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お邪魔します! 3
「なんで男三人で狭い風呂に入んなきゃならないんだよ!」
「仕方ないだろ。ジタンはシャワーの使い方知らないんだし。その点俺とスコールは知ってるから、教えてやれる」
「だからってまとめて入る必要ないだろーが!」
「…できればまとめて入って欲しいの。どの組み合わせにしても不安が残るし。狭くてごめんね?」
「いや、キリカのせいじゃ……ああっ、もうわかったよ!おい、ちゃんと教えろよ!」
風呂が狭い、男だけの入浴は嫌だとぎゃあぎゃあ騒ぐジタンを二人にお風呂場へ連行してもらった。スコールは世界観が似ているから、大丈夫だと思った。でも、実際は似てるだけで使い方が微妙に違うかもしれない。バッツはこの世界に少し居たからあらかた使い方はわかると言う。そんな曖昧さを二人分足せばなんとかなると私は考えた。私が一緒に入って教えるわけにもいかないから。
キッチンでご飯の準備を始めた直後、お風呂場からジタンの叫び声が聞こえた。水とか冷たいとか言ってるからお湯と水を間違えたんだろう。でもよく考えてみたら三人はちょっと無理があったかしら。まあ今更だから、いいか。楽しそうな笑い声も聞こえるし。
*
急ごしらえで作った料理は好評だった。みんなお腹がペコペコだったから、あっという間に平らげてしまった。お昼ご飯のつもりが夕飯になってしまったものね。
彼らがリビングでくつろいでいる間に私はシャワーを浴びた。髪を乾かして、長袖の寝間着に袖を通す。さっきクッションを抱えてごろごろしていた姿を思い出して、思わず笑みがこぼれた。世界の戦士達がまるで一般人のように思えるのだから。
長い髪を解いたまま私はリビングへ。すると彼らは何か話し合っていたのか、頭を寄せて真剣な顔だった。ジタンが私に気付くとその表情がパッと笑顔に変わる。
「お、華が戻ってきた」
「華って…みんなで作戦会議?」
私はこのメンバーにすっかり馴染んでしまっていた。誰か一人でも欠ければ物足りないし、寂しくなる。どうやらそれは私の時も同じらしく「キリカがいないと退屈だしな」とジタンは言ってくれた。戦闘要員ではないけれど、仲間と認めてもらえて私は嬉しかった。
「作戦会議、ってもんじゃないけど……キリカ、俺達から話があるんだ」
「なに?」
私に対する要望があるのだろう。戦闘中の対応や万が一はぐれた時の対処法、そういった類の事だとてっきり思っていた。ジタンの表情に影がすっと落ちる。それだけじゃない、クッションを抱えたバッツは私と目を合わせようとしなかった。
急激に重苦しい空気に包まれる。スコールが口を開いた時から私は嫌な予感がしていた。
「あんたは、……キリカはどうするんだ?ここに残るのか、それとも俺達と戻るのか」
考えてなかった、そんなこと。今を過ごすことで頭がいっぱいで、みんなと一緒に居るのが当たり前で、私は元来の世界に帰ってきたという意味を理解していなかった。元々、私は戦う力がないのに異世界に連れ込まれた。だから、ここに留まれば私の大冒険は終わる。その代わり、彼らと別れることになる。
「こればっかりは俺達が決めることじゃない。そう、話してたんだ」
「あんたの判断に任せるという意見で一致した。もし俺達と来るなら今まで通り変わらない。だが、あんたが帰りたいならここに残ればいい」
戦いが終わらなければあの世界から戻って来ることはできない。それだけは覚えておいてくれ。スコールに言われた台詞が右から左に抜けていくようで、頭に入ってこなかった。
一人も「一緒に行こうか」なんて声はかけてくれない。さっきから黙りっぱなしの彼も。それが逆に彼らの優しさなんだと気付いて、胸に込み上げてくるものがあった。私の意思を尊重してくれる。私がどうしたいか、それが第一なんだと。
「うん。考えておくね」
「なんで男三人で狭い風呂に入んなきゃならないんだよ!」
「仕方ないだろ。ジタンはシャワーの使い方知らないんだし。その点俺とスコールは知ってるから、教えてやれる」
「だからってまとめて入る必要ないだろーが!」
「…できればまとめて入って欲しいの。どの組み合わせにしても不安が残るし。狭くてごめんね?」
「いや、キリカのせいじゃ……ああっ、もうわかったよ!おい、ちゃんと教えろよ!」
風呂が狭い、男だけの入浴は嫌だとぎゃあぎゃあ騒ぐジタンを二人にお風呂場へ連行してもらった。スコールは世界観が似ているから、大丈夫だと思った。でも、実際は似てるだけで使い方が微妙に違うかもしれない。バッツはこの世界に少し居たからあらかた使い方はわかると言う。そんな曖昧さを二人分足せばなんとかなると私は考えた。私が一緒に入って教えるわけにもいかないから。
キッチンでご飯の準備を始めた直後、お風呂場からジタンの叫び声が聞こえた。水とか冷たいとか言ってるからお湯と水を間違えたんだろう。でもよく考えてみたら三人はちょっと無理があったかしら。まあ今更だから、いいか。楽しそうな笑い声も聞こえるし。
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急ごしらえで作った料理は好評だった。みんなお腹がペコペコだったから、あっという間に平らげてしまった。お昼ご飯のつもりが夕飯になってしまったものね。
彼らがリビングでくつろいでいる間に私はシャワーを浴びた。髪を乾かして、長袖の寝間着に袖を通す。さっきクッションを抱えてごろごろしていた姿を思い出して、思わず笑みがこぼれた。世界の戦士達がまるで一般人のように思えるのだから。
長い髪を解いたまま私はリビングへ。すると彼らは何か話し合っていたのか、頭を寄せて真剣な顔だった。ジタンが私に気付くとその表情がパッと笑顔に変わる。
「お、華が戻ってきた」
「華って…みんなで作戦会議?」
私はこのメンバーにすっかり馴染んでしまっていた。誰か一人でも欠ければ物足りないし、寂しくなる。どうやらそれは私の時も同じらしく「キリカがいないと退屈だしな」とジタンは言ってくれた。戦闘要員ではないけれど、仲間と認めてもらえて私は嬉しかった。
「作戦会議、ってもんじゃないけど……キリカ、俺達から話があるんだ」
「なに?」
私に対する要望があるのだろう。戦闘中の対応や万が一はぐれた時の対処法、そういった類の事だとてっきり思っていた。ジタンの表情に影がすっと落ちる。それだけじゃない、クッションを抱えたバッツは私と目を合わせようとしなかった。
急激に重苦しい空気に包まれる。スコールが口を開いた時から私は嫌な予感がしていた。
「あんたは、……キリカはどうするんだ?ここに残るのか、それとも俺達と戻るのか」
考えてなかった、そんなこと。今を過ごすことで頭がいっぱいで、みんなと一緒に居るのが当たり前で、私は元来の世界に帰ってきたという意味を理解していなかった。元々、私は戦う力がないのに異世界に連れ込まれた。だから、ここに留まれば私の大冒険は終わる。その代わり、彼らと別れることになる。
「こればっかりは俺達が決めることじゃない。そう、話してたんだ」
「あんたの判断に任せるという意見で一致した。もし俺達と来るなら今まで通り変わらない。だが、あんたが帰りたいならここに残ればいい」
戦いが終わらなければあの世界から戻って来ることはできない。それだけは覚えておいてくれ。スコールに言われた台詞が右から左に抜けていくようで、頭に入ってこなかった。
一人も「一緒に行こうか」なんて声はかけてくれない。さっきから黙りっぱなしの彼も。それが逆に彼らの優しさなんだと気付いて、胸に込み上げてくるものがあった。私の意思を尊重してくれる。私がどうしたいか、それが第一なんだと。
「うん。考えておくね」