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キミに嘘をついた 02
「いってきまーす!」
霧華の滋養療養の為にと話をした結果、森に栄養満点の果物が生っていると情報を得た。それをパプワと二人で採ってくるとロタローが自ら言い出した時には「天変地異の前触れか!?」と口を滑らしてしまったリキッド。
手痛い仕打ちを彼に施した後、笑顔で霧華に手を振ってパプワハウスを後にした。子どもたちの背を見送りながら霧華は微笑んでいる。
「優しい子たちですね」
「……その優しさをホンの少しでいいから俺にも向けてほしい」
嘆き、重い溜息をつくリキッドに「幸せが逃げちゃいますよ」と苦笑い。
出かけ際にも「霧華さんにヘンなことしたら……わかってるよね?」と鋭い眼光を走らせたロタロー。さらにパプワは「念のために釘を刺しておこう」と木槌と釘を取り出す。「リアルなやつはやめて!」と泣き叫ぶ悲鳴。まるで漫才のような掛け合いを目にしたばかりだった。
リキッドはすっと細めた目でどこか遠くを眺めている。
「まあ、日常茶飯事ですから」
「大変ですね。……反抗期、かしら。でも、元気でいいお子さん達じゃないですか」
「……ウチノコジャアリマセン」
「えっ?!」
「自分の子どもだったらあんな風に育てません!っつーかあんなでかい子どもが二人もいるような歳に見られてんすか俺!?」
物凄い剣幕で否定するリキッドに対し、慌てて謝るが彼の興奮は治まりきらない様子。何かの発作を起こしているようにも思えて仕方がない。辛いことを思い出したのか、悲しみが頂点に達しついには涙をダバダバと流し始めた。
「……あんな、あんなDVな子に育てた覚えは……ううっううう」
「ご、ごめんなさい……てっきりそうだと。あ、私お茶淹れますね」
「いや、霧華さんはまだ病み上がりなんだし座っててください。俺が茶淹れるんで」
と、思いきやパッと泣き止んだリキッドはお湯を沸かし、急須を温めてから茶葉を入れ、絶妙な蒸らし時間を経てから卓袱台でお茶を湯呑に注いだ。霧華の目の前で香りの良いお茶が湯気を立てていく。
切り替わりの速さに後れをとっていた霧華は「ありがとう」とひとまずお礼を言った。火傷をしないギリギリの温度。リキッドが淹れたお茶は今までに飲んだ物で一番美味しいと感じていた。
「……にしても、霧華さんも大変な目にあったんすね。船が嵐に巻き込まれるなんて」
「ええ。……天気が良かったのに。海の天候も気まぐれのようです」
「どっか行く途中だったんですか」
「はい。私、あちこち渡り歩いているんです」
「へえ。いいっすねえ。その土地で色々見たり聞いたり、美味いモン食ったりできて、楽しそうじゃないっすか」
霧華の湯呑がことんと静かに音を立てた。湯呑の底には細かい茶葉が沈んでいる。それを覗き込んでいた目はどこか物悲しい色をしていた。
「……霧華さん?大丈夫っすか…やっぱまだ横になってた方が」
「あ、…ううん。大丈夫。…リキッドさんの言う通り、行く先々で色んな人に出会えるんです。ここでも、リキッドさん達に親切にして頂いてるし」
「へへ…なんかそう言われっと照れちまいますよ。ああ、そうだ。そんなに畏まんなくていーっすよ。自分の家だと思ってくつろいでください。……あれ、俺なんかヘンなコト言いました?」
霧華は目を丸くしていた。自分としてはもう少し羽を伸ばしてゆっくりして欲しいと思って言ったのだが。何か彼女の気に障る発言でもしてしまったか。そう心配もしたが、次には霧華がやんわりと微笑んだ。
「ありがとうございます」
「あ、いや……お、俺は別に当然のことを言ったまでで…」
にわか、頬が熱くなる。南国の気温は常に高いが、今日はいつに増して気温が高いのではないか。
いや、きっとそうに違いない。慌てふためく姿を隠そうとリキッドは笑って誤魔化していた。
「いってきまーす!」
霧華の滋養療養の為にと話をした結果、森に栄養満点の果物が生っていると情報を得た。それをパプワと二人で採ってくるとロタローが自ら言い出した時には「天変地異の前触れか!?」と口を滑らしてしまったリキッド。
手痛い仕打ちを彼に施した後、笑顔で霧華に手を振ってパプワハウスを後にした。子どもたちの背を見送りながら霧華は微笑んでいる。
「優しい子たちですね」
「……その優しさをホンの少しでいいから俺にも向けてほしい」
嘆き、重い溜息をつくリキッドに「幸せが逃げちゃいますよ」と苦笑い。
出かけ際にも「霧華さんにヘンなことしたら……わかってるよね?」と鋭い眼光を走らせたロタロー。さらにパプワは「念のために釘を刺しておこう」と木槌と釘を取り出す。「リアルなやつはやめて!」と泣き叫ぶ悲鳴。まるで漫才のような掛け合いを目にしたばかりだった。
リキッドはすっと細めた目でどこか遠くを眺めている。
「まあ、日常茶飯事ですから」
「大変ですね。……反抗期、かしら。でも、元気でいいお子さん達じゃないですか」
「……ウチノコジャアリマセン」
「えっ?!」
「自分の子どもだったらあんな風に育てません!っつーかあんなでかい子どもが二人もいるような歳に見られてんすか俺!?」
物凄い剣幕で否定するリキッドに対し、慌てて謝るが彼の興奮は治まりきらない様子。何かの発作を起こしているようにも思えて仕方がない。辛いことを思い出したのか、悲しみが頂点に達しついには涙をダバダバと流し始めた。
「……あんな、あんなDVな子に育てた覚えは……ううっううう」
「ご、ごめんなさい……てっきりそうだと。あ、私お茶淹れますね」
「いや、霧華さんはまだ病み上がりなんだし座っててください。俺が茶淹れるんで」
と、思いきやパッと泣き止んだリキッドはお湯を沸かし、急須を温めてから茶葉を入れ、絶妙な蒸らし時間を経てから卓袱台でお茶を湯呑に注いだ。霧華の目の前で香りの良いお茶が湯気を立てていく。
切り替わりの速さに後れをとっていた霧華は「ありがとう」とひとまずお礼を言った。火傷をしないギリギリの温度。リキッドが淹れたお茶は今までに飲んだ物で一番美味しいと感じていた。
「……にしても、霧華さんも大変な目にあったんすね。船が嵐に巻き込まれるなんて」
「ええ。……天気が良かったのに。海の天候も気まぐれのようです」
「どっか行く途中だったんですか」
「はい。私、あちこち渡り歩いているんです」
「へえ。いいっすねえ。その土地で色々見たり聞いたり、美味いモン食ったりできて、楽しそうじゃないっすか」
霧華の湯呑がことんと静かに音を立てた。湯呑の底には細かい茶葉が沈んでいる。それを覗き込んでいた目はどこか物悲しい色をしていた。
「……霧華さん?大丈夫っすか…やっぱまだ横になってた方が」
「あ、…ううん。大丈夫。…リキッドさんの言う通り、行く先々で色んな人に出会えるんです。ここでも、リキッドさん達に親切にして頂いてるし」
「へへ…なんかそう言われっと照れちまいますよ。ああ、そうだ。そんなに畏まんなくていーっすよ。自分の家だと思ってくつろいでください。……あれ、俺なんかヘンなコト言いました?」
霧華は目を丸くしていた。自分としてはもう少し羽を伸ばしてゆっくりして欲しいと思って言ったのだが。何か彼女の気に障る発言でもしてしまったか。そう心配もしたが、次には霧華がやんわりと微笑んだ。
「ありがとうございます」
「あ、いや……お、俺は別に当然のことを言ったまでで…」
にわか、頬が熱くなる。南国の気温は常に高いが、今日はいつに増して気温が高いのではないか。
いや、きっとそうに違いない。慌てふためく姿を隠そうとリキッドは笑って誤魔化していた。