれる。
あの、真君が。
それだけで、私は内側からぽかぽかと温まってしまって。
『んー、冷えたら…真くんにあっためて貰うから大丈夫』
もう温まってるから大丈夫だよ、って意味も込めたかったけど。
彼は小さく唸ったあと、冷房をガンガンと下げて。あわてふためく私を腕の中へ閉じ込めて。
「ちゃんと温めてやる」
耳元で低く囁いた。
あ、だめだ。
こんなの、とける。
冷房で冷えた二の腕を、彼の温かい手がさする。ふくらはぎを、撫でる。
体温のコントラストが効きすぎて、彼の手は熱いくらいだ。
二の腕から、肩へ。
ふくらはぎから、膝へ。
高鳴る胸は、何を期待してるやら。
どんどん中心へ進む熱に浮かされて
”本当に溶け合ったら一つになれる”
なんて、馬鹿なことがよぎった。
Fin.
→冬