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《****ください》ヒロイン視点
※高校生花宮とリスカ心中
*************
朝、起きて。
制服を着ると吐き気が込み上げて洗面所に籠る。
それから、鞄を持って靴を履くと、涙が意思とは関係なく流れていく。
たくさん深呼吸して。
お化粧は諦めて。
学校までなんとか辿りつけば、目が回るような頭痛。
毎日だ。
まいにちまいにち、週に6日、月に25日。
それがもう3年目。
教壇の上に立つ人が喋る度に頭がズキズキと痛んで。
名前を呼ばれてしまえば心臓がキリキリ痛んで。
答えられないでいるうちに息まで苦しくなって。
休み時間は込み上げる吐き気と頭痛を宥めるために、空き教室を探してしゃがみこんだ。
まいにち、まいにち。
「頑張ってるのは皆いっしょ」
「辛いときは辛いって言っていいのよ」
聞き飽きた精神論、やさしい言葉。
「大人になったらもっと大変なんだから」
「卒業するまでの辛抱だから」
付いて回るのは結局その人の考えと価値観。
その日は、空き教室がなくて。女子トイレも溜まり場になってて。
体育館裏にしゃがんでいた。
おひるやすみ、おわっちゃう。えいご、いかなきゃ。
吐きそう、涙とまってない、頭いたい、
「…何してんだ」
突然、声がした。
びっくりして座り込んでしまった。
見上げたら、風紀委員の人が立っていた。
毎朝、校門に立って、挨拶してる人。
クラス、一緒だったかもしれない。
背が高い、男の子、黒髪。
『…ぇ……ぁ』
なまえ、花宮くん、だ。
「具合悪いなら保健室いけよ。なんでこんなとこ踞ってんだ」
『…ぃ……ぇ、だい、じょう、ぶ』
口を開けたら、吐いてしまう。
しゃべると、涙が出てしまう。
のど、と。くち、を。押さえながら首を横にふった。あたまが、よけい傷んだ。
「…駄目なら帰ればいいだろ」
『………』
見上げた視線を、さげる。
まぶしい、目がちかちかして痛い、
かえりたくない。
「…………」
『よれい、鳴ったらいきます、だから…』
「黙ってろって?放っておけって?」
『…』
「…ふぅん。そ」
無言の肯定を、くみとってもらった。
「……何してんだ」
昨日も聞いた声だった。
誰もいなかった資料室にしゃがんでいれば、はなみやくんが、きた。
生徒会の資料をさがしている。
『……』
こたえなかった。
暗い部屋に差し込む、扉からの光がまぶしくて
顔もあげられない。
「………そ」
目当ての資料を見つけた花宮くんは扉を閉めて出ていった。
「…………七不思議でも目指してんのか」
聞きなれた声だった。
まいにち、まいにち、どこにしゃがんでいても、はなみやくんはやってきた。
美術準備室、倉庫、書庫、もう、いくところが思い付かなくて。また体育館裏にしゃがんでいた。
『……』
相変わらず答えられない私を、一瞬みたか。
立ち去る足音がして。
予鈴が鳴ったとき、目の前に私の鞄があった
『…っ?』
「……帰るぞ。具合が悪そうだから送るって言ってきた」
『…ぇ…なん、で』
「なんだよ、逃げる口実くれたのに不満か」
はなみやくんは、自分の鞄と私の鞄を持って昇降口へ歩いていく。
人のいない校門を抜けて、まだ先を歩いていく、
『…あ、の』
はなみやくんが、なにを考えてるか解らなくて。
控えめに声をかければ、やっと立ち止まってくれた。
「海と山、どっちがいい」
『………ぇ』
「川でもいい、まあ、家でもいい」
『……』
「選んでいいぞ」
振り向いた瞳が、まっすぐ私を、みてた。
「俺は、線路でなければ何処でもいい」
そう告げられて、やっと、理解する。
『…海』
「ああ。じゃあ、できるだけ、遠くまで」
家とは反対方向の電車。バス。
はなみやくんは、まるで、恋人みたいにぴったりとなりにいてくれた。
傷だらけの手首をするすると撫でて、そっと指を重ねてくれた。
言葉はなかった。
ただただ、手を引かれていくだけ。
お財布が空になるまで乗り継いだ。
夕方、知らない町の、誰もいない海辺。
たいようが、どんどん沈んでくのを眺めながら、波打ち際に座った。
『……はなみやくん』
「なんだ。名前しってたのか」
『名札、朝の、風紀委員の』
「なるほど」
『………なんで、はなみやくんは』
カッターナイフと錠剤を取り出す花宮くんに問えば。
ふはっ、って。綺麗な吐息がひとつ。
「道連れが欲しかったんだ。一人は寂しいだろ?羽影」
『…。うん、誘ってくれて、ありがとう』
先に、はなみやくんが、何粒か飲んで。
私も余った分を飲んで。
「自分で切るか?俺がやる?」
『やって、くれるの?』
「俺のもやってくれるなら」
『じゃあ、お願い。私も、ちゃんとやるね』
なんだか、久しぶりに、ちゃんと話せてる。
息が吸えてる。頭も胸も痛くない。
「…っ」
『ん…っ』
手首だけ、とても痛いけど。
悪くない気分。
血でべとべとの指を絡めて繋いで、ふたりで砂浜に体を横たえる。
座ってるのも目を開けてるのも億劫になってしまったけど。
それでも、今までで一番、しあわせ、かもしれない。
『はなみやくん、ありがとう』
「おれも。…おやすみ、羽影」
『おやすみなさい』
にどと、めがさめませんように。
*******************
勉強が出来なくて、仕事ができなくて。
出来ない自分が悪いのはわかってるけど、自分の努力には限界があって。
そんな風に言うなら出来る人がやればいいじゃない、何も期待しないで、何も求めないで、そんな目でみないで!
勉強もできた、仕事もできた。
出来るのは自負してるけれど、自分のキャパシティにも限界はあって。
人に頼む前に努力はしたのか、自分の時間を割く価値はあるのか、期待しすぎだ、求めすぎだ、その目で見るんじゃねえ!
(なあ、世界を捨てるのも)
(なあ、自分を捨てるのも)
(選択肢だとは思わないか)
fin
****、ください
ころして、ください
※高校生花宮とリスカ心中
*************
朝、起きて。
制服を着ると吐き気が込み上げて洗面所に籠る。
それから、鞄を持って靴を履くと、涙が意思とは関係なく流れていく。
たくさん深呼吸して。
お化粧は諦めて。
学校までなんとか辿りつけば、目が回るような頭痛。
毎日だ。
まいにちまいにち、週に6日、月に25日。
それがもう3年目。
教壇の上に立つ人が喋る度に頭がズキズキと痛んで。
名前を呼ばれてしまえば心臓がキリキリ痛んで。
答えられないでいるうちに息まで苦しくなって。
休み時間は込み上げる吐き気と頭痛を宥めるために、空き教室を探してしゃがみこんだ。
まいにち、まいにち。
「頑張ってるのは皆いっしょ」
「辛いときは辛いって言っていいのよ」
聞き飽きた精神論、やさしい言葉。
「大人になったらもっと大変なんだから」
「卒業するまでの辛抱だから」
付いて回るのは結局その人の考えと価値観。
その日は、空き教室がなくて。女子トイレも溜まり場になってて。
体育館裏にしゃがんでいた。
おひるやすみ、おわっちゃう。えいご、いかなきゃ。
吐きそう、涙とまってない、頭いたい、
「…何してんだ」
突然、声がした。
びっくりして座り込んでしまった。
見上げたら、風紀委員の人が立っていた。
毎朝、校門に立って、挨拶してる人。
クラス、一緒だったかもしれない。
背が高い、男の子、黒髪。
『…ぇ……ぁ』
なまえ、花宮くん、だ。
「具合悪いなら保健室いけよ。なんでこんなとこ踞ってんだ」
『…ぃ……ぇ、だい、じょう、ぶ』
口を開けたら、吐いてしまう。
しゃべると、涙が出てしまう。
のど、と。くち、を。押さえながら首を横にふった。あたまが、よけい傷んだ。
「…駄目なら帰ればいいだろ」
『………』
見上げた視線を、さげる。
まぶしい、目がちかちかして痛い、
かえりたくない。
「…………」
『よれい、鳴ったらいきます、だから…』
「黙ってろって?放っておけって?」
『…』
「…ふぅん。そ」
無言の肯定を、くみとってもらった。
「……何してんだ」
昨日も聞いた声だった。
誰もいなかった資料室にしゃがんでいれば、はなみやくんが、きた。
生徒会の資料をさがしている。
『……』
こたえなかった。
暗い部屋に差し込む、扉からの光がまぶしくて
顔もあげられない。
「………そ」
目当ての資料を見つけた花宮くんは扉を閉めて出ていった。
「…………七不思議でも目指してんのか」
聞きなれた声だった。
まいにち、まいにち、どこにしゃがんでいても、はなみやくんはやってきた。
美術準備室、倉庫、書庫、もう、いくところが思い付かなくて。また体育館裏にしゃがんでいた。
『……』
相変わらず答えられない私を、一瞬みたか。
立ち去る足音がして。
予鈴が鳴ったとき、目の前に私の鞄があった
『…っ?』
「……帰るぞ。具合が悪そうだから送るって言ってきた」
『…ぇ…なん、で』
「なんだよ、逃げる口実くれたのに不満か」
はなみやくんは、自分の鞄と私の鞄を持って昇降口へ歩いていく。
人のいない校門を抜けて、まだ先を歩いていく、
『…あ、の』
はなみやくんが、なにを考えてるか解らなくて。
控えめに声をかければ、やっと立ち止まってくれた。
「海と山、どっちがいい」
『………ぇ』
「川でもいい、まあ、家でもいい」
『……』
「選んでいいぞ」
振り向いた瞳が、まっすぐ私を、みてた。
「俺は、線路でなければ何処でもいい」
そう告げられて、やっと、理解する。
『…海』
「ああ。じゃあ、できるだけ、遠くまで」
家とは反対方向の電車。バス。
はなみやくんは、まるで、恋人みたいにぴったりとなりにいてくれた。
傷だらけの手首をするすると撫でて、そっと指を重ねてくれた。
言葉はなかった。
ただただ、手を引かれていくだけ。
お財布が空になるまで乗り継いだ。
夕方、知らない町の、誰もいない海辺。
たいようが、どんどん沈んでくのを眺めながら、波打ち際に座った。
『……はなみやくん』
「なんだ。名前しってたのか」
『名札、朝の、風紀委員の』
「なるほど」
『………なんで、はなみやくんは』
カッターナイフと錠剤を取り出す花宮くんに問えば。
ふはっ、って。綺麗な吐息がひとつ。
「道連れが欲しかったんだ。一人は寂しいだろ?羽影」
『…。うん、誘ってくれて、ありがとう』
先に、はなみやくんが、何粒か飲んで。
私も余った分を飲んで。
「自分で切るか?俺がやる?」
『やって、くれるの?』
「俺のもやってくれるなら」
『じゃあ、お願い。私も、ちゃんとやるね』
なんだか、久しぶりに、ちゃんと話せてる。
息が吸えてる。頭も胸も痛くない。
「…っ」
『ん…っ』
手首だけ、とても痛いけど。
悪くない気分。
血でべとべとの指を絡めて繋いで、ふたりで砂浜に体を横たえる。
座ってるのも目を開けてるのも億劫になってしまったけど。
それでも、今までで一番、しあわせ、かもしれない。
『はなみやくん、ありがとう』
「おれも。…おやすみ、羽影」
『おやすみなさい』
にどと、めがさめませんように。
*******************
勉強が出来なくて、仕事ができなくて。
出来ない自分が悪いのはわかってるけど、自分の努力には限界があって。
そんな風に言うなら出来る人がやればいいじゃない、何も期待しないで、何も求めないで、そんな目でみないで!
勉強もできた、仕事もできた。
出来るのは自負してるけれど、自分のキャパシティにも限界はあって。
人に頼む前に努力はしたのか、自分の時間を割く価値はあるのか、期待しすぎだ、求めすぎだ、その目で見るんじゃねえ!
(なあ、世界を捨てるのも)
(なあ、自分を捨てるのも)
(選択肢だとは思わないか)
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****、ください
ころして、ください
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